決算書の活用法Q&A

    Q1.決算書にはどのようなものがあるのですか?

    Q2.「バランスシート」で何がわかるのですか?

     

    Q3.最近新聞などで「キャッシュフロー経営」というのをききますが?

    Q4.「損益計算書」ではただ単に、会社の利益が計算されているのですか?brbr

     

    Q5.ホントに決算書を有効に活用することで、商売をうまく展開している中小企業の社長さんなんているんですか?

    Q1.決算書にはどのようなものがあるのですか?

    よく整理された「決算書」で未来を向こう!

     今期2兆円の利益を計上すると予想されており、購買・製造・販売・マーケティング・研究開発・人材育成などに関し複雑・巨大な事業運営を展開している世界の「トヨタ自動車」も、わたしたちが応援させていただいている中小企業も決算書の種類は3つで変わらないのです。その3つとは「バランスシート」「キャッシュフロー計算書」「損益計算書」です。

    Q2.「バランスシート」で何がわかるのですか?

     
    「バランスシート」では、その会社が誰からどのようにお金を集めて(会計的には、負債や資本といいます)、こうして集めたお金が現状では、どんな状態に運用されて置かれているのかを知ることができます。ここで運用されている状態というのは、具体的にいうとつぎのようなものが典型的なケースとして考えられます。

    ■預金として銀行に保全されている
    ■商品や工場で作った製品として倉庫に保管されている、
    ■そうした物品がお客さまからの発注にもとづき、販売・引渡しがなされ、たとえば来月お金がいただける状態(売上債権、売掛金などといいます)になっている
    ■今後市場で有力な商品を製造するための設備装置に投資されている(固定資産といいます)
    ■たとえば重要な仕入先に出資している
    (投資有価証券といいます)

    Q3.最近新聞などで「キャッシュフロー経営」というのをききますが?

    いかに金融機関に頼らずに自力で資金を回していくかということも、通常の企業運営では大切な面があります。「キャッシュフロー計算書」をみると、この会社の現金預金(キャッシュ)が増えたのが、または減ったのが、どういう原因によるものだったのかが明瞭に整理されています。
     
      たとえば今期は、過去にみないほどたくさん本業で利益(会計的には、営業キャッシュフローといいます)が出たはずなのに、キャッシュがさして増えないのは、利益から税金を払った後の残りの多くがこれまでの借金の返済に充てられたため(財務活動キャッシュフロー)、だとか、新規に進出した「銀座店」の店舗保証金に使ったため(これは投資活動キャッシュフローといいます)だったとか、そういうことがわかります。

     「キャッシュフロー計算書」は、「損益計算書」ではわからない、また「バランスシート」でもわかりづらい、“資金”のながれを経営者の方々に示しているといえます。会計の複雑ともいえるルールにかかわらず、お金の増減の源泉を明瞭に示しますので、「キャッシュフロー計算書」の改善は、たとえば金融機関からみた場合も、その企業の「信用格付け」をアップするという面もあり、資金調達する場合にも重要です。

    Q4.「損益計算書」ではただ単に、会社の利益が計算されているのですか?

    3種類ある決算書の最後、「損益計算書」
    ここでは商取引の収支を会計的に整理する「損益計算書」を活用すると、具体的にどんなことがわかってくるのかということを、紹介してみたいと思います。
     お客さまが、会社の現状を手に取るように把握しやすくするために、わたしたちは「損益計算書」をつぎの5つに整理をして、お手伝いします。

    (1)売上高
    (2)変動費(売上の多寡に応じて比例的に増減するコスト)
    (3)粗利益(売上−変動費)
     粗利益率とは、あなたの事業、本業がいまもっている「ピュア」な実力! だからあなたのご商売で、「粗利益率」が高くなってきているとしたら・・・   それはお客さまが「あなたの提供する商品やサービス」に対して感じる満足度があがってきた結果として、いわゆる「値が通る経営」ができつつある。 ということなのだと、わたしは受け止めます。そして、そのことをとてもうれしく思うのです!
    (4)固定費(使うことを決断したら、売上の多少にかかわらず定額発生する性質を持つコスト)
    (5)経常利益(粗利益から固定費や借入の利息などを差し引いたもの、会社の実力をはかるバロメータです)

     この整理の仕方を正確にすると、こんなことがわかるようになります。
    ■「粗利益率」(商品・サービスのピュアな実力・収益力)がはっきりと、自信をもって把握できます。
    ■「あと売上を何%あげれば損益をトントンに戻せるか?」見極められます。(Q5.のエッセーで取り上げていますが、これを経営安全率といいます)
    ■「目標利益を達成するにはあといくら売上をあげればよいか?」つかめます。(これも経営安全率の問題です)
    ■時の経過で営業的にあまり意味を持たなくなっていた経費を縮減したら、「経営の安全度」が何ポイントアップするか、わかります。

    Q5.ホントに決算書を有効に活用することで、商売をうまく展開している中小企業の社長さんなんているんですか?

    それでは損益計算書を活用するときに大切で基本的なポイントを、なるべく専門用語を使わずに体験していただきましょう。

    そろそろ、わたしの隠し玉、東京の町田でシューズショップを前向きに経営しているマケル・ジョーダンを紹介しましょうか?。

     

    ちょっとアブナイ奴ですけど、いいですね?

    それでは、 Here we go! Come on baby!!

     


    経営安全率(売上があと何%落ちると損益がトントンになるか?)

     JR横浜線と小田急線が交差する町田駅前は最近、「東京の西の歌舞伎町」とも称されるほどの賑わいをみせています。若い男女を中心に、深夜まで人だかりが絶えません。ちいさなお店が軒を連ねる、昔懐かしいレトロな雰囲気のマーケット「仲見世商店街」の一角に、一年前からバスケットシューズの専門ショップが営業をしています。このショップの経営者はマケル・ジョーダン、豊富な品揃えとアメリカでの流行にやたら詳しいこと、また顔見知りになると、こころよく「マケル」ということで、最近はたいそうな繁盛ぶりをみせています。さて、2006年7月のマケル・ジョーダンの月次収支は次のとおりでした。

    売上高5.000千円100% 
    仕入れ高3.500千円70%(変動費ともいう。売上の増減に応じ比例的に増減する性質を持つ)
    差引粗利益1.500千円30% 
    経費1.000千円20%(固定経費ともいう。使うことを決めたら売上の有る無しにかかわらず定額発生する性質を持つ)
    差引税前利益500千円10%

     日本人にしてはひげが濃い印象の、あのなぞの男が書き残していった不思議な計算式のメモ

    税前利益 ÷ 粗利益 = 経営安全率(売上があと何%落ちると損益がトントンになるか?)

     いつも気になっていたので、自分の会社の7月の決算を当てはめて、今日初めて計算してみた。

    500千円(差引税前利益)÷1.500千円=33%(売上があと33%落ちると損益がトントンに(利益がなく)なる!)

    本当だろうか?売上が今の70%以下になってもまだ利益が出るなんて・・・ うちの会社は超余裕じゃないか?

    売上5.000千円x (1-33%)=3.333千円-仕入(売上の70%)2.333千円-経費1.000千円= 税引前利益0千円

      ワッ、ホントだ! 今の売上が3割以上落ち込むなんてありえないし、頑張ってるんだから、そんな想像はばかげている。急に頭のなかで崇拝する吉川晃司の昔のヒット曲「ナイフ」がガンガンこだましてきた。
     太陽だって盗みなさい
     可愛い花なら奪いましょう
     
     こんなもんかなんて決めちゃったら
     きっとそんなもんなんだ未来は
     舌の先から 世界の果てまで

     何となく 遠い空 見上げてた
     
     ひとりだと気づいても
     ただの夢にするなよUNDERSTAND?
      UNDERSTAND?

     完全無欠 俺はナイフCAN DO!


    《原曲よりごく一部分を抜粋させていただきました》



     もう自分の欲をいっさい抑制できないような、今まで経験したことのない高揚した気持ちだった。ここから少し離れた町田駅前の一等地、「東急デパート」の向かいに出ていた「テナント募集」、あの人通りの多い広いスペースへ、絶対店を引っ越すんだ!住む家も町田近くの高級住宅街、王禅寺に引っ越して気持ちを変えなきゃ。今までがんばってきた俺へのご褒美として、キャディラックもゲットだ! 熱い思いをたぎらせつつも、ジョーダンはこうした影響が会社の支出面にどう影響するか、書き出さずにはいられなかった。ショップを出してからの、お金の苦労、人使いの苦労、そうした逆境がむしろジョーダンに人間的な幅を与えつつあるのでしょうか?


    毎 月 の 経 費 の 内 訳

    ジョーダン 経費の増大に恐怖する  


     JR町田駅前の一等地、「東急デパート」向かいの「テナント募集」、片側3車線の街路に面した、あの人通りも格段に多く、広いスペースへの移転開業を決めたマケル・ジョーダンは今、落ち着いて思案していた。店舗家賃の増加やキャディラックのリースなどによって、合計2.250千円まで膨らんだ経費のことだ。ありえない話であったが、もしあたらしいショップでの売上が今と変わらない水準だとしたら、どれぐらいの赤字がでてしまうのか? そこでつい最近の7月の実績を使って、横に並べて比較してみることにした。

      現状
    (仲見世商店街)
    新計画
    (東急デパート前)
     
    店舗家賃 100千円 600千円 好立地に店舗を2倍増床
    ジョーダン給与 400千円 700千円 マンション賃借料と社会保険アップ
    アルバイト給与 300千円 500千円 アルバイトを2名増やす
    キャディラック・リース料 0千円 150千円 アメリカンな俺さまを演出
    その他の経費
     H18/7移転後前回の復習
    売上高5.000千円100%5.000 千円100% 
    仕入れ高3.500千円70%3.500千円70%変動費,売上の増減に応じ比例的に増減
    粗利益1.500千円30%1.500千円30% 
    経費1.000千円20%2.250千円45%固定費、売上の多寡によらずいつも負担
    税前利益(損失)500千円10%△750千円△15% 

    経営安全率で目標設定してみる     



           「ひと月に750千円も、足が出るんだ!そうなったら、もちろん大変だ。が、しかし・・・ 」ジョーダンはふたたび、あのひげの濃い、なぞの男が書き残していった不思議な計算式のメモをテーブルの上に置いてみた。 

    税前利益 ÷ 粗利益 = 経営安全率(売上があと何%落ちると損益がトントンになるか?)

    「今回は、プラスじゃなくて750千円の赤字。この数字をメモの先頭の「税前利益」のところに当てはめたら、何かわかるだろうか?」、お気に入りのインディゴブルーのペンをとって包装紙の裏で計算してみた。?)

    750千円(税前損失)÷1.500千円=50%(売上をあと50%あげれば損益はトントンに(赤字がなく)なる!)

    本当か?ジョーダンは続けて検算してみる。

    売上5.000千円x (1+50%)=7.500千円-仕入(売上の70%)5.250千円-経費2.250千円= 税引前利益0千円

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