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★所長 コラム★
所長のコラムを紹介します。下は、夏期大学にて飯塚会長と一緒に撮った写真です。

慌てることはない、じっくり取り組んでください。 〜飯塚毅先生を偲んで
昭和60年にTKCに入会し、20年も経過しましたが、幸い飯塚毅先生の迫力あるご講演を数回聞く機会がありました。夏期大学や別府の第一回TKC全国役員大会で我々大分支部会員とテーブルを囲んでの座談のひとときの思い出は昨日のことのように鮮明に残っています。
近寄りがたく遠い存在のように見えましたが、気さくにしかも温和に「皆さん慌てることはない。じっくり取り組んでください」とおっしゃったのが印象的でした。
税の専門家としてやるべきことが明確になったのはTKC入会から5年を経た頃でした。旧体制を改善できない自分に気付き、徹底した事務所改革を行わないとTKCシステムが使えないと思い飯塚先生の著書を読み漁りました。そのころ飯塚事件のことも知り、『激流に遡る』(TKC出版)を手にしたときなぜか体が震えて涙がとまらず、夜通し泣き明かし一冊を読み上げてしまいました。思い出すと今でも胸が熱くなります。「今まで自分は何をしていたんだ」という後悔の念とともに、様々な恐怖心を払拭できる生き方を飯塚先生に教えられて、光明が差す思いがいたしました。
それから私なりの修行が始まり、先達の先生方のお話を聞くために県内外の会員先生を訪ねました。確信を得られるまでにそう時間はかかりませんでした。
開業して25年経ちましたが、お陰で全国のすばらしい人との出逢いが私の人生を大きく変えました。飯塚毅先生の難解な著書である『会計人の原点』(TKC出版)を読む「原点の会」が全国各地で結成され、高橋宗寛和尚さまが基本理念の解釈に奔走されています。その熱意は飯塚毅先生の熱意そのものです。荒廃した現代社会に希に見る修練の場として、奥深い信念と高潔な思想による原点の会に参加することで、私は日頃の心の垢を取り去る命の洗濯をさせていただいています。「発心正しからざれば万業も空し」ということを学ばせていただいております。
日本の会計人は諸外国と比べ厳格さを欠いた税制と、脱税を期待しがちな納税者との間に立って二立背反の場に立たされ、苦悩している。これを解決した巡回監査による全部監査は企業の会計指導にあたる上での社会的貢献ははかりしれなく、私自身の改革にも大きく役立ちました。また、我が国税法の欠陥をTKC草創期永年にわたり果敢に訴えてこられた飯塚先生の先見性により、平成14年に税理士法改正(第33条の2の書面添付の拡充で出廷陳述権の付与)に、コンピューター会計法(電子帳簿保存法)など多くの法律が整備されました。
この業界に飯塚毅先生がおられなかったら日本の税制と我々の人生はどうなっていたのか。飯塚先生の功績は計りしれません。勇気と希望を与えて下さった先生は悔いのない生涯を終えられました。きっと我々の行動を見守って下さるでしょう。そして永遠に我々の心に生き続け、後世に語り継がれることでしょう。
九州会夏期大学での最後のご講演となったお話の締めくくりに、声をつまらせ涙して話された九條武子夫人の 「見ずや君 明日は散りなむ 花だにも 力のかぎりひとときを咲く」 の歌は今なお私の胸に深く刻まれております。
飯塚先生のご冥福を心からお祈り申し上げます。
衛藤 龍夫
平成17年7月8日
飯塚毅先生追悼集 自利トハ利他ヲイフ
株式会社TKC出版 へ寄稿。
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