事務所の出来事
平成17年12月(第36号)事務所の出来事
いつも大変お世話様になりありがとうございます。 今年も残すところほんのわずかになりました。みなさんにとって、どんな年でしたでしょうか。 この冬は、20年ぶりの『寒冬』になりそうです。気象庁が、来年2月までの気候について『平均気温は全国的に低くなる可能性が最も高い』と発表しました。9月には暖冬の予報を出しましたが、12月に入って低温が続いたため修正しました。そんなわけで年越しは、寒さとの戦いのようですが、来年私たちの身の回りの景気はどのようになっていくのでしょうか。 私の家では、『小学生新聞』を毎朝読んでいます。小学生にも解りやすく、とてもためになる新聞です。先日の記事のなかに『景気について』の記事が載っていました。
景気のよしあしで何が解るか
最近のニュースなどでは、『景気が良くなってきた』といっています。景気がいいというのは響きも良いですが、どういうことなのでしょうか。世の中にはいろいろな仕事がある。ものを作って売る。買ってきたものを売る。家を建てる。工場や倉庫をつくる。外国と貿易をする。会社や工場で働く。こうした活動が盛んなときが景気が良い状態です。景気は、内閣府の景気統計担当が29ものデータを毎月チェックして、良くなりつつあるか、悪くなりつつあるか、探っています。ものをつくる機械の注文がどのくらいあったかや、新しい家がどのくらい建ったか、工場や会社がどのくらい電気を使ったか、スーパーやデパートでどのくらいのものが売れたか、会社が国にどのくらい税金を納めたか、働く人をどれくらい募集しているか、などの数字が対象です。それによると、日本の景気は2002年1月を境に、その翌月から47ヶ月間、ゆるやかですが、良くなり続けています。しかし、そんな前から良かったとは思えません。実際、ものづくりや商売をしている人の感じ方や判断の方が、景気がいまどうなっているかを上手に示すのではないかと考えます。そこで、日本銀行や新聞社などは定期的に、会社の社長にアンケートを行っています。それによると、景気が良くなっているとはっきり会社の人に実感されてきたのは、2004年ごろからといわれています。 それでは、なぜ良くなったのでしょうか。きっかけは、中国の急成長、アメリカの好景気で日本の鉄鋼や自動車、電気製品が良く売れています。関連する会社の多いこれらの産業が好調なので、景気全体が良くなっています。
ものが売れる→いそがしくなる→給料が上がる→ものを買う→ものが売れる、というつながりで景気が良くなることが解ります。このままずっと景気が上向きになることはありません。必ず良くなったり悪くなったり『景気循環』があります。業績が伸びないことを景気のせいにしてほしくはありませんが、来年は消費が伸び、企業の努力が実を結び、景気の良さを実感できる年であってほしいと願います。
本年はありがとうございます。来年も宜しくお願い致します。
平成17年11月(第35号)新会社法
いつも大変お世話様になりありがとうございます。いよいよ来年、新会社法の施行(平成18年5月施行予定)により商法改正が行われます。現在の株式会社、有限会社、あるいは個人事業者の方は今後沢山の選択肢があります。沢山の選択肢があるということは、その内容を把握していないと、良い選択が出来ません。せっかく皆さんの夢の実現ですから、『使いやすく皆さんに合った会社』にしたいものですね。新会社法の具体的な内容は個別にお問い合わせ頂くとして、今後どうなっていくのか考えてみます。
現在の会社は
有限会社は、株式会社になっても良いし特例有限会社としてそのまま存続しても良くなります。現在の有限会社は使い勝手が良かったと感じています。資本金は300万円で良かったですし、取締役も1人で監査役を置く必要もなかった。役員の任期も無く一度決めたら登記も要らなかった。対外的にこれまで有限会社として不都合がなかったのであればあえて株式会社に変えることはないのではないかと考えます。特例有限会社でそのまま存続することは現在と同じで良いということです。設立面から言うと有限会社は来年5月以降設立することが出来ません。 株式会社は、現在9割以上は株式譲渡制限会社です。本当は社長が一人で、役員は名前だけ借りているというような会社の場合、取締役は最低一人で良くなるので、株式譲渡制限会社を活用すると良いと考えます。また、任期は10年で良いので、社長一人で経営をしている会社は取締役会も置く必要はあまりないと思いますので、実質的にはかなりの会社が譲渡制限会社を活用すると思います。監査役の設置も自由です。株式会社であっても株式譲渡制限会社は、有限会社にとても近い形になっています。
これからの対応は
今まで資本金の大小で大きい会社か小さい会社か判断していた感がありました。しかし、資本金の規制が撤廃されるとあまり資本金は関係なくなります。資本金の大きい会社は、過去に資金調達する力があったということです。重要なのは今の自己資本、つまり貸借対照表の資本の部の合計で実態を見ることになります。過去にいくら資金を調達していても、それを上回るくらいの赤字が累積してしまったら何の意味もなくなります。 会社の信用は、商法が改正されても貸借対照表の自己資本です。自己資本を見て自己資本比率が高ければ、つぶれる確率は低いということです。今まで、お客様でも取引先の決算書を見てチェックすることは少なかったのですが、全ての会社が株式会社になるわけですから、新たに資本金1円の会社と取引をしようとする時、決算書の中身を見ないと到底判断できなくなります。決算書の中身をよく見なくてはならないという動きは、中小企業でもこれからかなりでてくると考えます。
平成17年10月(第34号)人格を否定するような注意の仕方は、絶対厳禁
いつも大変お世話様になりありがとうございます。 『ドラゴン桜』がとても流行っているようです。私は最近知りましたが、原作が漫画で、ドラマ化もされています。おちこぼれの生徒が、たった1年で東大を目指すという内容で、その一風変わった勉強方法が、世間の親たちの関心を呼んでいるそうです。その『ドラゴン桜』も推奨している子育ての本『親力(おやりょく)』で決まる!親野智可等・著 宝島社 は、子供を伸ばすために親にできることを書いてあるのですが、考え方や発想は日々仕事を行う上で学ぶところが沢山あります。この本の中で特に参考になったところを記します。
子供を注意するときに、絶対してはいけないことがあります。それは、その子の人格を否定するような言い方で注意をすることです。例えば、夕方5時には家に帰ってくるという約束を守らなかった子に注意する場合を考えてみます、次のような言い方が考えられます。 - 5時の鐘が鳴ったらすぐに帰ってくれば安全だし、お母さんも安心よ。
- 5時の鐘が鳴ったら必ず帰ってきなさい。約束を守りなさい。
- 5時の鐘が鳴ったら帰ってくる約束を守れないの?そんなことも守れないの?
- 5時の鐘が鳴ったら帰ってくる約束を守れないの?あなたはずるい子です。
1.は、プラスイメージの言い方です。 2.は、単純な命令形の言い方です。 3.は、マイナスイメージの言い方です。 4.は、その子の人格を否定する言い方です。
以上が、本からの抜粋ですが、本では、4.の言い方は人格を丸ごと否定する言い方であり、こういう言い方を1回でもされれば、人は相手に不信感を持つようになり、こういう言い方をされた人は、必ず相手に反発する。子供はたとえ言われた言葉は忘れても、そのとき感じた寒々とした気持ちや不信感、憎しみの感情は尾を引きます。と書いています。 自分に置きかえて考えてみる必要がありそうです。自分の子供だからといって、あるいは親子だから少しくらい大丈夫と思っていないだろうか。子供の方が大人より傷つきやすいはずです。親子の力関係から自分の気持ちが表現出来ない時もあるはずです。お互いの気持ちを大切にしないと親子であってもよい関係を築くことは出来ません。 会社経営に置きかえてみて考えるとどうでしょうか。日々の仕事で接するお客様・従業員・業務を提携している方々に対して1.の言い方が出来て初めて相手が、素直に胸に納めてくれると思います。子供は親の教育力つまり『親力』で決まるそうです。会社経営にも『親力』にヒントがあるかもしれません。
平成17年9月(第33号)税務調査の現場では
いつも大変お世話様になりありがとうございます。 お彼岸も過ぎめっきり涼しくなり、小学校では運動会が行われました。自分の頃と変わらない騎馬戦や組体操は見ていて気持ちの良い場面でした。小学生の体格は良くなっているのですが、全体的に肥満気味の生徒が目立ったことは残念でした。普段遊ぶ場所も少なくなっていますが、なんでも良いので是非体を動かしてほしいですね。今月は3つの企業の税務調査に立ち会いましたので感想を記します。
- 2日間の訪問
今回は3社の税務調査に立ち会いましたが、いずれも一人の調査官が2日間訪れました。以前は大体二人で訪問して来ていたのですが、最近は一人が多くなった感じがします。聞くと毎週訪問先が決まっていて一人で処理をしなくてはならないので大変だとのことでした。2日間でおよそ3年分の調査をしますから、事業内容の把握や帳簿の確認は専門職とはいえ大変な職業です。2日間ですから全ての帳簿の確認は出来ないので、社長や経理担当者との軽い雑談の中で、調査のヒントを見つけているのだと感じます。会社の組織のことや入出金の流れなど。最近は事前に企業のホームページを確認してきているようです。調査官も一人一台パソコン所有の体制になっています。また、書類を大量にコピーしていきます。ある調査官はコピー機持参で訪れました。企業に費用負担や仕事の支障にならないよう通達が出ているようです。コピーの事に触れると非違事項ではないが、調査報告書の作成のためにコピーしているとの回答でした。
- 調査どころ
企業に毎月訪問していると、月次決算をしますから、月次の段階で書類整理や経理処理について問題が無いか現場で内容を確認し監査しています。従って、大きな非違事項はありません。そのことを話すと調査するところが大体決まってきます。『期ズレ』と調査官は話していましたが、いわゆる決算日と翌期をまたぐ取引についての調査です。言い換えれば、在庫や仕掛かりの確認です。税務も費用と収益の対応を大原則としていますから、翌期に売上が上がっているものに係る原価(経費)は、棚卸に計上されているか。仕掛かりに計上されているものでも当期に仕事が終わっているので売上の計上が洩れているのではないか、などです。決算月の支払の請求書や翌期の売上の請求書を徹底的に確認します。企業活動は1年で終わるわけではないのですが、どこかで区切らなければならないのでこのような事が起こります。しかし、ルールですから売上の計上時期や基準は毎期継続して行わないとなりません。
- 結び
税務調査は時間も奪われ、気分的にも疲れます。毎年税務調査に悩まされていては経営にも支障が出ます。調査が省略される不正のない経理は企業を成長させると信じています。
平成17年8月(第32号)動機付け
いつも大変お世話様になりありがとうございます。 暑い夏も終わろうとしています。残暑もあと少しだと思いますが、夏の疲れが出てくる頃です。体調管理にはより一層気を遣いたいものです。事務所の近くには小学校があるので、外の風景も学校が始まると、子供達の登下校風景がまた戻って来ます。今月あるセミナーに参加して聞いてきたことを記します。
- 社員への動機付け
- 社員は、なぜあなたの会社に就職したのか
- 社員は、なぜあなたの会社に留まるのか
- 社員は、あなたの会社の何に満足しているのか
社員は、あなたの会社に就職しどう感じているのか。社員に職業的な満足を与え続け、お客様の夢の実現や利益の追求の手助けをし、利益を蓄積し分け合う仕組みが会社の根幹となる。
- お客様への動機付け
- お客様は、何故あなたの会社に依頼したのか
- お客様は、何故あなたの会社に留まるのか
- お客様は、あなたの会社の何に満足しているのか
お客様が、あなたを選びあなたと契約を継続する理由を知らなければ、あなたは今のお客様を留めておくことはできない。
- 利益への動機付け
- 社員は、会社情報の何を知りたがっているのか
- 社員は、不当に利益を取られてはいないか
- 社員は、利益への動機付けに何を根源にしているのか
社員にも会社の情報を公開していくこと。社員の獲得した利益はどの様に使われどこに貢献しているのかを知らせることで目標利益を得ることができる。
先日参加したセミナー内容の一部分です。中小企業の経営や会計事務所の経営で一度考えてみる必要がある事柄です。飲食店に行くとテーブルにアンケートが置いてありますね。様々な業種で顧客満足度調査を行っています。社員満足や顧客満足は大変重要なテーマです。普段思っていてもなかなか考えたことのないテーマだろうと思います。
平成17年7月(第31号)自分に置きかえて初めてわかること
いつも大変お世話様になりありがとうございます。 7月後半関東地方では、大きな地震がありその後台風が通過しました。地震直後は、とうとう関東地方にも巨大地震がやってきてしまった、と思いました。いつ巨大地震がやってくるかわかりません。準備は何事においても大事です。改めて痛感した今回の地震や台風でした。さて、おかげ様で事務所を移転しひと月が経とうとしています。感じたこと思ったことを記します。
1.事務所の建築
この度、事務所を借りていたマンションから移転し、新たに事務所を建築し所有することになりました。土地の購入から始まり事務所建築までの費用は、金融機関からの借入金にて調達しました。税理士は、大きな借入をすることなく開業できる職業です。しかし、お客様は中小企業であり、中小企業は設備資金や運転資金の調達は金融機関に頼っています。資金調達の相談は、真っ先に税理士に相談してきます。税理士は、お客様から借入の相談は受けるが、実際に自分で借入をしたことがあまりないのです。事業で自分が借入をして感じることは、『簡単には金融機関は貸してくれない』ということです。それは、担保であったり、保証人であったり、事業の安定性や将来性であったり様々な要素を金融機関は見ているということです。さらに、借入は精神的に縛られるということです。この借入をしたら返済が出来るのか考えるのですが、今の家賃がいくらで、この家賃が無くなればいくら返済に回せるのか。利益をこれだけ出さないと返済できないなど今まで考えたことがなかったことを常に考えなければなりません。中小企業の経営者の方々は、こんな悩みをいつも抱えているのかと思うとご苦労が身にしみて分かります。
2.職員の増員
事業は、一人では出来ません。私は税理士事務所も一人ではやりたくないと開業当初から思っていました。一人の力には限りがあるため、一人ではお客様と約束したことが守れなくなると思うからです。一人では、体も心も辛くなります。それを打開するには、職員を増やして、職員と一緒になってお客様を守る体制を作らなくてはなりません。借入をして思ったことと同じで、会社の体制についても中小企業の経営者の方々は、やはり私と同じ考えを持って経営をしているのだと思います。税理士は人事面でもお客様から相談を受けることがあります。税理士は、人の問題についての相談は受けるが、実際に自分で従業員を採用して育てることには慣れていないのです。採用しては辞められてしまい、また採用する。職員が定着しない。良く聞く話です。人を採用し、職員と一緒に仕事をして初めてお客様のご苦労が分かります。部下を定着させ育てられる中小企業の経営者の方々は素晴らしいと思います。これが出来る企業は成長出来る企業です。お客様を訪問して教えられることは沢山あります。
お客様は、相手の立場になって話しを聞いてくれる税理士を求めているのだと思います。そのためには、しっかり話しが聞ける様にならなくてはなりません。少しでも相手の立場を自分に置きかえて話しが聞けるようになることは大事なことだと思います。
平成17年6月(第30号)社長貸付金
いつも大変お世話様になりありがとうございます。 梅雨入りはしたものの、連日真夏の様な暑さが続いています。カラ梅雨の気配ですが気が付けば今年も半分終わろうとしています。 サッカーもワールドカップ出場を決め、以前はワールドカップに出場出来ることが大きな話題となっていましたが、今では出場が当たり前のような感じで試合を見ていたのではないでしょうか。
出場して当たり前。出来て当たり前。慣れは恐ろしいことです。慣れたものほど細心の注意を払い、良い習慣を身につけ何事にも取り組みたいものです。今回は、社長も気づいていない社長貸付金勘定について考えてみます。
社長貸付金1. 社長貸付金の意味
決算書の資産の部に、社長貸付金勘定が計上されている法人を見かけます。社長に聞いても『借りた覚えがない』『この勘定科目はなんだろう』という回答。資産として計上されているということは、回収し現金化されるものを意味します。しかし、いつまでたっても消えないで残ってしまう。実態がない資産ということになります。
社長貸付金が発生する最大の原因は、会社の現金勘定が合っていないことです。現金残高を合わせて毎日帳簿を作成していれば、誰に貸したのかどうかが分かります。帳簿を作成する段階で、領収書が無い支払が出ている。給与以外に通帳から引き出しているが内容が分からない。分からないから社長貸付金にしてしまう。あるいは、現金勘定に残してしまう。実際ないにもかかわらず、現金勘定が何百万円も帳簿上ある。
やはり、帳簿を毎日つけ現金勘定を合わせていればこのような事はなくなります。その時でないと何に使ったのか忘れてしまいます。
2. 社長貸付金をどの様に消していくか
決算書に計上されてしまった社長貸付金を消していくには、まずは実体に合わせることから始めなくてはなりません。現金勘定を会社の現在の現金残高に合わせます。実際ある現金残高と帳簿上の残高との差額を、社長貸付金勘定に振替えます。その社長貸付金を社長個人の資産から入金できるかどうか検討します。全額でなくても入金が出来るのであれば、入金してもらい社長貸付金の返済として処理してもらう。
これが出来るのであれば会社の資金繰りにもつながるので一番良いでしょう。しかし、その後はしっかり現金を管理すること。そうでないとまた合わない金額が社長貸付金に振替えられてしまいます。
また、社長個人の資産から入金できない場合は、社長の役員報酬を増額し毎月決めた金額を役員報酬と社長貸付金を相殺して消していく。しかし、この場合は、相殺させる貸付金部分は社長の手元に入らないが所得税が掛かります。所得税を払って貸付金を消していかなくてはなりません。 さらに、役員報酬を増額しますから、その分会社の経費が増えるため今まで以上に会社は利益を出さなければ黒字決算を組むことが出来ません。
多額の社長貸付金があり、結果的に貸借対照表が債務超過でなかったとしても正常な貸借対照表とはいえません。そのためには、正確な帳簿を作成し毎月内容をチェックしましょう。
平成17年5月(第29号)『ヒト』の問題を考える
いつも大変お世話様になりありがとうございます。
5月は前半大型連休があり、お客様は稼働日数が少ない中、業務をこなす為に大変ご苦労されたことと思います。巡回監査でお客様に訪問していると、『5月は連休があったからね』と5月の売上が毎年下がってしまうお客様もあります。季節柄一番仕事がやりやすい時期だと思いますが、うっとうしい梅雨に入る前に、気持ちをリフレッシュして日々の業務に励みたいと思います。私の事務所ではこの度従業員が入れ替わります。今回は、『ヒト』の問題について考えてみます。
1. 従業員は何人必要か
『人が定着しない』『自分がもう1人いたら良いのに』数社の社長からよく聞かれる話です。会計事務所でも例外ではありませんが、通常自分1人で始め、仕事が増えてくると従業員を1人・2人と増やして行きます。おそらく計画せずに補充を繰り返し、ある程度仕事を覚えてくれたと思ったら辞めていく、また補充して教えていく。この繰り返しだと思います。 社長1人で従業員を見ることが出来る人数はどの位でしょうか?先月書いた私が監督をしている少年野球チーム。5月に新入部員が入り合計20名です。20名を1人で面倒を見るのは出来ません。コーチがあと最低2名は必要です。 会社も団体スポーツと考えてみたらいかがでしょうか。バレーボールは6人、野球は9人、サッカーが11人です。一番多いラグビーでも15人。会社を団体スポーツに置きかえてみると15人が限界ではないでしょうか。それ以上になると社長の分身を育てなくてはならない。
2. 全員が参加しているか
従業員に社長の思いを伝えるのは、難題です。自分は社長を超えることが出来ない、この人についていけば大丈夫と従業員に思わせないとならない。そうならなければ、従業員の定着は難しくなってしまうと私は思います。自分で思っていてもそう簡単ではありません。実際私も出来ていませんが、その為には、毎日繰り返し繰り返し話すことです。従業員全員が、会社経営に参加をしているということを。経営者は、その話をしたら成果を必ず分配出来る仕組みをつくるということが大事だと思います。
全員参加の経営は、今から、従業員1人の時から始める。増えてからではなく今から始めないと、増えた時からではまたその人数を機能させるという問題が発生するため今のうちから仕組みを作って行くのが良いと思うからです。従業員を増やすということは会社の仕組みを作ることだと思います。
人の問題。経営者の皆さんが苦労している問題です。経営に必要な『カネ』『モノ』は、思想をもていませんが、『ヒト』はそれぞれ育って来た環境や価値観や考え方がそれぞれ全く違います。その『ヒト』を機能させ経営をしていかなくてはならない。経営者の仕事のなかで一番難しい仕事です。
平成17年4月(第28号) 少年野球指導
いつも大変お世話様になりありがとうございます。 4月は寒い日と暑い日がありましたので、体調管理が大変だったと思います。 今年も少年野球低学年チーム(小学1年生から4年生)の監督を引き受けることになりました。 冬場も欠かさず練習をし、5月には大会があります。少年野球を教えていると自分も勉強になります。
1. 5人からのスタート
昨年の4年生が進級し、今年の正月から新低学年チームがスタートしました。 しかし、新4年生が3名、新3年生が1名、新2年生が1名の計5名しかいません。野球は9名揃わないと試合にはなりません。大会にも、11名登録しないと大会には参加はできません。
まずは、人集めです。 事務所でセミナーを開催する時も人集めには苦労します。声のかけ方、宣伝の仕方、案内状の内容を考える。どれも知恵がいるのです。セミナーに来たいと思うような案内をすることです。 しかし、少年野球の部員集めは本人だけではありません。親も巻き込まなくてはならない。子供は入りたいが、親が団の手伝いが出来ない。親は入団させたいが、子供が嫌だ。この繰り返しです。
時代は変わりました。こちらからお願いして入部してもらう。そんなおかしなことがあるのでしょうか。野球がやりたければ入る。これが本来だと思います。
そこで、考えました。私のチームは、複数の小学校の生徒が入団しています。今練習をしている小学校と別の小学校で練習出来るように交渉しよう。友達の多い子供を1人なんとか入団させよう。
2. 解る様に教える
その活動の効果が少しずつ出てきて、急に入団申込みが増えました。 現在では18名。今度は練習をするのにも指導者が足りないくらいです。
しかし、問題もありました。野球をキャッチボールから教えなくてはならないのです。今の子供達は、キャッチボールをして遊んでいないので出来ないのです。また、野球中継も見ていないのでルールも知りません。 入団者が増えたのは良いが、最初から何から何まで教えなくてはならなくなりました。
あるラジオで、『人間(大人)は70%が水で出来ている。しかし、子供は、90%が水で出来ている。一生懸命話しをしても水に話しかけているのと同じです。』と聞きました。 正にその通り。話しをしても聞いていません。聞こえないのです。さらに、聞いていても忘れるのです。 普段税務会計のお話しをお客様とするときに、専門用語を使うと、自分は解っていても相手方は解りません。かみ砕いて解り易く話す。相手が本当に解っているのか確認しながらお話します。 子供達には、さらにかみ砕いて何回も何回も同じ事を繰り返し話す。こちらも、根気が増します。
少年野球指導を通して、色々なことが解ります。指導すること、教えることは仕事でも同じです。相手が解ってくれた時はたまらなくうれしいです。素直に聞く子供は上達も早いです。大人の勉強でもそうですね。
平成17年3月(第27号) 電子申告
いつも大変お世話様になりありがとうございます。
早いもので、今年も4分の1が終わろうとしています。寒い日が続いていてなかなか春を実感できませんが、選抜高校野球、プロ野球、Jリーグが開幕し、自分でも体を動かしたくなる、そんな季節に入ろうとしています。
会計事務所は、暮れから3月に掛けては書類作成に追われる時期です。年末調整、支払調書合計表・償却資産申告の提出、所得税の確定申告と一気に過ぎていく感が毎年あります。これらが終わると暖かい春となるのです。毎年この繰り返しです。
しかし、時代はペーパーレスへと確実に変化しています。このような仕事は将来無くなるかもしれない。既存の仕事がこの先も有るとは限らないのです。時代にあった仕事をして行かなければならない。
そんな中、大変遅まきながら自分の確定申告を電子申告で行ってみました。
1. 電子と郵送の2本建て
電子申告と言っても、全ての紙が無くなるわけはありません。現在は、おおむね申告書や決算書のみ電子申告になります。
電子申告を行った後、源泉徴収票や医療費の領収書など、今まで申告書に添付していた書類は別途郵送しなくてはなりません。
添付書類の郵送には、申告書等送信票(兼送付書)を表紙にして、電子で申告したもの、郵送等のものを書類別にチェックをつけて提出します。
この申告書等送信票(兼送付書)に利用者識別番号と電子申告受付番号が記載されているので、税務署は電子申告をした申告書と郵送書類とを付け合わせるものと思います。
2. 押印・収受印はない
今までは、確定申告書を作成し自署(印刷もある)と押印をしました。作成した申告書にお客様から押印して頂くのが申告書作成完了の行事でした。
しかし、電子申告は、印鑑も朱肉もなくなります。電子署名になるのです。また、電子申告をすると税務署の収受印がなくなります。
従来、ローンを借りる時など銀行に、税務署の収受印のある申告書が証明になるので提出を求められていたと思いますが、これがなくなります。
電子申告は、ペーパーレスなので、電子申告のメッセージが「送信されたデータを受け付けました」と即座にメール詳細として届きます。 そこに、提出先・利用者識別番号・氏名・受付番号・受付日時・年分・種目(所得税など)・納める税金(還付される税金)が表示されているのです。
これを印刷しておき、このメール詳細が従来の収受印代わりになるのでしょう。
電子の波はさけることが出来ません。現在は不便さもありますが、時代に乗り遅れないようにしなくてはなりません。
しかし、納税者番号制度がプライバシー権の侵害と叫ばれて導入されていませんが、納税者の番号の管理が電子申告によってますます進み、もう国税庁は納税者番号制度をとっくに行っているのではないか。送られてきた申告書にいくつかの番号や記号が書いてあるのはその表れだと思います。
平成17年2月(第26号) 来年は大きく変わります
いつも大変お世話様になりありがとうございます。
今年も所得税の確定申告が始まりました。 例年通り、私の所属している税理士会上尾支部でも税務援助の一環として、確定申告書作成のお手伝いに行きます。
この確定申告期間で、税理士一人最低4日間、県税事務所・商工会議所・地元の公民館などに割当られます。還付申告は、医療費控除・住宅ローン控除・中途退職者・年金受給者などです。
私が楽しみにしているのは、商工会で行われる個人事業者の方達の申告相談です。申告相談をしていると個人事業者の方々の日々の悩みや現状を聞くことが出来、とても勉強になります。昔から事業をやっている方で、この商工会の申告相談に毎年来ている相談者はとても多いのです。
コンピュータが普及して便利になりましたが、まだまだ手書きで申告書を作成している方は相当数います。
1.消費税で申告が大変に
平成17年から消費税を納めることとなる個人事業者の方が、来年の今頃は続出しているはずです。
売上規模が1000万円を超えてくる事業者は、申告も大変ですが、納税資金を捻出するのが一番の問題になるでしょう。 まず、帳簿をしっかりつけていないと消費税の計算も出来ませんし、消費税申告の届け出いかんによっては、納税額が変わってしまいます。 届け出や申告が遅れ、また納税が出来ないとなると消費税が経営を圧迫しかねません。
来年は、消費税申告相談者専用の相談所を設けないと対処できないのではないかと心配です。
2.老人は税金を納める人に変わる
還付申告に訪れる人で多いのが、年金受給者の方々です。
現代は、老人と呼ぶのがふさわしいのかどうかは別として、65歳以上の方は、「50万円の老年者控除」と「公的年金控除の最低保証額が 140万円」がありました。従って、申告に訪れるたいていの老人は、税金を納めなくて良かった。
しかし、今年からは「50万円の老年者控除」は廃止され、「公的年金控除の最低保障額が 120万円」になります。一気に今年からは、老人は税金を納めない人から納める人に変わります。
今回の確定申告では、配偶者控除と配偶者特別控除をダブルで引くことが出来なくなりました。専業主婦世帯とパート主婦世帯の差がなくなったということで、専業主婦世帯が増税になりました。
しかし、気が付いていない方も多いのではないでしょうか。 職場で年末調整をされてしまえば自分がいくら所得税を支払っているのか解らない。是非、給料や年金の源泉徴収票の源泉徴収税額の欄を見て頂きたいと思います。自分がいくら所得税を納税しているのか。 また、還付申告に来られる方も是非みてほしいのです。源泉徴収されている税額以上は還付されないのですから。
税務相談に訪れ自分の還付額の少なさに愕然とされる方は、結構います。再度、自分がいくら所得税を納税しているのか確認しましょう。多い、少ない、と感じることでしょう。
平成17年1月(第25号) 社長と税理士の悩み
 いつも大変お世話様になりありがとうございます。
平成17年が明けました。昨年末、事務所の関与先の黒字企業を数えてみました。21件中19件が黒字決算でした。 「こんなに黒字決算だったのか」と改めて思いましたが、良く考えてみると、赤字では会社はやっていけないので、黒字を目指すのは自然な姿なのです。
今は金融機関や取引先に対して、決算書を積極的に提出する時代になりました。 黒字でないと相手にされなくなっているのです。 しかし、黒字決算を社長に報告すると、必ず次の様なことが起こります。
2.お金は何処に
社長に黒字決算を報告すると、「その利益は何処にあるのだろう」、「税金が払えない」となってしまう。 この社長の悩みに対し、社長を納得させることが出来ないのが私の最大の悩みです。
黒字になったのにお金がない。なぜだろうと。 「お金があれば税金だってはらえるのに。」毎回社長から聞く話です。 そうか、お金があれば税金が払える。でも、大半は税金を払う時にお金がないから、「そんなに利益が出ているの?こんな税金払うほど儲かっていないよ。」となってしまう。
では、なぜお金がないのか。 会社にとってお金は、仕事をするための重要な原資です。儲かったのは過去の話で、お金は次の仕事をするために使われている。在庫の購入であったり、人材の確保だったり、最新の設備に投資したり、宣伝広告をしたり、次の仕事の準備の為に、お金を使っている。 また、売掛金の集金が遅れていたり、儲かったので借入金を返してしまったのでお金がないなど、お金が無い理由は他にも沢山あります。
2.お金を残すには
社長とお話をしていると、「通帳にお金がないと不安です。」「会社にお金を残したい。」という話しをよく聞きます。 「税金を払うと、お金が外に出てしまい、お金が残らないのではないか。」と思うかもしれませんが、そうではありません。 お金を残すと言うことは、考え方は資本金を増やしていくということ。出資した資本金をどれだけ増やせるかにかかっています。 増えた資本金はどの様に計算されるかというと
資本金が増えた分(剰余金)=税引前当期利益−法人の税金−配当金、役員賞与
この計算でプラスにならないとお金が残らないということです。
配当金や役員賞与は経費に落ちないので、ほとんどの会社は出していません。 問題は、法人の税金です。これは、支払わなければならない。利益の40%が法人の税金なので、これを払って、60%がようやく残る。 でも、40%も払うのかとなると払いたくなくなる。40%を払って60%も残ると思えるかどうかです。
結論は、税金を払わないとお金が残らない。 払わない様にするためには、経費を他で使ってしまうので、社長がお金を会社に入れなくてはならないということを繰り返さなければならない。 こうなってしまうと、社長がいくら会社から給料を貰っているのか分からなくなるのです。
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