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★今月のQ&Aより

毎月気になるQ&Aをピックアップしてお知らせ致します。

4月は
【新会社法】 取締役会決議をeメールで行う際の留意点 

を取り上げて追加致しました。
具体的なご相談もお受け致します。

Q:
 新会社法では、定款に定めれば、取締役会を実際に開かずにeメールのやり取りで決議できると聞きました。その際の留意点等を教えてください。(食肉卸売業)

A:

新会社法では、取締役会決議において、従来までの旧商法では認められていなかった書面決議が一定の要件の下で認められています。
 本来、取締役会は取締役相互が協議・意見交換を通じて意思決定を行う場であって、その会議を省略して書面決議を行うことは認められていませんでした。これに対して、企業活動の国際化などにより従来に比べ容易に取締役会を開催することが難しくなってきていることなどから、機動的な会社経営の実現のため取締役会の書面決議を認めるべきとの指摘がされ、新会社法で法的な手当てがなされているのです。
 取締役会の書面決議については、新会社法上、次のような規定がされています(新会社法370条)。
 次の各要件を満たす場合には、当該提案を可決する旨の取締役会決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。 
1. 取締役が取締役会決議の目的である事項について提案した場合であること。
2. 当該提案につき、当該事項について議決に加わることができる取締役の全員が書面又は電磁的記録(いわゆるeメール等/筆者注)により同意の意思表示をしていること。
3. 監査役設置会社にあっては、監査役が当該提案について異議を述べていないこと。
 当該規定は、基本的には旧商法及び新会社法において認められている株主総会の書面決議に関する規定と同様ですが(新会社法319条1項)、取締役会決議の書面決議を認めるに当たっては当該項目を定款で定めることが必要とされています。これは、取締役がいかなる方法で意思決定を行うかが株主にとって重大な関心事で、経営上の基本的事項と考えられているためです。
 また、要件の一つとして当該提案について取締役全員の同意が必要とされていますが、これは各取締役が当該提案の内容を判断するに当り、書面等で十分な情報を入手でき、適切に判断することができる事項についてのみ認める趣旨です。したがって取締役会を開催し、議論を尽くさなければならないような提案については採用できません。
なお、新会社法においても旧商法と同様に、代表取締役及び代表取締役以外の取締役であって、取締役会決議により取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選任されたものは、3ヵ月に1回以上、自己の職務の執行状況を取締役会に報告しなければならないとされています(新会社法363条2項)。このため、当該取締役会について書面決議が採用されたとしても、少なくとも3ヵ月に1回以上、取締役会の開催が必要とされています。
 ほか、当該取締役会の書面決議に関連するものとして、従来の重要財産委員会制度に相当するものとして規定がされている特別取締役による取締役会決議の取扱いが問題となりますが、当該取締役会は一定の重要事項について機動的に意思決定が行えるよう少数の取締役で組織されるものですから、当該規定の趣旨から書面決議が認められていません(新会社法373条4項)。
 なお、当該書面決議がなされた場合の取締役会議事録の記載事項については、次の規定が設けられています(会社法施行規則101条4項1号)。 
1. 取締役会の決議があったものとみなされた事項の内容
 
2. 1の事項の提案をした取締役の氏名
 
3. 取締役会の決議があったものとみなされた日
 
4. 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名
 

 
提供:株式会社TKC(2006年4月) 

Q:
 新会社法では監査役を設置する必要がなくなると聞きました。監査役がほとんど機能していない状態にありますが、どのような機関設計が可能なのかお教えください。(印刷業)

A:
 平成18年5月に施行が予定されている新会社法では、一定の制約の下で、自らがその機関を柔軟に設計することできる規定となっています。

◎機関設計関係の規定
1.株主総会・一人以上の取締役の設置は必須である。
2.定款の定めによって取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人又は委員会を置く事ができる。
その他…

  ご質問の監査役の件ですが、定款によって任意に設置することができるので、新会社法施行後は監査役を設置しないことも可能です。取締役会設置会社(公開会社でない会計参与設置会社を除く)、会計監査人設置会社は監査役の設置が必要となります。
 監査役を設置しないと、株主に対して監査役の機能を代行させる観点から株主権限が強化されますので、留意する必要があります。
 
◎会計参与の設置 
 中小会社で、新会社法上、通常選択が考えられる機関構成は次の通りです。

 1.株主総会+取締役
 2.株主総会+取締役+監査役
 3.株主総会+取締役+会計参与
 4.株主総会+取締役+監査役+会計参与
 5.株主総会+取締役会+監査役
 6.株主総会+取締役会+会計参与(公開会社でない会社に限る。)
 7.株主総会+取締役会+監査役+会計参与

 取締役会については、必須の機関ではなく、定款によって任意に設置できますが、公開会社、監査役会設置会社、委員会設置会社については、設置が強制されます。(3人以上)

 会計参与は、定款の定めにより任意に設置することが可能です。税理士(税理士法人)又は公認会計士(監査法人)のみ就任することができ、取締役(執行役)と共同して計算書類等を作成する機能を果たすことになっています。これにより会社が作成する計算書類等に信頼性が付与され、金融機関等による融資条件の緩和・優遇等の動きも出てきています。

 なお従前の必須の機関構成(株主総会+取締役会+監査役)を維持するのであれば、定款及び登記に関してみなし規定が設けられているので、改めて変更等の手続は必要ありません。設置しないということであると変更等の手続が必要となります。

提供:株式会社TKC(2006年2月)

Q:
 ホームページでの自社製品の販促のため、雑誌に以前掲載された記事を利用したいと考えています。著作権侵害にならないでしょうか。(通販業)

A:
 雑誌などの編集物を利用しようとする場合、編集物を全体として利用するときは、当該雑誌の編集者の許諾が必要となりますが、個々の記事のみを利用するときは、その記事の著作権者に許諾をとればよいことになります。その場合は、編集者に許諾を求めることになります。それらの著作権者の許諾をとらず、無断で編集物や各記事等を使用した場合、原則として著作権侵害にあたります。
 もっとも、雑誌の記事の利用が、著作権法上の「引用」に当たる場合には、例外的に著作権者の許諾を得ずに利用することができます(著作権法32条1項)。「引用」とは、紹介、参照、論評その他の目的で自己の著作物中に他人の著作物の原則として一部を採録することをいうと解されています。 

◎出所を明示し、著作物を特定する

 「引用」に当たるというためには、公正な慣行に合致し、正当な範囲内でなければなりません。引用している文章とそれ以外の文章とが明確に区別されており(明瞭区分性)、従たる存在であり(主従関係)、必要最低限の範囲であること(必要最小限度性)が必要です。また 「出所の明示」が必要になり明示の仕方としては、引用部分を括弧で囲むなどして明確にした上、当該引用部分が誰の著作物であるのかが分かる表示をする必要があります。(名前、日付、版、巻号など)
 
◎要約して引用する場合は…

 当該雑誌や記事に「禁転載」等の表示がある場合であっても、著作権法上の「引用」に当たる場合には、原則として当該雑誌・記事を利用することができます。では、著作物の内容を要約して引用することはできるかというと、どちらともいえません。従来の一般的な解釈としては、要約して引用することは認められないと考えられてきましたが、引用の対象が相当広範囲にわたる場合に要約して引用することを認めた裁判例もあります。

提供:株式会社TKC(2006年3月)

Q:
 精密部品メーカーを経営者です。そろそろ長男にバトンタッチしようかと考えています。「相続時精算課税制度」を利用してみたらどうかといわれましたが。(精密部品メーカー)

A:
 贈与税の課税制度は、従来は暦年課税の制度でしたが、平成15年1月1日以後に財産の贈与を受けた人は、要件に該当すれば「相続時精算課税」を選択することができるようになりました。

 この制度は、一定の方法で計算した贈与税を納めておき、贈与した人が亡くなって相続が発生したときに、贈与を受けた財産を加算して相続税の計算をし、贈与税を控除して相続税の精算を行います。その適用条件は6つあります。

1.贈与する人(贈与者)は65歳以上(住宅等取得資金の場合、年齢制限はありません)の親。
2.贈与される人(受贈者)は20歳以上の子(推定相続人)。
3.贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はありません(住宅等取得資金については特例があります)。
4.同制度を選択するときは贈与を受けた翌年の贈与税の申告時に「相続時精算課税選択届出書」を提出し、戸籍謄本等の必要書類を添付します。
5.同制度を一度選択すると同じ贈与者の贈与についてはその贈与者の相続時まで継続適用されるので、途中で暦年課税に変更することはできません。
6.同制度は贈与者(父または母)ごとに、また受贈者(兄弟姉妹)ごとに選択ができます。

 さて、この制度を利用した場合、贈与税の計算は「(贈与財産の価額−2500万円)×20%」となります。
 特別控除額の2500万円(住宅取得等資金の贈与の場合は1000万円が加算されます)は複数年にわたり利用できますが、累積限度額です。 例えば、資本金1000万円(夫婦で株式所有)の会社で、株式の評価額は約5000万円になっていた。長男に社長を任せ株式も贈与したいと考えた場合、長男は父、母からの贈与に対して、それぞれ2500万円の特別控除があるので、贈与税を納税することなく、また株式が分散することなく承継することができるのです。

 注意点の一つは一度選択すると、以後変更ができないので暦年課税との比較検討が必要だということです。二つ目は、相続時に加算される贈与財産の価額は贈与時の評価額となるので、贈与財産の将来性を検討しておくことが必要です。

 検討すべきことが多いため、専門家に相談されることをお勧めします。
  
提供:株式会社TKC(2006年3月)

Q:
 インターネット広告を利用して潜在顧客を獲得したいのですが、複雑すぎてよく分かりません。効果的な方法を教えてください。(日用品メーカー)

A:
 ウェブサイトの検索連動広告は、自社でも手続きは難しくありませんので、手はじめに試してみるといいでしょう。より効果的な広告を展開するには、専門コンサルタントなどに相談し、自社に合ったインターネット広告を選ぶことをお薦めします。

 ◎「ウェブサイト広告」
*もっとも手軽に活用されているのが検索連動型広告です。これは、ユーザーが検索した結果のページにテキスト広告を表示するものです。広告主がどのキーワードで広告を表示させるかを選ぶので、言い換えれば、キーワードを介して絞り込みされたユーザーに見せる広告ということになります。
 * もっとも売上シェアを占めているのがバナー広告です。バナーとはもともと横断幕の意味。ヤフーをはじめとした主要ポータルサイトなどの上部に、横断幕のようにある広告などがそうです。露出も多く華やかですが、その分、コストもかかります。
 *バナーよりもコストを抑えたテキスト広告もあります。ニュースサイトなどで見た目はコンテンツの一部のように馴染ませることで高い効果を生みます。

 ◎「メール広告」
*第三者のメールマガジンのコンテンツの間に、5行程度のテキストでの広告を差し込み掲載するものが代表的です。そのほか、通称「オプトインメール」と呼ばれる、まるごと広告のメールもあります。

 ◎「モバイル広告」
*主に携帯電話での広告です。基本的に検索連動型広告やバナー広告、メール広告などがありますがこれにキャリアメニュー広告が加わります。それぞれの携帯電話会社は公式メニューを提供していますが、そこでの広告となります。

 ◎このほかブログなどに備わっているRSSというサマリー文章配信機能を応用した「RSS広告」や、個人サイトなどで紹介し、そのサイト経由で売買が成立したら手数料を支払うという「アフィリエイト」といったインターネット広告も台頭してきています。

<回答者>マーケティング専門コンサルタント 鶴本浩司

Q:
不動産所得の事業的規模の判定について次の事例で教えて下さい

Q:
1.貸マンション(20室)を不動産会社へ一括貸付けした場合、事業規模の判定に当たって独立家屋1棟とみるのでしょうか、それとも部屋数で判定するのでしょうか。

2.月極駐車場(10台)は全体で1つの契約とみるのでしょうか、それとも10の契約とみるのでしょうか。

A:
1.マンションの一括貸付けについて

 建物の貸付けが不動産所得を生ずべき事業として行われているかどうかの判定に当たって、貸間、アパート等については、貸与することができる独立した室数がおおむね10以上であれば、特に反証のない限り、事業として行われているものとされます(所基通26−9)。
 この取扱いは、建物の規模のみを形式的な要件としているものであり、一定の規模以上であればその貸付けは業として行われているとするものであって、この場合、一括貸付けであるかどうかを問いません。
 したがって、単に一括貸付けであるという理由だけで事業として行われていない(事業に至らない業務規模)とはいえませんので、ご質問の場合、20室を有していますので事業的規模に当たるものと考えます。

2.月極駐車場について

 貸地、駐車場の事業的規模についての形式的基準は、所得税基本通達に規定されていませんが、駐車場に関して、いわゆる5棟10室(所基通26−9)の形式基準を引用し、青空駐車場(一団の土地に限りません。)を業務としてる場合、1室分は5台分に相当するとして、50台保管していれば、一応の目安として、事業的規模と認めて差し支えないとしているようです。
 ただし、地域差なども考慮に入れる必要があるともいわれており、最終的には個々の事情等を勘案して、実態に照らして判断されるものと考えます。

情報提供:TKC税務研究所

Q:
65万円の青色申告特別控除を受けるためには、どんな会計帳簿が必要ですか?総勘定元帳の保存(出力)は必要ですか。

A:
1.「正規の簿記の原則」は、
(1)一定の要件に従った正確な会計帳簿を作成すること、
(2)この正確な会計帳簿に基づき財務諸表を作成すること
の二つを要請しています。
 正規の簿記の原則の要請の一つである「一定の要件に従った正確な会計帳簿を作成する」にいう「一定の要件」とは、
◎企業の経済活動のすべてが網羅的に記録されていること(網羅性)、
◎会計記録が検証可能な証拠資料に基づいていること(立証性)、
◎すべての会計記録が継続的・組織的に行われていること(秩序性)、
の3つを指します。
 この3つの要件を備えた会計帳簿は一般に「複式簿記」による会計帳簿が該当すると解されていますが、複式簿記による会計帳簿でなくとも、これら3つの要件を満たす会計帳簿であるならば正規の簿記の要件を備えた会計帳簿として認められます。

2.所得税法施行規則56条以下は、青色申告者の備え付けるべき帳簿書類につき規定し、その58条は「総勘定元帳その他の必要な帳簿を備え、取引に関する事項を記載しなければならない」としています。
 したがって、税務調査等の際に求められれば総勘定元帳を提示しなければならず、提示ができないということであれば、帳簿書類の備付け・記録・保存が適式になされていると評価されないことになり、青色申告承認の取消等につながることになります。
 その意味で、総勘定元帳が必要ということであり、確定申告の時点で、総勘定元帳が出力されている必要はないと考えます。
 ただ、施行規則56条に定める帳簿書類の保存は、紙に記載(印刷)された総勘定元帳を保存すべきことを定めていますので、正式に「電子記録」として保存しているといい得るためには、いわゆる「電子帳簿保存法」の規定による税務署長の承認を受ける必要があることになります。

情報提供:TKC税務研究所

Q:
 平成17年分の確定申告の時期になりました。税法の主な改正ポイントについて教えてください。(物流業) 
  

A: 
【社会保険料控除の改正】

1.国民年金の控除証明書が必要に
 平成17年分以後の所得税では、国民年金保険料について社会保険料控除を受ける場合は、『社会保険料(国民年金保険料)控除証明書』(社会保険庁から11月上旬に送付)を添付することとされました。
 ただし、年末調整ですでに国民年金保険料について社会保険料控除を受けた人が、医療費控除の還付申告などのために確定申告書を提出する場合は、『給与所得の源泉徴収票』を添付することで控除を受けられますので、改めて控除証明書を提出する必要はありません。

2.家族の分の控除証明書も必要
 生計を一にする家族の国民年金保険料を支払った場合にも支払者本人の所得から社会保険料控除を差し引くことができますが、この場合家族の分の控除証明書が必要になります。例えば大学生の子供が就学のため親元を離れて暮らしているような場合、控除証明書は被保険者(子供宛)に送付されますので、注意が必要です。
【その他の改正事項】

1.老年者控除(50万円)の廃止
 年齢65歳以上で合計所得金額が1000万円以下の場合に受けられた老年者控除が、平成16年で廃止されました。
 老年者控除の廃止で気を付けるべきことは、今回の改正に併せて、寡夫(婦)控除の適用要件である「老年者に該当しない人」がなくなったことです。つまり、平成16年分まで老年者控除を受けていた人が、平成17年分以後は寡夫(婦)に該当する場合は寡夫(婦)控除を受けられますので、注意が必要です。

2.年齢65歳以上の人の「公的年金等控除額」の縮小
 年齢65歳以上の人の公的年金等に係る雑所得の計算上、公的年金の収入金額から差し引かれる「公的年金等控除額」が縮小されました。このため、年齢65歳以上の人については、年金収入が平成16年分と同水準であっても、課税対象の所得金額は多くなります。
 さらに、上記1.の老年者控除の廃止の影響もあるため、年齢65歳以上の方の平成17年分の所得税の負担は平成16年分よりも大きくなります。また、昨年まで所得税がかからなかった人であっても、本年から所得税がかかる場合があります。
 国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp/)にも詳細な情報が掲載されています。

提供:株式会社TKC(2006年1月)<回答者>TKCシステム開発研究所 小島 圭

Q:
 当社は現在有限会社なのですが、来年5月に施行される新会社法を機に株式会社への移行を検討しています。そのメリットとデメリットについて教えてください。(菓子の製造小売業)

 新会社法の施行に当たり、従来までの有限会社法は廃止され、新会社法施行後は新たに有限会社を設立することができなくなるとともに、施行の際に現存する旧有限会社については、新会社法の規定による株式会社として存続することとなります。そして、当該会社(特例有限会社)については、旧有限会社と同様な取り扱いが可能となるよう、様々な経過措置や特則を整備法で設けています。

 一方、新会社法では株式会社規律と有限会社規律について一体化を図る観点から、最低資本金規制の撤廃や機関設計の柔軟化が図られており、有限会社が容易に株式会社に移行することができる条件が整えられています。
 
 このため、現行の有限会社については、株式会社へ移行するのか、それとも現状のまま(特例)有限会社として存続していくのかが重要な検討課題となります。株式会社へ移行後、再び特例有限会社へ戻すことはできませんので良く検討する必要があります。
 
【移行の手続】
 株式会社への移行については、定款を変更してその商号中に「株式会社」という文字を用い、当該定款変更を登記することによって成されます。なお、当該定款変更に係る登記は、これに係る株主総会決議後、その本店の所在地においては2週間以内に(支店は3週間以内に)、当該特例有限会社については解散登記を、新株式会社については設立登記をする必要があります。
【株式会社へ移行するメリット】
(1)会計参与等の様々な機関を設置することができる。
 特例有限会社では会計参与等株主総会・取締役以外の機関については「監査役」のみ設置が認められており、新会社法で規定されている他の会計参与等の機関を設置することができません。 
(2)組織再編行為がやり易くなる。
 特例有限会社は合併・分割に当たって、吸収合併存続会社や吸収分割承継会社となることや、株式交換または株式移転をすることができません。
(3)株式会社になることにより、対外的なイメージが良くなる。一般に信用があるように見られる。

【株式会社へ移行するデメリット】
(1)取締役(監査役)の任期が最長10年までとなる。
 新会社法では取締役(監査役)の任期について、すべての株式に譲渡制限を付している株式会社(公開会社ではない株式会社)については、定款により最長10年まで伸長することができるとされています。これに対して特例有限会社ではこれらの規定が不適用とされており、従来までの有限会社と同様に任期に関する規制がありません。
(2)決算公告が強制される。
 新会社法では決算公告が義務付けられていますが、特例有限会社については適用が除外されており、決算公告が義務付けられていません。
(3)株式会社への移行により大会社に該当すると、会計監査人の設置が義務付けられる。
 新会社法でもいわゆる大会社に該当する株式会社は会計監査人の設置が義務付けられていますが、特例有限会社については、たとえ大会社に相当するような会社であっても、会計監査人の設置が義務付けられておりません。  
 
 提供:株式会社TKC(2005年11月)<回答者>新日本監査法人 公認会計士 渡辺伸啓
 

Q:
 最近よく耳にするブログは、ホームページ同様、企業のマーケティング活動に役立つと聞きました。具体的な活用法を教えてください。(ネットショップ)

A: ブログは、もとはウェブログ(Weblog)と呼ばれ、ウェブ上で公開されている日記・記録(ログ)のことです。日本では「はてなダイアリー」「ココログ」「ライブドア・ブログ」等の無料ブログサービスが登場し、利用者が増えています。これらのサービスでは、コンテンツマネジメントシステム(CMS)と呼ばれる記事の更新・編集機能が利用でき、ブラウザから直接文章を入力しての更新ができます。つまりブログは、いわば「簡単ホームページ(HP)作成ツール」なのです。
 ブログサービスを利用すると、記事は時系列に管理され、自動的に最新記事が最上段に掲載されます。カテゴリー分けや画像の掲載も簡単で、様々なプラグインやデザインテンプレートも用意されています。生成されたページは、検索エンジン対策にも優れています。その利点を活かし、これまで自分でHPを作成していた人や企業が、ブログを利用して省力化する例も相次いでいます。
 ブログと、従来の日記や掲示板とが異なる点は「トラックバック」機能があることです。トラックバックとは、記事の相互リンクで、ある記事に感想を書きたい人が自分のブログサイトを明記し、記事にリンクをはる機能です。従来の掲示板や日記が1つのサイト内に閉じていたのに較べ、相手が分かる相互コミュニケーションによる「口コミ」が特徴となっています。また、記入者が特定されるため、従来の掲示板のような匿名性を悪用した「荒らし」と呼ばれる無責任な書き込みが抑制され、安心感が高まりました。 

【ブログの活用パターン】 
 インターネットユーザーのブログの認知や作成経験は、増加傾向にあります。それにあわせ企業での活用も増えており、次のような活用パターンが登場しています。
1. ブランディングブログ 
  企業のPRや知名度アップ、サービス紹介のためのブログです。ライブドアの堀江社長による「社長日記」が有名ですが、その他にマネックス証券の松本社長の「松本大のつぶやき」など多くの社長・有名人サイトがあります。またアリエール(P&G)の「困ったさんコンテスト」のように、商品ブランドの向上を目指した投稿型キャンペーンブログや、モブログを利用した画像の投稿キャンペーンに活用されています。 
2. セールスブログ 
  「口コミ」的な側面を活用して、Eコマースサイトや実店舗への誘導による売上を狙う活用法です。例えば、ブックワンのサイト「オンライン書店bk1」などが実践しています。 
3. インターナルブログ 
  情報の更新、整理が簡単な点を生かし、イントラネットをブログ・ベースで構築し、ナレッジマネジメントなど社内での情報共有に用いるケースが増えています。 

【ブログ活用の注意点】
 ブログを利用すれば、サイト構築は省力化できますが、無料ブログサービスではドメイン名が変更できないなどいくつかの制約があります。企業での利用の際は、有料サービスで独自ドメインを設定することがブランド認知上望ましいでしょう。また運用面では、記事・発言に対する批判やネガティブ情報をトラックバックされることもあり、社内で運用ルールを決めておくことが必要です。
 ただブログはあくまでも支援ツールなので、更新がおろそかになれば当然サイト訪問者は増えません。ユーザーニーズを分析し、こまめな情報更新を行い、効率のよいPRや集客に活用しましょう。

提供:株式会社TKC(2004年12月)<回答者> ネットアンドセキュリティ総研 小出匡範