1回 デフレ時代の不動産投資は要注意!

 

 不動産投資、特に土地投資の怖さを知らない社長が多すぎる。社長の悲願である新社屋を立ち上げ2,3年後に倒産する会社、県の鳴り物入りで入居した工業団地で入居後数年で撤退を余儀なくされる会社。これらはいったいどうしたことであろうか。

たとえば、1億円の土地を全額借入金(20年)で購入すると、その金利を0%(金利が安いと借りなければ損だという発想があるがとんでもない話だ。)としても毎年500万円の利益が必要である。法人税まで考えると約850万円の税引前利益が必要である。毎年の赤字はもちろん許されないばかりではなく、約350万円の税金を20年間納め続ける覚悟が必要なのである。

 要するに借金を全部返して土地を自分のものとするには1億円の土地代とは別に7千万円の税金を支払わなければならないということなのだ。残念ながら社長にはこの辺の認識がほとんど欠けている。毎年の業績が赤字ではないにしても損益トントンの状態が4〜5年続いたらどうなるであろうか。その時は欠損金は無いにもかかわらず、流動負債(買掛金、支払手形)の大幅な増加により資金繰りは大きく悪化し、知らず知らずのうちに倒産への道を歩んでいくのである。
 右肩上がりの時代なら土地は2倍どころか10倍にもなったのだから、土地投資は有効な経営手法の一つだったことは間違いない。しかし、デフレ時代の今日では、借金しての土地投資には今までとは全く違う細心の注意が必要である。

 

参考文献:一倉定の社長学『社長の条件』『経営戦略』(日本経営合理化協会)