第2回 社長はお客様のところへ行け
会社の運命を決めるのは販売である。その販売基本方針はどうやって立てるのか。それは社長がいくら社内にいて一生懸命考えても何も出てこない。あなたの会社の販売基本方針はどんな経営の本にも載っていないし、また同業者から聞くこともできないからである。
しかし、唯一その答えを明快に出してくれるのがあなたの会社のお客様である。社長自らお客様を訪問し、お客様の要求や不満を社長自ら直接聞き、時にはあまりに激しい叱責を受ける中で、何が売れるのか、どうしたら買ってくれるのかを教えてもらうのである。決してお客様訪問を営業マンに任せ、その報告を聞いて販売基本方針を立てるという愚を犯してはならないのである。
もう一つ、お客様訪問は我が社の内部管理の欠陥も厳しく指摘してくれる。何年かぶりでお得意様を訪問したA社の社長はある有力得意先の社長から「お前のところはうちからの問い合わせの電話の返事がすぐに聞けた試しがない。それにいつも品切れが多くて困る。いったい何をやっているのだ。」という苦情を聞かされたというのである。このように販売のこと、社員の管理のこと等、お客様は「苦情」という形で我が社にいろいろなことを教えてくれるのである。(営業マンからは価値ある「苦情」はなかなか聞けないものだということを心得ておくべきなのだ。)
「お客様」というこんな優秀な経営コンサルタントを社外にそれも無料で抱えているのにそこへ訪問しないというのは本当に損な話なのである。
参考文献:一倉定の社長学『社長の条件』『経営戦略』(日本経営合理化協会)