第12回 売上高ABC分析表を使っているか
売上の管理というのは極論すれば「よく買ってくれる得意先はどこで、そうでない得意先はどこなのか」と、「よく売れる商品はどれで、そうでない商品はどれなのか」を管理し、得意先と商品をスクラップアンドビルドしていくことに他ならない。それが外部環境に対応し、「我が社を変えていく」ことの具体的な意味なのだ。
それは「どの得意先に対してどの商品を売っていくか」という事業経営の「戦略」に関することであり、事業構造をどうするかにつながる最重要課題なのだ。であるから、このことを飛び越して、今ある商品を今ある得意先にどう売るかだけを考る「戦術」だけではいけないのだ。
その意味から、売上高ABC分析表(商品別又は得意先別に売上高を多い順に並べたもの)は販売管理になくてはならない最重要な管理資料である。この資料の意味は「売上の大部分はごく少数の得意先又は商品によって得られ、大部分の得意先又は商品はごく僅かな売上しか得られない」ということを読みとることなのである。
この偏りの法則に従って、売上の増大や効率化を図るわけである。そしてAの商品はもっと力を注ぎ、Cの商品はそろそろ撤退の準備をするということを意志決定するために日々の判断資料として活用しなければならないのだ。
そして最も大切な資料作成のポイントは、表に載せる得意先又は商品は「必ず全部でなければならない」ということなのである。売掛帳に載っている会社は、たとえ売上ゼロであっても、である。同じように、在庫帳にある商品は売上ゼロであっても、同じように全部載せなければならない。要はスクラップすべき得意先又は商品を常に白日にさらし、事業経営の最も難しい決断である「捨て去る」ことの促進資料として、毎月必ず社長の目にふれるシステムを作り上げることなのである。
参考文献:一倉定の社長学「社長の条件」