高橋逸税理士事務所
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1.申告納税制度における確定申告
現在の税金(個人の所得税・相続税及び会社の法人税等)の申告方法は、戦前の賦課課税制度(注)ではなく、納税者自らが計算して確定した税額を申告し納税する方式で「自主申告納税制度」と言われています。重要なことは、税額は自主申告することにより確定することです。つまり、税務調査を受けることにより確定するのではないのです。
この申告納税制度は、戦後の民主的な考え方に基づく税制改革の重要な柱として位置付けられています。戦後の新憲法とともに、戦前のように税金はお上が決める方式から自分の税金は自分で計算して決める方式に変わりました。
これは税の民主主義化と言えるもので、憲法の国民主権主義や基本的人権の尊重の考え方に基づくものと言われています。
(注)賦課課税制度とは、納税者が課税資料を税務署に提出して、税額は税務署が計算して納税者に通知する方式です。
2.申告納税制度における税務調査
一般的な税務調査は任意調査と言われていますが、これは「質問検査権」という法的根拠(法律)に基づいて行われています。
この法律では申告納税制度の趣旨に基づき、税務調査は「・・・必要があるときは・・・質問し・・・帳簿書類を検査することができる」と規定されており、この規定から税務署は調査の必要性や調査理由を納税者に説明なくして調査はできないと考えます。
しかも税務調査の拒否には罰則規定がありますので、調査をするには罰則を科してまでの強い客観的必要性が前提になると考えています。(従って、実質的には間接強制調査です)
なぜなら、納税者は申告納税制度に基づき、自主的に適正な申告をして税額が確定しているからです。
従って、税務調査はその確定した申告内容について修正等をしなければならない具体的な必要性があるときにのみ第2次的・補完的にできることになります。
なお、このことは会社・個人に関わらず、また個人事業者についての青色申告・白色申告に関わらず同様と考えています。
3.納税者権利憲章等(納税者の権利を守る法律)の必要性
税務調査についての裁判等の争いの原因は上記に起因していることが多くあります。
つまり、調査の必要性や調査理由が説明されないことが実態では通常であり、また調査の事前通知がなく突然調査が行われることもあるからです。
日本の税務調査がこのような状況にあるのは、諸外国と比較して日本に納税者の権利を守る法律が制定されていないことによるとも言われています。つまり、税務調査等についての行政手続に関する具体的な規定のないことが争いの原因にもなっています。
この納税者権利憲章等は先進諸国をはじめ多くの国が制定していますが、日本ではまだですので一日も早く制定すべきと考えます。
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