日常の業務の中で生じる労務に関する疑問や社会保険の手続きなどについて社会保険労務士が解説します。
全国健康保険協会に加入している事業主に、「平成27年度被扶養者状況リスト」が郵送されています。
これは、被扶養者を有する被保険者に対して、事業主が文書や口頭により健康保険の被扶養者要件を満たしているかどうかを確認し、被扶養者リストに記入して提出するものです。
ただし、所得税法上の控除対象配偶者または扶養親族であることを確認した場合は、文書または口頭による確認を省略できます。
被扶養者の状況に変わりがなければ「変更無」にチェックを入れます。
被扶養者でなくなったはずの人が被扶養者のままになっていることがわかれば、「削除」にチェックを入れ、被扶養者を削除する手続きを同時に行うことが必要となります。
提出期限は7月31日です。
よくご確認の上、期限までにリストの提出をしてください。
労働保険年度更新の時期となりました。
平成27年度の手続期間は平成27年6月1日から平成27年7月10日までです。
遅れることのないように余裕を持って手続きを行ってください。
平成26年中に厚生年金保険、国民年金等の老齢または退職を支給事由とする年金を受け取られた方に対して、日本年金機構から『平成26年分公的年金等の源泉徴収票』が届きます。
平成27年1月13日(火)から17日(土)にかけて順次発送されるとのことですので、1月下旬頃にはお手元に届くと思われます。
この票は、所得税の確定申告において添付資料として必要となりますので、大切に保管をしてください。
新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
平成27年1月1日から、高額療養費制度が変わりました。
これまで、70歳未満の方の自己負担限度額は、負担能力に応じて3区分に分かれていましたが、平成27年1月1日より5区分に細分化されました。
平成26年12月診療分まで
①区分A(標準報酬月額53万円以上の方)
②区分B(区分Aおよび区分C以外の方)
③区分C(被保険者が市区町村民税の非課税者等)
平成27年1月診療分から
①区分ア(標準報酬月額83万円以上の方)
②区分イ(標準報酬月額53万~79万円の方)
③区分ウ(標準報酬月額28万円~50万円の方)
④区分エ(標準報酬月額26万円以下の方)
⑤区分オ(被保険者が市区町村民税の非課税者等)
上記のような区分となります。
自己負担限度額の計算方法など詳細は全国健康保険協会ホームページでご確認ください。
なお、この改正に伴い、以前の区分(A・B・C)で表記された限度額適用認定証は今月以降使用できなくなりました。
新しい区分表記(ア・イ・ウ・エ・オ)で表記された限度額適用認定証を持っていない方は、協会けんぽの支部に申請して交付を受けてください。
平成27年1月から、算定基礎届・月額変更届の用紙サイズがB5版からA4版に変更される予定です。
給与ソフト等から出力して提出している方にとっては、出力がしやすくなるのではないでしょうか。
変更後も当分の間はB5版用紙を使用できるとのことです。
今年の7月から協会けんぽの申請書・届出書の様式が新しくなっています。
旧様式も使用することはできますが、システムが切り替わっているため旧様式で提出すると処理が遅延するとのことです。
新様式は協会けんぽのホームページからダウンロードすることもできますので、今後の申請時には新様式をご使用ください。
平成26年10月17日に所得税法施行令の一部を改正する政令(平成26年政令第338号)が公布され、通勤のため自動車や自転車などを使用している給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。
この改正は、平成26年10月20日に施行されました。
平成26年4月1日以後に支払われるべき通勤手当について適用されます。
給与計算や年末調整の際にはご注意ください。
詳細は国税庁ホームページをご確認ください
年金を受給していらっしゃる方で、所得税の課税対象と見込まれる方には、10月下旬までに日本年金機構から「扶養親族等申告書」のハガキが送付されています。
老齢年金には所得税がかかるため、税金の各種控除を受けるためにはこのハガキで申告する必要があります。
提出をしないと、所得税の源泉徴収額が大きくなり、一時的に受取り年金額が少なくなってしまいますので、提出期限までに提出してください。
提出期限は12月1日です。
なお、次の方にはこのハガキは送付されません。
・老齢年金の年金額が108万円(65歳以上は158万円)未満の方
・障害年金、遺族年金を受けている方
平成26年10月1日から、育児休業期間中に就業した場合の育児休業給付金の取り扱いが変わります。
<これまで>
支給単位期間(育児休業を開始した日から起算した1か月ごとの期間のこと)中に11日以上就業した場合は、その支給単位期間については給付金が支給されませんでした。
<10月1日以降の最初の支給単位期間から>
支給単位期間中に10日を超える就業をした場合でも、就業したと認められる時間が80時間以下であれば育児休業給付が支給されます。
これにともない、育児休業給付の支給申請書の様式が変わります。
就業日数が10日を超える場合は、就業時間の確認が必要になるため、タイムカード、賃金台帳、就業規則などの書類を申請書に添付して提出する必要があります。
新たに従業員を採用し、資格取得届を提出する際には、事業主が基礎年金番号の確認を行い、資格取得届に記入します。
平成26年10月1日以降、基礎年金番号の確認ができない場合には、本人確認の手続きが必要となります。
これは、マイナンバー(個人番号)の導入に向けた取り組みです。
詳細は日本年金機構ホームページをご覧ください。
10月1日から、岐阜県の最低賃金が改定されます。
改定後の最低賃金時間額は738円です。(改定前は724円)
産業や職種にかかわりなく、岐阜県内で働くすべての労働者とその使用者に対して適用されます。
なお、最低賃金の対象になる賃金とは、毎月支払われる基本的な賃金のことをいい、次のものは除外します。
・臨時に支払われる賃金
・1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
・所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
・所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
・午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
・精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
今回は海外療養費制度について説明します。
海外療養費制度とは、海外で急な病気やけがなどによりやむを得ず現地の医療機関で診療を受けた場合に、申請により一部医療費の払い戻しを受けられる制度です。
支給される額は、同じ治療を日本で受けた場合にかかる治療費(実際に海外で支払った額の方が低いときはその額)を基準に計算し、そのうちの自己負担相当額を差し引いた額となります。
例えば、自己負担割合3割の人が海外で100万円の治療を受けたとします。しかし、同じ治療を日本で受けた場合の治療費が10万円だとすると、支給される海外療養費は10万円の7割、つまり7万円となります。
美容整形など日本で保険適用されない医療行為に対しては支給されません。最初から治療を目的に海外に行って診療を受けた場合も、支給対象外となります。 また、昨今の不正受給問題を受けて、申請をする際には渡航期間がわかるパスポート等の写しの提出が必要となりました。
海外で病院にかからなければならないような事態は起こらないのが一番ですが、いざというときに役立つこのような制度を知っていただけたらと思います。
雇用保険は、労働者が失業した場合などに必要な給付を行い、再就職の援助などを行う制度です。
事業主は、雇用保険の加入対象となる従業員を雇い入れたときには必ず、被保険者となった旨を公共職業安定所(ハローワーク)に届け出なくてはなりません。
特にパート・アルバイトの方を雇い入れる際に「この人は雇用保険に加入しないといけないの?」というご質問を頂くことが多いので、今回は雇用保険に加入すべき人についてご説明します。
パートタイム労働者については、次の(1)及び(2)の適用基準のいずれにも該当するときは、雇用保険の被保険者となります。
(1) 31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること。
(2) 1週間の所定労働時間が20時間以上であること。
<例1> 1日5時間、週5日勤務で、9月の1か月契約
→(2)には該当しますが、9月の日数は30日なので(1)には該当しないため、雇用保険には加入しません。
<例2> 1日5時間、週5日勤務で、10月の1か月契約
→10月の日数は31日なので(1)に該当。(2)にも該当するため、雇用保険に加入します。
<例3>月末の1週間は1日5時間、週5日勤務で、他の週は1日5時間、週1日の勤務。4月から翌年3月までの1年契約
→(1)には該当。(2)については、週によってばらつきがある場合は平均して考えます。平均すると週20時間には満たないので、雇用保険には加入しません。
このように、パートやアルバイトの従業員さんについては、ケースバイケースでの判断が必要となります。迷われた際にはお気軽にご相談ください。
梅雨が明け、7月も後半となり夏本番になりました。
さて、全国健康保険協会に加入の事業主の皆様は、「平成26年度被扶養者状況リスト」のご提出はお済みでしょうか?
これは、被扶養者を有する被保険者に対して、事業主が文書や口頭により健康保険の被扶養者要件を満たしているかどうかを確認し、被扶養者リストに記入して提出するものです。
案内文書やリストは5月~6月にかけて事業所へ送られており、提出期限は7月31日となっています。
被扶養者の状況に変わりがなければ「変更無」にチェックを入れます。
被扶養者でなくなったはずの人が被扶養者のままになっていることがわかれば、「削除」にチェックを入れ、被扶養者を削除する手続きを同時に行います。
被扶養者でなくなる場合とは、たとえば次のとおりです。
①時給や月給が増えるなどして収入が超過したとき・・・事実発生日
②就職したとき・・・就職年月日
③死亡したとき・・・死亡日の翌日
④後期高齢者医療制度被保険者に該当したとき・・・該当日
削除されるべき被扶養者をそのままにしておくと、結果的に保険料率の上昇につながります。よくご確認の上、期限までにリストの提出をしましょう。
7月から、協会けんぽの申請書・届出書の様式が新しくなりました。
これまでよりも文字やレイアウトが見やすく工夫されています。
新しい様式は、協会けんぽの窓口や、ホームページから入手することができます。
協会けんぽホームページ
※7月以降も従来の様式を使用することが可能です。
新しい様式になったものは以下の通りです。
<健康保険給付>
・健康保険限度額適用認定申請書
・健康保険高額療養費支給申請書
・健康保険傷病手当金支給申請書
・健康保険療養費支給申請書(治療用装具)
・健康保険療養費支給申請書(立替払等)
・健康保険出産手当金支給申請書
・健康保険出産育児一時金支給申請書
・健康保険出産育児一時金内払金支払依頼書・差額申請書
・健康保険埋葬料(費)支給申請書
<保険証再交付等>
・健康保険被保険者証再交付申請書
・健康保険高齢受給者証再交付申請書
<任意継続>
・任意継続被保険者資格取得申出書
・任意継続被保険者資格喪失申出書
・任意継続被扶養者(異動)届
・任意継続被扶養者変更(訂正)届
<健診>
・特定健康診査受診券申請書
7月に入りました。
7月は夏のボーナスの支給月という企業様も多いのではないでしょうか。
事業主は、賞与を支給したとき、「被保険者賞与支払届」と「被保険者賞与支払届総括表」の提出が必要です。期限は支給日から5日以内です。
あらかじめ賞与支払予定月を登録してある場合、その前月に賞与支払届と総括表の用紙が日本年金機構から送られてきます。賞与支払月を変更した場合には、用紙を管轄の年金事務所から取り寄せるか、ホームページからダウンロードしてください。
ここでいう賞与とは、賞与、ボーナス、期末手当、決算手当などの名称を問わず、労働の対償として年3回以下支給されるものをいいます。例えば結婚祝い金のように、労働の対償ではないものは対象外です。
この届出によって標準賞与額が決定され、保険料や将来の年金額に反映されます。
労働保険の年度更新の時期になると、保険料の免除対象となる64歳以上の方の取り扱いについてご質問を受けることがあります。
Q.
4月1日時点で64歳の従業員がいます。この者は今年度から雇用保険料が免除になりますが、雇用保険の被保険者でなくなるということですか?
A.
被保険者でなくなるのではありません。
4月1日現在で満64歳以上の方、つまりその年度中に65歳になる方は、その年度から雇用保険料が免除になりますが、被保険者であることには変わりません。
なお、そのような方は65歳に達すると「高年齢継続被保険者」という名称に変わります(特に事業主がする手続きはありません)。
一方、すでに65歳に達している人を新たに雇用する場合には、雇用保険の適用になりませんのでご注意ください。
業務改善助成金制度とは、中小企業の賃金と業務の改善を国が支援し、従業員の賃金引き上げを図るための制度です。
事業場内で最も低い賃金(時間給または時間換算額800円未満)を40円以上引上げる賃金改善計画と、賃金制度の整備・就業規則の改正・パソコンや機器の導入などの業務改善計画を併せて行い、計画に基づいて実施すると、業務改善に要した費用の2分の1(企業規模30人以下は4分の3)が助成されます。
上限は100万円です。
支給の要件や手続き方法など、詳細は厚生労働省ホームページをご確認ください。
先週、労働保険の年度更新についてお知らせしましたが、日本年金機構から「算定基礎届関係書類」の入った封筒も皆様のお手元に届き始めました。
算定基礎届は、各人に4月・5月・6月に支払われた報酬月額を届け出る手続きです。
これによって各人の標準報酬月額が決められ、原則としてその年の9月分から翌年の8月分まで固定されます。
標準報酬月額は、毎月納める保険料の計算や、将来受け取る年金額の計算の基礎となる重要なものです。
提出期間は平成26年7月1日(火)から7月10日(木)までですので、確実に手続きをしてください。
今年も労働保険の年度更新の季節がやってきました。
6月に入り、皆様のお手元に労働局からの封筒が届き始めています。
労働保険(労災保険と雇用保険)の保険料は、保険年度(毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間)を単位として算定します。
年度更新とは、前年度の保険料を清算する確定保険料の申告・納付と、新年度の概算保険料の申告・納付をする手続きです。
具体的に説明すると、
昨年の今頃には平成25年度の概算保険料を申告・納付しています。25年度の結果(確定保険料)がそれよりも少なければ余った分を26年度の概算保険料に充当し、多ければ不足分を26年度の概算保険料に加えて納付することになります。
申告・納付は6月2日(月)から7月10日(木)までですので、お早目に手続きをしてください。