今月のワンポイント実務

    年末調整の準備をはじめましょう!


    年末調整は、毎月の給与などから源泉徴収した税額と本来納めるべき税額の過不足を精算手続きです。12月は事務が忙しくなる時期なので年末調整のポイントをよく確認し、早めに準備を始めましょう!

    年末調整6つのポイント

    1.年末調整の対象となる人、ならない人を選別する

    2.必要書類を早めに社員に渡し、提出期日も早めに設定する

    3.「扶養控除等(異動)申告書」などの必要書類の記載内容を確認する

    4.家族の今年1年の所得金額の確認

    5.提出書類の記載漏れ、不備がないか確認

    6.確定申告が必要な各種の控除について社員に説明する

    1.年末調整の対象者
    ・扶養控除等(異動)申告書を提出している
    ・本年中に支払うことが確定した給与総額が2,000万円以下(非課税給与は除く)
    ・災害等に遭った場合で給与等に対する源泉所得税の徴収猶予または還付を受けていない
    ・1年を通じて勤務している、または年の中途で就職し、年末まで勤務している
     ※途中入社の場合、前に勤務していた会社の源泉徴収票が必要です。
    2.必要書類を早めに社員に渡し、提出期日も早めに設定する
     年末調整で、配偶者控除、扶養控除、生命保険料控除などを受けるために、社員から各種の控除申告書を記入してもらい、必要書類(控除証明書など)を漏れなく集めてもらう必要があります。
     そのためにも、「保険料控除申告書」等の書類は、社員へ早めに渡すとともに、提出期日も早めに設定しておきます。
    3.「扶養控除等(異動)申告書」などの必要書類の記載内容等を確認する
     出産や子供の就職や結婚などによる社員の扶養家族の異動について、訂正漏れがないか再確認しましょう。
      年末調整後から12月31日までの間に、出産、結婚などで扶養家族に変更があった場合は、年末調整をやり直すことになります。あるいは、本人が確定申告によって、所得税の還付を受けることが出来ます。
     「扶養控除等(異動)申告書」は、原則として、本年最初の給与を支払う日の前日までに支払い者が受け付けていなければなりません。
     通常、税務署から、控除申告書とともに、翌年分の「扶養控除等(異動)申告書」が会社に配布されるので、控除申告書と一緒に社員に配布し、記入してもらうようにします。
    4.家族の今年1年の所得金額を確認してもらう
     配偶者控除、配偶者特別控除や扶養控除の対象となるかどうかは、その年の合計所得金額をもとに判定されます。例えば、年末調整後に、奥さんの所得が控除要件の金額を超えてしまった場合、年末調整をやり直すことになります。各社員に家族の正確な所得金額(奥さんや子供の給与明細等)を確認してもらいましょう。
    5.提出書類の記載漏れや不備がないかを確認する
     生命保険料、地震保険料の控除証明書、国民年金保険料等の支払証明書など、各種保険料控除い必要な添付書類(コピーではなく現物が必要)の入手方法を社員にきちんと説明します。控除証明書等は、通常、10月下旬頃に保険会社等から郵送されてきます。紛失している場合は、急いで再発行してもらいます
    6.確定申告が必要な各種の控除について社員に説明する
     次のような控除は、年末調整では控除が受けられません。各人が確定申告をすることで、源泉徴収された税金が戻ってくる(還付される)場合があります。

    @災害(地震、風水害、火災等)や盗難などで損害を受けた場合の雑損控除
    A火災減免法による所得税の減免(雑損控除の適用を受けた場合は受けられない)
    B多額の医療費を支払ったときの医療費控除
    C住宅ローン控除等(住宅を新築・購入し、居住した年のみ)
    D自宅を増改築、バリアフリー化、省エネ改修をした場合のローン控除(住宅ローン控除との選択制)
    E一定の耐震改修費用についての減税
    Fふるさと納税など、寄附をしたとき 

    年末調整は1年の最後の給与支払日(通常は12月)に行います。余裕をもって、早めに準備するとともに、社員の方への説明を忘れないようにしましょう。

    相続時精算課税制度の特例延長と新事業承継税制(予定)

    現在、事業継承税制が話題になっていますが、相続時精算課税制度の特例延長があります。なお新しい事業承継税制は平成21年度税制改正に盛り込まれ、本年度10月1日に遡っての適用となる予定です。

    ★住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例の2年延長

    20歳以上の受贈者が自己の住宅を取得、増改築するため親から資金(住宅取得等資金)の贈与を受け、相続時精算課税を選択したときは、相続時精算課税に係る贈与税の特別控除を最高3,500万円とすることができる特例の適用期限が2年延長されます。

     ★新事業承継制度の導入(予定)

    平成21年度税制改正において中小企業の後継者を対象とした【取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度】が創設される予定です。
    この制度は「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」の施行日(平成20年10月1日予定)以後の相続等に遡って適用されます。この新しい事業承継制度の制度化に併せて、相続税の課税方式を「遺産取得課税方式」に改めることが検討されています。この「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」の骨子は下記の通りです。

     【取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度の骨子】

    ●相続等で取得した自社株式の価額の80%に対応する相続税額の納税猶予

    事業承継相続人が、非上場会社を経営していた被相続人から相続等のよってその会社の株式等を取得しその会社を経営していく場合、その事業承継相続人が納付すべき相続税のうち相続等により取得した議決権株式等(相続開始前から既に保有していた議決権株式等を含めて、その会社の発行済議決権株式の総数等の3分の2に達するまでの部分)に係る課税価格の80%に相当する相続税の納税が猶予されます。具体的には、納税猶予の対象となる株式等のみを相続するとした場合の相続税額から、その株式等の金額の20%に相当する金額の株式等のみを相続するとした場合の相続税額を控除した額が納税猶予とされます。

    ●猶予税額の免除

    その後継者が納税猶予の対象となった株式等を死亡時まで保有し続けた場合等の一定の場合には、猶予税額が免除されます。

    【留意点】

    ・相続税の法定申告期限から5年間に、その事業承継相続人が代表者でなくなる等により、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」に基づき経済産業大臣の認定が取り消された場合等には、猶予税額の全額を納付します。

    ・上記の期間経過後、納税猶予の対象となった株式等を譲渡等した場合、その時点で、納税猶予の対象となった株式の総数等に対する譲渡株式の総数等の割合に応じた猶予税額を納付します。

     ・上記により猶予税額の金額又は一部を納付する場合には、その納付税額について相続税の法定申告期限からの利子税も併せて納付します。

     ・この特例の適用を受けるためには原則として納税猶予の対象となった株式等の全てを担保に供しなければなりません。

    *現行の特定同族会社株式等に係る相続税の課税価格の計算の特例は、必要な措置が講じられたうえで廃止されます。     






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