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医院開業ヒント集/無料医業情報

日々多忙を極める先生方の開業したいというお気持ちを支援する為に、様々なヒント・ポイントをご紹介します。

◆茨城県南地域にこだわるのはなぜか?

医療施設を開業するには、様々な届出が必要となります。保健所、社会保険事務所、労働基準監督署だけでなく、各市町村役場、税務署、県税事務所、医師会など様々な団体等へ、多種多様な届出を提出することになります。これらの届出書等が、全国一律総て同じルールで受け付けてくれるのであれば、全国で開業を目指している先生を対象とすることも可能ですが、実はこれが各都道府県の受付窓口により、それぞれ異なる場合が多いのです。これは届出書だけの話ではありません。これらルールの相違は、たとえばレセプトコンピューター一つ取っても、茨城とお隣の千葉県では、細かなところですが届出書のフォーマットの違いによりモデルが違ったりするのです。ですから、同じ地域でより多くのクリニック開業実績を重ねたほうが、より細かな情報を、この地で開業をお考えの先生に提供できるものと考え、あえて、守谷、つくば、つくばみらい、うしく、竜ヶ崎、土浦、稲敷、取手、常総の茨城県南部地方に限定いたしました。

1.なぜ開業するのか?(動機付けの必要性)

開業したいという気持ちだけでは、いつまでたっても開業にまで結びつきません。手元の資金や、親等からの援助で総てまかなえる先生などまずいません。開業したいという気持ちはあっても、開業にかかるマイナスの可能性を考え始めると、不安は尽きることがありません。それらを払拭し、自らの気持ちを鼓舞するのが動機付けです。「自分がこの地で開業するのはなぜか。」「どうして開業しなければならないのか?」「開業後にはどのような医院にしたいのか」などの問いに対して、先生自身がしっかりとした回答をお持ちになることが重要です。ご自身で納得できる回答が得られるようになったとき開業までに直面する様々な問題にも積極的に対峙することができるようになります。一度走り出すと、なかなか後戻りすることはできません。また、時は待ってくれませんから、先生ご自身のその時々の判断が重要になってきますので、動機付けを信念にまで高めていただければ、サポートする側も安心できます。

5年~10年ぐらいのスパンで戦略を練る。家族の年齢と日付をつけて考える。
開業のことばかり考えると、つい忘れてしまうのが、開業してから5年後あるいは10年後のことです。この地で最低でも10年ながければ数十年にわたり事業を続けようと決意したことになるのですから、開業を考えたときにあわせて開業後のことについても十分に考え、戦略を立てておくべきです。
自分を中心に、家族のことも考慮に入れて具体的に年表を作ってみると良いです。開業して何年目に子供が大学受験であるとか、そのようなことを具体的に思い浮かべながら、その時々で、どのくらいの蓄えが必要か考えるとイメージが一段と明確になります。そして、どのような治療を行い、どのような患者様をターゲットとして診療するか。医療法人成りするのはどのタイミングか?競合病院が進出してきたときにはどのように対処するか。地域の10年後の平均年齢はどのくらいか。・・・・など様々ことについて自分と家族を軸としてよく考えてみてください。
開業することイコール大きな借金を背負うことと言っても過言ではありませんから、最初の時点でできうる限りの想定を行い、この場所で大丈夫であるとの確信が持てるくらいまで戦略を練ってください。覆水盆に帰らず。

2.とにかく事業計画を立ててみよう!

羅針盤のない航海などないように、事業計画のない開業などありえません。何の根拠もなく医師であるから、必ず成功するから、では、今の金融機関は相手にしてくれません。また、この計画書に基づき、あなたの今後20年の生活サイクルが決まってしまうのですから、完成度の高い事業計画をたてることは必須です。では、どのようなプロセスで、事業計画書を作成するのか。順を追って説明します。

<事業の方針を考える>
まず、動機付けの部分を言葉で表現してみます。以下のような事柄に分けて考えると、まとまりやすいと思います。
・開業の目的
・開業理念
・事業運営の基本方針
・診療科目
・診療内容
・診療体制   など

<収支計画をつくってみる>
次に、具体的に数字を使って、自分の考えた事業方針で、「はたして事業として成り立ってゆくのか」を考えて見ます。
基本は、平均来院患者数と診療単価、それに地域で認知されるまでの増加割合です。
まず単純に、開業初年度の患者数×診療単価=売上予想に、診療所運営にかかる諸経費(材料費・人件費・一般管理費・減価償却費など)の費用、借入金の返済額などの支出を控除して収支予測する収支計画書を作ります。さらに、以下の項目を考慮した、収支計画書を開業後5年目ぐらいまでを目安に作ると良いでしょう。

開業に必要な資金の総額(自己資金はいくらか。借り入れはいくらか

・収入予測(診療科目によっては季節要因もあるので、月ごとに作成するのが良い)
・費用予測(収入と連動させて考える。)
・資金繰り(キャッシュフロー)・・・・※注意
※キャッシュフローは、ぜひ考えるようにしてください。なぜなら、保険診療の場合、売上のうち現金でその場で入ってくるのは、報酬額の約3割で、残りは、2ヵ月後にならないと入ってきません。また、減価償却費は、現金支出を伴わない費用です。これらを考慮した資金繰りをしっかり把握しておかないと資金不足に陥ることがあります。金融機関は、資金不足を極端に警戒しますので、融資交渉をする際に、この辺も理解したうえで話をしませんと、融資交渉が円滑に進まない場合さえあります。

<開業までのカレンダーを埋める>
殆どの先生は、ぎりぎりまでお勤めの場合が多いので、期間に余裕があっても、実際に開業準備で動ける時間には様々な制約があります。したがって、開業までの期間で自分が動ける時間をカレンダーに記しながら開業に向けてのスケジュール管理を行っていきます。期間は、医科の場合、一般的には1年から1年半ぐらいです。殆どの先生が開業日を決めてから逆算して決めているようです。また、開業される月は、1月、4月、9月に集中する傾向にあります。これは、1月、4月、9月と、暦や社会制度の節目に開業することを考慮に入れてのことだと思います。(これらの時期に、人が移動することが多く、新しいところに人が流れる傾向があります。

3.開業地の選定

開業地の選定は、開業までの一連の流れの中で、一番難しい問題です。的外れな物件を選んでしまえば、開業当初から大きなハンデを背負うこととなってしまいますし、その後の事業収支にも大きな影響を及ぼすこととなってしまいます。したがって、できうるだけの多くの情報を取り入れ、慎重に選定する必要があります。また、当然のことですが、同じ場所は2つとありません。慎重な判断に基づき根気強く自分の描く計画に合致する物件を探し続ける中で、時には、すばやい決断力が求められることもありますので、資金の確保と迅速な対応力が必要です。選定から契約までの一般的な流れを以下に記します。

<戸建てか、それともテナントか?> 形態を決める
開業するに当たり、それぞれの条件のメリット、デメリットを考慮にして、考えられる開業の形態から、先生の理想とするものをお考え下さい。

<開業立地を決める>
新規で医院を開業した場合、「はじめの半年間でどれだけの患者さんが集まるか?」この命題に多大な影響を及ぼしているのが立地場所です。医院は患者さんの殆どが通院時間30分以内(診療科目によっては、15分~20分)のエリアから来院する地域密着型の事業です。医院の近くに多くの患者さんが集中していればもちろん申し分ありませんが、それだけ競合が進出するリスクもあるわけで、エリア内でどれだけの患者さんに知ってもらえるか。その地域の生活動線なども考慮しながら選定を行います。

<不動産業者との交渉→契約>
開業する場所が決まり、その場所の契約をする段階に入ると、不動産にまつわる様々な法律用語が出てきます。たとえば土地や建物の購入の際には、国土利用計画法・都市計画法・建築基準法・宅地建物取引業法など、通常の生活ではあまりお目にかからない言葉がそれです。その場で確認するのではなく予め押さえておくことも必要です。
契約の形態ごとに、知っていると役に立つことを簡単に説明します。

(1)売買契約上のポイント
土地建物を新規で購入することになりますから、売買契約です。
売買契約では以下のことを留意してください。
・不動産売買契約(重要事項について、確認がなされているか。)
・登記簿の確認
・現場確認作業(隣地との境界がしっかりしているか。)
・不動産登記
場合によっては、土地家屋調査士、司法書士などのアドバイスを。

(2)賃貸借契約上のポイント(留意点)
不動産の賃貸借契約とは、法律的には、貸主が借主に対し物件を使用させ、逆に借主は、その見返りとして、土地の場合には地代、建物を借りる場合には家賃を貸主にしはらうことを賃貸借契約といいます。この契約の際に注意し確認しなければならない点がたくさんあります。契約内容を確認する際には、契約者にとって不明な点がない、完全に納得のいくものでなければ決して契約印を押印してはいけません。そのために下記の点に注意してください。

確認すべき事項注意点
契約期間
保証金などの償却期間とのバランス
3年~5年での更新が一般的

賃料・共益金
賃料の改定アップ
契約書の更新時に値上げすることが明記されていないか。

敷金・権利金・保証金等
ビルテナント開業の保証金返還の有無、返還の方法、返還の時期

引渡し時期と賃料の発生時期
工事業者・着工可能日の指定
ビル医療機関→既存テナントの転出
引渡し日(入居可能日)必ず明確に記されているか。
賃料の発生日からの計算、日割り計算なのか
こまかなこともしっかりと

内装や設備の条件
院内のトイレ、洗面台、医療機器の電源・排水・空調などの設備工事
構造的な部分や、共益部分に何らかの手を加える予定。
(契約時に事前に貸主に確認・承諾を得る。)

明け渡し条件
原状復帰(借りた当初の状態に戻す)が困難となる内装の場合の対処
事前に建築設備業者・貸主・不動産仲介業者と協議の上覚書など書面で残す。

空調・水回り
密閉が必要な診察室などの空調設置箇所
温度管理が適切に行えるか

電気容量・天井高
レントゲン装置などの大型設備を導入する際に、電気容量や、床に対する荷重を確認する。

(3)借地契約時の留意点
建物の所有を前提とした借地契約の契約期間は、借地借家法の規定により30年以上とされております。期間満了の場合でも、その借地上に建物がある場合には更新できるものとされています。
医院用借地契約では、定期借地権制度の創設により契約当事者間において、契約期間終了後更新を行わない「定期借地権」契約を利用したものが多くなってきています。

定期借地権の種類
一般定期借地権
借地権の存続期間50年以上
建物の買い取り請求なし

建物譲渡特約付借地権
借地権の存続期間30年以上
契約期間満了時に建物を相当の対価で譲渡

事業用定期借地権
借地権の存続期間10年以上20年以下
建物の用途を住宅以外に限定建物の買取請求なし
※医院開業で利用されるのはこの事業用定期借地権が多い。

(4)土地・建物に関するその他の各種制限
不動産取引には、これまで説明してきたもののほかに、基本的な売買や賃貸借とは別に、土地の利用や建物の建築条件で、都市計画法や建築基準法などいくつかの条件制限があり、金銭的な交渉以外にも土地・建物に関するその他の各種制限・建ぺい率と容積率・市街化区域と市街化調整区域・接道制限・高さ制限など専門家と事前の打ち合わせを要するものもあるので、注意が必要です。

4.融資交渉

開業時に、必要な資金の全額をご自身、又は、ご家族のお力添えで用意できる先生は殆どいらっしゃいません。1億円近い開業資金の8割近くを融資で調達する場合が大勢を占めております。多額の融資をできるだけ有利な条件で金融機関より引っ張り出すのは、決して容易なことではありません。しかし、金利0.1%の違いでさえ、10年後には、大きな負担となるわけですから、大げさなようですが、命がけで挑まなければならない、開業準備の中で最も大変な交渉となることを忘れてはいけません。
融資交渉がどのようなもので、どのようにして対処していかなければならないか。具体的に説明いたします。

(1)金融機関の選定
金融機関を選ぶにあたり、融資を受けられる金融機関にもいろいろあることをご存知ですか。国の制度としてある公的な金融機関から、町の消費者金融まで多種多様です。公的な金融機関は、比較的有利な条件で借り入れをすることができますが、銀行よりも審査基準が厳しく、貸付の上限があるなど、様々な難問をかけてきます。
利益誘導型のコンサルタント会社は、これを理由に、自らが推奨する銀行に融資を依頼することを求めるなどする場合がありますが、私たちは、ここで押せるだけ押して、有利な条件を引き出すように粘り強く交渉をすることにしています。

(2)交渉における心構え
これまでに何度となくご説明してきたとおり、絶対にこの地で開業するという先生の気持ちが第一です。その気持ちを反映した事業計画書をたずさえ、これから自分が行う事業は、どれだけ有望で将来性があるか。自身を持ってプレゼンしてください。

(3)融資交渉の代行について
働きながら準備を進めるのは、本当に大変なことです。公的な金融機関は、土日祭日は、しっかり休みますし、夜間などの打ち合わせにも対応してくれません。先生のご依頼があれば私どもが様々な金融機関と融資交渉を行うこともできます。
先にも述べたとおり、交渉に当たる私どもの姿勢はただ一つ、「できるだけ有利な条件で融資をうけられるか。」です。無担保融資が良いのか、有担保融資にするのか、返済期間は何年にするのか、返済開始はいつからが最適か、元金返済はいつからか、など、先生のご意向を十分にお伺いして最も有利な条件で融資できる組み合わせを見つけてまいります

5.医院の設計・施工

医院の設計・施工は、先生の開業の夢を形にする大切なプロセスです。また、医院建築は、他の業種の設計と異なり、医院建築独自の様々な縛りがあります。医院建築に経験豊富な業者を選定しないと大変なトラブルになることがありますので、十分確認のうえ、業者を選定することも重要です。どのような形で依頼するか、どのようにして交渉すればよいのか。順を追って考えて見ます。

医院の設計・施工には次のパターンがあります。
●設計は設計事務所に依頼、その図面を元に施工会社に施工を依頼する方法
●設計事務所は、先生のお知り合い、施工は地元の業者
●設計はコンペ、施工は地元の業者
●設計はコンペ、施工もコンペ
●設計は地元の設計士、施工はコンペ
●設計施工ともそれぞれ当事務所の推薦
●設計と施工の両方を施工会社(大手ビルダー)に依頼する方法     など

この地域で医院建築に実績がある大手の施工会社は、八木澤税理士事務所と提携しております。

提携大手施工会社
大和ハウス工業 積水ハウス
三井ホーム 旭へーベルハウス

設計事務所に独自に設計を依頼する方法は、設計の自由度が高く、先生の好みを反映することができますが、その反面、工事費の約10%の設計料がかかります。また、施工の段階で、施工業者と設計事務所とのコミュニケーションがうまくいかないと施工が思うようにいかない恐れがあります。一方、設計・施工を同じ会社に依頼する方法は、コスト面で管理がしやすく、施工段階での連携についての不安もありません。ただし、設計の自由度が施工会社の都合で制限されることがあります。

いずれを選択するにしても、以下に業者とスムーズに交渉を行うかが鍵となります。
こちらの要望をはっきりと伝え、業者主導ではなく、物事が運ぶようにコントロールすることが重要です。

無料医業情報

クリニック開業を志している先生、またはすでに、病医院を開業されている先生向けに様々なビジネスリポートを無料でご提供するページです。以下のリストの中からご希望のものを当事務所までご請求下さい。無料でお送り致します。

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病医院経営、病医院開業に関するリポート

医療設備法人の設立のポイント
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