猶予制度

過去の更新内容

 猶予制度

新型コロナウイルス感染症の影響により納付期限までに納税が困難な場合、税務署に申請をすることにより次の要件のすべてに該当するときは、原則として1年以内の期間に限り、猶予が認められます。

換価の猶予(延滞税軽減)
要 件
1. 一時の納税により、事業の継続・生活維持が困難となるおそれがあること。
2. 納税について誠実な意思があること。
3. 納期限から6カ月以内に申請があること。
4. 猶予を受けようとする税金以外の滞納がない事。
注1 担保の提供が明らかに可能である場合を除き担保は不要。
注2 すでに滞納がある場合や申請期限を過ぎた場合でも、状況に応じて税務署長の職権による猶予を検討してもらえる場合もあります。
猶予内容
1. 1年間納税猶予(状況に応じてさらに1年管猶予される場合もあり)
2. 猶予期間中の延滞税が軽減(通常 年8.8%→軽減後 年1.0%)
3. 財産の差押えや換価(売却)の猶予

更に次のような個別の事情に該当する場合は延滞税なしで納税猶予が認められる場合があります。

納税の猶予(延滞税免除又は軽減)
新型コロナウイルス感染症に関連するなどして以下のようなケースに該当する事
1. 新型コロナウイルス感染症の患者が発生した施設で消毒作業が行われたことにより、備品や棚卸資産を廃棄した。
2. 納税者ご本人又は生計を同じにするご家族が病気にかかった。
3. 納税者の方が営む事業について、やむを得ず休廃業をした。
4. 納税者の方が営む事業について、利益の減少等により著しい損失を受けた。等
上記1~4のようなケースに該当することにより一時の納税が出来ない場合申請をすることにより納税の猶予が認められることがあります。(納税猶予の場合は滞納している国税が有っても猶予を受けることは可能)

コロナウイルス感染症の影響により資金繰りが厳しく納税資金にまで手が回らないから猶予をご検討したい方がいらっしゃいましたら、当事務所や各窓口にご相談ください。

相続登記が義務化されます

所有者不明土地問題を解消するための関連法が令和3年4月21日の参院本会議で可決、成立しました。一部を除き、公布から2年程度で施行される見込みです。関連する制度は多岐にわたりますが、以下3点に絞ってポイントを解説します。

1、 相続登記の義務化
今回の改正により、不動産の所有権の登記名義人について相続の開始のあったときは、当該相続により当該不動産の所有権を取得した者は、自己のために相続があったことを知り、かつ当該所有権を取得したことを知った日から3年以内に、所有権移転の登記の申請をしなければならない、とされました(相続人に対する遺贈により所有権を取得した者も同様)。正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、10万以下の過料に処せられます。
国の調査によれば、登記簿の約20%が「所有者不明土地」であるとされ、その増加が大きな社会問題となっています。相続登記の義務化は所有者不明土地対策の一環としての意味があります。
2、 所有不動産を一覧で知ることができる制度の創設
 相続登記を義務化する一方、登記手続きの円滑化のため「所有不動産記録証明制度」が創設されます。これにより相続人は登記官に対し手数料を納付して、所有不動産記録証明書の交付を請求することができることになり、相続登記の遺漏が発生しにくくなることが期待されます。
3、 土地所有権の国庫への帰属の承認等に関する制度の創設
 相続により取得した土地のうち、建物や土壌汚染がないなど一定の要件を満たす場合に、その土地を手放して国の帰属とすることの承認を求めることができるようになります。相続人が相続財産である土地について価値を感じていない場合にその土地を放置することで所有者不明土地が発生しやすくなりますので、これに対処するためです。
 
登記は自分の権利を守るための重要な制度です。相続登記がなされないままの土地・建物がないか、これを機にチェックしてみてはいかがでしょうか。


インボイス制が免税事業者に与える影響

令和5年10月1日から適格請求書等保存方式が導入されます。適格請求書等保存方式のもとでは、税務署長に登録を受けた課税事業者である「適格請求書発行事業者」が交付する「適格請求書」(以下「インボイス」とする)の保存が仕入税額控除の要件となります。また、令和5年10月1日より登録を受けるためには、原則として令和5年3月31日までに登録申請書を提出する必要があります。

ここで、適格請求書発行事業者でないと、インボイスを発行することはできません。さらに、消費税の課税事業者でないと、適格請求書発行事業者の登録を受けることができません。

そのため、今まで、基準売上が10,000千円以下等であったため消費税の申告納付を免除されていた事業主法人(以下「免税事業者])は以下の2つの選択肢を迫られることになります。
(1) 課税事業者を選択し、インボイスを発行する。
(2) 免税事業者を継続し、インボイスを発行しない。

(1)の場合においては、今まで免除されていた消費税の申告納付をする義務が発生します。そのため、納税資金、事務処理の負担が増加します。(2)の場合は、原則として取引先が仕入税額控除をとれなくなるため、取引先が難色をしめしたり、場合によっては取引を拒絶される可能性もあります。
インボイス制、特に、従前、免税事業者だった者に対しては大きな影響があります。早めに、インボイス制の影響を検討し、方針を決定しましょう。インボイス制について不明点がある場合は、当法人までご相談ください。

参考(国税庁発行リーフレット)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/300416.pdf

消費税の価格表示についての総額表示の義務化

 一般消費者を対象とした消費税の価格表示について、これまで表示する価格が税込価格だと誤認されないための防止措置を講じていれば税抜価格のみの表示を認めていた特例の期限が2021年3月31日で終了し、2021年4月1日からは、原則として商品等の価格は消費税等を含んだ総額である税込価格で表示しなければなりません。
 総額表示とは、消費者に対して商品の販売やサービスの提供を行う課税事業者が、値札やチラシ、広告などの価格表示において、あらかじめ消費税額を含めた価格を表示することをいいます。
 なお、事業者間での取引については総額表示義務の対象外となります。

【総額表示の例】
 税抜価格10,000円+消費税1,000円(税率10%)の場合
・11,000円
・11,000円(税込)
・11,000円(税抜価格10,000円)
・11,000円(うち消費税額等1,000円)
・11,000円(税抜価格10,000円 消費税額等1,000円)

 総額表示を行うにあたり、1円未満の端数が生じるときは、その端数を四捨五入、切捨て又は切上げのいずれの方法により処理してもよいこととされています。


配偶者居住権についての注意すべき事例

 改正民法により配偶者居住権が創設されました(1028条)。今回は配偶者居住権についての注意すべき事例をご紹介します。

【事例】
① 甲には長男乙、長女丙がいた。甲は甲所有のX建物に乙と同居していた。
② 〇1年1月甲が死亡した。X建物は乙及び丙が共同相続した。
③ 〇2年1月乙は丁と結婚しX建物に同居している。
④ 乙は将来自分が死んだ場合でも、丁が一生Xで居住できるようにしたい。そこで丁に配偶者居住権を遺贈すべく遺言書を作成した。

 このケースで丁は乙の意図通り配偶者居住権を取得することができるでしょうか。答えは「否」です。なぜなら、被相続人が相続開始時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合には、被相続人は配偶者居住権を取得することができないと定められているからです(1028条1項柱書ただし書)。被相続人以外の共有者に配偶者による無償の居住を受忍させることになってしまうからです。
 なおこのケースでは丙が同意していても配偶者居住権を遺贈することはできないとされていますので注意が必要です。(参考文献;潮見佳男他「Before/After相続法改正」(P86,87)、中込一洋「実務解説改正相続法」(P99) いずれも弘文堂)

配偶者居住権の新設と概要

配偶者の居住権の保護
 遺された配偶者が相続開始時に故人の所有する建物に居住していた場合に、その居住権を保護する目的で配偶者短期居住権・配偶者居住権が新設され、令和2年4月1日より施行されています。配偶者はこの居住権の取得により、無償で居住を継続できます。

《配偶者短期居住権》
 被相続人所有の建物に相続開始時に無償で居住していた配偶者は、被相続人の死後6月経過日と遺産分割終了時のいずれか遅い日まで、また居住権の消滅の申入れのあった日から6月を経過する日まで、居住を続けることができます。登記等の手続きはありません。

《配偶者居住権》
 被相続人所有の建物に相続開始時に無償で居住していた配偶者は、遺産分割協議や遺言等により配偶者居住権を取得することができます。その期間は終身又は一定期間で登記が必要となります。

配偶者居住権の注意点
〇  配偶者が居住している建物について被相続人と第三者とが共有している場  合には、配偶者居住権は発生しません。
〇  配偶者居住権の対抗要件は登記であるため、権利を取得した際には早急に登記する事が重要です。
〇  配偶者居住権は配偶者の居住権保護を目的とした制度のため、その権利は一身専属性があるとされ、配偶者の死亡により消滅し、また譲渡することはできません。
○  一次相続の際に当該建物の所有者は確定しているので、二次相続の遺産には含まれません。また、配偶者居住権は配偶者の死亡により消滅します。

配偶者居住権設定後の課税関係
〇 配偶者が死亡した場合
 ⇒ 配偶者の死亡により配偶者居住権は消滅するため、課税関係は発生しません。
〇 放棄・合意解除等の場合
  ⇒ 所有者に対し当該事由の際の配偶者居住権の贈与があったものとして贈与税が課税されます。また、放棄・合意解除等により対価を得た場合には譲渡所得として課税されます。

二次相続やその後の資金需要を考慮したプランニング
 配偶者居住権が設定されると、相続税の計算過程では不動産の価値は「所有権」と「配偶者居住権」とに分けて評価されます。配偶者が亡くなった際つまり二次相続の際には、配偶者居住権は消滅するため課税対象とはならず、相続税の負担が軽減される可能性があります。また配偶者居住権は建物についての権利とされているため小規模宅地等の特例の適用はありませんが、敷地利用権については「土地の上に存する権利」に該当し特例の対象となります。ただし適用要件を満たすことが前提ですので、一次・二次相続税を踏まえた検討が重要です。
 配偶者居住権は譲渡することが出来ません。第三者への転貸や建物所有者との合意解除などが選択肢となりますが、資金需要の発生に応えることが難しくなることにも注意が必要です。


法務省 残された配偶者の居住権を保護するための方策が新設されます
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00028.html

国税庁 「配偶者居住権等の評価に関する質疑応答事例」について(情報)
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hyoka/200701/01.htm


税理士法人 古畑会計事務所(司法書士 古畑忠男事務所)は
TKC全国会会員です
TKC全国会
TKC全国会は、租税正義の実現をめざし関与先企業の永続的繁栄に奉仕するわが国最大級の職業会計人集団です。
関東信越税理士会所属

お気軽にお問合せください。
税理士法人 古畑会計事務所(司法書士 古畑忠男事務所)
TEL:0263-47-5848

FAX:0263-47-7898
f-shihou-kaikei@tkcnf.or.jp