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コラム(LED照明関連特集)

最近、LED照明に係る税務処理のお問い合せが増加傾向にありますので、今までの情報をここにまとめてみました。拙い記事ですがご利用下さい。

写真 ランタンフェスタ@滝川

『掲示板投稿内容のご紹介』2012.08.29

当ホームページ掲示板にHNキンブルさんから「LEDに関する国税庁質疑応答事例Q&A」に対する解説、見解等、有用な投稿を頂きました。理解を深めるためにも当該掲示板の皆様の閲覧をお勧め致します。

『国税庁質疑応答事例 LEDランプ取替費用=修繕費を読み返す』2012/04/23

『国税庁質疑応答事例 LEDランプ取替費用=修繕費を読み返す』

前回のコラムにおいて、国税庁の3月30日付質疑応答事例の更新により「LEDランプ取替費用は修繕費として処理することが相当」とされたことを紹介させて頂きました。3月決算を間近に控えた実務家の皆さんにとっては大きな朗報であったことと思います。
ところで、本事案をじっくりと読み返しますと、単純に蛍光灯を蛍光灯型LEDランプに取り替えただけの場合の税務上の取扱い=修繕費を示したものであって、取り替えにあたって工事等が行われた場合まではカバーされておりません。
既設の蛍光灯の型式によっては、安定器の取外し工事等を伴うケースも考えられます。その工事の内容や規模によっては、資本的支出に該当することもあり得るものと考えますがいかがでしょうか。

『LEDランプの取替費用は修繕費に』2012/04/10

国税庁の3月30日付更新質疑応答事例において、蛍光灯型LEDランプの税務上の取扱いについて公式見解が明示されました。本事例においては、取替費用については修繕費として一括損金算入が可能であることが明らかにされています。

なお、具体的な内容については下記国税庁HPの質疑応答事例を参照して下さい。


http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/04/12.htm

「課税当局、LED電球交換費用の取扱いで画一的見解示さず」2011/09/20

~損金処理に際しては慎重な検討が必要に~

 税務会計の総合情報誌「週刊T何某の最新刊(09/12付)」で興味深い記事が掲載されました。それは蛍光灯からLED電球に交換した場合の、当該LED電球の取得費・工事費の取扱いについて、現在、課税当局では、少額減価償却資産、資本的支出該当性について検討を行っている模様とのこと。

 しかしながら、当該雑誌取材に対して、当局は「画一的な見解は出ていない」とし、明確な取扱いを示していない。したがって、LED電球の取得費・工事代金の損金算入の可否判断に際しては、慎重な検討が必要となるといった趣旨が記述されています。

 先に弊HPで紹介させて頂いた某雑誌記事とはかなりスタンスが異なりますよね。実務家の私たちにとっては頭の痛い問題です。

「LED照明と税務処理~少額減価償却資産との関連~(その3)」2011/09/08

当事務所の拙いHPにもLED関連のキーワードにてかなりのヒット数が見られるようです。そこで、ここではいわゆるエネ革税制やグリーン投資減税の面ではなく、もっと身近な少額減価償却資産や修繕費、資本的支出との関連から考えてみたいと思います。先ずは税務関連の某専門誌から見解が示されましたので、皆様にご紹介します。(特に誌名は伏せておりますが、ご理解下さい。なお、表現を一部変更しております)

1.LED取得費用と少額減価償却資産

(問い)自己所有の建物ワンフロアの蛍光灯について、古くなったためにLEDに一括で取り替えた。ちなみに、LEDの取得状況は25組50本、取得価額は総額で40万円(1本当たり8,000円)である。

(答え)基本的には少額減価償却資産となるようです(令133)。基本的に、照明設備は部屋ごと、またはパーテーションごとなどでコントロール(電源のオン・オフのスイッチによる管理)されているため、判定単位をスイッチごとと考えると、通常スイッチ一つで制御される範囲が10万円を超えることは無いことから、少額減価償却資産として取り扱われることになるようです。(問い)の設定の場合、スイッチ等が4カ所以上であれば、少額減価償却資産に該当し、一時の損金に算入できることになるようです。

2.LED取得費用と資本的支出・修繕費

(問い)蛍光灯からLEDに取り替えたケースで建物付属設備(照明設備)の改良や修繕にあたる場合、資本的支出とされるのか?それとも修繕費となるのか?

(答え)基本的には修繕費と取り扱って構わないようです。資本的支出は、法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち、当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額とされます(法令132、法基通7-8-1)。
一方で、修繕費は修理等の支出額のうち、固定資産の通常の維持管理のため、又は毀損した固定資産の原状回復費用と認められる部分の金額とされます(法基通7-8-2)。蛍光灯をLEDに取り替えることで、節電効果や使用可能期間などが向上しますが、それはLED自体が蛍光灯より性能が高まっているだけで、建物付属設備そのものの価値が高まったとはいえないと考えられることから、修繕費に該当するといえるようです。
また、資本的支出か修繕費か区分できない場合の形式基準である60万円未満基準からみても、一の判定単位を部屋、パーテーションごととした場合の費用は通常60万円を超えないことから修繕費に該当すると思われます(法基通7-8-4)。

3.LED取得費用が高額の場合の資本的支出・修繕費

(問い)節電対策で全社の蛍光灯をLEDに取り替えたのですが、総額で2,000万円を超えてしまう場合は資本的支出に該当するのか?

(答え)資本的支出と修繕費の判定は、支出費用が固定資産の価値を高めるための費用等なのか、原状回復費用等にあたるのか実質で判断し、その判定が明らかでない場合に形式基準で判定することとされています(法基通7-8-1、法基通7-8-2、法基通7-8-4)。したがい、LEDの取り替えに関する資本的支出の判定を実質で判断する場合、金額の多寡は関係ありません。
(問い)の取替作業が単純な作業で済む場合、建物付属設備の価値等を高めているとまではいえないので、修繕費として取り扱われることになると思われます。

4.以上の見解に対する私見

以上の見解は某雑誌記者さんが課税庁にて取材をした結果得られた情報でしょうから、管理人ごときが私見を述べるなどおこがましいのですが、気になる部分を以下にピックアップしてみます。

「蛍光灯をLEDに取り替えることで、節電効果や使用可能期間などが向上しますが、それはLED自体が蛍光灯より性能が高まっているだけで、建物付属設備そのものの価値が高まったとはいえないと考えられることから、修繕費~」

例えば、車庫などの簡易建物に防水ペンキを施した場合、単純な修繕費とは言い難く、資本的支出と判断される恐れがあります。こう言った場合、先ず前述の基本通達の形式基準を検討する必要があると考えます。LEDなり蛍光灯はいわゆる電気設備の集合体の一部であることから考えますと、「建物付属設備そのものの価値が高まったとはいえない」とは、正直なところ私には断言する勇気がありません。

5.ご意見をお待ちしております。

LEDの取扱いについて読者の皆様のご意見をお寄せ下さい。期間限定にて掲示板を再開しました。お名前は匿名またはHN(ハンドルネーム)でも構いません。自由なご意見の発表の場として提供しますので、よろしくお願い申し上げます。

「LED照明と新たな法律案との関連について(その2)」2011/06/23

「エネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合の特別償却又は特別税額控除制度における即時償却措置」は、23年度改正により改廃され、新たに省エネに着目した「エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除の制度」が創設される予定でしたが、つなぎ法により、即時償却の適用期限が6月30日まで延長されたことは以前お話しました。
(当コラム・04/13付記事(注記))

更に「現下の厳しい経済状況~法律案」では、6月30日まで延長した即時償却制度の適用期限を平成24年3月31日まで延長し、措置法42条の5を新たに設け「エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除」を規定しています。見落としのなきようご注意下さい。

「LED照明の一括取付工事をした場合の税務処理について(その1)」2011/04/13

(1)エネルギー需給構造改革推進税制

 例えば事業所などで通常の照明をまとめてLED照明に交換した場合にはかなり高額な費用がかかりますが、この支出金額を税務上はどのように取り扱うのがよいのでしょうか。

こういった場合、読者の皆様がご承知のとおり、電気設備(建物付属設備)として減価償却資産に計上する必要があるようです。ここで、エネルギー需給構造改革推進税制との関連が生じます。

その照明設備等につき、その性能及び所管行政庁等の確認書の添付その他の要件を満たした場合に限り、エネルギー需給構造改革推進税制の適用があります。なお、法人が平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間に新品のエネルギー需給構造改革推進設備等(ここではLED照明をいいます)を取得等して、その取得等した日から1年以内に国内にあるその法人の営む事業の用に供した場合には、その事業の用に供した日を含む事業年度において、上記(30%の特別償却や税額控除)にかかわらず即時(100%)償却が認められます。詳しい内容については国税庁のタックスアンサー(NO.5452)をご参照下さい。
(注1)いわゆるつなぎ法案が成立しましたので、「平成23年4月1日~6月30日」の3ヶ月適用期限が延長されました。設備投資の予定があるのでしたら、前倒しをして即時償却の適用を受けることをお勧めします。
(注2)つなぎ法案により6月末まで単純延長されている、いわゆる「期限切れ租税特別措置の延長等」については、「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税等の一部を改正する法律案」(&関連あり→「所得税法等の一部を改正する法律案中修正」)として、平成23年6月10日に別途の新たな法律案として国会に提出されました。ご留意下さい。

(2)令133条(少額減価償却資産)と基本通達7-5-1(みなし償却)


 仮にあなたがクライアントから、自社ビルの照明器具が古くなって来たので、この際その全てをLED照明に切り替えたいのだが、その費用の500万円は一括で落してよいかと相談を受けたとしましよう。あなたは個々の照明器具は独立しており、また10万円に満たないのであるから、施行令133条により一括で費用とすることが可能であり、備品消耗品費勘定で処理するように指導しました。

運悪く(あるいは例年と比較して消耗品費勘定の残高が突出したのが目立ったのか)その年度に税務調査が入ったとしましょう。おそらく調査官はその500万円の全額を減価償却超過額として否認するでしょう。あなたは取得価額500万円から、当期分に係る償却限度額を控除して否認額を算定すべきと主張しましたが通りませんでした。

何故でしょうか?

 基本通達7-5-1の(6)をよく読むと、「少額な減価償却資産(おおむね60万円以下)又は耐用年数が3年以下の減価償却資産の取得価額を消耗品費等として損金経理した場合のその損金経理をした金額」となっています。今回のケースのように500万円と高額な場合にはこのみなし償却は認められません。したがい、調査官の主張が正しいのです。同通達の(3)の「減価償却資産について支出した金額で修繕費として経理した金額のうち令132条【資本的支出】の規定により損金の額に算入されなかった金額」の方を適用した場合にはまだ救われます。

また、最初から資産計上をしてエネルギー需給構造改革推進税制を適用した場合には、その取得時期によっては100%償却が可能であったはずですから(少なくとも30%償却はいつでも出来ますよね)、その事実を知ったクライアントからは損害賠償請求を受ける可能性があるでしょう。

    (注1)以上は管理人の私見を含みますので、ご意見をお待ちしております。
    (注2)ただ単にLED照明を取得しただけでは、上記措置法の適用を受けることは出来ません。

     必ず適用要件をご確認下さい。

LED照明とグリーン投資減税~階層ごとに台数の90%以上の同時設置要件が~」2013/04/23

財務省告示による別表一部改正

 LED照明を含む高効率照明設備については一定のエネルギー消費効率の要件を付しており、既存建物や新築建物の「階層ごとに当該階層の共用部分及び専用部分の天井及び壁に設置された(する)照明器具の台数の90%以上の数を当該階層に同時に設置する場合の当該照明装置に限る」など階層ごとに90%以上の台数を同時設置する等の要件が明らかにされました。別表四⑰

 なお、改正告示の適用時期については平成25年4月1日となっており、資源エネルギー庁のHPにて、「※グリーン投資減税について」から「対象設備一覧」に進みますと、別表一~五の各対象設備の定義が確認できます。

「平成25年度改正~LED照明単独設置がグリーン投資減税の対象に~」2013/04/04

改正の概要

 某専門誌の情報ですが、平成25年度税制改正で、従来、4設備の同時設置が要件とされていたLED照明等について、単独設置での適用が認められることとなりました。

現行制度においても、LED照明についてはグリーン投資減税の対象となっています。しかし、LED照明をグリーン投資減税に適用させるためには、高断熱窓設備、高効率空気調和設備、高効率機械換気設備も含め、4設備を同時設置することが要件となっていたために、非常に使い勝手のよくない制度であったように思います。

今回の改正では、LED照明単独であっても設備要件を満たすものであれば、グリーン投資減税の適用が可能となります。30%の特別償却であれば、中小企業だけでなく大企業も適用可能ですから(7%税額控除は中小企業のみ)、今後この制度利用が促進されるものと期待されます。なお、詳細な設備の機能については、改正法公布後の財務省告示にてご確認下さい。

補助金との関連

 現行のグリーン投資減税では、地方公共団体等から補助金等を受けても適用可能でしたが、改正後(平成25年4月1日以後)は適用対象から除外されることになります。また、適用対象から除外されることになりますので、対象設備の取得価額から補助金等を控除した上でグリーン投資減税を適用することはできないのでご注意下さい。