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戦略経営者2026年1月号 cafe restaurant ぽぽんちぃた様

戦略経営者2026年1月号 cafe restaurant ぽぽんちぃた様

株式会社TKC発行の企業向け情報誌「戦略経営者」2026年1月号で当事務所のお客様である、cafe restaurant ぽぽんちぃた様がご紹介されました。

震災から立ち上がる PART2

cafe restaurant ぽぽんちぃた 飲食業

迅速な資金調達と復興イベントで危機を突破

石川県七尾市にあるcafe restaurant ぽぽんちぃたは、令和6年能登半島地震の影響で開店から1カ月後に休業を余儀なくされた。西本亮太さんは「心が折れそうになる時期もありましたが、地域の方々に背中を押され、なんとか危機を乗り越えることができました」と語る。

 2023年12月、石川県七尾美術館の近くに、カフェレストラン「ぽぽんちぃた」がオープンした。店を営むのは西本亮太さん、美樹さん夫妻。亮太さんが主にオムライスやパスタなどのメインディッシュを、美樹さんがデザートを担当している。
 亮太さんは福井市内の喫茶店やレストランで5年ほど働き、料理や接客の腕を磨くなかで、次第に「自分の店を持ちたい」という夢を持つようになる。その後、地元である七尾市に戻り、その夢をかなえた。
 おいしい料理やデザートを、落ち着いた雰囲気のなかで楽しめるお店にしたい――。志を高く持った西本さん夫妻に、すぐさま試練が襲う。令和6年年能登半島地震。開店から1カ月も経たないうちに、お店は無期限の休業を余儀なくされた。
 地震発生時は、美樹さんの実家がある福井県に帰省していた亮太さん。当時七尾市では震度2~4の余震が頻発していたことから、その日はそのまま美樹さんの実家に滞在した。

cafe restaurant ぽぽんちぃた

西本亮太さん

cafe restaurant ぽぽんちぃた
創業:2023年12月
所在地:石川県七尾市小丸山台2-49
URL:https://www.instagram.com/poponchiita?igsh=ZndkeHFnZ3N1ajdh

cafe restaurant ぽぽんちぃた

 「開店したばかりなのに、なぜ……という気持ちでいっぱいでしたし、お店は無事なのか、営業を再開できるのかなど、次から次へと心配ごとが押し寄せてきました。七尾に住む両親とすぐに連絡が取れ、無事だとわかったことが唯一の救いでしたね」と亮太さんは当時の心境を振り返る。
 テレビのニュース番組では、常に被災地域の様子が報道されていた。そこに映し出されていたのは、地震が残した爪痕の数々、そして未曽有の災害を経ても挫けず、復興を目指して前を向く人々の姿だった。その姿に勇気づけられたという亮太さん。美樹さんからも「一緒に頑張ろう」と背中を押された。時間がかかっても、絶対にお店を再開する――。そう亮太さんは気持ちを奮い立たせた。
 その後七尾に戻り、店舗を訪れた西本さん夫妻は、能登半島地震がもたらした被害の大きさを目の当たりにする。店内はイスやテーブルが散乱し、キッチンでは食器や調理器具、調味料が床に散らばっていた。駐車場のいたるところに亀裂が走り、段差が生じていた。
 この時期、西本さん夫妻を悩ませたのは水の問題である。当時、七尾市全域が断水しており、復旧の見通しも立っていなかった。水が出なければ料理を提供するどころか、清掃すらままならない。「水道が復旧するまでの間は店舗の片づけに集中しました」と亮太さんは述懐する。

「ぽぽんちぃた」は石川県七尾美術館のほど近くに構える

「ぽぽんちぃた」は石川県七尾美術館のほど近くに構える

地震の影響でキッチンには食器や調理器具、調味料が散乱

地震の影響でキッチンには食器や調理器具、調味料が散乱

「クラウド会計」の効用

 もう一つ、西本さん夫妻を悩ませたのが資金繰りの問題である。たとえ休業中であっても、家賃や公共料金の支払い、借り入れ返済等の出費は必ず発生する。売り上げが一切立たないなかで、いかにして、手元の資金を厚くするべきか……。悩みの尽きない西本さんに手を差し伸べたのが、所司安輝朗顧問税理士である。
 今回の地震に際して、所司税理士は日本政策金融公庫との面談を調整。亮太さん、所司税理士、日本政策金融公庫の3者で、今後の支援策を打ち合わせた。
 「公庫の方からは『いろいろ大変かと思いますが、事業を早期に再開できるよう綿密にサポートします』と声をかけていただいたことを今でも覚えています。創業融資の返済スケジュールの後ろ倒し、運転資金の新規融資などがその場で決定し、当面の資金繰りについてはある程度めどが立ちました。本当にありがたかったです」(亮太さん)
 会計データをクラウドで管理していたことも、資金の迅速な確保を後押しした。たとえ有事の際であっても、融資や助成金の申請には業績資料の提出が求められる。その点、同店は所司税理士の提案により、創業時からTKCのクラウド会計システムを利用。会計データをクラウドで管理していたことから、助成金等の申請に必要な資料や情報を入手するのに時間を要することはなかったという。
 当面の資金繰りについてはめどが立った。あとは営業再開に向けて準備を進めるだけである。

復興イベントでお店をPR

 2月に入り、ようやく水道が復旧すると、西本さん夫妻は店舗の清掃と飲食物の提供準備を一気呵成(いっきかせい)に進める。手始めに、JR七尾駅前にある商業施設パトリアで毎週金曜~日曜日に開催されていた「能登屋台村」に出店。これは被災した飲食店の支援を目的としたイベントで、同店のほかにも地震の被害を受けた飲食店が多数出店していた。
 イベントでは同店自慢のオムライスを提供。チキンライスに錦糸タマゴを載せ、そこにケチャップをかけた「屋台村特別バージョン」のオムライスに、多くの客が舌鼓を打った。「今度はお店に行きます」と、温かい言葉もかけられたという。
 その後、4月5日に念願だった店舗営業の再開にこぎつける。再開以降は店舗と並行して、さまざまな復興イベントに出店。自慢の料理を振る舞いつつ、お店と料理のPRに注力した。
 「イベントをきっかけにお店に訪れるお客さまもたくさんいらっしゃいます。初めてのお客さまは、当店自慢の『ケチャップのオムライス』を、常連のお客さまは『月替わりのランチ』をよく注文されます」(亮太さん)
 能登半島地震から丸2年。ぽぽんちぃたは現在、老若男女問わずさまざまな年代のお客が店を訪れ、にぎわいを見せている。

「ケチャップのオムライス」と「アイス on プリン」。デザートはすべて美樹さんがメニューを考察
「ケチャップのオムライス」と「アイス on プリン」。デザートはすべて美樹さんがメニューを考察

「ケチャップのオムライス」と「アイス on プリン」。デザートはすべて美樹さんがメニューを考察