税務:こんなケースは要注意! 令和8年分 年末調整のポイント
多くの会社員(給与収入のみ)にとって、所得税の納税を完了させるための重要な手続きである年末調整。特に次のようなケースにあてはまる従業員がいる場合は、手続き上、他の従業員と異なる点や、令和8年度税制改正(令和8年12月1日施行)の影響を受ける可能性があるため、気をつける必要があります。
・中途採用で入社した
・年末に結婚した
・見込年収額が昨年と同額である
・配偶者がパートで働いている
・大学生の子どもがいる
・生保に加入している(子育て世帯)
・マイカー通勤をしている
2年連続で年末調整に大きく関係する税制改正が行われたことから、例年よりも年末調整事務が煩雑になります。手続きを始める前に、注意すべき点について最終確認しておきましょう。
経営:役員退職金の準備はできていますか?――計画的な資金確保がポイント
経営者をはじめとする役員の退職金は「引退するときに考えればよい」と後回しにされがちです。しかし、準備が不足していると退職後の生活はもちろん、会社の資金繰りや事業承継にも影響します。このような問題を避けるためにも、役員退職金の検討は後回しにするのではなく、事業承継後の会社経営の安定をも見据えて、早い段階から考えておきたいものです。
役員退職金の支給額や支給時期が適正であれば、全額を損金算入できるため、会社にとっては税負担の軽減につながります。
受け取る役員にも恩典があります。原則、退職金は給与所得ではなく退職所得に該当し、勤続年数に応じた退職所得控除があるため、給与所得として受け取る場合に比べて税負担が軽減される仕組みになっています。ただし、支給額が過大な場合や、退任の事実がないまま退職金を支給した場合などには、退職所得として認められないことがあるため、支給する前の検討は大切です。
役員退職金を計画的に準備するには、①支給ルールを整備する、②支給原資を確保する――ことが必要です。役員退職金の必要資金や準備方法について、一度考えてみてはいかがでしょうか。
経営:中小企業が活用したい補助金・助成金3選
物価上昇・賃金上昇が続く中、生産性向上や販路開拓等に取り組む中小企業にとって心強いのが、国や地方自治体が支給する補助金・助成金です。中小企業が活用したい補助金・助成金をピックアップしました。自社の状況と照らし合わせて、活用を検討してみましょう。
・小規模事業者持続化補助金
・中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)
・65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)
補助金・助成金ともに借入金ではないので、原則として返済する必要はありません。ただし、いずれも「後払い」。特に、補助金については交付決定前の発注や支払いはNG。入金も事業の実施完了後となるため、申請から入金まで数か月〜数年単位でかかることもあります。助成金は比較的早く受給できる傾向にありますが、それでも申請から支給まで数か月程度はかかるため、資金計画をしっかり立てることが大切です。なお、いずれも条件等を守らない場合は返還義務が生じます。
また、会計処理上、補助金・助成金は「営業外収益(雑収入)」として計上します。原則として法人税・所得税の課税対象となりますので、その納税資金の確保も必要になります。
税務:10月1日からインボイス制度「経過措置」が変わります 「またぐ取引」はどうなる?
免税事業者などインボイス発行事業者以外の者からの課税仕入れについて、買手は、原則として仕入税額控除を行うことができません。ただし、一定期間は、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置が設けられています。
令和8年10月1日以後に行う免税事業者等からの課税仕入れについては、控除可能割合が「80%→70%」に引き下げられます。
この控除可能割合は、原則として、請求書の発行日や代金の支払日ではなく、資産の引渡し日や役務提供完了日である「実際の取引年月日」で判定します。そのため、10月1日をまたぐ取引や、その前後に行われる取引では、「80%控除」と「70%控除」が混在することから、「実際の取引年月日」に注意が必要です。
なお、令和8年10月1日以後も、免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置の適用を受けるためには、一定の事項が記載された帳簿および請求書等の保存が必要です。
税務:帳簿書類の保存、きちんとできていますか
すべての事業者には、法律上「帳簿(仕訳帳・総勘定元帳等)」と「書類(請求書・領収書等)」の保存が求められ、その保存期間・要件も規定されています。
税務調査への備えという観点からも、帳簿書類の保存がきちんとできているかどうかは非常に重要です。税務調査の際、取引内容を証明する請求書や領収書等が見当たらなければ、「経費」や「仕入税額控除」が認められない可能性があります。また、税務調査官の求めに応じて、売上や仕入の事実を裏付ける資料を提示できなければ、思わぬ追徴課税につながることもあり得ます。帳簿書類は、税務上の正当性を証明するための重要な証拠といえます。
紙の帳簿書類は、「種類ごと」「月ごと」「事業年度ごと」に整理し、月別・事業年度別のファイルや保存箱に保管します。電子で帳簿書類を保存する場合、電子帳簿保存法が求める一定の要件を充足することが必要になります。メールやPDF等で受領した請求書・領収書等の電子取引データは、原則として電子のまま保存しなければなりません。
自社の帳簿書類の保存状況やその方法について、再確認してみましょう。
税務:令和9年1月から「貸付用不動産」の評価方法が変わります
本来、相続税評価は「時価」によるものとされていますが、貸付用不動産は実勢価格と相続税評価額との乖離が大きく、課税の公平性が担保されていないことが指摘されていました。中には、相続開始の直前に多額の借入れをして貸付用不動産を購入し、意図的に相続税負担を減らすといった極端な“相続対策”が行われたケースもありました。
こうした状況の是正のため、令和9年1月1日以後に相続等により取得する不動産のうち、被相続人等が相続開始前・贈与前5年以内に対価を伴う取引により取得または新築をした一定の貸付用不動産については、相続開始・贈与時期における「通常の取引価額に相当する金額」によって評価することとなります。
評価方法の見直し後は、貸付用不動産を取得する時期によっては、相続人に対して、想定していたよりも大きい税負担が課せられる可能性があります。現在保有している貸付用不動産の取得時期について確認しておくとともに、あらためて現時点で見込まれる相続税額についてシミュレーションしておくことをお勧めします。
税務:【個人の青色申告者向け】令和9年分所得税から!「青色申告特別控除」が見直されます
「青色申告特別控除」は、個人の青色申告者(不動産所得または事業所得のある青色申告者)のみが受けられる青色申告の特典の1つです。現行制度では、満たすべき要件によって「65万円」「55万円」「10万円」の3つの控除額が設けられていますが、令和9年分の所得税から、一定の要件のもと、「75万円」「65万円」「10万円」となります。
今回の改正は、複式簿記による記帳と電子申告の普及を後押しするもの。一方で、簡易簿記による記帳や書面申告を行う場合、控除額が大幅に下がるため、実質的な税負担が増えることになります。
・65万円→75万円(複式簿記+電子申告+優良な電子帳簿の保存等)
・55万円→65万円(複式簿記+電子申告/書面申告からの切り替え)
・55万円→10万円(複式簿記+書面申告)
・10万円→0に (簡易簿記/前々年の収入が1,000万円超の場合)
キーワードは「複式簿記」「電子申告」「優良な電子帳簿の保存」の3つ。令和9年1月からスムーズに対応できるよう、今のうちから改正内容をおさえておきましょう。
税務:贈与って何? 贈与税って何? 贈与にまつわる「素朴なギモン」
家族内をはじめ個人同士で行われるお金や資産のやりとり。それが法律上の「贈与」とみなされ、思わぬリスクが生じることもあります。よくあるケースをもとに、贈与にまつわる素朴なギモンをひも解きます。
Q 贈与するときには契約書は絶対に必要なのですか?
A 民法では、「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」(第549条)とされています。口頭で贈与の約束をした場合も有効であり、必ずしも契約の書面が必要というわけではありません。しかし書面によらない贈与の場合、「言った、言わない」でトラブルの原因となる可能性があります。特に大きな金額や不動産の贈与は、契約書を作ることをお勧めします。
Q 贈与税は、財産をもらったら必ずかかるのですか?
A 贈与税とは、原則として個人から金銭などの財産をもらったときに、もらった人が納める税金です。ただし、贈与税には110万円の基礎控除があります。つまり、1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりませんし、贈与税の申告も不要となります。
経営:「売れる」仕組みはどうつくる? マーケティングのきほんの「き」
マーケティングとは単なる広告活動ではなく、「販売(強引な売り込み)を不要にすること」とされます。つまり「顧客に選ばれる仕組みをつくること」がマーケティングの目的であり本質ということです。「マーケティングの父」と呼ばれるコトラーの理論では、まず、顧客が望む価値を把握することから始めます。そのヒントを探るための考え方が、不便や悩み、欲求などをいう「ニーズ(needs)」と、ニーズを満たす際に「何を欲するか」という具体的なものである「ウォンツ(wants)」です。あわせて重要になるのが、徹底した「顧客の絞り込み」を行うこと。「全員に売ろう」ではなく、「顧客から選ばれるために、市場を絞る」ということであり、「市場を分けて・狙いを定め・どう際立たせるか」というSTP理論がそのヒントになります。
顧客が設定できれば、「その顧客に刺さる商品はどんなものか?」という具体的な検討ができるようになります。そうした顧客中心の商品開発や販売戦略の考え方を、「マーケティングの4P」といいます。商品開発や販売戦略を考える際は、「▲で悩む顧客のために、□という価値を提供するのが自社である」と、一言で言えるか考えてみるのがお勧めです。