これは、税務申告をする際に申告書に添付する書類です。税理士が申告書に署名をする際に、適正申告の根拠を示すものであります。ある意味、上場企業の財務諸表に添付する監査報告書に、公認会計士が署名をするようなものであります。
これを応用して、この書面添付書類を、金融機関や主要取引先に公開してみてはいかがでしょうか。閉鎖的性格を持つ同族企業であっても、これからは、公開性が求められる時代が近い将来必ずやって来ます。そうなったときに立ち遅れている余裕は、同族企業にはありません。今はコンプライアンスの時代です。正しいことを先駆けて進んでやる時代です。そのためには、いかなるしがらみにも耐えて、健全経営を実現し、自社の健全性を自分で証明できるようにならなければなりません。そのための提案を以下で説明してまいります。これからの時代を生きる経営者となるべき後継者の方には、そのぐらいの志を持って頂きたいですね。
健全経営実現のために予算管理が必要なことは、社長さんならご存知のことと思います。ここでお話しすることは、予算を作るうえで一番困る、目標利益の話です。
目標利益って何だと思いますか。社長さんの会社の目標利益っていくらですか。また、その金額の根拠は何ですか。とりあえず去年と同じかそれ以上にしておいた、よく売上高経常利益率何パーセントっていうからなど、様々な理由があることと思います。それで、決算書や書面添付書類を見る会社外部の方が納得するでしょうか。また、後継者様やブレーンの方々、彼らについてくる従業員さんが意気に感じてくれるでしょうか。具体的かつ、理論的根拠を持たせたいものであります。
貸借対照表と損益計算書をご存知のことと思います。貸借対照表は会社の財産の状態を表し、損益計算書は会社の儲けの状態を表します。この両者は、当期の利益という共通の数字で繋がっております。これを上手に利用したいものです。どの様に利用したらいいと思いますか。
社長さんがご自宅を新築するとしたら、まず何を考えますか。外観や間取り、様々な設備、住宅メーカーや工務店をどこにするか、どこの土地に建てるか、その全てにおいて予算が付きまとうのは当然のことと思います。その予算を用意するのに、役員報酬の一部を当てて、計画的に貯蓄することと思います。その際に計画性が大事になるわけですが、やはり、御自分の最終目標である、必要な頭金を貯蓄するために、毎月いくら貯金しようという考えは誰でも浮かぶことと思います。今から一年後の目標、二年後の目標・・・というように。この考え方をどうして会社にも当てはめることができないのでしょうか。
目標会社財産が決まれば目標会社利益が決まります。自社が今保有している預貯金や売掛金、自動車などの資産に、預貯金や売掛金の増減額、今後購入を予定している資産を加えたものを目標資産とし、同時点における買掛金や銀行融資金などの予定負債残高を目標負債とします。貸借対照表は、資産―負債=資本という公式で出来上がっております。その資本は、元手である資本金と前期までの累積黒字と当期の利益の合計です。資本金と前期までの累積黒字はすでに決まっています。したがって、目標資産から目標負債を差し引けば、自動的に目標会社利益が決まるわけです。
今度は損益計算書に移ります。この目標会社利益を達成するために、どれだけの目標売上高を必要とするかを考える番です。一年間に発生する目標固定費は大体予測がつくことと思います。固定費とは、人件費や減価償却費、水道光熱費などの、どんな場合でも一定額がかかる費用です。目標会社利益とこの目標固定費の合計金額を目標限界利益といいます。限界利益とは、商品販売業でいえば、荒利に相当します(製造業や建設業では荒利相当額ではなく、一製品あたりに、あるいは一現場あたりに追加的に発生する儲けの合計金額です)。固定費以外の費用を変動費といいます。変動費とは、一商品あたりに、一製品あたりに、あるいは一現場当たりに追加的に発生する費用の合計金額です。目標限界利益にこの目標変動費をプラスしたものが、目標売上高となります。
最後に、目標会社財産や目標売上高、それらの構成要素の見直しから、最終的な目標会社利益が決まります。これで目標会社財産を達成するための予算が決まります。目標会社利益に目的意識が加わるわけです。目的意識のないところに成功はありません。
目標会社利益の考え方、御理解いただけましたでしょうか。これらのことは、TKCの継続MASシステムでご支援します。後継者の方に安心して後任を任せられるよう支援します。合理的な思考方法が、成長を早めます。
このせっかく作った予算が絵に描いた餅とならないような手立てを、以下でお話してまいります。
今度は、合理的に作成した予算を合理的に達成していく番です。そのために必要なものは、まさに適時性です。会計事務所に帳簿を預けて、試算表が一ヶ月以上もたってからできてきたのでは、お話になりません。自社の数字は自分でおさえて自分で管理するのが戦略的企業の最低条件です。これを自計化といいます。ではなぜ、当事務所がTKCのFX2という会計ソフトをお勧めするのでしょうか。それが果たしてお客様のためになるのでしょうか。
世の中には、様々な会計ソフトが存在します。社長さんにとって使い勝手のいい会計ソフトというものもあることと思います。そこを押してまでお勧めする理由がなければお勧めしません。私どもがご提案したい会計ソフト FX2、このソフトのすばらしさは、金融機関さんや多くの企業さんに広く認められているところです。ここに理由があるのではなく、私どもが信じている会計ソフトを御利用いただくことが、私どものスキルをフル活用していただける一番の選択肢だと考えるからです。お客様のお使いになっている会計ソフトのそれぞれに対応しなければならない煩わしい時間を節約させて、戦略的提案をさせて頂く時間を作らせた方が、税理士の能力を何倍も活用できるとは思いませんか。
同じ税理士報酬を負担するのなら、どちらのほうが建設的で合理的かは自明の理でしょう。後継者の方には、いち早く、数字的センスを身に着けて頂きたいものです。予算をFX2に落とし込み、お役立ていただきます。
さあ、このFX2を使って、いったいどの様にして健全経営への道筋をご支援しようとしているのか、いよいよクライマックスです。
書面添付制度を利用して、健全性宣言を推し進める。予算管理をしてその道筋をつける。FX2で健全性のチェックをして健全経営を実現する。何か足りないものがありませんか。そう、具体的に何をするかです。これが決まらなければ、本当に予算が達成できるのか、不安でたまらないはずです。会社全体に覇気を植えつけるような、何かいい方法がないものでしょうか。
従業員さんレベル、現場レベルまで落としこんだ、参加型経営的な会社風土にしてしまうのが一番です。そこでご提案したいのが、バランススコアカードです。バランススコアカードとは、役員さんや従業員さん、パートさんやアルバイトさんにいたるまで、全員を巻き込んだ参加型経営を実現しようとすることを目的とするものです。
したがって、ワンマン経営を望む社長さんには馴染まないものです。皆で会社の置かれている外部的状況や内部的状況の良い面、悪い面を抜き出して、それらを重ね合わせて分析し、戦略的課題を考え出し、その課題を達成するための道筋をいとも簡単に導き出してしまおうとするものです。
バランススコアカードの良い点は、予算達成のための道筋をつけ、それを予算に落とし込むことで実現性を高めてくれるだけではなく、現実に予算の組み方がわからない、社長さんや従業員さんのイメージどおりに予算が組めない、といったニーズにも応えることができます。予算は基本的に数値目標で作成します。
しかし、その数値目標が時に専門的であって、作る側と作らせる側とのギャップを生む、ということは良くあることです。合理的で活用しやすい予算というものは得てしてそのようなものです。それは、言葉やイメージが、数字と結びつきずらいことがあるからだと思われます。そこを結びつけるのがバランススコアカードの役割です。
バランススコアカードは、次のような手順で作成します。
国の求めていることに積極的に取り組む姿勢が、企業価値を高めます。
帳簿類をペーパーに打ち出して保管することの倉庫コストを考えてください。
それらの保管義務期間は、商法で最大10年、税法で最大7年です。
≪ ファイナル・メッセージ・・・・・・ ≫
読んでみても、解らない点が多々あったことと思います。
そんなときは私に直接、ご質問下さい。ご理解いただけるまで、社長様と同じ目線に立って、ご説明、ご指導させていただきます。
後継者様の育成こそが、中小同族企業の本筋での生きる途です。死活問題です。
お問い合せ先は下記のとおりです・・・・・・
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東北税理士会所属 |
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