よくある質問

Q. 相続税はどのような場合に課税されますか?

A. 『相続により取得する財産の総額-相続により承継する債務の総額(葬式費用を含む)』が『3,000万円+600万円×法定相続人の数』を超える場合には、相続税が課税されることになります。ただし、「配偶者の税額軽減」等申告を要件として実質的に税額が出ないケースがあるため、一度ご相談下さい。


Q. 父が亡くなりました。私が相続できる割合について教えてください。家族構成は、私、妻、息子、母、弟の5人暮らしです。

A. あなたの相続分は4分の1となります。

法定相続人は、あなた、お母様、弟様の3人になります。この場合配偶者の相続分は2分の1のため、残りの2分の1を弟様と2分の1ずつ相続することになります。参考として
配偶者のみ→1
配偶者及び子→配偶者2分の1、子2分の1
配偶者及び直系尊属→配偶者3分の2、直系尊属3分の1
配偶者及び兄弟姉妹→配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1


Q. 相続手続が必要な事項を教えてください。

A. 主に以下の点があります。

  • 死亡届:死亡を知った日から7日以内に死亡者住所所在地の市町村役場へ
  • 遺言書の検認:相続後遅滞なく被相続人の住所地の家庭裁判所へ
  • 相続の放棄:3ヶ月以内に被相続人の住所地の家庭裁判所へ
  • 生命保険金の請求:生命保険会社へ
  • 不動産の名義変更:不動産所在地の法務局へ
  • 株式の名義変更:証券会社又は株式の発行法人へ
  • 預貯金の名義変更:預入れの金融機関へ
  • 自動車の名義変更:陸運局事務所へ
  • 電話の名義変更:NTT
  • 所得税・消費税の申告・納付:4ヶ月以内に被相続人の住所地の所轄税務署へ
  • 相続税の申告・納付:10ヶ月以内に被相続人の住所地の所轄税務署へ

各手続に当たっては必要書類が多数あるため、事前に確認するべきでしょう。


Q. 夫が事故で亡くなりました。死亡当時には子供まだは産まれておらず、お腹の中にいました。当時はまだ産まれていなかったため、産まれてきた赤ちゃんは相続人になれないのでしょうか?

A. もちろん相続人となります。

赤ちゃん(法律上では胎児といいます。)は相続に関してはすでに産まれたものとみなされます。


Q. 子供は女の子ばかりの3人姉妹です。長女が結婚し、婿養子に入ってもらうことになりました。この場合、婿に相続権が発生することになるのでしょうか?

A. お婿さんは相続人とはなりません。

婿養子に入り、単に長女の姓を名乗っているだけでは相続権は発生しないため、ご両親との養子縁組届けを出さなければ相続人とはなりません。


Q. 夫が亡くなった後、10年もの間夫の母親の介護をしてきたのですが、私に母の相続権は発生しないのでしょうか?

A. 残念ながら相続権はありません。

しかし、お母様から財産を遺贈する旨の遺言書を作成してもらえば財産を取得することは可能です。


Q. 今の夫とは再婚なのですが、私にも今の夫にも連れ子が1人ずついます。夫が亡くなった場合には私の子供に相続権はあるのでしょうか?

A. そのままではあなたのお子様は相続権がありません。

あなたのお子様と旦那様は血を分けた親子とは言えない為相続権は発生しません。お子様と旦那様が養子縁組をすることで法定血族となりますので相続権を生む事が出来ます。


Q. 父の遺品を整理していたところ、遺言書が出てきました。遺言書には封がしてあるのですが開封してみてもいいのでしょうか?

A. 勝手に開封した場合、過料に処せられてしまいます。

お父様がお書きになった実筆遺言証書の可能性が高いため、被相続人の住所地の裁判所に遺言を持参して「検認(変造・隠匿を防止する手続き)」の申立てをする必要があります。開封して内容を書き換えた場合には、相続権を失うことになってしまいます。


Q. 夫が亡くなりました。分割協議をしようと思っているのですが、子供は21歳の大学生の長男と18歳の高校生の長女です。未成年の長女は分割協議に参加できるのでしょうか?

A. 未成年者であるお子様は分割協議に参加できません。

また、親権者である母親が代わりに分割協議書に署名捺印をすることは出来ません。これは、分割方法によっては母と子の利害関係が対立するので、利害関係者は特別代理人にはなれません。未成年者については家庭裁判所で特別代理人を選任してもらい、特別代理人が未成年者に代わって分割協議に参加することになります。


Q. 父が亡くなりました。兄弟は弟と妹がいるのですが、父親は亡くなる前に、全財産を私と妹に残す旨の遺言書を作成していました。しかし、弟から財産の一部をよこすよう請求されました。この場合、財産の一部を渡さなければいけないのでしょうか?

A. 財産の一部を渡さなければいけません。

弟様の請求を「遺留分の減殺請求」といいます。遺留分とは、相続人に法律上認められた相続財産の取り分のことを言います。この制度がなければ、「愛人に財産の全てを遺贈する」という遺言をされた場合には、残された家族は住む場所さえ奪われてしまうことにもなりかねないからです。

遺留分は兄弟姉妹を除く法定相続人(配偶者、子、直系尊属)に認められており、その割合は

直系尊属のみが相続人の場合:相続財産の3分の1

それ以外の場合:相続財産の2分の1

ご質問のケースは、弟様の遺留分割合は2分の1、法定相続分は3分の1のため、6分の1が弟様の遺留分となり、相続財産の6分の1を渡さなければいけないことになります。


Q. 父が借金を残して亡くなりました。この借金はもちろん返さなければいけないですよね?

A. 必ずしも返さなければいけないとは限りません。

相続開始日より3ヶ月以内に家庭裁判所へ相続放棄の申述をすれば、相続放棄が認められ、借金を返す必要はなくなります。しかし、全ての「プラスの財産」までも放棄することになるため注意が必要です。その他借金がどの程度あるか不明であり、財産が残る可能性もある場合には、相続によって得た財産の限度で借金の負担を受け継ぐ「限定承認(3ヶ月以内)」もあるため、一度ご相談くださることをお勧めします。


Q. 妹に相続放棄を頼もうと思っています。そのためにはどのような準備が必要でしょうか?

A. 以下の書類が必要になります。

  • 相続放棄をする方の戸籍謄本
  • 被相続人の除籍(戸籍)謄本
  • 被相続人の住民票の除票
  • 相続放棄申述書(800円の収入印紙)
  • 郵便切手(裁判所によって枚数は異なるようです)

これらの書類を相続放棄申述書と共に家庭裁判所へ提出します。その後、裁判所からの照会事項に回答して不備がなければ、相続放棄申述受理証明書が送られてきて、相続放棄手続が完了となります。


Q. 相続税対策のためにと孫名義の預金通帳を作ってお金を振り替えています。これは孫の財産として認められますよね?

A. その方法では贈与を否認され、おじい様の財産として相続税の課税価格の基礎とされます。現金を贈与する場合には、お孫さん自身に口座を開設し、お孫さん自身に通帳の管理をしてもらいましょう。さらに、贈与の受諾の認識をしてもらい、契約書などを作成してその形跡を残しましょう。


Q. 父の遺品の整理をしていたところ、日付の違う遺言書が2通出てきました。どちらの遺言書に基づいて手続を行えばいいのでしょうか?

A. 遺言書が2通ある場合には、原則として、新しく作成された遺言書が有効とされます。ただし、要式に従っていない場合には認められないケースもあるため注意が必要です。


Q. 遺産は不動産だけなので私が全て相続する代わりに、弟と妹には私自身の通帳から現金を渡しました。この場合には贈与税が課税されてしまうのでしょうか?

A. 分割協議書に代償分割である旨の定めがあれば贈与税は課税されません。

「代償分割」とは、相続人の1人が遺産を取得した代償として、他の相続人には金銭等を与える分割方法です。この分割方法によれば、贈与税の課税はされないこととなります。