所長からのメッセージコーナー

  酒の教え  白鶴酒造を見学して

 この間、積水ハウスの「神戸視察研修旅行」に参加し、〝百聞は一見にしかず″のことわざ通り、灘の酒で知られる白鶴酒造さんを見学し、白鶴ブランドのこだわりの一端をのぞかせていただきました。 

 お酒は飲めない私ですが、以前に読んだ、灘のお酒についての「酒の教え」を思い出しておりました。

〝昔、灘のお酒は、船で遠く江戸へ送られ、その時たるに入れて運んだそうです。ところで、たるの中には八分しか酒を詰めなかったそうで、ここが昔の人のえらいところ。二分のすきがあるので波にゆられるたびにたるの中の酒は左右上下にゆられ頭を打つ。こうして十いく日ももみにもまれて、木の香りを吸い取り、陸揚げされる時には、いい知れぬ味わいを作ったのだという…。

 人も同じ、世の荒波にもまれて初めて心が磨かれ値打ちが出てくる。苦労をいとうてはたましいは光ってこない、人としての味も出てこない。苦労し抜いたひとには格がある、味がある、だから苦労を敵とせず友とせよ。嫌がらずにむしろ喜べ、そして明るい心で努めていけば、よい運がきっとひらけてくるものだ。″

 神戸、灘の地にある白鶴酒造は、伝統を重んじる一方でバイオテクノロジーの研究など、新しさへの挑戦と技術の進化をし続け、今の時代にふさわしい酒造りを目指していて非常に感銘を受けました。

 きき酒のコーナーでは、みなさんがしぼりたての純米原酒をのどごし良く味わっておられるかたわらで、私は甘酒ソフトをおいしくいただいてきました。