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今月の経営アドバイス

ワンポイントアドバイス11

親族への事業承継と成功事例

                                                   経営コンサルタント
                                                         永田会計事務所顧問 志村 和次郎

 これまで事業を引き継ぐ後継者候補といえば、親族が第一、それが叶わない場合は幹部社員の承継、それが無理ならば社外の第三者からという順番であった。
 今回の税制改正で、承継に伴う株式の贈与税と相続税が全額猶予されることになったが、さらに、個人事業主が事業承継をしやすい環境をつくるため、2019年の税制改正で、いわゆる「個人版事業承継税制」の創設が予定されている。国としては、中小企業及び個人営業の廃業を避け、雇用の確保と地域経済の衰退を防ぐため、早めの事業承継を促そうというねらいである。相続税、贈与税の負担が課題であっただけに、実現すれば画期的である。
 事業承継とは、会社の株と経営権の行き先を決め、スムーズに後継者にバトンタッチすることである。そして株式譲渡や事業譲渡のやり方が一般的に事業承継に使われてきたが、最近では第三者によるM&Aの方法が増えている。子どもを後継者候補として社内で育成すれば引継ぎがスムーズになるが、経営者としての修養を外部に依存するケースが多い。
オーナー経営者としては子どもの経営者としての心構えやスキルを見極める責任がある。
 そして親族への事業承継を行う場合、経営承継だけでなく財産承継もスムーズに行う必要がある。事業承継によって既存の役員・従業員の士気低下の防止、後継者以外の親族間の争いの防止等の課題も多い。
 幹部社員や従業員に対して、社内のコンセンサスに手間取り、ある程度の準備期間も必要になるだろう。株の分散などトラブルを避けるため、事業承継前の準備を怠らず、早めに決断し、承継計画に基づき実行することが肝要である。
 次の『2013年版 中小企業白書』によれば、親族への事業承継には、以下のような課題があることがわかる。

   ※『2013年版 中小企業白書』「第2-3-12図 規模別の親族に事業を引き継ぐ際の問題」をもとに筆者改変
 
 親族内承継の場合、「後継者への円滑な承継」に加え、税金対策が大きな問題となる。上記のデータを見ても、経営者としての資質・能力の不足が約60%、相続税、贈与税の負担が30%を超えていて、二つが重要な課題になっている。
 長男など親族の後継者を選定し、育成し、社内で認められるようになるまで、少なくとも3年、腰を据えて承継計画を推進する必要がある。
 一番の要になるのは、事業計画を後継者と一緒に作成することだ。経営者として自社・業界への精通、財務・会計の知識武装することである。
 何より、次の事例のように、オーナーの経営信念を受け継ぎ、次期経営者としての自覚を持ってあたることである。それによりリーダーシップも身に付つき、「営業力」、「決断力」、「技術力」等も身につくだろう。
 同族会社の利点は、経営ビジョンが引き継がれ、ぶれないことである。外部株主の意見を聞く必要がないので、経営戦略や方針立案が大胆に、迅速に実行できるからである。
 事例のように、先代の経営を継承してから、実力でつかみ取った経営舵取りで、トップとしてリーダーシップを発揮している。


事例 同業会社で修養後、後継者になる
 N社 は1967 年創業、当社は先代社長(父親)が設立、通信機器の販売、工事、サービスを行う企業で、後継者 である現T社長が1990年承継後に業界のリーダー会社に育てた。
 従業員数はT社長入社時、約 40人から現在約 80 人になっている。
 T社長の事業承継のきっかけは、大学卒業後、M社で修行の際に両親と相談、家業を継ぐことを前提に、中堅企業で経営全体の業務を経験できることに魅力を感じて、同じ業態の会社を選び、そこで約5年勤務し、修養した。
 M社を辞め、家業に戻り、まず物流センターを担当し、配送・梱包、在庫管理等の合理化に着手し、コンピュータを利用した受発注業務をシステム化と商品データベースを構築した。物流現場の改善やIT化を促進し、現場改善の断行で実績を上げた。
 前社長時代は経験と勘に頼り、計数管理が弱かったのは否めない。Tはコンピュータに熟達し、先代社長とは異なるタイプで衝突が絶えなかった。
 Tは約 3 年間の各部署の実務を経験し、31歳の若さで社長に就任した。そしてまず、新たな財務・会計システムを作り上げ、経営の全般管理ができるようになった。この間、幹部などからの直接的な抵抗はなかったが、後継者の改革を良しとしない古参社員などは退社した。
 これまでの拡張路線から銀行からの借入を見直すべく、T社長は幹部の協力を得て中期、経営計画を策定し、銀行の交渉も自らが積極的に対応した。
 後継者としては、様々な社内改革の取り組みを通じて、いつの間にか営業も経理もシステムも物流の全体が理解でき、経営の要所、要所を押さえられた。
 また、新卒の採用と中途採用を進め、社員の平均年齢も35歳程度まで下がり、週3回の勉強会も立ち上げた。社内のモチベーションが高まり、次第に売上、収益共、右肩上がりに伸長し、好調に推移している。

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