経営改善オンデマンド講座
永田会計事務所は
TKC全国会会員です

TKC全国会
TKC全国会は、租税正義の実現をめざし関与先企業の永続的繁栄に奉仕するわが国最大級の職業会計人集団です。
関東信越税理士会所属
お気軽にお問合せください。
永田会計事務所
群馬県前橋市朝日町3-13-8
TEL:027-221-8292
tomohiko-nagata@tkcnf.or.jp

メニュー

セミナー案内
マイナンバー制度への対応
社会福祉法人会計
FinTechサービス
相続税シミュレーション
円満な相続・経営承継対策
経営改善オンデマンド講座
FX4クラウドのご紹介
巡回監査
書面添付制度
創業支援

永田会計タックス&ビジネスニュース

今月の経営アドバイス

事業承継のアドバイス3

M&Aによる事業承継の事前準備

                                                   経営コンサルタント
                                                         永田会計事務所顧問 志村 和次郎

 M&A(企業買収や合併)の買い手にとっては、売り手会社の発展性、収益力と会社の純資産がその判断になるので、売り手会社実力の「磨きあげ」がポイントになる。したがって潜在債務(個人借入、未払いの残業代)がある場合や過度の節税などは株式対価に影響する。そして、買い手が安心できるのは、オーナー社長のワンマン体質を脱却し、組織体制と経営管理体制の整備が進んでいることである。
 さて、M&Aが事業承継の手法として注目されてきているが、中小企業庁の「事業承継がM&A成功させるポイント」では会社の実力の磨き上げを強調し、次のようにM&A成功のポイントを挙げている。
①準備段階で秘密を関係者(役員・従業員・取引先等)に漏らさない。
②専門的なノウハウを有する仲介機関(取引先金融機関、税理士、公認会計士、弁護士、商工会議所・商工会、M&A業者等)に相談する。
③事業承継の条件、売却金額の希望等を早い段階で仲介機関に伝える。
④デューデリジェンスの際に、交渉相手に対して自社の都合の悪いことでも隠し事をしない。
⑤M&A後の会社の環境整備に気を配る。
⑥会社の実力の「磨きあげ」を行う。
 以上の6点のように、M&Aを成功させるポイントは売り手側がいかに会社の価値を磨きあげ、買い手側の目的と利害の一致に導くことである。
 中小企業の創業オーナー、経営者が、会社を売却しようとする動機は、第1に親族等、事業を承継する後継者が不在であること。第2に事業が軌道に乗ったので、一度売却して創業者利益を得たい。第3に会社の現状業績先行きが不安で、資金繰りも苦しい。第4に重点事業に絞り、主力でない事業を売却したいなどである。
 一方、買い手側の企業のM&Aの目的には
①新規事業分野への進出②周辺分野の強化③ライバル企業との競争力④垂直統合のメリット⑤規模のメリット追求⑥技術力、人材の有効活用などである。
 このように売り手と買い手、双方の目的が一致し、M&Aのメリットが一致すれば事業承継も円滑に進めることができる。
 前述したように売り手側が事業承継計画に基づき、計画的に、事前の準備を怠らないことが大切である。
 そのためには経営戦略の一つとして、ワンマン体制から、ある程度の組織体制が機能する体制に変え、後継者がやりやすい経営管理体制にすることである。要は先にM&Aによる売却があるのでなく、あくまで買い手にとって魅力ある相手であることが前提である。
 売り手がM&Aによる事業承継の意思決定をすれば、次のような自社の魅力・特徴を示す「経営概要」を作成する必要がある。
 それは買い手側が作成するデューデリジェンス(Due Diligence)の内容と一致するものであり、さまざまな側面から企業の資産価値の磨き上げを行うことである。
・社長の経営理念・経営哲学・企業文化・事業の沿革、特色、業界の状況
・自社の組織、人材、販売網
・知的財産権、技術水準、アローアンス
 特に、数字には表れにくい無形資産の説明
・財務内容(決算書・借入金推移など)
 また、事業承継にあたって、社長の創業利益、財産的価値をいかに確保するかという問題がある。オーナー社長にとっては、株式譲渡でいかに売却代金を大きくするかという点が重要になる。その意味からも、魅力度の尺度となる磨き上げの作業は欠かせないものである。
 一方、買い手企業は上記の「経営概況」を確認し、M&A取引の意思決定のためのデューデリジェンスを独自に実施する。
 デューデリジェンスとは、M&Aの際、買収対象企業の経営環境、事業内容などを調査し、法務面の問題点・リスクや財務状況・収益力について企業分析を行うことで、正確な企業経営の実態や事業運営の手法を把握するための精密検査ともいうべきものである。この検査に基づいて、最終的に企業価値を提示し、M&Aの成否が決まるのである。


事例 M&Aで第三者が事業承継

 K社は現社長のK社長が1957年に資本金1,000万円、金属加工業会社を設立した。その後順調に成長し、現在は資本金1,600万円、売上も年商5.5億円、従業員15名の規模になり、利益も5期連続1,000万円以上あげている。しかしK社長には子どもはなく、この会社を経営したいという親族もいない。また、ワンマンで経営してきたため、社内に経営を任せられる者も育っていない。K社長は高齢でもあり、経営の一線を退くことを考え、友人でもある取引先のE社のE社長にM&Aによる会社売却について相談し、協力を要請した。
 そしてE社長から、既に取引はあったものの一部製品の競合もあって疎遠であったS社の紹介を受けた。
 M&Aにより事業拡大を戦略にしていたS社は、材料メーカーとして、加工品部門への多角化を考えていたので、このM&Aに積極的だった。E社長からK社の詳しい情報を得て、検討した結果、M&Aに合意し、K社の事業も経営権もすべて引き継ぐことになった。
 デューデリジェンスでは従業員のスキル、忠誠度が問題になったが、K社長によるワンマン体質とK社長の技術力に依存していることが判明した。そこでK社長には顧問として残留し、技術移転など、引き続き協力することになった。
K社長へは、5,000万円の退職金を支給し、株式の売却はせず、5,000万円相当のS社の株式交換で合併することで経営統合することになった。K社長は高収益で成長著しいS社の株式を取得して満足している。


今月の経営アドバイス バックナンバー

永田会計タックスニュース

バックナンバーはリンク先にございます 

永田会計ビジネスニュース

バックナンバーはリンク先にございま