「打つ手は無限」

『打つ手は無限』毎月発行の事務所通信です!

平成22年5月号

出版されて130年「学問のすすめ」いまだに古くならない日本の民主主義の本質的なテーマ

「現代語訳 学問のすすめ」の読書のすすめ

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず。」よく知られた福沢諭吉の「学問のすすめ」の書き出しです。「個人の独立があって、国も独立する」(一身独立して、一国独立する)という、本当の意味での民主主義を訴え、それを基礎に国家を創り上げていこうと啓蒙している名著ですが、文体が古いせいか一般にはほとんど読まれていないようです。
 近代国家における租税の意義を、たぶん日本で最初に論じた書物ですので、わたくしも岩波文庫版(一応現代語訳なんですが・・・)でチャレンジしておりましたが、全編読むのはチョットきついと思っていました。
昨年、ちくま新書から「現代語訳 学問のすすめ」齋藤孝訳 が出版されました。とっても読みやすく、一気に読めてしまいます。
今回は「学問のすすめ」の中から、帳簿と税金について書かれているところをちょっとだけご紹介します。

「政府と人民の約束」「学問のすすめ」より
「政府は法律をつくり、悪人を罰し、善人を守る。これが政府の「商売」というものだ。この「商売」には莫大な費用がいるけれども、政府には米もお金もない。百姓・町人から税金を出してもらって、その財政をまかなおうということで、政府と人民が双方相談を取り決めたのだ。これがすなわち、政府と人民の約束である。だから百姓や町人は税金を出して法律を守れば、その社会的責任を果たしているといえる。政府の方は税金を正しく使って、人民を守ればその責任を果たしたといえる。税金を払って安全が得られるのは、こんな安いことはない。税金は気持ちよく払うことだ。」
今日の簿記(複式簿記)を日本に紹介したのは、福沢諭吉です。「学問のすすめ」にも帳簿の効用についても書かれているので少し抜粋します。

「心のたな卸し」「学問のすすめ」より
「事業の成否・損得について、ときどき自分の心の中でプラスマイナスの差引計算をしてみることだ。
商売においてたいへん緊要なのは、普段から精密な帳簿を付けて、たな卸しの決算を間違えないことにある。人生という商売は、10歳前後からはじめたものであるから、普段から知性や人格、事業の帳簿を精密につけて、損失が出ないように心がけなければならない。商売の状態を明らかにして、今後の見通しを立てるものは、帳簿の決算だ。自分自身の有様を明らかにして、今後の方針を立てるものは、知性と徳と仕事のたな卸しなのだ。」

「なぜ勉強しなければならないのか?」という本来、学生が最初に心に留めなければならない学問の目的を明快に記したものとして、また、民主主義の本質、一人の人間として独立するということ、国家が独立するということの意味を理解できるすばらしい本です。これから確実に到来する困難な時代に向けて、今何をすべきか考えるためにも、あらためて読み直す価値があると思います。

所長 吉野 太

平成22年4月号

コスト削減のポイント②~人件費を戦略的に考える~

平成21年10月号では、「生産性」と「効率」の観点から人件費を考えました。今回は「超賃金ダウン」小原靖夫著を参考に、人件費の総額をどのように下げるかを考えてみます。
人件費に手をつけた時の副作用をどれだけおさえられるかが課題だと思いますが、まずは、大きくとらえることから始めます。

~経営資源蓄積の範囲内でしか戦略は実行できない~
人件費を戦略的に考えるには「企業の長期的なビジョンとそれを実現するための基本設計の中でどのようなシナリオを持って経営資源を配分するのか?」理解する必要があります。経営資源の蓄積(儲けやノウハウ、設備、人など)が戦略実行のカギですので、その意味では、場当たり的な削減は逆効果。コスト削減の分だけ売上や生産性も落ちてしまいどこまでも縮小していきます。
「厳しい現状を乗り越えた先に光が見える。そこまで頑張ろう。」という気持に社員がなれる企業風土が大事です。「ここは、踏ん張り時だ。」とみんなが納得でき、生産性が向上するコスト削減でなくてはなりません。

~どこまでなら下げられるのか?
(社員の視点から)~
社員の生活がかかっていますので賃金を下げるにも限界があります。人事院の標準生活費調査では、4人世帯の月額生活費は、約23万4千円となっています。住宅ローンを加算し税金や社会保険料を合わせると、月額37万3千円、年間450万円になります。また、国税庁の実態調査を参考にしても中小企業の男子平均が456万円とありますから、働き盛りの男子で年間450万円というのがひとつの目安となります。年齢別では30代が400万円40代は500万円というのが目安となる基準でのようです。
仮に人件費を500万円カットする場合

  1. 年俸500万円の人にやめてもらう。
  2. 全員一律にカットする。
  3. 業績の貢献度合いに応じて評価格差をつけてカットする。
の3つが考えられますが、優秀な人にはより働いてもらわなければならないので、合理的な評価システムを確立しなければなりません。

~どこまで下げなければならないのか?
(企業存続の視点から)~
企業の現状と今後の展開から「戦略的適正人件費」を設定しなければなりません。また、企業の体力から導き出される「支払可能人件費」を超える支払いは企業の存続を脅かします。売上が下がっている中で、適正労働分配率(人件費/限界利益で全業種平均53.1%)を上げないことが課題となります。
「儲けをどのように分配するのか?」① 人へ分配 ② 設備へ分配 ③ 営業販促へ分配 ④ 管理費へ分配 ⑤ 銀行金利 ⑥ 国へ分配(税金)・・・もうけをどう配分するのかは運命の岐路。適正労働分配率だと人への分配は5割~6割。これを超えると赤字の会社が多いのが現状なのです。
結局社員の視点と企業存続の視点を矛盾なく実現するには、一人ひとりの生産性・効率性UPのための努力と市場・商品戦略による全体の売上UPの実現をいかにするかということになります。

~「賃金カットは定期昇給後に行う」~
賃金はアップするにもダウンするにも根拠が必要です。個人の評価基準を明確にすると同時に、利益計画で人件費の限度額を出します。賃金ダウンは、「定期昇給後」に、つまり、個人の仕事をしっかり評価して定期昇給し、それから経済危機などの状況で必要な金額のダウンの配分を行います。
つらい仕事ですが、あいまいさは避けるべきです。
所長 吉野 太

平成22年3月号

< 韓国税制視察 >
TKC神奈川会で韓国の税制視察に行ってまいりました。韓国は世界1位のIT政府です。韓国国税庁での会合、韓国中部税務士会での意見交換、李税務士事務所見学会・・・と、最新の韓国税務行政を勉強してきました。SF小説の政府みたいでした。
< 韓国の税制 >

  1. 国民は住民番号が付与され行政管理される。
  2. 売買の時、インボイス(納品請求書のようなもの)を発行しなければならず、国税庁にそれをすべて提出しなければならない。
  3. 現金領収書制度というのがあり、消費者がお店でお金を支払うときに現金領収書を発行してもらうとその消費者は、自分の確定申告で所得控除を受けられる。(カード決済と同様に店から国税庁にデータ送信される)
  4. 国税庁のHPに自分のコードでアクセスすると現金領収書や医療費控除の集計がでる。それをもとにHPで電子申告すると確定申告ができる。
  5. 給与は住民番号で管理報告することになっているので副業や社会保険・雇用保険・生活保護など間違いもなく、ごまかしもできない。
  6. 事業者の確定申告は、売上・仕入・人件費が国税庁に把握されているため、報告されているものとの差額が何なのかわかるような別表を作成し決算書につける。また、最低3名以上の税務士のサインがないと申告できない。
  7. 個人の権利を保護する立場から、納税者権利憲章がある。(国家管理とのバランス)
  8. 税務調査がほとんどない。調査になるときは、ほぼ確実に問題が指摘される。調査後にアンケートを書く。(国税庁にとって納税者はお客様なので、顧客満足度は大切と言っておりました。)
  9. 日本は企業や事業者が毎年どんどん減少・縮小しているが、韓国は毎年増加している。
38度線の緊張感がそうさせるのか日本と比較すると、韓国は厳しい管理国家です。ITを駆使して無駄をなくした国家です。電子申告ですらまともに導入できない日本の現状を考えると制度的にかなり遅れをとったなあ・・・という感想をもちましたが、国際競争力を含めて、アナログですが性善説の日本のやり方で、負けちゃあいられないと思いました。

< 民主党の税制改正 >
今年の税制改正は、民主党による初めての改正でした。大きいものを少し紹介します。詳細は同封の事務所通信をみてください。
  1. グループ法人税制
    会社を2つ以上もつオーナーにとってはとても重要です。今年最大の改正ポイント。
  2. 住宅取得資金贈与の拡充
    ご両親から資金をもらって家を建てるなら今年が最大のチャンス! 申告手続きさえしっかりすれば1500万円まで贈与しても非課税です。
  3. 定期金に関する権利の評価引き上げ
    変額個人年金を使った節税対策が今月いっぱいでできなくなりました。今月いっぱいです。必要な方はお急ぎください!
  4. その他 扶養控除など
ご存じのとおり、日本の財政状態は火の車ですので、民主党もマニフェストに書かれていたことをすべて実行はできなかったようです。
近い将来、争点になってくるのは、社会保障番号制度(税務と社会保障を統一管理)の導入や給与所得控除の見直し、相続税法の見直し。消費税の引き上げはしないとしておりますが、隣国アジアの経済の急成長などを思うと早期に税制を含む国家戦略を出してほしいものです。
所長 吉野 太

平成22年2月号

<宮本武蔵の「五輪書」>
もうすぐ、冬季五輪オリンピックです。
世界のトップアスリートが競う祭典がとても楽しみですね。「五輪」という略称は、読売新聞の記者の方が、オリンピックのシンボルである5色の輪と宮本武蔵の「五輪書」をもとに訳した言葉だそうで、日本以外の漢字文化圏で「五輪」という略称を使うことはないのだそうです。
「五輪書」は、宮本武蔵が書いた兵法書で、「二天一流」という自らの剣術と兵法について解説したものです。五輪というのは「地」「水」「火」「風」「空」の5つからなる宇宙のことで「地の巻(兵法の道の概略)」「水の巻(兵法の道理)」「火の巻(戦い方)」「風の巻(他流派について)」「空の巻(心構え)」という構成で書かれています。

― 兵法を学ぶ者の修行の法 ―
① 邪(よこしま)でないことを思う
② 兵法の鍛錬に励む
③ 諸々の芸を学ぶ
④ さまざまな職能の道を知る
⑤ ものごとの利害・特質をわきまえる
⑥ あらゆることに鑑識力を身につける
⑦ 目に見えないところを洞察する
⑧ わずかなことにも注意する
⑨ 役に立たないことをしない

正しく思い、必死で鍛錬し、広い視野で深く考え、道理をしり、考え抜き、判断し、細かなことにも注意をはらう、そして、無駄なことはしない・・・現代でも同じですね。
<観・見2つの目付>
「五輪書」では、目付について「観の目(大局を見る目)を強く、見の目(細部を見る目)を弱くして、遠いところをしっかり見極め、近いところを大局的にみる。敵の太刀筋を良く知り、敵の太刀に惑わされない。」と書かれています。
細部に徹底してこだわる、細心の注意を払うことは、本当はとても重要です。プロフェッショナルならば、絶対です。しかし、ここで言われているのは、全体をしっかり見て、細部に惑わされるな、ブレるな、ということです。
経営戦略を立てる上でも目付は重要です。
武蔵から離れて、「視座」「視野」「視点」という考え方をご紹介します。
視点…どこを視るのか?(対象)
視野…どこまで視るのか?(空間・時間)
視座…どこから視るのか?(高さ)
   ビジネスでは「期待以上の仕事」が人を感動させ、次の仕事を呼びます。いい仕事をするには、ひとつ上の視座から物事を視る必要があるのです。 たとえば、課長から依頼された仕事をするとき、自分の視座で、自分なりにやるのは「下」。依頼した課長の視座から仕事をしても「普通」。「やるなあ。」と思わせるには、課長より一つ以上うえの部長や経営者、お客様などの視座に立って、その仕事を考えなければなりません。予想を越えるには、依頼者より常にひとつ上の次元で物事を考えるクセをつけることです。自分もそうなりたいし、そういう人財が欲しいですよね。
とすると「自社版 兵法(経営)を学ぶ者の修行法」みたいなものを編み出して実践していくほかないかもしれません、大変?でも、大丈夫、オリンピック選手の努力と忍耐に比べりゃ楽なもんです、きっと。

所長 吉野 太

平成22年1月号

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
2010年は、皆様にとって、どのような役割をもった年になるでしょう?一般論として、中小企業には、厳しい年、覚悟の年、生き残りをかけた戦いの年になるでしょう。
私も正月には「孫子の兵法」や「宮本武蔵の五輪書」など読みながら、今年戦うための諸条件を考えていました。戦うからには、勝たねばなりませんので・・・。


<孫子の兵法にみる戦いの諸条件>
「孫子曰く、兵とは国の大事なり、死生の地、存亡の道、察せざるべからざるなり。故にこれをはかるに五事を以てし、これをくらぶるに計を以てして、その情をもとむ。一に曰く道、二に曰く天、三に曰く地、四に曰く将、五に曰く法なり・・・。」
訳すと「戦争は国家の重大事件である。生死をわけ、存亡を賭けたものである。軽く考えてはいけない。5つの項目について計算し、敵・見方・情勢を把握せねばならない。5つの項目とは、道・天・地・将・法である・・・。」
と書かれています。
では、この5つの項目は何を意味するのでしょう。


「道」 民が君子を慕い、ひとつになっているか。
「天」 戦う季節、時期はどうか。
「地」 土地柄はどうか。有利か。
「将」 将軍に5つの美徳「知恵」「誠への信念」「やさしさ」「勇気」「威厳」はあるか。
「法」 軍は鍛えられているか。規律は守られているか。経理は大丈夫か。


事業経営に合わせていうと、

  1. 従業員は社長を慕い、全社一丸となっているか。
  2. 時期・タイミングは間違いないか?
  3. 市場や状況は分析されているか?
    ライバルに比べて有利な位置にいるか?
  4. 社長は、
    ① 知恵を働かせているか?
    ② 信念をもって事業をしているか?
    ③ 社員をいたわっているか?
    ④ 勇気をもっているか?
    ⑤ 威厳があるか?
  5. 社員は、鍛えられ、規律が守られているか?経理はしっかりしているか?

となり、さらに、以下のように続きます。
「これらは、誰もが既に知っている項目だが、それを実際に運用したものが勝ち、知っていても実行できないものは負ける。」「敵と対比すれば、戦う前に勝敗を察知することができる。」

孫子の兵法は、戦わずして勝つ方法を説いたものとされています。諸条件を比較すれば、戦う前に既に勝敗は決している。誰もがわかっている5つの条件を実践したものが勝ち、知っているだけでは負ける、というわけです。 しかしながら、今年は、わが社の状態がどのような状態であっても、戦わなければならない年、戦いを避けては通れない年に思えてなりません。正面から行くか、横から攻めるか、それとも背水の陣なのか、あるいは、逃げの一手か。いずれにせよ、生き残らねばならない。
「情熱と熱意と執念」で運命を打開していきましょう!
所長 吉野 太

平成21年12月

< 成功をもたらすエネルギーの5段階レベル >

成功者に共通することとして、負けず嫌いということがあると思います。成功するには、目標達成・夢実現への執念や闘争心が強くあります。コンサルタントの西田文郎氏によりますと、「素直な負けず嫌い」なのだそうです。

夢や目標を実現させるためのエネルギー、闘争心はどこからやってくるのでしょうか?
エネルギーには5段階のレベルがあると言われています。

  1. 不満のエネルギー
  2. 好き・得意のエネルギー
  3. 願望・自我のエネルギー
  4. 悔しさ・意地のエネルギー
  5. 感謝・使命感のエネルギー

  1. 不満のエネルギー
    今の環境や親、会社の人間など自分以外のものに対する不満。それに反発する形で発散される外発的なエネルギー。

  2. 好き・得意のエネルギー
    仕事や学問など、好きで得意だという気持ちからわくエネルギー

  3. 願望・自我のエネルギー
    「ああなりたい」「こうしてみたい」という自我を満足させたいという欲求のエネルギー

  4. 悔しさ・意地のエネルギー
    願望を抱いているものの、それが達成できない欲求不満のエネルギー。自我の欲求のが満たされない、自分に対する内発的なエネルギー

  5. 感謝・使命感のエネルギー
    願望や自我の欲求を克服し、自分以外のものを意識したエネルギー。社会や他人のために、あるいは理想的な自分に近づくための使命感から発生する。

レベル1から5まで、高いレベルのエネルギーが成功に導きます。低いレベルの闘争心では、成功者にはなれません。高い闘争心をもたらすエネルギーレベル「感謝・使命感のエネルギー」を持てれば一番です。

< 会社に成功をもたらすもの >

上記の成功のためのエネルギーを企業経営に当てはめて考えると、会社の社風がどのようなエネルギーレベルなのか、経営者・社員が成功者と同じようなレベルの闘争心や執念を持てているか、持つような工夫がなされているか考えていくことが大切です。

社長のエネルギーは、何段階目のエネルギーですか?
各社員のエネルギーは、何段階目のエネルギーですか?
会社全体としては、何段階目のエネルギーですか?

ひとつでも上のレベルのエネルギーで事業が成功することを祈念します。

所長 吉野 太

平成21年11月号

日常が多忙煩雑なときこそ、経営の本質を問うことで打開されることもあります。たった一度の人生。価値あるものにしたいですね。

< 経営の安定的繁栄のための3原則 >

  1. 自分の足元をみつめる。
  2. 徹底して他のために尽くすことが自分の利益になる。
  3. わかっても、やらなければ結果はでない。

「自分の足元をみつめる」
今という時代、自分の立ち位置、自分はなんなのか?はっきりと理解することが大切です。今の自分を正しく理解することで、このままいくとどうなるかという未来を予測することも可能になります。
具体的には、毎月の試算表を早く、正しく確認することです。今、いくらのお金があり、借入金があり、在庫や未収金、未払金があるのか。(B/S)月々の売上や人件費など(P/L)数字を正しく把握することで、このままいくとどうなるのか?やりたいことをできる体力が会社にあるのか?などわかってきます。
優良企業で有名なスター精密㈱の佐藤社長は「絶対会社をつぶさない10の鉄則」の中で「絶えず5年先までの最悪の事態を想定しておくこと。5年先の貸借対照表を常に意識しながら経営すること。そのためには自社の本当の姿をつかむことが大切である。」とおっしゃっております。貸借対照表をよーく読んでいただくことが特に大事だと思います。
また、同業他社との比較で自社がどの位置にいるかを知るのも大切です。市内で、県内で、日本の中で、世界の中で、わが社は、どのような個性をもっているでしょうか?ランキングは?どうでしょう意識していますか?

「徹底して他のために尽くすことが自分の利益になる」
会社経営の根本は何か?何のために技術を向上させるのか?仕入や新商品の開発に一生懸命なのはなぜか?売上はどうして伸ばさなければならないのか?どうして儲けなきゃいけないのか?これらの問いに対してどのような答えをするかが経営者としての器の大きさです。「食うためだよ。」とか「いい生活をするため」だとか「借金返すため」だとかでは、ロマンがなくてさびしいです。人間の潜在能力を引き出すような言葉の力がありません。
「徹底して他のために尽くす」ことに焦点を充てるようにする。わが社の商品・サービス、技術の向上が世のためになるという方向付けが、わが社を幸福に導くベクトルだと私は思います。

「わかっても、やらなければ結果はでない」
効果的な販売戦略とか、利益を出すための原価計算とか、5S運動、各種戦略・戦術、経営の打ち手は、ちょっと勉強すれば知ることができます。また、すでに社長が答えを持っている場合も多いです。しかし、経験的に思うのは「ワカル」ことと「デキル」ことが全く次元の違う課題だということです。経営は、学問ではありません。実践できてなんぼの世界です。やれば結果がついてきますが、知ってるだけでは現状予測の結果になるだけです。時代に流されるのと、時代に合わせて実践することの間にある大きな壁を乗り越え、自らの経営で、運命を打開していきたいものです。
所長 吉野 太

平成21年10月号

Time is Cost~コスト削減のポイント
利益確保の戦略は、①売上を上げる ②利益率を上げる(原価率を下げる) ③固定費を下げる の3つです。今はなかなか売上の上がらない時代。そこで、コスト削減に注目するわけですが、やみくもなコスト削減は、要注意です。間違ったコスト削減をしていくと、売上もそれにつれて縮小し、終わってみれば結局赤字、しかも社員のモチベーションまでさがっちゃうなんてことは、本当によくあることです。

現状分析をして、業務の見直しと徹底した合理化活動を実践しましょう。合理化や業務の徹底見直しをセットにしないコスト削減は、企業の命を縮める危険極まりないものです。

コストは大きく分けて3つに分類されます。
①「売上原価」②「販売費」③「管理費」そしてそれぞれに「物品購入費」「人件費」「設備等」が入っています。自社のコストを分類し、その分類の特徴に合わせて対策を考えていくこと大切なのです。

人件費を中心としたコスト戦略
コスト削減というと、人件費を下げることかと思いがちですが、単に下げると会社の雰囲気も悪くなりかえって、生産性が落ちる場合があります。人件費を単に下げるのは禁物です。人件費対策の基本は、「効率」や「生産性向上」の視点を考えることが最初です。

例えば、社員がオフィスをのんびり歩いていた。1分歩いていたとして、そのコストはいくらになるでしょう?実は、ボーッとしている時間にも人件費はかかっています。


例)年間450万円の社員の場合

  1. 労働時間
    365日-土日祝122日-有給8日=235日
    235日×8時間=1,880時間
  2. 年間人件費÷1,880時間=2,400円/時間
  3. 2,400円÷60分=40円/分


つまり、廊下を歩く1分も、遅刻の1分も、書類探しの1分にも40円の給料が払われているのです。3分で缶コーヒーが飲めちゃいます。この時間当たりの生産性を高めることで、同じ給料でも利益が向上します。
製造業では5Sといって「整理・整頓・清掃・清潔・躾」が生産性向上のポイントと言われます。
これは経理でも営業でも同じ。無駄な時間をなくすこと、成果に対して有効な時間を増やすために、常日頃から身の回りを整理整頓することが大切です。

社員の動作について研究・分析をしたことはありますか?                                                                           人の動作には ①必要動作 ②付加価値動作 ③遅延動作 ④無価値動作 の4つがあります。
社員の動作から③遅延動作と④無価値動作を極限まで減らし、②付加価値動作に費やす時間に集中するようにすると、企業は利益が出る体質にかわります。                                                                                                  経営者は自社をそのような意識をもった集団に作らなけなければなりません。
現状分析し、④無価値動作を20%カットする。そのためにどんなアイディアがあるか考え、実践する。次に③遅延動作を50%カットできるよう考え実践する・・・。こういう意識と実践を会社全体で実践するよう仕向けるのが経営者の力量であり、わが社の実力になります。生産性向上は、社員の働き次第ですが、仕向けるのは社長、あなた次第です!
所長 吉野 太

平成21年9月号

「野火焼けども尽きず、春風吹きて又生ず」

「草原は、野火に焼かれても根は残り、春になれば、また生えてくる。」
唐の詩人白居易の詩の一節で、旅立つ友人への思いを詠ったものです。

人生には起伏があり、いい時もあれば悪い時もあります。事業においてもやはり、厳しい冬の時代があります。
経済は冬の時代。でも、人によって、企業によって冬の厳しさは違います。貯えをもつ企業、とりあえず切り抜けようと考えている企業、明日どうしようかと悩む企業。もう開き直りたいと思っている企業、かえって景気のいい企業・・・冬の時代はいつまで続くのか?あそこまで頑張れば大丈夫とも言えず、春風の吹くのも場所によりけりです。早く吹くところもあれば、そうでないところもありそうです。
ただ、そんな時代ですが、どのような状況であれ、私たちが今しなければならないこと、できることはあります。
高度成長期に生きた人、第2次大戦中に生きた人、幕末の混乱期に生きた人、今を生きる人。どんな時代や環境下に生きようとも、自分の人生は、今しかないし、その今を価値あるように生きるしかない。
とすれば、焼け野原に春風が吹くまで、土中しっかりと根をはること、春に芽を出す種を育むこと。自分の人生で大切なことをしっかりとやり、万全を期するのが大事だと思います。そんな気持ちで私たちは、会計と向き合おうとしています。



私たちは、お客様が自ら帳簿作成できるように日々サポートしています。記帳指導を通じて、春風を吹かそうと企んでいます。


「民主党政権による税制のゆくえ」

8月の選挙で民主党が大勝利。政治はどう変わるのか注目されます。では、税制はどのようになるのでしょうか?わかる範囲で列挙してみました。
果たして、どこから手をつけるでしょうか?
<法人税>

  1. 800万円以下の税率18%→11%(減税)
  2. 特殊支配同族会社の役員報酬損金不算入
    廃止(減税)
  3. 租税特別措置法の整理(増減税)
<所得税>
  1. 公的年金控除の最低額を元に戻す(減税)
  2. 老年者控除の復活(減税)
  3. 配偶者控除・扶養控除の廃止(増税)
  4. 給付付き税額控除→納税者番号制
<消費税>
4年間増税なし
<相続税>
遺産課税
・・・誰がどのように相続するか関係なく遺産額に応じて課税(増税)
<自動車関連>
地球温暖化対策税に一本化

平成21年8月号

「打つ手は無限100号達成!」

平成13年4月からはじまった「打つ手は無限」。毎月休みなく発行させていただき、とうとう100号目になりました。
当時は、開業してまだ間もなく、3~4件のお客様しかいませんでした。

第1号のタイトルが「ピンチをチャンスに変える法」第2号は「こなす時代から創る時代へ」とバブル崩壊後空白の10年などといわれているときでした。私も「よくこんな時代に開業したねぇ。」と言われることもしばしばありました。

この9年間で、景気がいいと言われた時期というのはどれほどだったでしょう?
「いざなぎ景気を超えた。」などと言われた時期もありましたが、大方の中小企業にとっては、瞬間的に何度か、ちょっと上向いてきたなと思う程度で、全体的には厳しいものだったと思っています。
今の大不況につながる世界経済の状況については、アメリカの住宅事情が頭打ちになっているという記事で、平成19年2月号で書かせていただいていますが、さすがにこのような大規模な不況につながるとは思っていませんでした。

中小企業の経営環境が安定するのは、まれなことであって、危機にたいして日頃からどれだけ備えていたかが、今問われているようにも思います。



「これからしばらくの経営課題」

緊急避難的な金融施策がつぎつぎと出ている今、すぐに手を打つべきは、資金繰りです。
資金は血液にもたとえられますが、まずは、止血すること。そして、流れを安定させることです。キャッシュフローを安定させる。まずは、これが先決です。

次に、この低迷状況からいかにして脱するかを考え、知恵を出して、中期計画を立てます。経営計画は、実現可能かつ抜本的な内容にしなければなりません。事業目的・経営目標をしっかり定め、実現のための行動計画を立てる。立てた計画を実施し、その結果をチェックする。実行した結果と当初の目標の差異を確認し、作戦を立て直す・・・。
PDCAサイクルをしっかりと回すこと。
それも全社員が「理解」し「行動」し「確認」する仕組みを作るのが経営者の使命です。
そのためには、コミニュケーションが大切です。「口頭」「文章」「アクション」「会議」「研修」「懇親会」さまざまな方法で伝える努力を惜しまずにしましょう。

「やってみせ 言って聞かせて させて見せ ほめてやらねば人は動かじ」山本五十六の言葉をかみしめて、経営者には越えねばならぬ山がいつまでもどこまでも続きます。
経営は、山あり谷ありです。一生かけて、自身の人生の意義を証明するとか、社会を変えると云うぐらいの気概をもっていないとやってられないのです。

所長 吉野 太

平成21年7月号

『複式簿記は人類最高の発明!』
ドイツの文豪にゲーテがいます。「若きウェルテルの悩み」「ファウスト」など、若いころ一度は手にする小説です。そのゲーテが複式簿記のことを「人類最高の発明」と云っています。小説「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」第1巻第10章にこうあります。
「複式簿記が商人に与えてくれる利益は計り知れないものがある。これこそ人間の精神が発明した最もすばらしいもののひとつだ。商人だけではなく自分の財産を上手に管理していこうと思ったら、だれだって複式簿記を取り入れることだ。」

ゲーテは、作家であるだけでなく弁護士、政治家、自然科学者だったり多彩な経歴を持っています。また、ワイマール公国の財務顧問官(税務署長と財政局長を合わせたような仕事)として財政の立て直しをしていたこともあるそうです。

「真の商人の精神より広い精神、広くなくてはならない精神はないだろう。商売をやっていくためには帳簿がきちんと整理されていなくてはならない。簿記というのは実に広い視野を与えてくれる。帳簿がきちんとしていたら、いつでも全体を見渡すことができ、個々のことにまごまごしないで済む。」

前回前々回としっかりした帳簿を作ることが経営上いかに大切かお話してまいりました。
会計がしっかりしていることが、財産管理の上でも、また、経営全体を見渡す上でも大切で、細かいことに右往左往しないポイントだと、ゲーテもいっているわけです。ゲーテは、多くの人生訓のようなものを残しています。
○「困難なき人生は、生きがいのない人生だ。」
○「困難な務めを日々果たすこと。活動だけが恐怖と心配を追い払う。」
○「すばらしい人生を築きたいなら、過ぎ去ったことは気にせず、いつも現在を楽しみ、先のことは神にまかせること。」
このように、人生について語るとき、理想論や精神論だけでなく、経理や簿記、経済についても合わせて意識を持っというのは、とても大切だと思います。

ご当地神奈川県代表の偉人、二ノ宮尊徳も多くの人生訓を残しています。
○「経済を忘れた道徳は、寝言。道徳を忘れた経済は罪悪。」
○「財産というものは、収入が多ければますます不足するし、少ないからといって間に合わないものではない。」人は収入が少ないと足りないというし、しかし、多くても不足だという。結局、収入の問題だけでなく、それで間に合わせるという知恵が必要だとおっしゃっています。

経理・会計をしっかりと経営に活かすために、帳簿作成を日々行い、社長も定期的に帳簿を確認し、むちゃな経営をしないように、あるいは、おかしな判断をしないように、正しい経営、正しい判断に役立ててほしいと願っています。
じっと帳簿を眺めていると、いろいろなことがわかってきますし、いろいろなことを考えるようになります。
人類最高の発明のひとつである複式簿記をぜひ経営に活かしてください。

平成21年6月号

『お金に悩まないための第一歩』

お金を残すには、どうしたらいいんだろう?資金繰りはどうしたら楽になるのだろう?「金がすべてじゃない。」とは言いますが、ほどほどのお金が幸せには必要です。
お金を呼ぶ方法。お金を貯める方法。お金に嫌われない方法。何かいい方法はないか、いつも考えてしまいます。
お金はどういう人のところへ流れて行くのか?結論を言いますと、お金はしっかりと管理してくれる人のところに長く留まる傾向にあるようです。
現金出納帳などの帳簿をしっかりとつけ、残高や内容をよく見ている方のところに現金は居たがるようです。私のお会いした経営者の方々を見ても、立派な経営をなさっている社長さんは、本当に帳簿をよーく眺めていらっしゃいます。どれくらい儲かっていて、どれくらい借金してもよくて、どれくらいなら使っていいか。しっかり把握しています。
一方商売は上手いのに、ちっともお金のない方も多いようです。そういう方の多くは、帳簿をよく見ておらず、面倒がって帳簿もしっかりつけていらっしゃらない。管理がアバウトなので、気付くとお金が逃げている。結論として、お金を大事になさらないので、お金に嫌われるという因果の法則にのっとって苦しんでいます。数百年の人類の歴史では、帳簿作成技術こそ商人の秘伝。お金を貯める秘訣です。その秘訣。福沢諭吉が日本に紹介して庶民のものとなった帳簿の秘儀を、是非、当事務所の経理指導のなかで身につけていただきたいと思います。

『現金管理』

現金管理とは現金残高の管理のことですが誤解の多いところでもあります。現金出納帳をしっかりつけているのに、残高が全然合ってない。という不思議現象が、中小企業を中心に起きています。
たとえば、金庫には10万円しかないのに、帳簿残高が5百万円(?)これでは帳簿をつけているといっても、誰かにお金を盗まれたってちっともわかりゃしません。どうしてこんなになるまでほっといたのか?こんな経営管理では、絶対潰れます!
現金出納帳を作成する目的はなんでしょう?領収証のとおりに帳簿をつければ現金出納帳の出来上がり?そうではありません。現金出納帳の作成目的は、実際の現金残高を合わせることにあります。 入出金を記録することは目的でなく、それは手段です。金庫の現金残高が本当に正しいのか?盗まれてないか?間違ってないか?を確認するために、現金出納帳に取引の入出金を入力し、その結果の残高と実際有高を合わせてみる。あっていればOK。あっていなければ、誰かが手続きを踏まずにお金を引き出したか、入金したか、あるいは入力ミスか。と原因を究明し、正しく訂正します。そのために現金出納帳を作っています。現金管理というのは、そういうことなのです。金種表の作成は、その正しさを証明するためです。経理の方が、正しくお金の管理をしていますという証拠づくりです。何らかの不正が発覚した場合、それは経理の責任ではありません。とはっきり言うためにも、現金管理とその証拠としての金種表が重要なのです。
「凡事徹底」現金管理は決して難解なものではありませんが、地道に、習慣化していくことが必要です。
さらにいうと、というか、ここが一番大切なのですが、経営者がしっかり現金管理を意識しなければなりません。なかなか現金が合わない理由の一つに社長現金がいつまでも精算されない。社長が回収した売上金を入金し忘れているという場合が実に多いのです。
現金管理こそ、経営黒字化と資金繰り改善の第一歩です。ぜひ、一緒に頑張っていきましょう!

平成21年5月号

「 危険な会社と会計帳簿 」
「帳簿は、領収書を会計事務所に持って行って作ってもらっている。」と平気でおっしゃる経営者の方がいます。気づいていらっしゃらないのでしょうが、これは致命的な経営上の判断ミスです。「営業だけ会社でやりたいから、売上の管理はする。他はアウトソーシングだよ。」という方もいらっしゃいます。経営=営業と思いこんでしまった場合にハマるワナです。
「経理」とはなんでしょう?経理=雑務?ではありません。野球に例えれば、営業がピッチャーなら経理はキャッチャー。キャッチャーがいないで試合ができますか?営業以外すべてアウトソーシングするなんていったら、フェンスに向かってピッチャーに投げさせるのと同じです。いい球投げても球は帰ってこない。打たれたらホームを守る人がいない・・・勝てる試合も勝てません。「経理」とは「経営管理」の略と言われています。経営者が自社の経理を手放したら、経営を放棄したのと同じです。倒産へまっしぐらに突き進むことを容認したことになります。私だけでなく、ほぼすべての会計事務所経験者が同じように言うでしょう「お金に忙しい会社に限って、帳簿の作成を後回しにする。」

<帳簿を自ら作成している会社>
【景気のいい時】

  • 現状を自分で判断できるため、弱み強みを分析できている。
  • 無駄金なしで売上を伸ばし、経費節約も継続できる。
  • 過度の節税もせず、お金がしっかり残る。
【景気の悪い時】
  • 経費節約など先手をうって行える。
  • 借入の返済なども頭に入っているので、苦しくてもショートする前に手を打てる。


<帳簿作成は面倒と考えている会社>
【景気のいい時】
  • 売り上げが伸びているので、儲かっていると勘違いする。
  • お金があるので、どんどん使う。
  • 節税を意識しすぎて、金欠になる。
  • 自社の現状も中長期の判断も間違える。
【景気の悪い時】
  • 売上が落ち込むので、資金繰りが急激に悪くなる。貯金もない。
  • 帳簿を自分でつけていないためどこに手を打てばいいかわからず、手当たりしだいにリストラしてしまい、社内の雰囲気が悪くなる。
  • 仕入外注先を叩きすぎて、業界内で評判が悪くなる。(噂の源泉は仕入先、外注先であることが多い)
  • 資金ショートしてから金融機関に飛び込むので、よい対応をうけられない。

上記にまとめたように、帳簿が面倒だと考えている会社は、景気が良くっても、悪くっても、お金に泣かされます。経営を安定させ、倒産の可能性を少しでも下げようとするなら、帳簿作成は、会計事務所に外注してはならないのです。当事務所の担当者が、必ず自社内で経営管理できるよう経理のご指導をいたします。企業を正しく防衛するためにも、しっかりとした帳簿作成ができるようにがんばりましょう。

平成21年4月号

『経営者は、未来を思考する』
~ 業界上位2割を目指す経営が生き残りの指標 ~

   黒字経営と赤字経営の差はどこにあるのでしょう?営業の差でしょうか、それとも、社員の質でしょうか?もしそうだとしたら、経営者としてどんな手を打っていますか?営業会議の活性化に工夫がありますか?社員教育にどれだけコストをかけていますか?
   外部環境は、どの会社も同じで、空前絶後の不景気です。しかし、そんな環境下でも2割の会社が黒字、なかには売上を伸ばしている企業もあります。
そうは言っても、2割しか黒字企業はない、8割が赤字という時代です、経営環境が厳しいことは事実。相撲の土俵が、試合中に動いて2回りくらい小さくなったようなものですので、土俵際経営の会社は、一気に経営困難になりました。
   このままいくと普通の会社は、10年以内に消えていく運命です。外部環境は変わってしまったのですから、このまま経営を放置すると決まった未来(倒産)へ進んでいくことになります。
生き残りのための必須条件、経営者としてもたねばならない目標、私の結論としては、以下のとおりです。

  1. 中長期的経営目標
    『全国の同業種同業界内で上位2割に位置する経営品質を獲得すること』
  2. 短期経営目標
    『地域内の全業種のなかで上位2割に位置する経営品質を獲得すること』


「経営品質」とさせていただいたのは、売上規模や社員数、設備の大きさのみでは指標として適切でないからです。社員10人程度の組織でいいと割り切るならその規模でOKです。
問題は、小さい会社であっても、どこにも負けない「経営品質」が実現できているかです。


「経営品質」とは、経営品質協議会によれば、以下の8つの項目です。(1000点満点)
①リーダーシップ120点 ②社会的責任50点 ③お客様対応・市場の理解100点
④経営戦略・計画60点 ⑤個人・組織の能力向上100点 ⑥価値創造の仕組120点
⑦情報管理50点 ⑧成果(仕組が機能し結果がでているか?・財務分析)400点

人ごとではなく、私も必死に「経営品質」について試行錯誤しています。たとえば、「⑤個人・組織の能力向上」私の事務所では、昨年実績で教育訓練費に120万円、一人当たり年間24万円(月2万円)かけました。研修時間は、内部研修160時間、外部研修約10日。全国の会計事務所でもトップクラスのはず・・・。
田舎の小さい事務所ですので、首都圏の名だたる事務所に負けないために、どうしたらいいか、私なりに考えての小さな挑戦です。

平成21年3月号

中小企業融資の基本を知ろう!
   私たちが、金融機関から事業用の借入をする場合の審査が、「金融検査マニュアル」という金融庁が作成したマニュアルに沿って行われていることは、皆さんご存じかと思います。
借入を受けている企業は、毎年、決算が終わると、銀行に決算書を提出しますが、この決算書をもとに、「企業格付け(10段階評価)」がされています。
「企業格付け」は、会社の成績表といってもいいかもしれません。
この格付けによって、わが社の債務者区分が、「正常企業」(格付1~6)「要注意企業」(格付7)「要管理債権先企業」(格付8)「破たん懸念先企業」(格付9)「実質破たん企業」「破たん企業」(格付10)に分けられ、その区分に応じて、融資可能額や金利、返済期間、担保、審査処理プロセスなどが決定されていきます。
一般的には、格付5や6が多く、格付8になると融資が停止されてしまいます。


格付のポイントは、「営業キャッシュフロー」と「自己資本比率」。
10年≧有利子負債/営業利益+減価償却費 になっているかどうかがひとつの基準になります。
昨年の11月、金融庁は「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」の改定を行いました。
これにより、金融機関が企業へ融資する際の条件が緩和されています。


1」不良債権にならないための条件緩和(リスケジュールの条件緩和)
    改定前
       3年以内に経営健全化が可能な「経営改善計画」が必要
   「  計画」期間中は、一定以上の金利確保が必要
    改定後
       健全化するまでの期間を原則5年、状況により10年まで延長可能
       一定以上の金利確保不要
2」経営改善計画について
     「計画」がなくても、見通しがあれば、「計画」がある場合と同様の取り扱いになる。
     「計画」の進捗が遅れていても、原因分析をし、今後改善が見通せるならOK。

現在講じられている金融施策には、以下のようなものがありますので、気軽に事務所の担当者にご相談ください。
「一般保証制度」(信用保証協会)普通保証2億円以内 無担保保証8千万円以内
無担保無保証人保証1,250万円以内
「緊急保証制度」(信用保証協会)一般保証に加え同額の別枠保証
「セーフティネット貸付制度」(日本政策金融公庫)
中小企業4億8千万円 小規模企業4,800万円

平成21年2月号

二ノ宮尊徳といえば、神奈川県を代表する偉人のひとり。再興・再建の神様とも言われております。昨今の厳しい経済環境下で、どのように生き抜くか、私も多くの示唆をいただいています。今回は「二ノ宮翁夜話」から少し抜粋し、ご紹介します。

  1. 「人道(人の道理)を尽くして天道(自然)に任す。人道をよく尽くさないのに天道を恨んだりしちゃいけないよ。」

  2. 「事を成し遂げようと思ったら、はじめに終わりまでの計画を綿密に立てて取りかかるべきだ。予算をきめることがすべての基礎なんだ。予算をしっかり立て、これを厳重に守れば、荒地も、借金も恐れることもないし、心配もない。よく道理を明らかにして、分を守れば心穏やかになる。」

  3. 「勤(働く)・倹(無駄づかいしない)・譲(分をわきまえて蓄え、また、子や友、郷里や国家に譲る)の3つをともに兼ねて行わなければならない。」

  4. 「倹約も先手を打たないと役にはたたない。後手になるから借金に制せられる」

  5. 「商売は世の音信をとらえ、それを利益がでるように活用せねばならない。これをうまくやれるように念ずる現象を、観世音という。観というのは、ただ肉眼で見るのではなくて、心の眼でよくよく見ることをいう字なんだよ。」

経営は「攻め」ばかりでもいけないし、「守り」ばかりでもいけません。
一方で、この経済状況下では、どうにもならない部分もあります。事業の目的・目標を明確にし、現状を外的要因と内的要因に分けて分析を行い、「死守すべきところ」と「攻めるべきところ」をはっきりさせる必要があると思います。
  1. 大手が、リストラをしているときは、本当は、中小企業にとっては、優秀な人材の採用がしやすい時期になります。なかなか難しいでしょうけど、中長期の人事戦略上、みなさまの会社はいかがですか?
  2. 金融検査マニュアルが改訂されました。融資の条件変更が、今まで難しかったものについてもOKになるようです。資金繰りの方針は、明確になっていますか?
  3. 一般に不況期は、シェアの低いところから切られていきます。得意先におけるわが社のシェア、商品力は、把握されていますか?

思いつくままに書きましたが、本当に厳しい年。価値ある1年にしましょう。

平成21年1月号

あけましておめでようございます。
昨年からの経済環境は、円高・不況・金融不安、雇用不安と揃いも揃って100年に一度の経済危機と言われております。毎日、テレビや新聞ではそのように報道しています。我々も、つい新年の挨拶で不景気を話題にしてしまいます。しかし、しかめっ面してる人のところにお客様や社員が喜んで来ることもありません。そろそろ家族や社員とも厳しさを共有できたことですし、元気に笑顔で日々を過ごしたいものです。「笑う門には福来たる。」

考えてみれば、皆様、この不景気で、本当に、芯から不幸になっていますか?もちろん、経営者ですから、時に眠れぬ夜を過ごしたり、悪夢にうなされることもあるでしょう。
しかし、そうであったとしても、日常のあちこちに、ささやかでも小さな幸せを見出して日々を過ごしているはずです。
今回は、8つの視点から皆様のささやかな幸福度をチェックしてみましょう。
ひとつでも幸せがあったら、それをきっかけとして、きっと今年はいい年になるでしょう。

  1. 「健康ですか?」もし、自分自身が健康なら、幸せです。どんなにお金を持っていても、健康状態に不安があったら、思うような生活はできません。「カラダが資本」というように、健康だったら、仕事ができます。遊びもできます。なんでも挑戦できるのですから、幸せ者です。

  2. 「家族円満ですか?」もし、家族円満なら、幸せです。笑顔が絶えない家庭。もし自分がピンチになっても、応援してくれる家族がいるなら、幸せです。

  3. 「学習・習い事などしていますか?」もし、研究対象や学びたいこと、身につけたいスキルがあったら幸せです。学習は将来への投資。未来を切り開く鍵を手に入れることができます。興味をもつことは、人生を豊かにしていきます。

  4. 「趣味や遊びはしてますか?」もし、没頭できる趣味や遊びがあれば、幸せです。

  5. 「自分自身の人間力を向上させたいですか?」もし、目標とする人がいたり、理想とする生き方があれば、幸せです。日々の生活の方向が見えてきます。

  6. 「仲間や地域の中であなたは求められていますか?」もし、仲間に慕われていたり、地域の中で、求められているのなら幸せです。人間は、人と人の関係です。

  7. 「やりたい仕事ができてますか?」もし、やりたい仕事ができているのなら幸せです。少しくらい忙しくても、乗り越えたときの充実感があります。

  8. 「欲しいものがありますか?」欲しいものがあるのなら、そのための計画を立てましょう。
    欲しいものがあるなら、頑張れます。がんばれるってことは幸せです。

自分にとって、うれしいことや幸せなことを少しでも周りの人々に分け与えていけますように、そしてより良い年でありますように祈念いたします。

平成20年12月号

10月11月開催の「経営承継セミナー」は大盛況でした。全4回の開催で140名ものご参加をいただきました。ありがとうございます。今回は、経営承継のポイントをテーマにしました。


≪ 経営を上手く引き継ぐためのポイント ≫
1」引継ぐのは、「社長職」と「株式」
  「所有と経営の分離」という言葉がありますが、多くの中小企業では、所有(株主)も経営(社長)も一致しています。経営承継とは、この2つを「何時」「誰に」「どのように」行うかということです。さまざまな諸条件を考慮し、スムーズに承継するには、10年程度の長期計画が必要になることをご認識いただきたいと思います。

2」4つの立場から分析し計画する
「会社」 毎年赤字の会社では、承継していいものかどうか不安になります。
まずは、資金繰りの安定と黒字化が大切です。その上で、自社株の評価額を認識する必要があります。

「現経営者」 いままで苦労して育てた会社を後継者に渡すのですから、ハッピーリタイヤでなければ未練も残ります。自分の退職金、退職後の生活についてしっかり準備しておきましょう。生命保険、運用資産な再チェックが必要です。

「後継者」  後継者になる方は、自分がこの会社の全責任を負うことになります。命がけで経営しなければならないという腹を決めなくてはなりません。そして、経営者としての実力をつけるためにも、充分に勉強しなくてはなりません。経営者というのは、傍で見ているほど簡単なものではありません。どのようなプロセスを経て、何時、社長になるのか、どのように株式を移すのか計画します。さらに、家族の協力をどのように得るか考えなければならないでしょう。

「他の相続人」  経営承継の最後の難関は、後継者以外の相続人が納得する相続プランです。争続を避けるには、何を残してあげるのかという財産の承継だけでなく、親としての思いを伝えることも大切です。遺言に手紙を添えるなど、「思い」の相続も意識しましょう。

平成20年11月号

≪ 格差縮小?それとも、国民総貧困化? ≫
格差社会がいわれて数年経ちます。中流層が崩壊し、非正規社員、派遣社員が増加、勝ち組負け組・・・。ですが今回、経済協力開発機構(OECD)が21日発表した、所得格差の報告書によると、以外にも、日本における所得格差は、長期にわたる所得格差拡大傾向に反して、過去5年で縮小に転じたのだそうです。
とはいえ、日本の貧困水準は、OECD加盟国(30カ国)の中で4番目に高く、一世帯あたりの所得は過去10年で減少したということですから、けしてうれしいものでもありません。
日本の下位10%の国民の平均所得は6,000米ドルでOECD平均の7,000米ドルを下回り、
日本の上位10%の国民の平均所得は、60,000米ドルでOECD平均の54,000米ドルよりはるかに高いという結果からすると、格差が縮まったとの発表ですが、低所得者層増大と貧困化は、これからも大きな課題になりそうです。というか、そもそも、格差縮小ではなくて、実は、
中流以下皆貧困化ということなのではないかとの懸念もあります。

日本の格差拡大の原因の一つとしてOECDの報告では、過去20年間で、高齢者の割合が2倍に増え、子供の数が3分の1減ったことをあげています。つまり、日本から稼ぎ手がどんどんいなくなり、扶養者ばかりが増えていく現実があるのです。

また、先日のセミナーでもお話しましたが、7割の企業が赤字(普通にしてたら皆倒産)の社会で、中小企業が持っているノウハウは、どんどん消滅していきます。
なんとかしなければなりません。せめて自分の会社と家族ぐらいは、なんとかしなければ・・・。
いくら7割の会社が赤字だとしても、一緒に倒産するわけにはいきません。
特にこれからの数か月は、じっと我慢の経営が求められるでしょう。大きな行動ができなくても、次のタイミングを計りながら、基礎力・体力を付ける仕込みの時期だと思います。

吉野事務所でも、今は攻めよりも守りの時期と判断しています。かれこれ5年続けている全職員参加の毎朝40分の研修は、ノウハウ蓄積という視点からテーマを選び、スキルアップを計っています。「貧乏からの脱出は、教育にあり」「事務所の発展は、職員の練成にあり」という訳です。本当は、毎日2時間くらいずつ研修・会議しないと時代に間に合わないなあと、個人的には思っているのですが、それでは、逆に仕事にならないもので、仕方なく40分にしてます。他の税理士さんからは「毎日研修、よくやりますね。」と言われます。でもさすがに「ほったらかしで安心できる事務所経営がうらやましい。」とは言えません。

平成20年10月号

<夢をかなえるゾウ>
商売を始めたとき、あるいは、新しい分野や店舗、事業を開始するとき、みなさんは、どれくらい事前準備をされたでしょうか。夢をかなえるために、サービスや市場調査など納得いくまでしたでしょうか。特に店舗経営の場合は、立地で80%くらい決まってしまうとも言われています。お客様あっての事業ですから、自分の思いが強いだけでは、うまくいきません。
実際には、残念ですが、苦労するために新たな設備投資をしてしまったようなケースがあとを絶ちません。とはいえ、私が事務所を開業したときも、税理士としてのスキルやサービス、開業資金の問題などは、じっくり考えました。しかし、お客様についての市場調査は、ほとんどしなかったので、他人のことを言えたものでもないのですが・・・。
先日、ヤマダ電機の山田 昇会長が、創業当時のお話をされているのをテレビで見ました。
山田会長は、ヤマダ電機を開業する前に、自分の足で2万戸の市場調査を行なったそうです。
その結果、まだまだ固定化されていないお客様が80%いるとわかり、そのうち300戸を自分の店の固定客にすれば、どうにかなると判断し、それから開業したそうです。
昭和48年(1973年)8坪の小さな個人商店(ナショナルのお店)を始めるのに、これだけの調査をしている。開業する前から、並みの電器屋さんではなかったわけです。

ヤマダ電機は、35年後の今、1兆4千億円の売上規模を持つ巨大企業へと変身しています。
この会社の変遷をみると、創業後10年で株式会社化し、その6年後(1989年)には、株式の店頭公開をしています。驚きですね。2000年に東証一部上場、このときの売上高が3,321億円・・・。面白そうなので、少し財務分析してみます。
現在従業員が11,000名。一人当たり売上高が約1億3千万円。粗利益率が20%なので、従業員一人当たりの創出する1年間の付加価値は2,500万円位です。
この数字をTKC経営指標の電気機器小売業と比較してみると、そのスゴさがわかります。


一人当たり売上
一人当たり付加価値
一人当たり人件費
ヤマダ電機
128,996千円
(20%) 25,799千円
5,891千円
優良企業
38,568千円
(26.3%)10,143千円
4,764千円
黒字平均
27,600千円
(27.3%)7,534千円
3,828千円

自己資本比率43.2% 経常利益4.5%と内部留保もしっかりしています。
ただ安さで勝負しているわけではないところはただものではありません。
ベストセラー「夢をかなえるゾウ」では、「本気で変わろうと思たら、意識やのうて『具体的な何か』をかえなあかん。」と言っていますが、山田昇会長がガネーシャだったら「本気で新規開業しようと思ったら、『具体的な調査』と『具体的な仕掛け』『具体的な実践』がなければ、うまくいかない。」と言うのではないでしょうか。

平成20年9月号

事務所の秋の恒例行事となりました経営革新セミナー、今年も開催します!(10月10日)
テーマは、同封の事務所通信特集号にもある「経営承継」です。
「経営承継」とは、今年5月に成立し、10月から施行される「中小企業における経営承継円滑化法」から名称をとっています。
不況で7割の企業が赤字の時代。このままでは、中小企業の後継者もおらず、蓄積されたノウハウが、消えてしまいかねません。経営を健全化し、税務や資金の問題も含め、事業を次世代に、円滑に承継していくこと。中小企業を中心とした日本経済において、今、最大のテーマがこの「経営承継」です。
当日は、経営承継を上手にすすめるための話題を、経営・税務を中心に楽しく解説したいと思っています。まだまだそんな年じゃないと、思っている方もいるかもしれません。でも、人間が、10年たったら、確実に10歳、年をとります。10歳の子どもが、成人するのです。
「人生の短さ」と「人生の一回性」を感じるならば、決して他人事にはできないテーマだと思っています。また、中小企業の多くは、子どもに継いでもらうのが一般的ですが、親子の間の問題は、古くて新しい、永遠のテーマです。
いい状態で、経営を上手に承継する、させる。「承継する側」「させる側」それぞれの立場で考える良い機会にしたいと思っています。

今年は、新しいチャレンジで、金融機関やTKC会員事務所とも協力し、複数回の開催を予定しています。内容は、それぞれに工夫して、違いますので、複数回の参加大歓迎です!

【 決まっているスケジュール 】

10月10日(金)18:00~21:00
主催 吉野事務所
場所 伊勢原シティプラザ4階

10月23日(木)14:00~17:00
主催 中南信金
場所 中南信金 伊勢原支店
講師 中小機構&税理士櫻井・田中・吉野
11月13日(木)15:00~18:00

主催 櫻井・田中・吉野事務所
共催 神奈川銀行
場所 神奈川銀行 平塚支店

11月19日(水)17:00~20:00
主催 櫻井・田中・吉野事務所
場所 横浜銀行 伊勢原支店

平成20年8月号② 社員の諸条件

今回は、日本電産永守社長の特集です。(PHP文庫 日経ビジネス人文庫 参照)
情熱・熱意・執念の経営者永守重信氏は、天才的な企業再生請負人であり、また、人材育成においても面白い考えをもっている方です。

< 社員の諸条件 >

『去ってほしい社員の条件』
1978年日本電産スローガン
『登用される社員の7条件』
1984年日本電産スローガン
  • 知恵の出ない社員
  • 言われなければできない社員
  • すぐ他人の力に頼る社員
  • すぐ責任転嫁する社員
  • やる気旺盛でない社員
  • すぐ不平不満を言う社員
  • よく休みよく遅れる社員
  • 健康管理のできる社員
  • 仕事に対する情熱・熱意・執念を持ち続ける社員
  • いかなる時もコスト意識を持てる社員
  • 仕事に対する強い責任感を持てる社員
  • 言われる前にできる社員
  • きついツメのできる社員
  • すぐ行動に移せる社員

『教育しても無駄な人』

  • 叱るといい訳ばかりする人
  • 叱られても平気でいられる人
  • 他人が叱られていても無関心な人
  • 他人を叱ることができない人
  • プライベートの部分で口を閉ざす人

平成20年8月号① 再建のための具体的メッセージ

日本電産永守社長から三協精機社員へ
『再建のための具体的メッセージ8項目』

1.赤字は罪悪という意識の徹底と計画必達意識の向上
会社はどんなことをしても黒字であること / 全部門、全事業の黒字化の達成 / 決めたこと約束したことは必ずやり遂げる / 厳しいリスク会議のデイリー開催(時間外開催) / 現場現物主義の徹底(メーカーの原点は現場にあり) / 営業利益率10%が健全経営の最低目標
キャッシュフロー最重視経営(売上より利益、利益よりキャッシュフロー)

2.社員モラールの向上(当たり前のことを当たり前にやれる社員集団)
時間外自主管理による3Q6S=全職場80点以上 / 出勤率=全職場98%以上(休まず、遅れずが原点)
競争力を保持できる年間労働時間への改定 / 会議は時間外又は休日開催(緊急時除く)
一人の100歩より100人の1歩(全員参加の経営改善) / 日々完結の徹底(今日のことは今日中に)

3.「経営5大項目プラス2」の徹底
品質=2万分の1以下 / 材料外注費=最終売価の50%以下 / 在庫=0.4ヶ月以下
生産性=従業員一人当たり月100万円月以上の付加価値 / 経費=一人当たり付加価値の25%以下(売上1億円当たり500万円以下)+① 売掛金=45日以下(回収は早く、支払いは遅く)
+② 遊休資産=有効活用の徹底、または売却の強力推進

4.営業マン一人当たりの訪問件数
営業部門は会社の機関車の役目を果たすこと / 月100件以上(うち、新規開拓30件以上)

5.3大精神の厳守
「情熱・熱意・執念」「すぐやる・必ずやる・出来るまでやる」「知的ハードワーキング」
開発スピード=3倍アップ / 製造部門生産性=2倍アップ / 直間比率=50%改善

6.購買力の徹底強化(利は元にあり)
仕入先からの接待や贈答品の受取厳禁 / 3~5ステップネゴ(世界一のコスト追求)
前回比低減の徹底(全員参加によるコストネゴ)

7.実力実績の人事・賃金体系の確立
学歴・年齢・社歴に関係ない人材登用 / 経営感性をもった人物抜擢 / 利益貢献度と業績変化率重視の人事評価の徹底 / 競争原理の働いている賃金制度の確立 / グローバル社員の優遇制度実施 / ぶらさがり社員の再教育と再指導の徹底(怠け者は去っていく、良貨が悪貨を駆逐する社風)

8.スピード感のある決済体制づくり
経営幹部が即断即決で方向性を指示 / 営業部門と開発・生産各部門の同期体制確立(営業が動いている時間に他の全ての部門が対応、マーケット順応を最重視) / 幹部の率先垂範体制(自ら手を汚す) / QCDSSS(クオリティー、コスト、デリバリー、サービス、スピード、スペシャライゼーション)顧客の要望を満たした特殊化を最優先する組織と人事対応 / 日本電産グループの全面支援体制(共同購入や販売支援の強化)

平成20年7月号 株主総会のススメ

『株主総会のススメ』
「うちのような家族経営の会社は、株主総会なんて関係ないよ。大企業がやるものでしょ。仲間でも、やってるなんて聞いたことないよ。」大多数の中小企業経営者の方、もしかしたら、99%の社長がそう言うと思います。
さらに「株主総会は、開いたことにして、議事録だけ作って、必要なところを登記すりゃいいでしょ・・・。」と、もったいないお話にもなることも多いのです。
ここで私が「会社法によれば・・・、法人税法によれば・・・」とか言っても面白くないと思いますので、別な角度から、「株主総会開催のススメ」をします。


〔株主総会をススメる理由〕
1」毎年の事業活動、事業経営の総括をしていますか?
ご存知のとおり会社の事業年度は、1年区切り。その度「決算書」を作成し、1年間の業績を数字で総括します。実はもうひとつ、多くの中小企業者に忘れられ、抹殺された報告書、1年間の事業活動を文章や表で表現した「事業報告」があります。本来は、「事業報告」がありその後「決算」の承認をうけることになります。税金の計算や融資のために必要な「決算書」は、しぶしぶかどうかわかりませんが作成されているのですが「事業報告」は、税金の計算に関係ないせいか作られません。「決算書」と「事業報告」本来は、会社経営を安定的成長軌道にのせるためのもので、決して誰かのために作るものではありません。我社が倒産の危機を逃れ、正しい経営をする羅針盤として作成されるべきものです。毎年ごとに事業の総括をしなければ、惰性の経営になりがちです。株主総会などを仕組み化するなどして、家族株主や社員向けに、総括することをおススメします。


2」事業経営の方針や戦略、問題点、計画などを、家族や仲間に伝えきれていますか?
頭の中で悶々と事業について考えていても、家族や周りの人々の協力は得られません。悩みや問題点、方針
や計画などをカタチにして伝える仕組みが必要です。あらたまって場所と時間を設けることで、伝える側も聞く側も新鮮な気分で関われるので、きっと会社の現状や方向を伝えることができます。
3」日々の雑事に追われて会社経営の全体像を見失っていませんか?


株主総会を開くとなれば、社長は、無理にでも日常の雑事を離れて、会社全体の経営について考えることになります。家族や役員、社員を説得できる言葉を磨く必要が出てきます。必死になって、今日の雑事ではなく、明日の、未来の我社を考えなければならなくなります。


4」事業経営や会社全体の将来について、家族や社員とじっくり話し合う機会を設けていますか?
社長の頭の中だけで、事業承継や社員の将来を考えていてもまとまらないことも多いはずです。奥様はどうお考えなのでしょう?お子様は、我社のことを本当に理解できているでしょうか?幹部は、事業の生産性について限界を感じていないでしょうか?本当は、限界ではなく、生産性向上の出発点なのかもしれないのに・・・。
株主総会という普段と違ったところで、会社について、将来について、株主・役員(といっても家族ですが)が集まって1年間を総括し、次の1年間を創造していく場所として、株主総会・取締役会・決算説明会・総括会議・・・どんな名前でもいいですが、やっていきましょう。この際お付き合いで監査役などお願いしている場合は、会計参与制度等も含め検討しましょう。
吉野事務所では、司会進行や決算書の説明なども含めてお手伝いいたします。

平成20年6月号 中小企業の生産性

《08年版『中小企業白書』『20年版TKC経営指標』から見た中小企業の生産性》
4月に中小企業白書が公表されました。①中小企業の動向 ②中小企業の生産性向上 ③地域経済と中小企業の活性化の3つが主に書かれています。今回は、そのうち中小企業の生産性についてご紹介します。
「労働生産性=付加価値÷労働投入量」つまり、一人あたりどれだけの収益を上げているかは、経営上とても重要で、常に意識する必要があります。それは、社員一人ひとりの生産性が高いことが、高収益の企業の条件だからです。白書によると、国際的な日本の生産性は、アメリカの7割、さらにOECDよりも低く、残念ながら、生産効率は決して高くないようです。従業員一人あたり1時間で生み出す付加価値(小売卸でいえば、粗利益、製造業だと「売上-仕入-外注費」)は、製造業の場合、大企業で7,095円 対して、 中小企業は、その半分の3,838円ということです。(悲しいですが・・・)当然、社員の処遇にも影響を与えています。
TKCの経営指標(毎月発送のコックピット同業者比較)で見ると、全企業平均は下記のように、白書とほぼ同じ数字です。2期黒字と2期赤字の企業も載せましたので、この数字を是非、戦略的にお使いください。

【 平成19年 中小企業(サンプル数22万社)】
一人当たり売上高   17,124千円/年 1,427千円/月  71千円/日  8,918円/h
同・付加価値(粗利益)7,006千円/年  583千円/月  29千円/日  3,649円/h
同・人件費(社保等含)3,847千円/年  320千円/月  16千円/日  2,003円/h
同・経常利益      311千円/年   26千円/月  1,295円/日   162円/h
注)人件費は、役員報酬、正社員給与、パート賃金、社保、労保、厚生費が入っています

【2期黒字の中小企業】
一人当たり売上高   20,192千円/年 1,682千円/月  84千円/日  10,516円/h
同・付加価値(粗利益)8,041千円/年  670千円/月  33千円/日   4,188円/h
同・人件費(社保等含)4,250千円/年  354千円/月  18千円/日   2,213円/h
同・経常利益      716千円/年   60千円/月  2,983円/日   373円/h

【2期赤字の中小企業】
一人当たり売上高   12,380千円/年 1,031千円/月  51千円/日   6,448円/h
同・付加価値(粗利益)5,330千円/年  444千円/月  22千円/日   2,776円/h
同・人件費(社保等含)3,084千円/年  257千円/月  13千円/日   1,606円/h
同・経常利益     △270千円/年  △22千円/月 △1,125円/日   △140円/h

表から、2期黒字の中小企業は、2期赤字の会社の1.5倍生産性が高いということがわかります。毎月のコックピットから、一人当たりの生産性、時間当たりの生産性を読み取って、社長ひとりで悶々とせず、社員にも是非、その数値を伝えてください。そして、全社一丸で、生産性の向上に努め、少数精鋭の優良企業を目指してください。

平成20年5月号 銀行借入はどこまでOKか?

《 銀行借入は、どこまでOKか? 》
決算書は、我社の成績表。1年に1回もらう通信簿みたいなものだと言われます。
この成績表の結果に単純に一喜一憂できればいいのですが、社長の内心は、複雑なものがあります。成績が良ければ、当然うれしい。でも、それに応じて税金が増える。しかも、成績がいい割には、思ったようにお金が増えていないからです。儲けはどこへ消えたのか?キャッシュフロー経営をしている皆様は、ご承知だと思います。儲けは借入金返済にまわっています。
では、成績が悪いとどうなるか?税金は減りますが、資金はさらに厳しくなります。銀行の融資や金利などにも大きな影響を及ぼします。毎年1回新しい決算書をもとに、金融機関では、我社の格付を行います。正常先かそれとも要注意先なのか。一般的に10段階で評価されるようですが、その評価しだいで、我社の1年間の融資枠や金利に大きな影響が出てきます。
税金が嫌いで、わざわざ成績を悪くするようなことは、長期的に安定したいい会社を作るには、ひかえなければなりません。


《銀行は、決算書のどのようなところを見ているか?》
東京三菱銀行の方のお話をもとに決算書のどこがポイントかを列挙します。
①経常利益が2期連続赤字になると、正常先になれない。
(赤字は5万円も1000万円も同じなので、特別な損失は、1期でまとめてやるべき)
②実態による自己資本比率は、10%以上欲しい。
(換金性のない資産や社長貸付金などは、財産からはずし、事業用資産以外の資産は時価により計算する。)
③実態による債務超過は、正常先になれない。
④借入金の償還年数が10年以下ならOK。
⑤条件変更を申し出た場合、正常先になれない。
⑥中小企業は、社長個人の財産+借金-して実態を算出するなど特例がある。
評価が正常先にならないと、融資はできないということですが、特に④の償還年数が10年かどうかが重要なポイントだそうです。


《いくらまで借りられるか?》
「今期の決算書は、いくら借りられる決算書なのか。」気になるところだと思います。
ポイントは、④。④を知ると、あといくら借りられるかがわかります。
④の償還年数とは、今年の利益で、運転資金を除く今の借入を何年で返せるか?≦10年の意味です。
短期借入金+長期借入金-現預金-(受手+売掛+商品-支手-買掛)
税引後利益+減価償却費
この算式をもとに、借入の上限を計算する算式は以下のようになります。

あといくら借入できるか =
現預金+(受手+売掛+商品-支手-買掛)+(税引後利益+減価償却費)×10年-現在の借入高

みなさんの会社では、あといくら借入できそうですか?

平成20年4月号 成功の方程式

《 求める人材とは何か?「成功のための方程式」(京セラ編 ソニー編) 》
今年から、事務所では、毎朝、稲盛さんの小冊子「PASSION成功への情熱」という本を一単元ずつ輪読しています。輪読を通じ、事務所のひとりひとりが、同じベクトルで仕事ができるように、京セラフロソフィを基礎にして、仕事に対する正しい価値観を持ち、困難に負けない心を持てるようにと思っております。最近、人生結果の方程式が京セラだけではなく、ソニーにもあることを知りましたので合わせてご紹介します。


1」京セラ編
人生の結果 =  考え方  × 熱意  ×  能力
能力  )健全な肉体 才能 適性(先天的なもの) 点数は固定的
熱意  )こうありたいという強い思い       点数は本人次第で動く
考え方 )人生・仕事に対する心構え 嫉妬・恨み・憎しみなどはマイナス点
京セラの稲盛和夫氏の作った成功のための方程式は、とても有名です。
人生の結果は、「考え方」と「熱意」と「能力」の掛け算。どんなに「能力」があっても、「熱意」がなければ成功しません。また、普通の「能力」しかなくても、「熱意」が人一倍あれば、決して悪くない結果がえられるものだとこの方程式から読み取れます。もっとも大切な要素「考え方」は、後ろ向き(マイナス点)だと、努力すればするほど悪い結果を招いてしまうので、前向きな素直な考え方が大事と示唆しています。
足し算ではなく、掛け算で表しているのは、マイナス思考からは、決してプラスの結果がえられず、逆にマイナス思考の人に能力や熱意があると、大迷惑なことになるということや、能力が普通でも努力次第、考え方次第で充分成功できるという稲盛さんの人生に対する考え方を表したものだからでしょう。


2」ソニー編
成果 =  能力  ×  意欲  ×  プラス思考
ソニーの場合、求める人材とはなにか?それは、成果を上げる人、成果を出す人である。として、その成果について上記のような方程式を表しています。京セラの方程式とほとんど同じですが、構成要素の定義が京セラと少し違います。見方によっては、より具体的ではっきりとした項目になっています。
能力  )①基礎学力…問題解決のために必要な知識・方法論を持っている
②表現力…自分の考えを他人に理解させることができる。また他人の考えを受け入れることができる。
③個性…誰にも負けない専門能力・得意分野を持っている。
④リーダーシップ…目標達成のためにリーダーとして人を動かすことができる。
意欲  )①行動力…人のやらないことを人より早く行う。
②好奇心…どんなことにも興味を持ち、チャレンジする。
③探求心…既成概念にとらわれず、常識を打ち破ることができる。
④ビジョン…こうしたい、こうなりたいという明確な目標をもっている。
「プラス」思考 )常に物事を前向きにとらえ、いかなる状況も楽しむことができる人がチャンスをつかむ。
ソニーの方程式を見たときは、それぞれの要素のレベルの高さに、少したじろいだ職員もいたようですが、ソニーの社員より我々が人材的に劣っているというのは癪だよね、負けてられないよねと話し合いました。
皆さんは、どう思いますか?

平成20年3月号 貸借対照表の見方

<会社の財政状態を理解する貸借対照表の見方>
まず、再建・再興の神様といわれる二宮尊徳の教えを「二宮翁夜話」より2つご紹介します。


『富者は明日のために働き、貧乏人は昨日のために働く』
「がんらい、富と貧とは遠くはなれたものではなく、ほんの少し離れているだけなんだ。その源はただ一つ、心得の違いにある。貧乏人は、昨日のために今日働き、昨年のために今年働いている。だから、一生苦しむ。富者は、明日のために今日働き、来年のために今年働く。だから、やることはすべてうまくいく。」


『始めに終わりを考えよ』
「状況を分析し、収入と支出を把握、そして、どんな異変が起こっても失敗しない方法を工夫し、分度(予算)を作る。この分度をしっかり立て、これを厳重に守れば、荒地がどれほどであろうが借金がいくらであろうが、恐れることもないし、心配することもない。分度を守れば心穏やかになる。分度を超えることの恐ろしさをよく知るべきだ。」


さて、分度(予算)が、事業成功の最重要項目であるとして、「貧」と紙一重の「富者」の分度(予算計画)を作るにはどうしたらいいでしょう。それは、現状を把握し身をわきまえるところから始まります。今回は、貸借対照表を少し工夫して眺めてみましょう。一般の貸借対照表は、左に資産(資産運用状態)右に負債・資本(資金調達先と額)が載っており左右合計額が一致するようにできています。我社の資産(左)が負債(右)の運用なのか、それとも資本・稼ぎ(右)の運用によるものなのかが表現されています。この一般の貸借対照表から、換金性のない資産、不良資産をはずし、「商品販売の仲間」「長くお金が寝る仲間」「早めに支払う仲間」に分類して、それぞれを下記のような表にまとめていきます。(これを「ダイエット貸借対照表」といいます)貸借対照表をこのように分類して集計してみると、意外な会社の実態が見えてくるはずです。

平成20年2月号 試算表の見方

「試算表の見方、決算書の見方。」
「損益計算書は、社員全員で行動した結果、貸借対照表は、社長の意思が反映されたもの。」と言われます。


【 損益計算書 】
「会社がどのように動き、その結果はどうなっているか。」損益計算書は、1年間の営業活動の成果を表現します。市場活動による部分(売上と仕入・外注費の関係)とその費用(人件費を中心とした固定費)に分かれ、最終的に単年度の稼ぎが幾らかわかります。

社長を中心に全社員が1年間どのような活動をしたかで、損益計算書の数値は大きく変動します。
全社員が「いくら稼げばいいのか。そのために何をすればいいのか。」を意識して事業活動を展開すれば、必ず、損益計算書は改善していきます。

【 貸借対照表 】
貸借対照表は、会社の財産状態を表現したものです。右側に「資金の源泉(お金の調達先)」が書かれており、左側に、「資金の運用先(設備や投資の使途など、お金が何に化けているか)」が書かれていま
す。貸借対照表は、社長の意思の表れと言われますが、これは、借入、設備投資、手形の発行、売掛金の回収や買掛金の支払いなど、ほとんどすべて、社長が決定しており、それによって貸借対照表が変化するからです。貸借対照表の科目は、ほとんど、社長以外の人に決定権がありません。そして、貸借対照表の残酷なところは、1年間の事業活動を表現する損益計算書と違い、長い年月の中で変化していくものなので、経営者の本質的な価値観や意識が表現されていくようにできているところです。
決算書は、左右の合計が一致することでバランスしておりますので、異常値は必ず、どこかの科目に表現されます。経営者の皆様には、是非とも、損益計算書のみならず、最終的な指標として、貸借対照表のバランスを意識願えればと思います。
そして、社員の方々には、是非、損益計算書を共有するよう工夫していただきたいものです。試算表も、図式化すれば、具体的なイメージももちやすいようですので、コックピットの中にある未来会計図を、是非ご活用いただければと思っております。

「為せば成り、為さねば成らぬものなるを 成らぬはおのが為さぬためなり」
厳しい時代ですが、迷いながらでも、笑いながら、共に、良い経営を実践してまいりましょう。

平成20年1月号

あけましておめでとうございます。
今年の事務所の合言葉は「折れない心は 負けない気持ち 迷ったときは 前を向け」です。
前を向いて、負けない気持ちでがんばります。どうぞよろしくお願いします。

さて、平成20年は、原油高によるエネルギー、食料の高騰。年金問題、改正建築基準法による建築業界の連鎖倒産の可能性などもあり、試練の年になりそうです。
日経新聞では、年明けからシリーズで「沈む国と通貨の物語」YEN漂流 縮む日本が連載されています。第1回目「社長、今日は日本人ばかりでがっかりだわ・・・」というショッキングな言葉で始まり、中ほどには「2020年一人当たりGDPがアメリカの半分に」という試算もでております。第2回「元経済圏の足音」第3回「気がつけば途上国」・・・国際化と少子高齢化の中で、日本が加速度的に貧しくなってきていることがわかります。
今後、ますますアジア諸国との競争に巻き込まれ、国際価値基準の中で、地価や労働価値が決定されていくのでしょう。そして、エネルギー問題、環境問題、年金と様々な問題が避けては通れない時期に来ております。外部環境、経済環境は、厳しさを増すばかりです。

こんな時代だからこそ、「何のために利益を出さなければならないのか。」「我社は何処へ行こうとし、将来、社員はどのような処遇になるのか。」そして「いくら売上が必要なのか。どれだけ利益が必要なのか。」を社員にも理解してもらい、一丸となってこの難局を乗り越える必要があるのではないかと思います。
なぜ利益を出さねばならないのか?ご承知のように「① 社員全員が幸せになり、② 幸せな社員と共に企業が存続し、③ 企業が存続し続けることで、サービスを通じて社会に貢献し続けるため。」です。
しかし、社員がそれを理解しているかというと、残念ながらそういうことはまれで、一般的には「景気は悪くても、会社はそこそこ儲かっている。その割に自分の給料は少ない。」そう考えている場合が多いようです。社員の方々は、ほとんど会社の財務的な情報を知りませんし、社長から会社の現状や未来像を聞いたことのある社員もほとんどいないでしょうから、当然かもしれません。また、経営者にとって人件費は、「総支給額+法定福利費」ですが、社員にとっては、「手取り」であるということも一因です。
「貸借対照表は、経営者が意図して作るもの。損益計算書は、全社員が汗をかき作るもの。」です。
社員が目標売上高や目標利益、目標客数や目標単価を知らないで、どうして良い損益計算書が作れるでしょう?是非、ベクトルを合わせてがんばるためにも、指標となるものを社長自らお示しになることをお勧めいたします。

さあ、今年もがんばりましょう!!