個人的な話題で恐縮ですが、本年10月で前職(現EY新日本有限責任監査法人)を退職して、10年となります。「独立して10年」ということになります。
10年間、思えばいろいろありましたが、総括すると「楽しかった」「北海道に帰ってきてよかった」と思える10年でした。
この10年間、未熟で世間知らずの私が、お客様や事務所の職員さん、一緒に仕事をしてくださる仲間や家族・友人に支えて頂いて、何とか、仕事をすることができました。
例え僅かであったとしても、自分の仕事で誰かが喜んでくれたり、それが少しでも社会の役に立ったのであれば、こんなに嬉しいことはないです。
私に関わってくださったすべての皆様に、心から感謝しています。
でも、ときどき「あの時、監査法人に残る」という選択をしていたら、どんな人生だったのだろう?という気持ちがよぎることがあります。
時々、「いや、その選択をすることはなかったでしょう。」と言われることがありますが、私は「監査法人に残る」という選択肢は十分にあったと思います。
たらればの話をしても仕方がないのですが、私は北海道に帰ってくるという選択をしたので、「会計士として、英語を使って外国で仕事がしてみたい」という夢は、叶えることができませんでした。
悔いはないけれども、人生は選択の連続であり、後戻りできない。
そして、当たり前だけれども、人生は一回限りという「人生の一回性(*1)」を痛感します。
これからの10年・・・となると全く想像もつかないのですが、とにかく「悔いを残さないように、今やれることを一生懸命やるしかない」、そう思って10年やってきたので、これからの10年もそうやってやっていこうかな・・・。
それではダメで、本当はもう少し計画を立てて、しっかり未来を描かないといけないことは、分かっているのですが・・・。
(参考文献)
(*1)「人生の一回性」という言葉について、飯塚毅毅先生の「逆運に溯る 飯塚毅著作集【3】(TKC出版1985年)のWihelm Windelband「哲学概論」(Einleitung in die Philosophie)。
新年あけましておめでとうございます!
さて、私は仕事をする上で「寄り添う」ということを一つの目標にしています。
サービス業として、「お客様に寄り添う」ということは何なのか?ということを考えさせられることがあったので書いてみたいと思います。
先日、あるお店でプレゼントを購入した際に、レジでラッピングサービスをお願いしたのですが、レジの方に「あちらに包装紙と道具があるので、ご自身でお願いします」と言われました。
私は予想外の返答に戸惑いながら「もちろん料金はお支払いするので、ラッピングをお願いしたいのですが・・・」と言ったのですが、再度、「あちらに包装紙と道具があるので、ご自身でお願いします」と言われました。別のお店の方にお聞きしたら、少し前から、人手不足のために、ラッピングはセルフに切り替えたそうです。
考えてみると、この時にレジの方がしたのは、結局「ポイントカードありますか?」という質問とバーコードの読込、クレジットカード決済・・・だけです。
これって「セルフレジ導入」でできることばかりじゃないでしょうか?
人手がいない→サービスを削ろう→ラッピングは意味ないから削ろう
ということになったのだと思いますが、むしろ業務負担を減らしつつ、顧客満足度を上げるのであれば、
人手がいない→顧客にとって付加価値がない業務はどれだろう→レジ打ち→セルフレジにしよう→ラッピングが必要な人には別カウンターで人が対応しよう(料金は取ろう)
という方がよほど顧客にとっての付加価値があると思うのですがどうでしょうか・・・?
少なくとも私は不器用で、工作が大の苦手ですので、プレゼント購入時にラッピングができないと言われると、今後そのお店で大切なプレゼントを買うこともなくなってしまうのですが・・・。
会計の業界でもAI・RPAの導入、仕訳入力の外注化・高速化など、新しい技術の導入が進んでいます。
ただ、こういった業務の効率化も、自分たちの論理・自分たちの都合で突き進んで、「お客様のニーズ・満足を軽視している」ということにならないように、お客様に寄り添った仕事をしていきたいと思っています。
今年一年の皆様のご健康と、事業のご発展を祈念いたします!
本年もどうぞよろしくお願いいたします。