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【令和8年度税制改正要望 国内投資と賃上げを後押し 大胆な設備投資促進税制を創設】(令和7年12月)
令和8年度税制改正に向けた議論の行方に注目が集まっています。経済産業省では、2040年度国内投資額200兆円の実現に向け、設備投資や研究開発投資などの国内投資を後押しし、企業による賃上げを徹底させていくとともに、車体課税などの見直しを通じた国内産業基盤の維持・強化を求めています。
経済産業省の要望をみると、まず、高付加価値型の経済・産業構造への転換を図るには、過去最高水準に上昇した企業の現預金も活用しながら、国内投資と賃上げを進めていくことが不可欠などと指摘しました。
2030年度に135兆円、2040年度に200兆円という新たな官民国内投資目標を達成するためには、引き続き官民一体となって国内投資の拡大と賃上げを継続していく必要があるとして、国内投資の拡大を通じて、日本企業の「稼ぐ力」を向上させ、賃上げを含めた好循環を形成するため、5年間を集中投資期間と位置づけた上で、高付加価値化のための大胆な設備投資を促進する税制の創設を要望しました。
車体課税については、米国追加関税等の国内自動車産業への影響も踏まえつつ、国内市場を活性化するため、環境性能割の廃止等取得時の負担の軽減を求めました。また、自動車の重量およびCO²排出量削減に資する環境性能に応じた保有時の公平・中立・簡素な税負担のあり方等について、令和8年度税制改正において結論を得ることを求めています。
中小企業の積極的な研究開発を促進する観点から、増減試験研究費割合に応じた控除率等の上乗せについて、時限措置の3年間の延長を行うとともに、企業の研究開発投資の増加を促すためのインセンティブの強化に向けた見直しを要望しています。
さらに、赤字や利益が少ない企業も含めた中小企業における研究開発投資を一層後押しし、収益力の向上を図る観点から、中小企業による研究開発に係る設備投資拡大に向けた所要の措置を創設することを求めました。
経営者の高齢化の進展などを踏まえ、中小企業の事業承継を後押しし、生産性向上・成長を支援する観点から、法人版(特例措置)および個人版事業承継税制(贈与税・相続税ともに100%を猶予)について、承継計画の提出期限延長を行うことを求めたほか、事業承継による世代交代の停滞や地域経済の成長への影響に係る懸念も踏まえ、事業承継の在り方について検討することを要望しました。
企業が従業員に提供する食事については、①従業員が食事価額の50%以上を負担し、②企業が負担した金額が3500円以下の場合に、食事に係る所得税を非課税とする制度が存在していますが、1984年以来制度の見直しが行われておらず、長年据え置かれてきた食事支給に係る所得税非課税制度について、足元の物価上昇等を踏まえた非課税限度額の引き上げを要望しました。
【法人税等の申告事績 申告所得金額は102兆3381億円で過去最高】(令和7年12月)
国税庁はこのほど、令和6事務年度の法人税等の申告(課税)事績を公表しました。
それによると、令和6年4月1日から令和7年3月31日までに終了した事業年度に係る申告ついて、令和7年7月31日までに申告があった法人税の申告件数は322万件(前年度:317万6千件)で、その申告所得金額の総額は102兆3381億円で、前年度から4兆600億円増加しました。申告税額の総額は18兆7139億円となり、前年度から1兆3215億円増加しました。申告所得金額および申告税額ともに5年連続の増加となり、いずれも過去最高となりました。
黒字申告件数は117万5千件(同:114万3千件)で、黒字申告割合は前年度より0.5ポイント増加の36.5%となりました。黒字申告1件当たりの所得金額は8707万4千円となり、前年度から109万5千円増加しています。
申告欠損金額は17兆4925億円(同:15兆5926億円)で前年対比112.2%。赤字申告1件当たりの欠損金額は855万6千円(同:767万2千円)で前年対比111.5%でした。
令和6事務年度における源泉所得税等の税額は20兆3445億円で、前事務年度の21兆3351億円から9907億円減少しました。主な所得についてみると、給与所得の税額は前事務年度より6308億円の減少し、配当所得の税額は1兆2559億円の減少となりました(令和6年7月1日から令和7年6月30日までに提出のあった徴収高計算書の税額および税務署長が行った納税通知に係る税額を集計)。
令和6年度における法人税の申告のe-Tax利用率は89.1%でした。なお、法人税の申告については、納税者や税理士の利便性向上と税務行政の効率化のため、添付書類(財務諸表や勘定科目内訳明細書など)を含めたe-Taxの利用(ALL
e-Tax)を推進しており、令和5年度における法人税申告のALL e-Tax率は67.7%となりました。(ALL
e-Tax率とは、法人税申告のうち、主要な別表に加え、財務諸表など添付すべきものとされている書類がe-Taxで送信された割合)

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中国税理士会所属