税金、年金、商法等の改正事項を解り易くご案内しております。
【令和8年度から防衛特別法人税の適用開始、中小法人なら所得換算で約2400万円の控除措置】(令和7年7月)
令和7年度税制改正では防衛力強化に係る財源確保のため、防衛特別法人税が創設されました。令和8年4月1日以後に開始する事業年度から適用が始まります。増税額は初年度(令和8年度)が5280億円、平年度で7710億円を見込んでいます。近年の税制改正の中でもひときわ増税規模が大きく、もっと議論を呼んでもおかしくない改正でしたが、「103万円の壁」に代表される年収の壁対応に話題をさらわれる形で、それほど目立たないまま実施に移されることとなりました。
防衛特別法人税の内容を定める「我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部改正」では、当分の間、防衛特別法人税を課すとしています。当分の間とはなっていますが、期限に定めはないので廃止されるまで続くことになります。
各事業年度の所得に対する法人税を課される法人は防衛特別法人税を納める義務があるとされており、法人の規模等に関係なく、法人税を課される法人には防衛特別法人税の納税義務があります。法人税額に対し、税率4%の新たな付加税として、防衛特別法人税を課します。ただ、中小法人に配慮する観点から課税標準となる法人税額から500万円を控除します。
【公益法人等に財産を寄附した場合の非課税制度のあらましを公表】(令和7年7月)
国税庁はこのほど、「公益法人等に財産を寄附した場合における譲渡所得等の非課税の特例のあらまし」を公表しました。
この非課税制度には、「一般特例」と「承認特例」の2つの制度があり、同あらましでは、それぞれ対象となる法人の種類や承認要件を解説しています。
また、非課税制度を受けるための手続きについて、財産の寄付から、一定の承認要件を満たすものとして国税庁長官の承認を受けるまでの流れを分かりやすく解説しています。
そのほか、一般特例と承認特例の承認要件、非課税承認が取り消される場合の例などが紹介されています。
制度の概要
個人が、土地、建物、株式などの財産(事業所得の基因となるものを除きます。)を法人に寄附した場合には、これらの財産は寄附時の時価により譲渡があったものとみなされ、これらの財産の取得時から寄附時までの値上がり益に対して所得税が課税されます(所法59①一)。
これは、個人から法人に土地、建物などの財産が無償で移転するときに、個人に帰属する値上がり益に対する所得税を精算するための制度的要請によるものです。
ただし、これらの財産(国外の土地など一定のものを除きます。)を公益法人等に寄附した場合に、一定の承認要件を満たすものとして国税庁長官の承認(以下「非課税承認」といいます。)を受けたときは、この所得税を非課税とする制度が設けられています(措法40①後段)。
対象となる法人
一般特例
公益社団法人、公益財団法人、特定一般法人、その他の公益を目的とする事業を行う法人(例えば、社会福祉法人、学校法人、宗教法人やNPO法人など)(以下「公益法人等」といいます。)
承認特例
公益法人等のうち、国立大学法人等、公益社団法人、公益財団法人、学校法人、社会福祉法人及び認定NPO法人等(以下、「承認特例対象法人」といいます。)
【基礎控除の見直し等で各種情報、令和7年分年末調整の留意事項など示す】(令和7年6月)
国税庁は4月25日、源泉徴収義務者向けに令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等についての各種情報を公表しました。改正の概要、令和7年分の年末調整、令和8年分以後の給与の源泉徴収事務について説明しているほか、年末調整や源泉徴収事務における留意事項をまとめたパンフレット、変更を予定する年末調整関係書類の様式案も掲載しています。5月末ごろには、よくある質問(FAQ)を掲載する予定です。同日、これらの内容を盛り込んだ「令和7年4月源泉所得税の改正のあらまし」も公表しています。
令和7年度改正の内容である所得税の(1)基礎控除の見直し(基礎控除の上乗せ特例の創設を含む)や(2)給与所得控除の見直し、(3)特定親族特別控除の創設、(4)扶養親族等の所得要件の改正は原則として令和7年12月1日に施行され、令和7年分の所得税から適用されます。令和7年11月までの給与と公的年金等の源泉徴収事務に変更は生じませんが、令和7年12月に行う年末調整など令和7年12月以後の源泉徴収事務からは変更が生じます。このうち、給与の源泉徴収事務の変更点などは図のとおりです。
年末調整の際の詳しい事務の内容は、8月末ごろから国税庁ホームページに随時掲載する予定です。
給与の源泉徴収事務における変更点など
令和7年 |
令和8年1月以降 |
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11月まで ・変更なし |
12月 ・基礎控除の見直し ・給与所得控除の見直し ・特定親族特別控除の創設 などを反映 ※特に年末調整の際に注意が必要 |
・扶養控除等申告書の記載事項の変更 ・源泉徴収税額表の改正 など |
事務所名 税理士法人 い そ べ |
所在地 山口県宇部市常藤町2番21号 |
電話番号 0836-21-3161 |
FAX番号 0836-31-1580 |
業務内容 ・税務・経理・財務・会計・決算に関する業務 ・独立、開業支援に関する業務 ・経営相談・コンサルティング |
メールアドレス isobe-keiri@tkcnf.or.jp |
中国税理士会所属