いそべ便り(毎月更新)

税金、年金、商法等の改正事項を解り易くご案内しております。

【教育資金贈与の終了でどうなる?押さえておきたい実務上の留意点】(令和8年8月)

 令和8年度税制改正では、個人の資産移転に関わる制度の見直しが行われました。なかでも、教育資金の一括贈与の終了など、子や孫への贈与に影響する改正が含まれています。これらの改正を踏まえながら、実務上の留意点を整理します。

 令和8年度税制改正では、子や孫への1500万円までの贈与が非課税となる「教育資金の一括贈与」は、令和8年3月31日で延長せずに終了となりました。ただし、同日までに拠出された教育資金贈与については、引き続き適用できます。

 教育費のための高額な贈与特例である「教育資金の一括贈与」はなくなりましたが、扶養義務者相互間の贈与、暦年課税、相続時精算課税を活用することで、贈与税がかからない方法は引き続き利用できます。たとえば扶養義務者相互間の贈与で入学金や授業料、塾や習い事等の費用を必要な都度祖父母に直接払ってもらう方法、あるいは暦年課税や相続時精算課税で年間110万円の基礎控除や累計2500万円までの非課税枠を活用する方法があります。これらは「教育資金の一括贈与」と異なり、使途を教育費に限定せずに活用することができます。

 子や孫へ贈与するときは、「何のために」「何を贈与する」のかを明確にして、使える特例はないか、贈与税がかかるのかを事前にチェックすることが大切です。贈与をするのであれば、親や祖父母の名義預金や定期贈与契約をしたとみなされないよう、贈与の事実関係を明確にしておくことが重要です。贈与税は相続税とセットで考える必要があります。年間110万円以内の贈与で贈与税がかからない場合でも、生前贈与加算により相続開始前3年~7年以内の贈与は、贈与した親や祖父母の相続財産に加算されることがあります。贈与するなら早目に検討することも大切です。

 税制改正で制度が変更になることも少なくありません。贈与する時には、必ず制度の確認をしましょう。条件が変わって使えないこともあります。

【国税不服審判所 フェラーリ等の減価償却費を不動産所得の必要経費に算入認めず】(令和8年8月)

 会社役員であって不動産貸付業を営んでいる審査請求人がフェラーリとポルシェに係る減価償却費および支出等が不動産所得に係る必要経費に算入され、かつ、当該支出等の一部は課税仕入れに係る支払対価の額に該当することを前提に確定申告をしたところ、原処分庁がこうした事由を否認して所得税等および消費税等の更正処分等をしました。これに対し、請求人は不動産貸付業の情報収集活動に車両が必要であり、本件各車両を不動産貸付業においてのみ使用しており、請求人が高級車を複数台保有していることから本件各車両を個人的に利用する必要性はまったくないこと、不動産開発業者には請求人の資金規模を理解させ、優先的に優良物件を購入するためには、本件各車両が必要不可欠であることを根拠としました。

 国税不服審判所は、本件各車両経費が必要経費に算入することを主張するため、請求人において、その必要経費該当性を合理的に推認させるに足りる程度の具体的な反証がされているか否かについて検討した結果、当審判所に提出された証拠書類および当審判所の調査の結果によっても、本件各車両の使用方法、使用頻度、使用目的などを踏まえた不動産貸付業との合理的な関連性や事業遂行上の必要性を裏付ける証拠はない。

 そうすると、本件各車両が請求人の不動産所得に係る必要経費に該当することを合理的に推認させる程度の具体的な反証はされておらず、前記の事実上の推認は覆らない。

 国税不服審判所は車両経費について、不動産貸付業の合理的な関連性や事業遂行上の必要性を裏付ける証拠はないなどして処分を適法とする裁決しました。

事務所概要

事務所名
税理士法人  い そ べ
所在地
山口県宇部市常藤町2番21号
電話番号
0836-21-3161
FAX番号
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業務内容
・税務・経理・財務・会計・決算に関する業務
・独立、開業支援に関する業務
・経営相談・コンサルティング
メールアドレス
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中国税理士会所属