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【令和8年度改正に対応した源泉所得税改正のあらましを公表、基礎控除等の引上げは令和8年12月以後の事務に影響】(令和8年6月)
国税庁は4月20日、「令和8年4月源泉所得税の改正のあらまし」を公表しました。令和8年度税制改正に伴う基礎控除や給与所得控除の最低保障額の引上げ、扶養親族等の所得要件の改正のほか、所得税法施行令および通達改正に伴って今年4月1日から適用されている自動車等で通勤している人に係る通勤手当の所得税の非課税限度額や食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額の引上げ等の内容について説明しています。また、令和8年度改正で創設され、令和9年1月から適用される防衛特別所得税の源泉徴収のあらましもあわせて掲載されています。
このうち、基礎控除や給与所得控除の最低保証額の引上げは令和8年分の所得税から適用されます。ただ、これらは源泉徴収義務者の事務負担に配慮して令和8年12月1日に施行され、令和8年11月までの源泉徴収事務に変更は生じません。令和8年12月に行う年末調整など令和8年12月以後の源泉徴収事務から変更が生じることになります。
同あらましでは、「令和8年の給与等の源泉徴収事務における留意事項」を設けており、この中で、令和8年分の給与等の源泉徴収事務では、令和8年12月に行う年末調整の際に、引上げ後の基礎控除額および改正後の国税庁の作成する「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」に基づいて1年間の税額を計算し、改正前の「源泉徴収税額表」によって計算した源泉徴収税額との精算を行うとしています。
また、令和8年分の給与等の源泉徴収事務で、扶養親族等の所得要件の改正も令和8年12月1日以後に支払う給与等から適用されますが、この改正によって新たに扶養親族等の要件を満たすこととなった親族等に係る扶養控除等の適用を受けるためには「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」等の提出が必要になるとしています。
【免税事業者等からの課税仕入れの法人税処理】(令和8年6月)
令和8年度改正では、免税事業者などインボイス発行事業者以外の者から行った課税仕入れにつき、その一定割合を控除できる経過措置について、適用期限を2年間延長したうえで控除可能割合を「7割・5割・3割」と段階的に引き下げる見直しが行われました。
一方、「消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについての考え方は令和8年度改正後においても従前と同じになる方向で、免税事業者等からの課税仕入れに係る〝消費税額等とみなされない金額″は取引対価の額に含める必要があります。税抜経理方式を採用する法人は、本年10月に迎える仕入税額控除に係る経過措置の控除可能割合の引下げに向けて早めに対応の準備が必要です。
本年10月1日から消費税額とみなされる金額が段階的に引下げ
法人税の取扱いでは、税抜経理をした場合、仕入税額控除の対象となる課税仕入れ等の消費税額が仮払消費税等の額とされています。免税事業者等から行った課税仕入れは、原則として、仕入税額控除の対象となる消費税額はありません。そのため、税務上、仮払消費税等の額はないことになります。
ただし、インボイス制度導入後8年間は、インボイス発行事業者以外の者からの課税仕入れについて、仕入税額相当額の一定割合が課税仕入れに係る消費税額とみなされるため、法人税の取扱いにおいても、同額が仮払消費税等の額として取り扱われます。
令和8年分でいえば、1月1日から9月30日までの課税仕入れは「仕入税額相当額の80%」、同年10月1日から12月31日までの課税仕入れは「仕入税額相当額の70%」が消費税額とみなされて仕入税額控除の対象となるとともに、法人税の課税所得金額の計算上も仮払消費税等の額となります。
仕入税額控除の対象外となる金額は取引対価の額に算入
一方で、課税仕入れに係る消費税額とみなされない金額は、法人税の課税所得金額の計算上、その金額を取引の対価の額に含めなければなりません。その対応として、システム改修を行う方法のほか、決算時に追加処理を行って対応する方法も実務上考えられます。
他方で、令和8年10月1日に免税事業者等から棚卸資産を仕入れ、仕入れ時に仮払消費税額等を計上した場合、消費税額等とみなされない金額(仕入税額相当額の30%分)を商品の取得価額に含めて処理しなければなりません。決算時に雑損失として計上した場合、期末在庫が発生するときは注意が必要です。消費税額とみなされない金額のうち在庫分に相当する金額は売上原価とはならず損金算入できないことから、法人税の所得金額に加算が求められ、申告調整が必要となります。

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中国税理士会所属