いそべ便り(毎月更新)

税金、年金、商法等の改正事項を解り易くご案内しております。

【令和8年度税制改正法が年度内に成立、大企業向け賃上げ促進税制は1年前倒しで廃止】(令和85)

 国税、地方税それぞれの令和8年度税制改正法が331日、参院本会議で可決・成立しました。123日に衆院解散、28日に総選挙が行われ、審議日程が窮屈だったため、令和8年度予算の年度内成立が困難となり、本予算成立までのつなぎとして暫定予算(330日に成立)が組まれましたが、税制改正法は年度内成立に漕ぎつけました。改正内容は原則として41日に施行されています。

 本予算と予算関連法と位置づけられる税制改正法は例年、同じ日に参院本会議で可決・成立しています。ただ、暫定予算が組まれた年は同様とはならず、前回、暫定予算が組まれた平成27年度は、暫定予算が330日に成立、税制改正法が331日に成立、本予算は49日に成立していました。

 税制改正法の内容のうち主なものを取り上げると、法人関係では、令和8年度税制改正法が331日までに成立したことに伴い、改正前は令和9331日までの間に開始する各事業年度で一定の要件を満たした場合に適用できた大企業向け賃上げ促進税制は1年前倒しで廃止されました。中堅企業、中小企業向けでも教育訓練費に係る上乗せ措置が同じく1年前倒しで廃止されるとともに、中堅企業向け措置は賃上げ基準が従来よりも厳しくなりました。他方、令和8年度税制改正の目玉の一つとされる大胆な投資促進税制の創設は、産業競争力強化法の改正を前提としていますが、産業競争力強化法の改正案は国会に提出されているものの、審議入りはしておらず、実際の税制の適用には、まだ時間がかかりそうです。

 個人所得関係では、物価の上昇に連動して基礎控除等を引き上げる仕組みが創設されました。これに基づいて所得税の基礎控除が合計所得金額2350万円以下の者を対象に4万円引き上げられ、また、所得税と個人住民税で給与所得控除の最低保障額が4万円引き上げられました。加えて、令和7年度税制改正で創設された所得税の基礎控除等の特例による基礎控除の加算額が、2年間に限り合計所得金額が489万円以下である場合は一律42万円となるとともに、所得税と個人住民税で給与所得控除の最低保障額を2年間に限り5万円引き上げる特例が創設されました。これにより、令和8年分から所得税の課税最低限は178万円に、令和9年度分からの個人住民税の課税最低限は119万円になりました。なお、源泉徴収義務者の事務負担に配慮して源泉徴収での対応は令和9年分の所得からで、令和8年分は年末調整で対応します。

【国税庁 法人税等相当額の控除割合を38%に改正】(令和85)

 国税庁は330日、非上場株式を純資産価額方式で評価する際の「評価差額に対する法人税額等に相当する金額」に係る控除割合を38(改正前は37)に改正したことを公表しました。

 令和7年度税制改正により防衛特別法人税が創設されたことに伴う措置で、令和841日以後の相続、遺贈又は贈与に適用されます。

 防衛特別法人税の創設に伴い法人税率等の合計割合が変更

 非上場株式を評価する際の純資産価額方式で用いる「評価差額に対する法人税額等相当する金額」については、「相続税評価額による純資産価額」から「帳簿価額による純資産価額」を控除した残額に「法人税、事業税、道府県民税及び市町村民税の税率の合計に相当する割合」を乗じて計算した金額とされていました。

 令和7年度税制改正で創設された「防衛特別法人税」については、令和841日以後開始事業年度に適用されます。これに伴い「法人税率等の合計割合」の根拠となる税率が変わるため、「法人税率等の合計割合」が「37%」から「38%」に改正されました。

 なお、防衛特別法人税の算定における基礎控除額に相当する金額については、評価方法の簡便性を考慮し、「法人税率等の合計割合」の算定には加味されていません。

 純資産価額の計算明細書等の欄は6月頃に改正予定

 本改正に伴い「第5表 1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書」、「第8表 株式等保育特定会社の価額の計算明細書(続)」における「評価差額に対する法人税額等相当額」の欄について、令和86月頃に改正が予定されています。

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中国税理士会所属