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【定額減税の対象外となる事業専従者等への不足額給付は申請が必要、必要書類や受付開始時期などは自治体によって異なる】(令和7年5月)
内閣官房はこのほど、令和6年度税制改正による定額減税の対象外となるなど一定の要件を満たす青色事業専従者等に対する不足額給付を案内するチラシを公表しました。不足額給付の対象となる事業専従者が給付を受けるには、令和7年度課税団体に申請をする必要があり、支給要件を満たしているかの確認のため、事業主の令和6年分確定申告書の控えなどを提出しなければなりません。申請に必要な書類や申請の受付開始時期などは自治体によって異なるので、住んでいる自治体のホームページなどを確認の必要があります。なお、多くの自治体では、申請方法等の詳細は今後お知らせするなどとなっていますが、東京・江戸川区では、2月から申請を受け付けており、すでに支給を開始したとしています。
不足額給付には、(1)令和6年分推計所得税額を用いて当初調整給付を算定したことにより、結果として支給額に不足が生じた者への給付、(2)税制度上、扶養親族等から外れてしまう事業専従者等で、所得税・住民税が課されない者であり、納税者が世帯にいるため、低所得世帯向け給付の対象ともならない者への給付の二つがあります。
(1)は原則、自治体が不足額を算定し、給付対象者に通知をする方式で、支給時期は令和7年6月以降を想定する自治体が多いです。(2)は原則、申請が必要で、給付額は4万円です。ただし、令和6年1月1日時点で国外居住者であった場合には3万円となります。申請時期等については、各自治体で異なりますが、前述のとおり江戸川区はすでに受付を開始しており、提出期限が令和7年5月29日となっています。
(2)の不足額給付の対象は、以下のいずれの要件を満たす者となります。
①令和6年分所得税及び令和6年度分個人住民税所得割ともに定額減税前税額がゼロ、②税制度上、扶養親族等から外れてしまう青色事業専従者・事業専従者(白色)、合計所得金額48万円超の者、③低所得世帯向け給付(5年非課税給付等、6年非課税化給付等)対象世帯の世帯主・世帯員に該当していない。
つまり、①は本人として定額減税の対象外、②は扶養親族等としても定額減税の対象外、そして、③は定額減税一体措置における低所得世帯向け給付でも対象外となり、該当する者が(2)の不足額給付の対象となります。
申請に必要な書類の例
書類 |
確認事項等 |
申請者の令和6年分源泉徴収票 または令和6年分確定申告書の控え |
所得税額の把握 |
申請者の令和6年度税額決定通知書 または令和6年度(非)課税証明書 |
個人住民税所得割額の把握 |
事業主の令和6年分確定申告書の控え青色事業専従者給与に関する届出書 または青色申告決算書 |
青色、白色事業専従者の 把握(専従者のみ) |
住民票の写し |
世帯員の把握 |
世帯全員の令和5年度及び 令和6年度(非)課税証明書 |
世帯全員の税額の把握 |
低所得世帯向け給付及び 当初調整給付を受給していない旨の 確認書(誓約書) |
受給が判明した際返還する旨の確認書 |
※自治体で把握できる情報については提出不要とすることも可能。
これらの支給要件を満たしているかを確認するために提出を求められる書類の例は、表のとおりです。申請者の令和6年分源泉徴収票または令和6年分確定申告書の控えのほか、申請者が事業専従者である場合は、事業主の令和6年分確定申告書の控えが必要となります。
【物価高や人手不足の影響を受けている中小企業に新たな2つの保証制度】(令和7年5月)
中小企業庁は令和7年3月14日、物価高や人手不足等の影響を受けている中小企業者に向けた新しい保証制度として、協調支援型特別保証制度と経営改善サポート保証(経営改善・再生支援強化型)制度を開始することを発表しました。
協調支援型特別保証制度は、原材料の価格高騰、物価高、人手不足等の影響を受ける中小企業者に対し、金融機関のプロパー融資と保証付き融資を組み合わせることなどにより、金融仲介機能の一層の強化を図り、人手不足に対応するための省力化投資による中小企業の経営の安定や事業の発展など、多岐にわたる経営課題解決への取組を後押しする保証制度を3年間(2028年3月末まで)の時限措置として開始します。
対象となる要件は、次のいずれかに該当する中小企業者です。①申込金融機関から本制度による本保証付き融資の実行と原則同時に本保証付き融資額の1割以上(融資期間12か月以上)のプロパー融資を受けること、②申込金融機関の支援を受けつつ、自ら経営行動計画の策定並びに計画の実行及び進捗の報告を行うことです。
保証限度額は2億8000万円です。保証期間は、一括返済の場合は1年以内、分割返済の場合は10年以内。据置期間は運転資金が1年以内、設備資金および運転設備資金が3年以内。金利は金融機関所定で、保証料率は0.45%~1.90%。
保証申込日に応じて、次の保証料補助率に相当する額を国が補助します(要件②は1/4相当)。
・2025年3月14日~2026年3月31日の保証申込分:1/2相当
・2026年4月1日~2027年3月31日の保証申込分:1/3相当
・2027年4月1日~2028年3月31日の保証申込分:1/4相当
取扱期間は2028年3月31日までです。
一方、経営改善サポート保証(経営改善・再生支援強化型)制度は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、借入が過大となり、また、物価高や人手不足等の影響により、厳しい状況にある中小企業者の事業再生の取組みを後押しするため、経営サポート会議や中小企業再生支援協議会等の支援により作成した再生計画等に基づき、中小企業者が事業再生を実行するために必要な資金の借入を保証する「経営改善サポート保証制度」を、2025年3月31日に終了する「感染症対応型」の後継として開始します。
事務所名 税理士法人 い そ べ |
所在地 山口県宇部市常藤町2番21号 |
電話番号 0836-21-3161 |
FAX番号 0836-31-1580 |
業務内容 ・税務・経理・財務・会計・決算に関する業務 ・独立、開業支援に関する業務 ・経営相談・コンサルティング |
メールアドレス isobe-keiri@tkcnf.or.jp |
中国税理士会所属