いそべ便り(バックナンバー)24年分

『ゴルフ場利用税の廃止』
日本ゴルフ協会や日本ゴルフ場事業協会などで組織するゴルフ場利用税廃止運動推進本部・日本ゴルフ関連団体協議会は7月30日から8月5日のゴルフウィークにかけて、ゴルフ場利用税廃止運動を実施しました。
初日の30日には、ゴルフ17団体の長が自民党ゴルフ振興議員連盟やスポーツゴルフ確立のための議員連盟に対して利用税廃止要望書を提出後、川端達夫総務大臣を訪れて要望書と今年5、6月に実施した利用税廃止を求める約122万人分の署名を手渡しました。また、各アマチュアゴルフ団体と各ゴルフ場支配人会代表が47都道府県の知事に利用税廃止要望書を提出しました。
ゴルフ場利用税は、消費税導入に伴って平成元年に廃止された娯楽施設利用税(地方税)の一つですが、利用者の担税力やゴルフ場の開設では行政サービスと密接な関係があること、市町村の貴重な財源となっていることなどから、ゴルフ場利用税として改称され残されています。
同本部では、(1)「スポーツを通じて豊かで健康的な生活を営むことが国民の権利であり、スポーツ振興を図ることは国・地方自治体・スポーツ団体の義務である」と定めた昨年施行のスポーツ基本法に違反すること、(2)次回の平成28年オリンピックで正式競技に復帰するとともに、再来年には日本で世界アマチュアゴルフチーム選手権が開催される予定となっており、このような中でスポーツに課税を行うことは世界からも批判を受けることになるなどのほか、消費税が増税されれば負担増となることも挙げて廃止するよう求めています。

平成24年9月1日更新分②

『事前通知が不要な具体例』
2011年度税制改正において、国税通則法が改正され、調査手続きについて、現行の運用上の取扱いを法定化した規定が設けられ、2013年1月から実施されます。調査手続きについて、「事前通知」や「調査終了の際の手続き」など、これまで通達や事務運営指針などによっていた取扱いが国税通則法において明確化され、これらの前提となる「質問検査権」についても、各税法から国税通則法に集約して横断的に整備されています。
質問検査権については、税務当局が質問検査権行使の一環として、納税義務者等に対し帳簿書類その他の物件の「提示」、「提出」を求めることができることが法律上明確化されています。事前通知については、調査に先立ち、課税庁が原則として事前通知を行うこととされ、併せて、一定の場合には事前通知を行わないことや、調査終了の際の手続きについて、現行の運用上の取扱いがともに法律上明確化されています。
事前通知を要しない場合とは、「(A)違法または不当な行為を容易にし、正確な課税標準等または税額等の把握を困難にするおそれがあると認められる場合、(B)その他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」があると認められる場合とされ、それぞれに該当する場合の具体例については、先般国税庁が公表した税務手続きに関する通達案において明示されています。
通達案によると、(A)については、(1)改正通則法第127条第2号または同条第3号に掲げる行為(偽りの答弁や偽りの帳簿の提出など)を行うことを助長することが合理的に推認される場合、(2)調査の実施を困難にすることを意図し逃亡することが合理的に推認される場合、(3)調査に必要な帳簿書類その他の物件を破棄し、移動し、隠匿し、改ざんし、変造し、または偽造することが合理的に推認される場合、など5例を掲げています。
また、(B)については、(1)税務代理人以外の第三者が調査立会いを求めるなど調査の適正な遂行に支障を及ぼすことが合理的に推認される場合、(2)事前通知を行うため相応の努力をして電話等による連絡を行おうとしたものの、応答を拒否され、または応答がなかった場合、(3)事業実態が不明であるため、実地に臨場した上で確認しないと事前通知先が判明しない等、事前通知が困難な場合、などが例示されています。

平成24年8月1日更新分①

『20万円未満や短期間の周期で行う修理・改良は修繕費』
固定資産の修理や改良等に伴い支出した費用が、“修繕費”となるか、“資本的支出”となるかの判断に困ることは少なくないようです。また、企業(特に中小企業)にとっては、その後の資金繰りにも影響を及ぼすこともあるので、しっかり事前のチェックを行う必要があるでしょう。
周知のとおり、(1)建物の避難階段の取付けなど、物理的に付け加えた部分の金額、(2)用途変更のための模様替えなど、改造や改装に直接要した金額、(3)機械の部分品を特に品質や性能の高いものに取り替えた場合で、その取替えの金額のうち通常の取替えの金額を超える部分の金額は、原則、資本的支出となり修繕費では処理できません。
しかし、例外として一つの修理や改良などの金額が20万円未満の場合又はおおむね3年以内の期間を周期として行われる定期的な修理、改良などである場合は、仮に資本的支出に該当するような内容のものでも、修繕費として支出した事業年度に損金処理できます。
また、修繕費であるか資本的支出であるかが明らかでない金額がある場合の判断基準として、国税庁では法人税基本通達で、(1)支出した金額が60万円未満のとき又は支出した金額がその固定資産の前事業年度終了の時における取得価額のおおむね10%相当額以下であるときは修繕費、(2)法人が継続してその支出した金額の30%相当額とその固定資産の前事業年度終了の時における取得価額の10%相当額とのいずれか少ない金額を修繕費とし、残額を資本的支出として計上していれば、その処理で差し支えないことを明らかにしています。

平成24年8月1日更新分②

『損金算入される租税公課等の範囲と損金算入時期』
企業会計上は費用として経理することが認められている租税公課ですが、法人税法においては、租税公課のうち、法人税や住民税など一定のものについて損金算入を認めない旨規定されています。逆に言えば、ここに規定されていない租税公課は全て損金算入することができることになります。例えば、事業税や事業所税、固定資産税などが挙げられます。
損金の額に算入されない主な租税公課は、(1)法人税、都道府県民税及び市町村民税の本税、(2)各種加算税及び各種加算金、延滞税及び延滞金(地方税の納期限の延長に係る延滞金は除く)並びに過怠税、(3)罰金及び科料(外国または外国の地方公共団体が課する罰金又は科料に相当するものを含む)並びに過料、(4)法人税額から控除する所得税及び外国法人税、などが該当します。
租税公課の損金算入時期ですが、まず、酒税や事業税、事業所税などの「申告納税方式」による租税については、納税申告書を提出した事業年度、また、更生・決定のあったものは、その更生・決定のあった事業年度となります。ただし、その事業年度の直前事業年度分の事業税や地方法人特別税は、その事業年度終了の日までにその全部・一部につき、申告、更生・決定がされていない場合であっても、その事業年度の損金に算入できます。
次に、不動産取得税、自動車税、固定資産税、都市計画税などの「賦課課税方式」による租税については、賦課決定のあった事業年度となります。ただし、納期の開始日の事業年度または実際に納付した事業年度において損金経理をした場合には、その損金経理をした事業年度となります。また、ゴルフ場利用税、軽油引取税などの「特別徴収方式」による租税については、納入申告書を提出した事業年度です。
なお、国税の利子税や地方税の納期限の延長に係る延滞金は、納付した事業年度となります。ただし、その事業年度の期間に対応する未納額を損金経理により未払金に計上したときは、その損金経理をした事業年度となります。

平成24年7月1日更新分①

『予定納税第1期分の納付』
所得税の予定納税第1期分の納期は、今年は7月1日から7月31日までの間です。予定納税とは、前年分の所得税の確定申告に基づき計算した予定納税基準額が15万円以上である場合に、原則その3分の1相当額をそれぞれ7月(第1期分)と11月(第2期分)に納めるものです。予定納税が必要な人は、6月中旬に税務署から「予定納税額の通知書」が送られてくるので、納付する税額や計算の詳細はそこに記載されているはずです。
また、廃業や業況不振、災害などの理由により、6月30日現在の現況で、2012年分の「申告納税見積額(年間所得や所得控除などを見積もって計算した税額)」が、予定納税額の計算の基礎となった申告納税見積額に満たないと見込まれる場合は、予定納税額の減額申請をすることができます。減額申請手続きにおける申告納税見積額の計算は、その年の税制改正があった場合には、改正後の税法を基として計算します。
第1期分の予定納税の減額申請をする場合は、7月17日までに「予定納税額の減額申請書」を税務署に提出する必要があります。税務署では、その申請について、承認、一部承認または却下のいずれかを決定し、その結果を書面で通知することになっています。この予定納税は、納税者に一時に重い税負担がかからないようにするとともに、国家財政にとっては収入の早期確保が図れるという一石二鳥の目的があるようです。
なお、振替納税利用の場合は、納期限(7月31日)に納税者指定の金融機関の口座から自動的に納付されます。予定納税の振替日は、所得税や消費税と違って、一般の納期限と同じ日なので注意して下さい。口座に予定納税額相当分の残高がないと引き落としができず、納期限の翌日から納付される日まで延滞税がかかる場合があります。納期限前日までに口座の残高を確認する必要があります。

平成24年7月1日更新分②

『源泉徴収、甲欄、乙欄、丙欄の適用誤り』
会社が従業員に給与や賞与を支払う際は、給与等から源泉所得税を源泉徴収して従業員に代わって納付しますが、源泉徴収する税額は、その支払いの都度、「給与所得の源泉徴収税額表」を使って求めます。この税額表には、「月額表」、「日額表」、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の3種類があります。月額表には、給与の支払い形態によって甲欄、乙欄、丙欄(日額表のみ)を使用しますが、その適用誤りによるミスが少なくないそうです。
うっかりミスによって源泉徴収漏れがあったり、1日でも納付が遅れると、不納付加算税や延滞税などの余分な税金を会社が納めなければならないことになるので注意しましょう。さて、適用区分ですが、「給与所得者の扶養控除等申告書」が提出されている場合には「甲欄」、提出がない場合には「乙欄」で税額を求めます。「丙欄」は、「日額表」だけにあり、日雇いの人や短期雇い入れるアルバイトなどに一定の給与を支払う場合に使います。
源泉徴収漏れが多いのは、パートやアルバイトなど正社員以外の人に給与を支払う際です。源泉徴収する税額は、一般の社員と同様に「給与所得の源泉徴収税額表」の「月額表」または「日額表」の「甲欄」または「乙欄」を使って求めます。ただし、給与を勤務した日または時間によって計算していることのほか、下記のいずれかの要件に当てはまる場合には、「日額表」の「丙欄」を使って所得税額を求めることになります。
それは、(1)雇用期間があらかじめ定められている場合には、2ヵ月以内であること、(2)日々雇い入れている場合には、継続して2ヵ月を超えて支払をしないこと。だから、パートやアルバイトに対して日給や時間給で支払う給与は、あらかじめ雇用契約の期間が2ヵ月以内と決められていれば、「日額表」の「丙欄」を使うことになります。ただし、期間延長や再雇用によって2ヵ月を超えてしまうと「丙欄」を使うことができないので注意したいです。
なお、(1)日給が9300円未満の日雇いや短期(2ヵ月以内)のアルバイト等、(2)「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出していて、月給または日給が一定額未満のアルバイト等の場合は、源泉徴収をする必要がないことになっています。この一定額については、扶養親族の数によって異なるが、例えば、扶養親族が0人であれば、月給8万8千円未満(日給であれば2900円未満)となる。

平成24年6月1日更新分①

『来年1月から復興特別源泉所得税の源泉徴収が必要』
2011年12月2日に東日本復興財源確保法が公布され、所得税の源泉徴収義務者は、2013年1月1日から2037年12月31日までの間に生ずる所得について、源泉所得税を徴収する際、復興特別所得税を併せて徴収し、源泉所得税の法定納期限までに、その復興特別所得税を源泉所得税と併せて国に納付しなければならないこととされました。源泉徴収した所得税と復興特別所得税は、その合計額を1枚の所得税徴収高計算書(納付書)により納付します。
源泉徴収すべき復興特別所得税の額は、源泉徴収すべき所得税の額の2.1%相当額とされています。復興特別所得税の源泉徴収は、所得税の源泉徴収の際に併せて行うこととされているため、源泉徴収の対象となる支払金額等に対して合計税率を乗じて計算した金額を源泉徴収します。つまり計算式は、「支払金額等×合計税率(%)=源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額」となります。
所得税率に応じた合計税率(所得税率(%)×102.1%)は、所得税率5%は5.105%、7%は7.147%、10%は10.21%、15%は15.315%などとなります。例えば、講演料として22万2222円を支払う場合(所得税率10%)の算式は、「22万2222円×10.21%(合計税率)=2万2688.8662円」となるので、1円未満の端数を切り捨てた2万2688円が源泉徴収すべき額となります。
毎月の給与等から源泉徴収する場合では、2013年1月1日以後に支払う給与等から源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の合計額は、「源泉徴収税額表」に当てはめて算出することになります。したがって、来年1月以降に源泉徴収する際に使用する「源泉徴収税額表」は復興特別所得税を含んだ税額表に変更されるので、2012年分以前の源泉徴収税額表を使用しないように注意が必要です。

平成24年6月1日更新分②

『自社社屋のLEDランプ取替え費用は修繕費』
東日本大震災以降、節電対策として企業や家庭を問わず、LEDランプが注目されています。従来の蛍光灯と比べると多少高価ですが、消費電力が少なく電気代の削減になるほか、寿命が長く、取り替える頻度は圧倒的に少なくなるなどのメリットがあります。このため、LEDランプへの取替え費用は、節電効果や使用可能期間が向上することなどから、資本的な支出になるのではないかとの疑義が生じるところです。
しかし、国税庁がこのほど更新した質疑応答事例では、修繕費として処理できることが分かりました。質問は、節電対策として自社の事務所の蛍光灯100本すべてを蛍光灯型LEDランプに取り換えることを考えているというものです。取替えに当たっては、建物のピットに装着された照明設備(建物附属設備)の工事は特に行いません。LEDランプの購入費用は1本1万円、取付工事費が1000円/本で、100本分合計110万円となります。
これに対し回答では、まず、法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち、その固定資産の通常の維持管理のためや、き損した固定資産の原状回復のために要したと認められる部分の金額は修繕費となる一方、その固定資産の価値を高めたり、耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額は資本的支出となる、との修繕費と資本的な支出の区分を示しました。
その上で、蛍光灯型ランプに取り替えることで、節電効果や使用可能期間などの向上の事実をもって、固定資産の価値が向上しているとして資本的支出に該当するのではないかとも考えられるが、このLEDランプは、照明設備(建物附属設備)がその効用を発揮するための一つの部品であり、かつ、その部品の性能が高まったことをもって、建物附属設備としての価値等が高まったとまではいえないとして、修繕費としての処理を認めています。

平成24年5月1日更新分①

『平成24年度税制改正関連法成立、消費増税関連法案も国会提出』
平成24年度税制改正関連法が3月30日、参院本会議で可決、成立しました。この改正は、(1)新成長戦略実現に向けた税制措置、(2)税制の公平性確保と課税の適正化に向けた取組み、(3)平成23年度改正における積み残し事項への対応、などの特に喫緊の対応を要する税制改正を行うものとされています。また同日、政府は、消費税率引上げを柱とする消費増税関連法案を閣議決定し、国会へ提出しました。
平成24年度税正改正関連法では、新成長戦略実現に向けた税制措置として、エコカー減税の適用期限の3年延長や、研究開発税制の増加額等に係る税額控除制度の適用期限を2年延長、中小企業投資促進税制の対象資産を拡充したうえで適用期限を2年延長、などがあります。税制の公平性確保と課税の適正化に向けた取組みとしては、国外財産調書制度の創設や相続税の連帯納付義務の見直しがあります。
さらに、平成23年度改正における積み残し事項への対応としては、課税の適正化等の観点から、給与所得が1500万円を超える場合の給与所得控除額については、245万円の上限を設け、勤続年数5年以下の法人役員等の退職金について、2分の1課税を廃止します。また、地球温暖化対策のための税の導入、いわゆる環境税を創設し、平成24年10月から実施します。
一方、消費増税関連法案については、消費税率を平成26年4月に8%27年10月に10%に引き上げるとともに、消費増税で低所得層の負担感が強まることに配慮して、高所得層への課税を強化します。所得税では、課税所得5000万円超に45%の最高税率を適用し、相続税では、定額控除について基礎控除を5000万円から3000万円に、法定相続人1人当たりの控除を1000万円から600万円にそれぞれ縮小します。

平成24年5月1日更新分②

『給与等支払者に申告書等の7年間保管義務』
2012年度税制改正において、源泉徴収義務者が給与所得者等から提出を受けた源泉徴収関係書類の保管・提出について、法令に規定することとされました。そして、提出を受けた申告書等は、その提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間保管することとされました。また、税務署長がその申告書の提出を求めたときは、その給与等の支払者等はその申告書等を税務署長に提出することとなります。
給与等の支払者等が保管する申告書は7種類。それは、(1)給与所得者の扶養控除等申告書、(2)従たる給与についての扶養控除等申告書、(3)給与所得者の配偶者特別控除申告書、(4)給与所得者の保険料控除申告書、(5)退職所得の受給に関する申告書、(6)公的年金等の受給者の扶養親族等申告書、(7)給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書です。来年1月1日以後に提出すべき申告書等に適用されます。

平成24年4月1日更新分①

『2012年度税制改正法案が衆院通過』
自民・公明両党は2012年税制改正法案に賛成する方針を固め、同法案は衆院を通過しました。野党が多数を占める参院での可決も確実となり、このまま成立する見通しです。与党民主党は、与野党対立で未成立の状態が続き混乱した2011年度改正法案の二の舞いを避けるため、議論が難航しそうな税制をあらかじめ除外しました。そのため、法人税減税などを盛り込んだ2011年度改正に比べて小粒な内容となっています。
2012年度税制改正では、2010年度・2011年度税制改正から税制抜本改革へと通じる税制全体及び各税目についての基本的な考え方に立脚しつつ、特に喫緊の対応を要する、(1)新成長戦略実現に向けた税制措置、(2)税制の公平性確保と課税の適正化に向けた取組み、(3)地方税の充実と住民自治の確立に向けた地方税制度改革、(4)2011年度改正における積残し事項への対応、を中心に改正を行います。
環境関連税制では、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの約9割を占めるエネルギー起源CO2の排出を抑制する観点から、「地球温暖化対策のための税」を導入します。上乗せする税率は、原油・石油製品760円/キロリットル(現行2040円/キロリットル)、ガス状炭化水素780円/トン(同1080円/トン)、石炭670円/トン(同700/トン)。2012年10月1日施行。2016年3月31日までの間、所要の経過措置を講じます。
車検証交付等の時点で燃費等の環境性能に関する一定の基準(燃費基準等の切替えに応じて変更。現時点では2015年度燃費基準等)を満たす自動車には、2012年5月1日以降、自動車重量税の本則税率を適用します。それ以外の自動車に適用される「当分の間税率」につき、13年超の自動車を除き引き下げます。いわゆる「エコカー減税」は、燃費基準等の切替え、特に環境性能に優れた自動車の軽減措置を拡充した上で、2015年4月まで3年延長します。
所得税関係では、給与所得控除に上限を設定します(給与収入1500万円超は一律245万円)。特定支出控除について、範囲の拡大等を行い、給与所得者の実額控除の機会を拡大します。弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費、勤務必要経費(図書費、衣服費、交際費)を追加します。適用判定の基準を給与所得控除額の2分の1(現行・・控除額の総額)とします。勤続年数5年以下の法人役員等の退職金について、2分の1課税を廃止します。

平成24年4月1日更新分②

『賃貸アパートの太陽光発電の余剰電力』
福島第一原発事故以降、太陽光のエネルギーを直接的に電力に変換する発電方式の太陽光発電が改めて注目されています。さて、不動産賃貸業を営む個人が、賃貸アパートの屋上に太陽光発電設備を設置し、これにより発電した電力をその賃貸アパートの共有部分で使用し、その余剰電力をいわゆる太陽光発電による余剰電力買取制度に基づき電力会社に売却しています。この余剰電力の売却収入の所得区分はどのように取り扱われるでしょうか。
これは、国税庁の質疑応答事例に最近掲載されたものの一つですが、上記の太陽光発電設備による余剰電力の売却収入は、不動産所得に係る収入金額に算入する、と回答しています。給与所得者が自宅に太陽光発電設備を設置し、その余剰電力による売却収入を得ている場合、その所得区分は一般に雑所得と解され、また、事業所得者が事業所に当該設備を設置し売却収入を得ている場合、その所得区分は一般に事業所得と解されます。
ところで、賃貸アパートの共用部分で使用する電気料金は、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入されるものです。一方、上記の太陽光発電設備により発電された電力は、賃貸アパートの共用部分に使用されるため、太陽光発電設備を設置することにより共用部分の電気料金は減少し、その分不動産所得の金額の計算上必要経費に算入される金額も減少することになります。
この質疑応答事例では、このように、太陽光発電設備による発電が不動産所得の金額について増減させるものであることを踏まえると、その余剰電力の売却収入も不動産所得に係る収入金額に算入し、その所得金額を計算するのが相当との解釈を示しています。
なお、エネルギー需給構造改革推進設備を取得した場合の特別償却や所得税額の特別控除、エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却や所得税額の特別控除は、事業所得の金額や事業所得の金額に係る所得税額の計算における特例なので、不動産所得を生ずべき資産である賃貸アパートに太陽光発電設備を設置し、その業務(事業)の用に供している場合には、これらの特例の適用を受けることはできない、と注意しています。

平成24年3月1日更新分①

『9年分の繰越欠損には9年分の帳簿書類の保存が必要』
欠損金の繰越控除制度の見直しは、2011年度税制改正の積み残し分として昨年11月に実現しました。具体的には、青色申告書を提出した事業年度の欠損金、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越控除制度における控除限度額について、その繰越控除をする事業年度のその繰越控除前の所得の80%相当額とされました。ただし、これは大企業の話。
資本金1億円以下、公益法人、協同組合等、人格のない社団等のいわゆる中小法人等については、従前どおり、その事業年度の所得の金額に相当する欠損金額の控除ができます。この改正は、2012年4月1日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税から適用されます。ところで、同制度のもう一つの見直しは、損失金の繰越期間を9年(改正前7年)に延長することです。
青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金額の繰越期間を9年(改正前7年)に延長します。そして、この改正は、2008年4月1日以後に終了した事業年度において生じた欠損金額について適用することとされています。つまり、3月決算法人の場合、2009年3月期の欠損金から9年間の繰越が可能となります。
しかし、ここで要注意なのが、次の一文。「なお、欠損金の繰越控除は、その欠損金が生じた事業年度の帳簿書類を保存している場合に限り、適用する」となっています。通常、公訴時効期間は7年で、帳簿保存期間も7年とされますが、「欠損金の繰越控除制度」に限っては繰越期間が9年とされた関係で、帳簿の保存期間も9年に延長されたわけです。

平成24年3月1日更新分②

『いよいよ実現しそうな相続税など資産課税の見直し』
相続税や贈与税の見直しは、平成23年度税制改正には盛り込まれず、先送りされてきましたが、正式決定した社会保障・税一体改革の素案に盛り込まれたことから、いよいよ実現しそうな気配となっています。素案では、消費税率を平成27年10月までに2段階で10%に引き上げることに伴い、高所得層にさらなる負担増を求める観点から、資産課税の抜本的見直しを行うものです。
相続税は、基礎控除について、定額控除を現行の5000万円から3000万円、法定相続人1人あたりの比例控除額を同1000万円から600万円にそれぞれ引き下げます。死亡保険金の相続税の非課税枠についても、現行では法定相続人1人あたり500万円だが、非課税枠を利用できる対象を、法定相続人のうち、未成年者、障害者、相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者に限定し、生計を一にしていない法定相続人は除外します。
相続税の税率構造については、最高税率を、現行の「3億円超で50%」から「6億円超で55%」に引き上げ、税率区分を現行の6段階から8段階にします。2億円~6億円の部分の税率を細かく分けて、それぞれ現行より高い税率を適用します。これらの改正は、平成27年1月1日以後の相続・遺贈により取得する財産に係る相続税について適用します。
一方、贈与税については、若年世代への早期資産移転をより一層促進するため、20歳以上の子や孫への贈与を対象に税率構造を緩和します。最高税率は4500万円超で55%(現行1000万円超で50%)に引き上げますが、税率区分を現行の6段階から8段階にし、3000万円以下の贈与は税率を軽減します。
それ以外の贈与を対象とした税率構造も、最高税率は3000万円超で55%(現行1000万円超で50%)に引き上げますが、税率区分を現行の6段階から8段階にし、1000万円を超える贈与を細分化して、1000万円超~3000万円以下の贈与を軽減して、高齢者から若年世代への早期資産移転を促進します。
さらに、親子間の生前贈与を促す相続時精算課税制度についても、(1)受贈者の範囲に、20歳以上の孫(現行:推定相続人のみ)を加え、(2)贈与者の年齢要件を60歳以上(同:65歳以上)に引き下げるなど、適用要件を緩和します。これらの贈与税や相続時精算課税制度の見直しについては、平成27年1月1日以後の贈与により取得する財産に係る贈与税について適用することとされています。

平成24年2月1日更新分①

『15年10月までに2段階で10%に引上げ』
政府は12月30日、消費税増税を柱とする社会保障・税一体改革の素案をまとめ、同日、政府税制調査会が、消費税率を2014年4月に8%(地方消費税分1.7%)、2015年10月に10%(同2.2%)に2段階で引き上げる税制抜本改革案を決定・公表しました。政府素案は、消費税率引上げとともに、個人所得課税や資産課税等の見直しを通じて高所得層の負担を増やす考えを示しました。これらの改正内容を盛り込んだ法案を今年度中に国会へ提出する予定です。
消費税率引上げは、社会保障の安定財源確保と財政健全化を同時達成するための第一歩と位置づけ、低所得者に対しては、社会保障・税番号制度の導入を前提に、現金給付と税金の控除を組み合わせた「給付付き税額控除」の導入を検討します。また、食料品等に対する軽減税率の適用は、高額所得者ほど負担軽減額が大きくなることや事業者の負担が増すことなどから、今回は見送り、単一税率を維持します。
消費税率の引上げにより低所得層の負担感がより大きくなることに伴い、高所得者の負担増を求めます。個人所得課税では、現行の所得税の税率構造に加えて、2015年分の所得税から課税所得5000万円超の税率を45%に引き上げます。
資産課税では、相続税の基礎控除について、定額控除を3000万円(現行5000万円)、法定相続人比例控除を600万円(同1000万円)に法定相続人数を乗じた金額に、それぞれ引き下げます。
また、税率構造についても、最高税率を、現行3億円超の金額50%から6億円超の金額55%に引き上げるなど、現行の6段階から8段階に見直します。一方、贈与税については、高齢者が保有する資産の現役世代への早期移転を促すため、直系卑属への贈与にかかる税率構造を緩和し、相続時精算課税制度について、受贈者の範囲に20歳以上の孫を追加し、贈与者の年齢要件を60歳以上(現行65歳以上)に引き下げるなど、適用要件を見直します。
金融所得課税については、上場株式の配当・譲渡所得等に係る10%軽減税率を2014年1月から20%の本則税率に戻し、非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得・譲渡所得等の非課税措置を2014年1月から導入します。そのほか、法人課税については、2011年度改正で実効税率を5%引き下げましたが、今後も雇用と国内投資拡大の観点から、さらなる引下げを検討します。

平成24年2月1日更新分②

『給与所得控除の上限設定と退職所得控除の見直し』
2012年度税制改正大綱には、2011年度税制改正で積み残しとなっていた給与所得控除の上限設定と退職所得控除の見直しが盛り込まれました。現在の給与所得控除は、給与収入に応じて逓増的に控除が増加していく仕組みであり、上限はありません。しかし、給与所得者の経費が収入に応じて必ずしも増加するとは考えられないことなどから、給与所得が1500万円を超える場合の給与所得控除額については、245万円の上限を設けます。
給与所得控除は、「勤務費用の概算控除」と「他の所得との負担調整のための特別控除」の二つの性格があるものとされています。しかし、就業者に占める給与所得者の割合が約9割となっている現状では、「他の所得との負担調整」を認める必要性は薄れており、また、給与所得者の必要経費ではないかと指摘される支出は給与収入の約6%との試算もあり、主要国との比較でも全体的に高い水準となっていることなどが、見直しの背景にあるそうです。
退職所得課税については、勤続年数5年以下の法人役員(法人役員に相当する公務員・議員を含む)に係る退職所得の課税方法について、退職所得控除額を控除した残額の2分の1とする措置を廃止します。この背景には、2分の1課税を前提に、短期間のみ在職することが当初から予定されている法人役員等が、給与の受取りを繰り延べて高額な退職金を受け取ることで、税負担を免れるといった事例が指摘されていたことがあるようです。
所得税における給与所得控除の見直しや退職所得課税の見直しは、個人住民税にも反映されることとなります。なお、給与所得控除及び特定支出控除の見直しは、2013年分以後の所得税及び2014年度分以後の個人住民税について適用されます。また、退職所得課税の見直しについては、2013年分以後の所得税について、個人住民税は、2013年1月1日以後に支払われるべき退職手当等について、それぞれ適用されます。

平成24年1月1日更新分①

『平成24年度税制改正大綱を閣議決定』
政府は12月10日の臨時閣議で平成24年度税制改正大綱を決めました。来年度改正は、消費税率の引上げが焦点となる税制抜本改革の議論を控えるだけに、全体として小粒な内容となったようです。大綱は、新成長戦略実現に向けた税制措置として、自動車重量税の「当分の間税率」に係る税負担を軽減することと併せて、エコカー減税の継続、特に環境性能に優れた自動車に対する軽減措置の拡充を盛り込んでいます。
法人課税では、研究開発税制の上乗せ特例の継続、再生可能エネルギー投資を加速させるための環境関連投資促進税制の拡充、また、雇用の大半を担う中小企業を引き続き支援するため、中小企業投資促進税制の拡充・延長等を行います。研究開発税制は、試験研究費に係る税額控除又は平均売上金額の10%を超える試験研究費に係る税額控除を選択適用できる制度の適用期限を2年延長します(所得税も同様)。
中小企業投資促進税制は、対象資産に製品の品質管理の向上に資する試験機器等を追加するとともに、デジタル複合機の範囲の見直しを行った上、その適用期限を2年延長します(所得税も同様)。環境関連投資促進税制は、対象資産のうち太陽光発電設備及び風力発電設備を一定の規模以上のものに限定した上で、24年4月1日から25年3月31日までの間にその設備を取得し事業に使用した場合は、普通償却限度額との合計で取得価額まで特別償却できることになります(所得税も同様)。
個人所得課税では、23年度改正で積み残しとなっていた給与所得控除や退職所得課税の見直しが盛り込まれました。給与所得控除は、給与収入が1500万円を超える場合には245万円の上限が設けられます。退職所得課税は、勤務年数5年以内の法人役員等の退職所得について、累進緩和措置の2分の1課税を廃止します。これらの見直しは、個人住民税にも反映されることになります。
そのほか、国際課税では、国際的租税回避を防止する観点から、国外財産調書制度を創設し、その年の12月31日において合計5千万円を超える国外財産を有する居住者は、その財産の種類、数量、価額その他必要な事項を記載した調書を、翌年3月31日までに、税務署長に提出することが義務付けられます。また、所得金額に比べ過大な利子を関連者間で支払うことを通じた租税回避を防止するため、過大支払利子税制を創設します。

平成24年1月1日更新分②

『復興増税法案成立』
東日本大震災の復興財源を賄う臨時増税を盛り込んだ復興財源法など2011年度第3次補正予算関連5法が11月30日、参院本会議で民主・自民・公明各党などの賛成多数で可決・成立しました。
このうち、東日本大震災からの復興を図るための平成23年度から27年度までの集中復興期間において実施する施策に必要な財源を確保するため所要の措置を講じる「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案」及び「東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源確保に係る地方税臨時特例法案」の両法案は、10月28日に閣議決定・同日国会に提出され、11月7日に衆議院の財務金融、総務の委員会へ付託されました。
その後、22日に両法案とも修正議決されて24日の本会議で賛成多数で可決し、参議院へ送付されました。参議院では、25日の付託後、財政金融、総務の委員会で実質29日のみの審議で可決していました。
両法案の成立により、復興特別税として国税関係では、(1)平成25年1月から49年12月まで所得税額に対して2.1%の「復興特別所得税」の創設及び(2)平成24年度から26年度まで法人税額に対し10%の「復興特別法人税」の創設が、地方税では個人住民税を平成26年6月から10年間にわたり年1000円引き上げます。
なお、法人税に関しては、11月30日に成立した「経済社会構造の変化に対応した税制構築を図るための所得税法等改正法」により、実効税率をいったん5%引き下げた上で3年間に限って税率を10%上乗せられることになります。

事務所概要

事務所名
税理士法人  い そ べ
所在地
山口県宇部市常藤町2番21号
電話番号
0836-21-3161
FAX番号
0836-31-1580
業務内容
・税務・経理・財務・会計・決算に関する業務
・独立、開業支援に関する業務
・経営相談・コンサルティング
メールアドレス
isobe-keiri@tkcnf.or.jp

中国税理士会所属