いそべ便り(バックナンバー)22年分

平成22年12月1日更新分①

『年末調整の注意点』
(1)源泉徴収票の記載について
昨年から住宅借入金等特別控除の適用を受ける場合、摘要欄に居住開始年月日の記載が必要となっています。記載もれに気をつけましょう。
(2)平成23年分の扶養控除等(異動)申告書の様式変更について
平成23年分から16歳未満の38万円の扶養控除が廃止されます。また、特定扶養親族の16歳以上19歳未満の上乗せ部分(25万円)が廃止されるため、一部様式変更が行われています。
平成22年分までは年齢にかかわらず、中央部分に控除対象扶養親族を記載する欄がありましたが、平成23年分から16歳以上の控除対象扶養親族について記載する欄に変更されています。
さらに、住民税に関する事項として、16歳未満の扶養親族を記載する欄が下部に新設されています。個人住民税の非課税限度額の判定に必要な情報となります。

平成22年12月1日更新分②

『年金二重課税の還付がスタート』
年金保険の二重課税問題で、取り過ぎた税金を還付する手続きが、全国の税務署で始まり、問い合わせが相次いだそうです。年金保険の二重課税問題とは、年金形式で受け取る生命保険に、相続税と所得税が二重に課税されていた問題です。
年金形式で受け取る生命保険については、長年の間、保険契約の相続時に相続税がかかり、その契約に基づいて実際に年金が支払われる際に所得税が課税されてきました。しかし、これを二重課税だとする相続人の訴えを受け、今年7月、最高裁が相続税と所得税を二重に課税するのは違法とする判決を下しています。
この判決を受け、全国の税務署で取り過ぎた税金の還付を開始しました。また、国税庁では、専門の職員を配し電話相談にも応じているそうです。
還付は10年前にさかのぼって行われますが、今回は平成17年~21年分の過去5年分が対象です。生命保険や損害保険などで取り扱う年金払い方式の保険商品が対象で、契約者の死亡により支払われる学資保険や個人年金保険も含まれます。
還付の具体的な手続きは国税庁ホームページにも掲載しています。→
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/topics/data/h22/sozoku_zoyo/index.htm

平成22年11月41日更新分①

『21年分平均給与は過去最大の下げ幅』
国税庁がこのほど公表した「平成21年分民間給与実態統計調査」によると、昨年1年間を通じて勤務した給与所得者は4506万人で、その給与総額は182兆8745億円でした。
前年と比べると、給与所得者は3年振りに1.8%減少とマイナスに転じ、給与総額は7.2%マイナスと大幅に減り、ともに過去最大の下げ幅を記録しています。これは、団塊世代の退職などにより高額な給与所得者層が減り低所得者層の割合が増加したことや、一昨年からの世界同時不況による景気低迷が続いていることなどが要因です。
給与所得者の平均給与も、調査開始以来最大の下げ幅となった前年をさらに上回る23万7千円ダウンの405万9千円(男性499.7万円、女性263.1万円)で、男性の平均給与は500万円を割っています。内訳をみると、平均給料・手当が349.7万円、平均賞与が56.1万円となっており、企業の業績に左右される賞与は13.2%も大きく減少していることで景気低迷の大きさが伺えます。
なお、業種別の平均給与は、トップが「電気・ガス・熱供給・水道業」の630万円、ワーストが「宿泊・飲食サービス業」の241万円でした。

平成22年11月1日更新分②

『来年から同居親族のみも制度の対象に』
厚生労働省は、従来、中小企業退職金共済制度への加入が認められていなかった同居の親族のみを使用する事業に使用される者であっても、使用従属関係が認められる者については、従業員として制度の加入対象に追加することなどを盛り込んだ「中小企業退職金共済法施行規則の一部を改正する省令案」を公表しました。来年1月1日の施行予定です。
これに伴い、税制上の優遇措置も手当てされます。事業主が支払った共済制度の掛金は必要軽費(法人の場合は損金)に算入されます。事業主掛金は従業員の給与所得とはなりません。また、支給を受ける分割(年金)払いの退職金は公的年金等控除が適用され、一括払いの退職金は退職手当等とみなされます。これらの措置は平成22年度税制改正で、中退制度の省令改正を前提に予定されていました。
省令改正案では、退職金共済契約の申込みの際、被共済者となる者が申込者の同居の親族である場合又は申込者が同居の親族のみを雇用する者である場合には、その旨を申込書に記載します。被共済者となる者が申込者の同居の親族である場合には、申込者に使用される者で、賃金を支払われる者であることを証する書類及び小規模企業共済法上の共済契約者でないことを誓約する書類を申込書に添付します。

平成22年10月1日更新分①

『給与所得控除の適用上限が収入2000万円で調整進む』
2011年度税制改正作業は、昨年より1ヵ月早くスタートしたが、民主党の代表選のあおりを受け、実質昨年と同ペースになるもようです。現職の菅首相と小沢元幹事長の政策の違いから、実質審議は事実上ストップしています。
そんな中で、日本税理士会連合会(池田隼啓会長)はじめ中小企業団体が注目しているのが、2010年度改正で廃止された「特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入制度」に代わる給与所得控除を含めた所得税のあり方についてですが、給与所得控除の適用上限を一定額で打ち切る方向で調整が進んでいるもようで、現状2000万円というのが有力ラインとなっています。
日税連でも、経済産業省での税制改正ヒヤリングにおいて、「一定額以上の高額な給与収入については、給与所得控除額に限度額を定めるべきである。給与所得者に対する課税については、年末調整と確定申告との選択制とすべきである。特定支出控除を拡充し、給与所得者が確定申告を行う機会を増やすべきである」と給与所得控除の限度額設定を要望しました。
現在の給与所得控除は上限なく比例的に認められています。しかし、一定額以上の高額な給与収入の場合、限界的に増加した部分の収入について経費が比例的に増加するとは必ずしも言えず、実態を反映しているとは考えられないわけです。給与所得者は自ら申告を行う機会が少ないため、給与所得控除の存在や所得計算の構造を知らず、納税者としての意識が必ずしも高くないと言われます。
また、給与所得控除額に限度額を設けることにより、給与所得控除の金額がより実態に即した内容となるとされています。給与所得者が年末調整と確定申告を選択できるような環境を整備することにより、勤務給与所得者の納税者意識の向上に資することができ、個人のプライバシー保護を図ることにもつながるとの考え方もできます。
一方、政府税制調査会においても、特定支出控除の拡充の方向を検討しており、各業界に「給与所得者の必要経費にはどのようなものがあるのか、挙げて欲しい」と呼びかけています。給与所得控除の上限設定と特定支出控除の拡大の2点が、2011年度改正の注目点になるでしょう。

平成22年10月1日更新分②

『相続直前の空室なら即入居可能状態で小規模宅地の特例は適用可能』
平成22年度税制改正では、小規模宅地等の相続税の課税の特例について、相続人等による事業又は居住の継続への配慮という制度趣旨等を踏まえて事業非継続・居住非継続の宅地等を適用対象から除外するほか、一棟の建物の敷地の用に供されていた宅地等のうちに特定居住用宅地等の要件に該当する部分とそれ以外の部分がある場合には、部分ごとに按分して軽減割合を計算することなど適用基準の適正化も行われていますが、納税者にとって特例適用の可否がわかりにくい部分も少なくないようです。
その一つが、相続開始の直前において、被相続人等(被相続人又は被相続人と生計を一にしていたその被相続人の親族)の事業の用に供されていた宅地等のうち、被相続人等の事業の用に供されていた宅地等以外の用に供されていた部分があるときは、被相続人等の事業の用に供されていた部分に特例の適用が限られるとされていることから、相続開始直前にアパートの1室が空き室となった場合に相続開始時において継続的に貸付事業の用に供していたものと取り扱うことができるかということです。
結論としては、いつでも入居可能な状態に空室を管理している場合、例えば、空室となった直後から不動産業者を通じて新規の入居者を募集しているなどの行動をとっていれば、相続開始時においても被相続人の貸付事業の用に供されている、また申告期限においても相続開始時と同様の状況にあれば被相続人の貸付事業は継続されているものと認められ、空室部分に対応する敷地部分も含めてアパートの敷地全部が貸付事業用宅地等に該当します。

平成22年9月1日更新分①

『たばこ価格の引上げを認可』
財務省は、日本たばこ産業株式会社(JT)から申請のあったJT製品に係る小売定価の変更について、たばこ事業法第33条第2項に基づき認可を行いました。
今回の値上げは、平成22年度税制改正で「国民の健康の観点から、たばこの消費を抑制するため、将来に向かって、税率を引き上げていく必要がある」との理由から、たばこ1000本当たり3500円(国税1750円、地方1750円)とする税率の引上げが行われたため、JTが4月28日にたばこの値上げを財務大臣に申請していたものです。
小売定価の改定は、紙巻たばこ100銘柄、かぎたばこ2銘柄、刻みたばこ1銘柄の合計103銘柄で、実施は10月1日です。銘柄でみると、ハイライト(現行290円)やマイルドセブン(同300円)が410円、セブンスター(同300円)やピアニッシモ・ワン(同320円)が440円、ゴールデンバット(同140円)が200円になど、それぞれ値上げとなります。
値上げ幅は、当初、増税額(1本あたり3.5円)プラスアルファで5円程度と見込まれていましたが、それを超える金額設定とされています。JTによると、例えば現在300円の20本入りマイルドセブンの110円の値上げ内訳は、増税分の70円に加え、販売店へのマージン増加分が11円、消費税で5.2円の合計86.2円が必要経費だということです。残りの約24円分については近年の原材料費の高騰分をこれまで価格に転嫁してこなかったことや今後の大幅な需要減に伴う固定費の増加分を吸収する必要があるためとしていますが、この値上げ分がますますたばこ離れに拍車が掛かると見る向きも少なくないようです。

平成22年9月1日更新分②

『年金で受け取る保険金、全て所得税非課税ではない』 生命保険金を年金で受け取る場合の二重課税問題で、最高裁は7月6日、「相続開始により相続人が取得した年金受給権に相続税を課し、その年金に所得税を課すことは二重課税に当たる」との画期的判決を下し、国税当局は還付申告対策等、その対応に追われ、生命保険業界でも源泉徴収事務の変更に伴う事務に追われています。しかし、同判決で、年金で受け取る部分すべてに所得課税が行われなくなるわけではないので注意が必要です。 裁判では、原告の夫が契約した「年金払い生活保障特約付終身保険」により支払われた年金に対して雑所得として所得税が課税されたことについて「二重課税」であるか否かが争われました。それは、死亡保険金4000万円(みなし相続財産)と1380万円(230万円×10年×60%=1380万円・年金受給権)の計5380万円が相続税の課税対象とされ、年金として受け取った初年分の230万円に対し雑所得として所得税が課税されたわけです。 つまり、年金受給権として相続税の課税を受けているのに、各年の年金が雑所得として所得税課税が行われるのが二重課税に当たる、というのが最終判断ですが、ここで注意したいのは、最高裁が二重課税と認めた年金受給権として評価された1380万円が所得税の課税対象にはならないとしたもので、年金の運用益に当たる920万円(2300万円-1380万円)については、所得税が課税されることになります。 「年金給付付生命保険」は、受取人のニーズに合った保険といわれます。保険金を一時に受け取ってもどうしてよいか分からず、結局、ただ預金しておくだけというケースが多いといいます。そこで、保険金の一部を年金でもらうことで、運用は受取人自身が考えなくて済み、保険会社に任せておけばいいわけです。したがって、保険会社に運用してもらった運用益部分は、当然に所得税がかかるわけです。最高裁判決もそこは認めています。

平成22年8月1日更新分①

『路線価は2年連続下落』
全国の国税局・税務署において7月1日、相続税や贈与税の土地等の課税評価額の基準となる2010年分の路線価及び評価倍率が公表されました。今年1月1日時点の全国約38万地点における標準宅地の平均額は、2008年のリーマン・ショックを契機とした土地需要の冷え込みなどから、下落率は昨年の5.5%から8.0%(1万2千円)に拡大し、1平方メートルあたり12万6千円と、昨年に引き続き2年連続の下落となりました。
圏域別にみると、東京圏は昨年の▲6.5%から9.7%下落の1平方メートルあたり29万7千円、大阪圏が同▲3.4%から8.3%下落の15万5千円、名古屋圏が同▲6.3%から7.6%下落の11万円と、東京・大阪・名古屋の三大都市圏はいずれも下落率が拡大し、2年連続の下落となっています。一方、地方圏も、昨年の▲3.8%から5.9%下落の4万8千円と、2年連続の下落となり、土地需要の冷え込みが全国で続いていることが明らかになりました。
都道府県別の平均路線価をみると、昨年に引き続きすべての都道府県で下落。下落率がもっとも大きかったのは「東京」の11.3%(1平方メートルあたり55万5千円)、次いで「大阪」9.4%(同17万4千円)と「福岡」9.4%(同9万6千円)が同率で並び、「愛知」7.5%(同11万1千円)と続きました。反対に下落率が小さかったのは、「沖縄」の1.6%(同6万円)、「滋賀」2.2%(同4万4千円)と「岐阜」2.2%(同4万5千円)などでした。
また、都道府県庁所在都市の最高路線価も下落傾向を示し、上昇した都市は2年連続なく、下落した都市は45都市(昨年は39都市)、横ばいの都市は昨年の8都市から津、山口の2都市のみとなりました。下落率が5%未満の都市は昨年の25都市から12都市に減少しています。逆に、下落率が10%以上の都市は昨年の3都市から11都市に増え、特に「東京」(▲25.6%)、「名古屋」(▲20.2%)の2都市は20%を超える下落率となっています。
都道府県庁所在都市の最高路線価では、1位は東京・中央区銀座5丁目の「銀座中央通り」で、1平方メートルあたりの路線価は▲25.6%(800万円)下落の2320万円となりましたが、25年連続の全国トップとなっています。以下、大阪・北区角田町の「御堂筋」724万円(下落率▲19.9%)、横浜市西区南幸1丁目の「横浜駅西口バスターミナル前通り」604万円(同▲7.4%)、名古屋市中村区名駅1丁目の「名駅通り」581万円(同▲20.2%)と続いています。

平成22年8月1日更新分②

『09年度版査察白書、目立った脱税の手段・方法』
先日国税庁が公表した2009年度版査察白書では、210件から総額290億円にのぼる脱税が摘発されましたが、同年度中の脱税の手段・方法で目立ったのは、不動産業では無申告、鉱物・金属材料卸、商品・株式取引及び不動産譲渡では売上除外、建設業では架空の原価計上、キャバレー・飲食店では源泉所得税の不納付、人材派遣業では、消費税の課税仕入れに該当しない人件費を課税仕入れとなる外注費に仮装するものなどでした。
不動産業の無申告事例では、Aは、都市部の土地売買取引において、不動産購入者から依頼を受けて所有者との交渉を行ったことにより多額の業務委託手数料を得ていましたが、国内での申告義務がない海外に居住する不正加担者が不動産購入者の仲介業務を行ったように装って、所得税の申告をせずに、不正資金を海外の投資会社で運用していたケースなどが明らかにされています。
売上除外では、解体工事を営むB社が、解体工事から発注する鉄くずを買入業者に売却し、本業に付随した収入を得ていたが、仮名取引を行った上で、現金で受領した代金を申告除外して所得を過少にしていた事例、また、個人事業者Cは、証券投資信託の譲渡で多額の利益を得ていたが、個人事業による所得しか申告せず、譲渡利益を除外して所得を過少にし、不正資金を新たな投資に充てていた事例などがあります。
建設業の架空の原価計上では、設備工事を営むD社は、不正加担者に対して架空の原価を計上して所得を過少にして申告していました。キャバレー・飲食店の源泉所得税の不納付では、クラブを営むE社は、ホステス報酬から源泉所得税を徴収しながら、実際に支給したホステス報酬金額を過少に記載した報酬一覧表を作成し、これに基づいた過少な源泉所得税のみを納付し、本来納付すべき源泉所得税の大半を納付していませんでした。
国内以外でも、海外に関連した脱税の手段・方法では、(1)タックスヘイブンに設立した関係会社に対して、架空の経費を計上したもの、(2)国内に住所登録をせず、海外居住者を装い、全く申告しないものが見受けられたといいます。例えば、個人事業者のFは、国内に居住していながら、国内で住民登録をせず、税務署に対して虚偽の国外在留証明書を提出して海外に居住しているように装い、所得税の申告をしていなかった事例です。

平成22年7月1日更新分①

『消費税節税防止策施行で国税庁が改正通達を公表』
国税庁はこのほど、平成22年度税制改正で消費税法の一部が改正されたことに伴い、消費税法基本通達を一部改正し公表しました。税制改正では、消費税の調整対象固定資産に係る仕入税額控除の調整措置が過大であった場合に減額する調整措置の対象となるように消費税法が一部改正されています。
これは、本来なら還付されない賃貸マンション等の建設に係る消費税を、敷地内に自動販売機を設置し、その販売手数料の課税売上を発生させて建設に係る消費税を還付させる手法を防止する措置です。
調整対象固定資産は棚卸資産以外の資産で税抜き100万円以上のもので、当初の課税売上割合が以後3年間の通算課税売上割合と比べて著しく増減したときは、第3年度の課税期間において仕入税額控除の調整を行う必要があります。しかし、節税手法では、3年目に免税事業者あるいは簡易課税を選択することで調整対象からはずれ、1年目に受けた還付を丸々享受していました。
そこで税制改正では、事業者免税点制度の適用を受けないこととした事業者の当該選択の強制適用期間(2年間)、資本金1000万円以上の新設法人につき、事業者免税点制度を適用しないこととされる設立当初の期間(2年間)に、調整対象固定資産を取得した場合、その取得があった課税期間を含む3年間は、引き続き事業者免税点制度(簡易課税制度についても同様)を適用できないことにすることで、行き過ぎた節税を封じています。
通達改正では、課税売上割合が著しく変動したときの調整は、調整対象固定資産を第3年度の課税期間の末日に保有している場合に限って行うこととされていますが、この3年間課税事業者となることを強制する制度は、資産の売却の有無などに関係なく継続して適用されることなどが明らかにされています。

平成22年7月1日更新分②

『不動産取引の課税条件』
土地や建物などの不動産の貸付けによる収入が、大きなウェイトを占めている会社は少なくないようです。なかには、不動産の貸付け収入が大きすぎて「どちらが本業かわからない」などという会社もあるようです。ところで、こうした不動産の貸付けでは、貸し付けている不動産の種類やその期間によって消費税の取扱いが異なるので注意が必要です。
まず、土地の譲渡や貸付け。これは原則として消費税の課税の対象ではありません。例外が、貸付期間が1ヵ月に満たない、ごく一時的な土地の貸付けです。この場合は土地の貸付けでも消費税の課税対象となります。
次に、建物や駐車場などの貸付けの場合はどうでしょうか。こうした「施設の利用に付随して土地が使用される場合」ですと、消費税の課税対象になります。駐車している車両の管理を行っている場合、駐車場としての地面の整備またはフェンス、区画、建物の設置などをして駐車場として利用させる場合には、消費税の課税の対象となります。
これは逆にいうと、地面の整備やフェンス、区画などがなければ「土地の貸付け」になるため、更地で貸していればその賃料収入は非課税というわけです。野球場、プール、テニスコートなどの施設の利用に伴って土地が使用される場合は消費税の課税対象です。
建物(住宅を除く)などの施設の貸付けをする場合に、その使用料を建物部分と敷地部分に区分しているときでも、その総額が建物の使用料として消費税の課税の対象となります。なお、住宅用建物の貸付けは、貸付期間が1ヵ月に満たない場合などを除き消費税の課税の対象とはなりません(非課税取引)。

平成22年6月1日更新分①

『損害賠償金の税務』
法人の従業員が仕事中に事故を起こし、その賠償金を法人が負担することは少なくありません。突然の交通事故は時と場所を選ばず、自分が被害者ではなく加害者になる可能性もあります。サラリーマンが仕事中に起こした交通事故で他人を傷つけてしまうこともあります。こうしたケースでは、会社が交通事故の被害者に対し損害賠償金を支払うことがありますが、この場合、損害賠償金の税務上の取扱いには注意が必要です。
従業員が仕事中に起こした交通事故で会社が損害賠償金を負担した場合の税務上の取扱いは、業務上の行為だったのか、さらに、故意または重過失があったのかどうかにより異なります。その損害賠償金の対象となった行為などが、会社の業務遂行に関連するもので、かつ、故意または重過失に基づかないものであるなら、支出した損害賠償金について、法人の経費処理を認め、本人の給与としないこととされています。
使用者責任の範囲は、一応、従業員の業務上の行為とされていますが、かなり広範囲に解釈されており、車を無断で使用して運転していたときの事故や、故意、無免許、酒酔いなどのよる事故以外は使用者に責任があるとされています。したがって、従業員が仕事中に事故を起こし、その賠償金を法人が負担した場合は、税務上も、本人に重過失がない限り、給与以外の損金処理を認めているわけです。
一方、損害賠償金の対象となった行為などが、法人の業務遂行に関連するものであるものの、故意・重過失があったという場合には、その損害賠償金は従業員に対する債権となります。債権を放棄した場合は、本人の支払能力からみて回収不能の事情にあれば貸倒れに、そうでなければ給与として取り扱われます。また、法人の業務遂行に関連しないケースで損害賠償金を支払ったときも、同様に従業員に対する債権扱いとなります。

平成22年6月1日更新分②

『法人が受け取る宝くじの当選金』
非課税所得とは、社会政策的立場や課税技術上の要請から所得税を課さないこととされている所得で、給与所得者の出張旅費や通勤手当(非課税限度額内)などが該当します。非課税所得は、所得税法や租税特別措置法に定められていますが、その他の法律にも数多く定められています。周知のように、宝くじの当選金は非課税ですが、これは「当せん金付証票法」において、個人が受け取る当選金は非課税と定められています。
ただし、受け取った当選金から贈与税の基礎控除(110万円)を超える金額を贈与した場合や、当選発表後にその宝くじを贈与した場合は、当選金額が贈与税の対象となります。また、宝くじを仲間と共同で購入するグループ買いなどがよくみられますが、こうしたケースで、代表者が当選金全額を一旦受け取り、後で共同購入したメンバー各人に分配すると、贈与税の対象となるので注意が必要です。
このようなケースでは、当選金を購入者全員で受け取るか、代表者が委任状を用意するなどの事前準備をすれば、贈与税は課税されません。このように、個人が受け取る宝くじの当選金は非課税ですが、宝くじを法人で購入した場合は異なります。法人が受け取る当選金は、益金に算入しなければならず、全額法人税の課税対象となることはあまり知られていないようです。ただし、消費税に関しては、対価性がないので課税の対象とはなりません。
なお、宝くじの当選金と同じような収入として、懸賞やクイズ番組の賞金、競馬や競輪の払戻金などがありますが、これらは「一時所得」として課税の対象となります。また、税法以外のその他の法律の規定により非課税とされるものでは、「スポーツ振興投票の実施等に関する法律(いわゆるサッカーくじ法)」によるサッカーくじtotoの払戻金や、「国民健康保険法」による国民健康保険の保険給付などがあります。

平成22年5月1日更新分①

『平成22年度税制改正関連法が成立』
3月24日、鳩山政権が初めて手がけた平成22年度予算が、参院本会議で民主、社民、国民新の与党3党の賛成多数により成立しました。一般会計の総額は過去最大の92兆2992億円です。子ども手当や高校授業料無償化などマニフェスト関連の新規事業による歳出が大きく響いています。一方で国債発行額は過去最悪の44兆3030億円と、当初予算としては戦後初めて国債発行額が税収を上回りました。
また同日、ガソリン暫定税率の水準維持やたばこ税引上げなどを盛り込んだ税制改正関連法も可決、成立しました。所得税では、年少扶養親族(~15歳)に対する扶養控除(38万円)および16~18歳までの特定扶養親族に対する扶養控除の上乗せ部分(25万円)が廃止されます。
法人税では、いわゆる「一人オーナー会社課税制度」(特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入制度)が廃止されるほか、100%グループ法人間での資産移転による譲渡損益が繰り延べられるなど、資本取引に関する制度の整備が行われることになりました。
また資産課税では、住宅取得資金の贈与にかかる贈与税の非課税措置について、「2000万円」という所得制限を設けた上で、現行500万円とされている非課税限度額が、平成22年は1500万円、平成23年は1000万円に引き上げられます。
このほか、ガソリン税については、現行の10年間の暫定税率を廃止します。その上で、原油価格等が安定的に推移していることや、地球温暖化対策との関係に注意する必要があること等から、当分の間、現在の税率水準が維持されることになりました。
また、たばこ税については、今年10月1日から1本あたり3.5円(国・地方それぞれ1.75円)の税率引上げが実施されます。これにより、市販価格で1本当り5円程度値上りすることになります。
なお、同日の本会議では、租税特別措置法の適用状況を透明化するとともに適切な見直しを推進し、国民が納得できる公平で透明な税制の確立に寄与するための「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案」についても採決が行われ、こちらは議員全員が賛成して成立しました。

平成22年5月1日更新分②

『禁煙治療費は医療費控除OK』
たばこ税の増税を機に「禁煙」を決意する人が増えています。増税は今年10月1日からの適用となりますが、財布を直撃するこの増税を受け、いま愛煙家の間で「禁煙治療」への関心が高まっています。
禁煙治療とは、呼気中の一酸化炭素の測定や禁煙補助薬の処方を受けるなど、医師の指導のもとでニコチン依存症を改善し、禁煙を実行していくものです。ニコチン依存症を放置すれば重大な合併症を引き起こすため、一定の禁煙治療については2006年4月から保険適用が認められています。
保険適用の対象となるのは(1)スクリーニングテストでニコチン依存症と診断された、(2)喫煙本数×喫煙年数が200以上、(3)禁煙治療についての説明を受け同意していること、のすべてを満たす人です。
また、保険適用での禁煙治療を行う医療機関側についても、禁煙治療を行っている旨を医療機関内に掲示、禁煙治療の経験を有する医師が1名以上勤務、禁煙治療に係る専任の看護職員を1名以上配置、呼気中一酸化炭素濃度測定器を設置、医療機関の構内が禁煙、といった基準をすべて満たす必要があります。
禁煙治療にかかる費用は保険適用で1万2000~1万7000円程度です(3割負担として)。「医師による治療」であるため、自己負担分は医療費控除の対象になります。なお、前述の(1)~(3)の要件を満たさない場合は自由診療となりますが、その場合でも「医師による治療」であることには変わりないため、かかった医療費はやはり医療費控除の対象となります。

平成22年4月1日更新分①

『国税の罰則を見直し』
今通常国会に提出された所得税法等一部改正法案は、所得税法や法人税法、租税特別措置法など25の法律の改正を一本にまとめたものですが、25という数はかなり多いそうです。これは、租税(国税関係)に関する罰則の見直しが、所得税法など一般的な税法だけでなく、石油ガス税法、航空機燃料税法、電源開発促進税法、納税貯蓄組合法など広範にわたり行われるためです。
罰則の見直しは、脱税犯や秩序犯(申告書の不提出・検査忌避等)に対する懲役刑や罰金の引上げです。脱税犯については、たとえば直接税・消費税の場合、懲役刑の上限を10年(現行5年、源泉所得税に係るものは3年)に、罰金刑の上限を1000万円(現行500万円)に引き上げます。
秩序犯については、税法によって異なる罰金を基本的に50万円に引き上げて揃えます。また、消費税を除く間接税等の秩序犯の場合、現在罰金刑だけですが、新たに1年以下の懲役刑を設けます。
一方、税務職員の守秘義務違反に対しても罰金を引き上げ、現在は税法ごとに規定している罰則規定を国税通則法に統一するとともに、処罰対象範囲に直接税・消費税調査で知りえた秘密の漏えいだけでなく、間接税等・国税犯則事件の調査、国税の徴収等で知りえた秘密の漏えいも新たに加えます。
これらの改正は、本年6月1日以後の違反から適用されます。

平成22年4月1日更新分②

『国民負担率は39%で2年ぶりに上昇』
国民負担率とは、国民所得に対する税金や社会保険料(年金・医療費などの保険料)の負担割合です。財務省は2月10日、2009年度の実績見込みでは38.8%だった国民負担率が、2010年度予算では0.2ポイント上昇の39.0%となるとの見通しを発表しました。これで2年ぶりに前年を上回ります。2010年度見通しの内訳は、国税が11.7%、地方税が9.8%、租税負担率が21.5%、社会保障負担率が17.5%です。
2009年度実績見込みに比べ、租税負担率は0.3ポイント減(国税は0.2ポイント増、地方税は0.5ポイント減)で、社会保障負担率は0.5ポイント増加です。高齢化の進展で社会保障負担が増え、同負担率はこの統計を開始した1970年以降で最高を記録しています。国民負担率を諸外国(2007年実績)と比べた場合、アメリカ(34.9%)よりは高いですが、スウェーデン(64.8%)、フランス(61.2%)、ドイツ(52.4%)、イギリス(48.3%)などより低いです。
真の負担率は、財政赤字という形で将来世代へ先送りしている負担額を加える必要があります。財務省によると、2010年度の国民所得(前年度に比べ3万2千円増の336万4千円)に対する財政赤字の割合は前年度から1.9ポイント減の13.3%となる見通しです。この結果、2010年度の国民負担率に財政赤字を加えた「潜在的国民負担率」は、過去最高となった前年度からは1.7ポイント減の52.3%となる見通しです。
この「潜在的国民負担率」は、大型の景気対策で財政赤字が膨らみ、過去最高となった2009年度の54.0%に次いで2番目の高水準となる見通しです。なお、租税負担率は、戦前の1934~36年度は13%程度でしたが、戦後は45年代前半の混乱期を除いて20%前後で推移していました。しかし76年度以降、次第に上昇し始め、89・90年度の27.7%をピークに、その後はほぼ20%台前半で推移し、2010年度も法人税収の落込みなどで同水準となる見込みです。

平成22年3月1日更新分①

『誤りやすい事例』
平成21年分の所得税の確定申告が2月16日から始まりましたが、国税庁は、これまでの確定申告において見受けられたいろいろな誤りや書類の添付漏れを例示して、正しい申告と納税を呼びかけています。また、所得税の確定申告をe-Taxで行うと、医療費の領収書や源泉徴収票等は、その記載内容を入力して送信することにより、提出または提示を省略することができるとして、e-Taxでの申告を勧めています。
まず、誤りの例では、1)薬局で購入した日用品について医療費控除を適用、2)生命保険会社や損害保険会社から支払を受ける医療費を補てんする保険金などを差し引きしないで医療費控除を適用、3)地震等損害保険契約以外の保険料について地震保険料控除を適用(平成18年12月31日までに締結した長期損害保険契約等を除く)、を挙げています。
次に、添付漏れが多い書類として、1)給与や年金の「源泉徴収票」(原本)、2)医療費控除を受ける場合の領収書、おむつ使用証明書等、3)住宅借入金等特別控除を受ける場合の住民票や登記事項証明書等、を挙げています。
さらに、申告漏れが多い所得として、1)株式等の売却益に係る譲渡所得、2)生命保険の満期返戻金等の一時所得、3)インターネットによるサイドビジネスなどで得た所得、4)国外での資産運用益に係る所得(利子・配当・不動産・株式譲渡等)を挙げており、要注意です。
そのほかの留意事項として、正しい申告と納税が期限内に行われなかった場合には、加算税が賦課される場合があるほか延滞税を併せて納付しなければならないので留意すべきことや、提出された申告書について、税務署から内容確認のため、問い合わせする場合もあるので、申告書には、日中連絡がとれる電話番号を記載する事を要請しています。

平成22年3月1日更新分②

『定期金の権利の評価方法』
生命保険を利用した相続税の節税策がひとつ封じられることが確実となりました。これは、平成22年度税制改正大綱に盛り込まれた「定期金に関する権利の評価の見直し」によるものです。
定期金(年金)を受け取る権利を取得した場合の相続税評価は、相続税法第24条に定められています。定期金給付事由が発生している有期の定期金については、その残存期間に受けるべき給付総額に20%~70%の割合を乗じた金額です。無期定期金については、1年間に受けるべき金額の15倍に相当する金額です。終身定期金については、1年間に受けるべき金額に受給権者の権利取得時の年齢に応じて1倍~11倍の倍数を乗じた金額、となっています。
個人年金保険など年金形式で受け取る生命保険金もこの24条によって評価することとされていますが、この評価割合等は昭和25年当時の金利水準・平均寿命などを勘案して定められたもので、実際の年金受取額とは大きく乖離しており、これを利用した節税商品が多数出回ったそうです。
たとえば、1億円の財産を現金で相続した場合の評価は額面どおりの1億円だが、35年超の年金形式で受け取る個人年金保険の場合、受取り総額が1億円でも相続税評価額は2千万円です。国税庁ではかねてよりこの「乖離」を利用した節税商品を問題視しており、22年度税制改正大綱にようやくその対抗策が盛り込まれたということです。
大綱によると、給付事由が発生している定期金に関する権利の評価額は、(イ)解約返戻金相当額、(ロ)定期金に代えて一時金の給付を受けることができる場合には一時金相当額、(ハ)予定利率等を基に算出した金額――のうちいずれか多い金額です。給付事由が発生していない定期金に関する権利の評価額は、原則として解約返戻金相当額とされます。
改正の適用は、早いもので平成22年4月1日以後の相続等により取得する定期金からです。

平成22年2月1日更新分①

『一人オーナー会社課税適用は廃止』
平成22年度税制改正で成り行きが注目されていた「特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入制度」特殊支配同族会社は、今回の税制改正大綱で廃止が明記されました。
同制度は、特殊支配同族会社の業務主宰役員は自ら給与を決めることで税負担の調整を図ることが可能であり、そうした役員給与が法人段階で損金算入され、個人段階でも給与所得控除の対象となる「二重控除」の問題への対処として、平成18年度税制改正で創設されました。
しかし、創設当初から日本税理士会連合会の「役員給与は既に会社から資金流失しているにもかかわらず、更に会社に課税され、また、節税の目的で設立された会社以外の会社や既存の会社もこの規定の適用を受けることになり制度的に問題がある。」とする意見など制度を疑問視する声も出され、平成19年度改正では適用除外となる基準所得金額が1600万円に引上げられましたが、その後も廃止を望む声は高かったわけです。
そして、衆院選で政権を奪取した民主党がマニフェストに制度の廃止をうたっていたことから、当初はすんなり廃止されるとの見方も少なくなかったのですが、政府税調での議論が進むにつれて「廃止」から「検討事項」となりかけていました。しかし、12月17日の与党三党幹事長の連名による鳩山総理大臣あて「平成22年度国家予算与党三党重点要望」での政府与党の調整課題として、「オーナー課税の廃止」が明記されたことから形勢が再び逆転して大綱に廃止が盛り込まれました。
ただし、大綱では、制度を廃止した上で、「給与所得控除を含めた所得税のあり方について議論をしていく中で、個人事業主との課税の不均衡を是正し、「二重控除」の問題を解消するための抜本的措置を平成23年度税制改正で講じる」とされており、とりあえず平成22年4月1日以後終了事業年度から同制度は適用されないですが、何らかの新しい課税措置は採られることになりそうです。

平成22年2月1日更新分②

『生命保険料控除の上限が計12万円に拡大』
所得税の生命保険料控除が大幅に見直されることになりました。生命保険料控除は、個人が一般生命保険料または個人年金保険料を支払った場合に、一定額の所得控除が受けられる制度です。現在、控除額の上限は各5万円、合計で最高10万円とされています。
平成22年度税制改正大綱によると、一般生命保険料控除および個人年金保険料控除とは別枠で「介護医療保険料控除」を新設します。各保険料控除の適用限度額を「4万円」として、合計上限額「12万円」の所得控除が受けられるようになります。
これらの改正は、平成24年1月1日以後に締結した保険契約(新契約)にもとづく保険料から適用が開始されます。平成23年12月31日以前に締結した保険契約(旧契約)にもとづく保険料(一般生命保険、個人年金保険料)については、現行の各5万円の控除上限額が適用されます。
注意が必要なのは、新契約と旧契約が混在しているケースです。一般生命保険と個人年金保険について新契約と旧契約の両方がある場合の控除額は、(1)新契約については新計算式で計算した額、(2)旧契約については現行制度にもとづき計算した額―――の合計額(上限4万円)となります。

平成22年1月1日更新分①

『消費税“自販機節税”の規制検討』
自動販売機を利用した消費税節税の裏技に、規制の網がかかりそうです。政府税制調査会はこのほど、「然るべき対処」を求めた会計検査院の要望を受け、今年度の検討課題に「消費税の仕入控除税額の調整措置の回避事例への対処」を盛り込みました。
具体的には、「非課税売上げ(家賃収入等)に対応する資産(賃貸マンション等)の取得に係る消費税額につき、事業者免税点制度等の中小事業者の特例措置の適用により、取得時の過大な仕入控除税額を減額調整する措置を免れている事態への対処を行う」というものです。
消費税は、売上げにかかった消費税から仕入れにかかった消費税を控除して納める仕組み(仕入税額控除)ですが、仕入れにかかった消費税の方が多ければその分は還付されます。しかし、賃貸住宅の家賃は非課税売上となるため、建築費など仕入れにかかった消費税の還付は通常なら受けられません。
そこで登場するのが「自販機節税」です。清涼飲料水などの自動販売機を賃貸住宅の敷地内に設置して少額の課税売上げを作ることで、仕入税額控除が可能になり、仕入にかかった消費税の還付が受けられるという手法です。
仕入税額控除ができる税額は原則として課税売上げに対応する部分の消費税のみです。しかし課税売上げ割合が95%以上の場合は、その課税期間中の課税売上げにかかる消費税から、その課税期間中の課税仕入れにかかる消費税の全額が控除できます。
このため、たとえば賃貸住宅を建築して翌年から賃貸を開始した場合、年内に自動販売機の設置などにより少額の課税売上げを作っておくことで、仕入にかかった消費税の全額が控除できることになり、“納め過ぎた消費税”の還付が受けられるというわけです。
この裏技については「課税の公平性が著しく損なわれている」として会計検査院が然るべき措置を要請していましたが、政府税調の検討課題に上ったことで議論は急速に具体化する方向です。近いうちに何らかの形で規制の網がかかることは間違いなさそうです。

平成22年1月1日更新分②

『忘年会・新年会シーズン交際費5千円基準に要注意!』
年末年始は忘年会・新年会シーズンです。この時期に威力を発揮するのが交際費の5000円基準です。損金不算入となる交際費の範囲から「1人当たり1回5000円以下の一定の飲食費」を除外するというこの規定は、大企業のように売上割戻しや販売手数料、広告宣伝費などにかける資金力に乏しい中小企業にとって非常にありがたい存在です。
ここでいう「一定の飲食費」とは、役職員の間の飲食を除くすべての飲食費を指します。つまり、同じ会社の役員や従業員同士での飲食でなければOKということです。
交際費と隣接する費用には会議費がありますが、こちらは全額損金扱いであるため、かつてはその境界線の判断をめぐるトラブルが絶えなかったようです。実際に取引先との会議にかかった費用でも客観的に証明する必要があったわけですが、平成18年度税制改正でこの「5000円基準」が登場して以来、1人当たり5000円以下でありさえすれば実態が取引先の接待でも交際費から除外されるということでこの手のトラブルも減ったようです。
ただし、この「5000円」のラインはかなり厳格なので注意が必要です。一人当たりの費用が5000円を超えた場合、その超えた部分のみが交際費扱いと捉えていたら間違いです。5000円を1円でも超えたら支払い額全額が交際費扱いとなってしまいます。

事務所概要

事務所名
税理士法人  い そ べ
所在地
山口県宇部市常藤町2番21号
電話番号
0836-21-3161
FAX番号
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業務内容
・税務・経理・財務・会計・決算に関する業務
・独立、開業支援に関する業務
・経営相談・コンサルティング
メールアドレス
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中国税理士会所属