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税務お役立ちコラム(第11回~第20回)

第21回~第30回
第1回~第10回

こちらでは相続、贈与以外に関する税務関係のお役立ちコラムを掲載していきます。

第20回 災害時の救済措置 2020.8.5更新

■税金の救済措置

近年水害被害などの災害も毎年のように発生しています。
災害等に見舞われた際、税金にはさまざまな救済措置があることをご存じでしょうか?

● 申告・納付の延長
● 納税の猶予
● 予定納税の減額、源泉徴収の徴収猶予
● 所得税の全部または一部の軽減(確定申告)etc・・・・

上記以外にもさまざまな救済措置があります。
「所得税の全部又は一部の軽減」についてまとめたいと思います。

■所得税の全部又は一部の軽減

災害等により住宅や車などの家財に損害を受けた場合、確定申告をすることで、所得税法の『雑損控除』または、『災害減免法』の適用を受けることができる可能性があります。
適用が可能な場合、確定申告でどちらか有利な方を適用し、所得税の全部または一部を軽減することができます。
「雑損控除」も「災害減免法」も控除を受けるには確定申告を行う必要があります。

■雑損控除とは

災害、盗難、横領による被害で資産に損失を受けた場合に受けることができる所得税控除です。
詐欺や恐喝の場合は対象になりません。

資産の範囲は、納税者、もしくは納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族で、その年の総所得金額等が38万円以下の者の資産であり、かつ住宅や家財を含む生活に通常必要な資産をいいます。あくまで生活に通常必要な資産に限りますので、棚卸資産や山林、事業用の固定資産、1組又は1個の価額が30万円を超える骨とう品や貴金属などの生活に必要ない資産は対象になりません。
控除額は下記のいずれか額の多い方です。

① 損失額※1 - 総所得金額等 × 10%
② 損失額※1のうち災害関連支出の金額※2 - 5万円

※1 資産に生じた損害金額から保険金や損害賠償金などによって補てんされる金額を控除した金額のこと
※2 災害により減失した住宅などを取り壊し、原状回復費用など災害に関連して支出したやむを得ない費用

その年の所得金から控除しきれなかった額は、翌年以後3年間※3繰り越し、各年分の所得から差し引くことができます。
災害関連支出のうち、災害によって生じた土砂の除去費用、住宅などの原状回復費用住宅などの損壊・価値の減少を防止するための費用については、災害のやんだ日から1年※4以内に支出したものが対象になります。

※3 東日本大震災により生じた住宅や家財の損失に対する雑損控除の場合は、翌年以後5年間となります。
※4 東日本大震災からの復興のための事業の状況その他のやむを得ない事情により、災害がやんだ日から3年以内に支出を行うことができなかった場合は、その事情がやんだ日から3年以内の支出が対象になります。

■災害減免法とは

災害に対する損失が対象となります。雑損控除とは違い、盗難などは対象外です。
資産の対象範囲は、損失額が価額の2分の1以上である住宅又は家財が対象です。
所得税の軽減額は、(表1)を参考にしてください。

災害減免法により軽減又は免除される所得税の額の表(表1)

所得金額の合計額
軽減又は免除される所得税の額
500万円以下
所得税の額の全額
500万円を超え750万円以下
所得税の額の2分の1
750万円を超え1000万円以下
所得税の額の4分の1

(表1)を見ていただくとわかると思いますが、原則として損害を受けた年分の所得金額が1,000万円以下の方に限り適用することができます。
減免を受けた年の翌年以降は、減免を受けられませんので注意しましょう。

■まとめ

そうそう使う控除ではないと思いますが、災害に見舞われた際少しでも税金を軽減することができると覚えておけばいざという時に心強いと思います。
「雑損控除」、「災害減免法」どちらが有利か不利か、申請に必要な書類は何かなどわからないことがありましたら、税務署もしくは専門家に相談することをおすすめします。

税務のことでわからないことは、お気軽に戸田和民税理士事務所までご相談ください。

第19回 固定資産税及び都市計画税の軽減【新型コロナウイルス】 2020.7.6更新

■固定資産税及び都市計画税の軽減

中小企業・小規模事業者※1の保有する建物や設備の2021年度※2の固定資産税及び都市計画税が事業収入の減少幅に応じて、ゼロまたは1/2になります。

※1 中小企業・小規模事業者とは、資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人。
資本又は出資を有しない法人又は個人は従業員1000人以下の場合(ただし、大企業の子会社等は対象外となります。)
※2 今年(2020年)の固定資産税・都市計画税は、1年間納税猶予される場合があるそうです。

■軽減対象

・事業用家屋及び設備等の償却資産に対する固定資産税
・事業用家屋に対する都市計画税

■対象者

2020年2月~10月までの任意の連続する
3か月間の事業収入の対前年同期比減少率

減免率
50%以上減少
全額
30%以上50%未満
2分の1

事業収入に給付金や補助金収入、事業外収益は含まれません。

■申請方法

1) 中小事業者等は、税理士や会計士といった認定経営革新等支援機関等に、下記の3点の確認を受けます。
① 中小事業者等であること
② 2020年2月~10月までの任意の連続する3か月間の事業収入の対前年同期比減少率
③ 特例対象家屋の居住用・事業用割合

2) 認定経営革新等支援機関等から確認書を発行してもらいます。

3) 2021年1月以降申請期限(2021年1月末)までに固定資産税を納付する市町村に必要書類(現在調整中)提出し申請をします。

認定経営革新等支援機関等への上記1)①~③の確認には下記の書類が必要になります。

① 中小事業者等であることの確認
▶個人の場合
・常時使用する従業員数が1,000人以下である旨の誓約書
・性風俗関連特殊営業を行っていない旨の誓約書
▶法人の場合
・資本金を登記簿謄本の写し等
・大企業の子会社でない旨の誓約書
・性風俗関連特殊営業を行っていない旨の誓約書

② 2020年2月~10月までの任意の連続する3か月間の事業収入の対前年同期比減少率の確認
・2020年2月~10月までの任意の連続する3月の期間の事業収入が前年同期間と比べて減少していることを確認できる会計帳簿等。

③ 特例対象家屋の居住用・事業用割合の確認
・特例対象家屋の居住用・事業用割合が記載されている青色・白色申告決算書等


■まとめ

まだ申請書様式等は決まっていませんが、申請までの流れは中小企業庁のホームページにも掲載されているので、事業収入の減少を確認し、認定経営革新等支援機関等への確認用書類など用意できるものから用意するのがいいと思います。

税務でお困りの際は、お気軽に戸田和民税理士事務所までご相談ください。
戸田和民税理士事務所は、経営革新等支援機関に認定されています。

第18回 家賃支援給付金【新型コロナウイルス】 2020.6.22更新

■家賃支援給付金とは

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、急激な収入の減少などにより、家賃の支払いも困窮する中小企業、個人事業主に対して家賃の負担軽減を目的に支給される給付金です。

■給付対象

給付対象は、中堅企業、中小企業、小規模事業者、個人事業者等のうち、令和2年5月~12月における売上の減少が以下のいずれかに該当する事業者です。

令和2年5月~12月における売上のうち
① いずれか1カ月の売上高が前年同月比で50%以上減少
② 連続する3ヶ月の売上高が前年同期比で30%以上減少

■給付額

給付額は申請時の直近の月額家賃に基づいて算出された月額の6倍(6ヶ月分)が支給されます。
法人の場合と、個人事業者の場合では月額上限等に違いがあります。

▶法人の場合
月額家賃のうち、75万円までの部分について2/3(上限50万円)、75万円を越える部分については1/3(上限50万円)が支給されます。

例をいくつか見てみましょう。

例1)月額家賃30万円の店舗を1店舗賃借している場合
30万円は75万円までの部分にあたるので、給付率の2/3で計算します。
30万円×2/3=20万円(算定給付額)
更に6倍(6ヶ月分)します。
20万円×6ヶ月=120万円(家賃支援給付金の給付額)
例1の場合の家賃支援給付金の給付額は120万円になります。

例2)月額家賃30万円の店舗を3店舗賃借している場合
30万円×3店舗=90万円
90万円は75万円を超えるので、75万円までの部分と75万円を超える部分で計算していきます。
75万円×2/3=50万円(上限)(算定給付額)
75万円を超える部分は90万円-75万円=15万円なので、15万円に給付率1/3を掛けます。
15万円×1/3=5万円(算定給付額)
算定給付額を足して、家賃支援給付金の給付額を計算します。
(50万円+5万円)×6ヶ月=330万円(家賃支援給付金の給付額)
例2の場合は330万円が家賃支援給付金の給付額になります。

月額家賃の合計が225万円を超える場合は、月額上限の100万円になり、6ヶ月分の600万円が支給されます。


▶ 個人の場合
月額家賃のうち、37万5千円までの部分について2/3(上限25万円)、37万5千円を越える部分については1/3(上限25万円)が支給されます。

個人事業者の場合の例もみてみましょう。

例3)月額家賃30万円の店舗を1店舗賃借している場合
30万円は37万5千円までの部分にあたるので、給付率の2/3で計算します。
30万円×2/3=20万円(算定給付額)
更に6倍(6ヶ月分)します。
20万円×6ヶ月=120万円(家賃支援給付金の給付額)
例3の場合の家賃支援給付金の給付額は120万円になります。


例4)月額家賃30万円の店舗を3店舗賃借している場合
30万円×3店舗=90万円
90万円は37万5千円を超えるので、37万5千円までの部分と37万5千円を超える部分で計算していきます。
37万5千円×2/3=25万円(上限)(算定給付額)
37万5千円を超える部分は90万円-37万5千円=52万5千円なので、52万5千円に給付率1/3を掛けます。
52万5千円×1/3=17万5千円(算定給付額)
算定給付額を足して、家賃支援給付金の給付額を計算します。
(25万円+17万5千円)×6ヶ月=255万円(家賃支援給付金の給付額)
例4の場合は225万円が家賃支援給付金の給付額になります。

月額家賃の合計が112万5千円を超える場合は、月額上限の50万円になり、6ヶ月分の300万円が支給されます。

■まとめ

申請開始は早くても6月下旬以降、給付は7月以降になると言われていますが、正確な申請時期や必要書類の詳細は明らかになっていません。(6月19日時点)
今後情報が出てくるとは思いますが、まずは、昨年5月の売上高と本年5月の売上高とを比較しておくといいかもしれません。

第17回 賃貸借契約に関するルールの見直し 2020.6.2更新

■不動産賃貸契約ルールが変わりました。

改正民法が令和2年4月1日から施行されました。約120年ぶりの大改正により、不動産賃貸契約では「修繕の要件」の見直し、「原状回復義務」や「敷金の返還と時期」が明確になりましたので、紹介したいと思います。

■不動産賃貸契約に関する改正ポイント

改正ポイントは主に以下の4つになります。

① 借り手の原状回復義務及び収去義務等の明確化
② 賃借物の修繕に関する要件の見直し
③ 賃貸不動産が譲渡された場合のルールの明確化
④ 敷金に関するルールの明確化

今回は①と②の説明をしていきたいと思います。

① 借り手の原状回復義務及び収去義務等の明確化

改正前の民法では、賃貸借契約終了後、借り手が貸主に物件を返還する際、元の状態に戻して返すという「元の状態」がどこまでを指すのか曖昧なままでした。
今回の改正で、「通常の使用によって生じた損耗(通常損耗)や時の経過によって自然に傷んでいく経年変化については、借り手は原状回復義務を負わない」ことが明文化されました。

テレビや冷蔵庫等の背面の壁の電気焼けや、日照等のクロスの変色等は「通常損耗・経年変化」となり、貸主の負担となり、イライラして壁やふすまなど蹴って穴を開けたなどの用法違反や、掃除をしなかったせいで特別な掃除が必要なカビや汚れが生じてしまった場合などの「通常の使用に反する使用による損傷」は借り手の負担になります。

改正にともない「修繕・原状回復義務」の内容が明文化されましたが、不動産賃貸契約において「通常損耗の原状回復費用は、借り手が負担すること」などの特約を設けることがあります。
当事者同士の合意がある場合には、改正民法でも特約を設けることは認められます。
ただし、特約を設ける場合は、借り手にとってあまりにも不利な契約は、無効になる可能性があります。
借り手が原状回復義務を負う範囲、内容が契約書の条項自体に具体的に明記されていることが必要です。
玄関、リビング、浴室、キッチンなどの場所から天井、壁、ドアなどの箇所、どのような損傷、どのくらいの範囲など、詳細かつ具体的に決め、当事者同士で合意をとっておかなければ特約も無効になるかもしれませんのでご注意ください。

イラスト:雨漏りイメージ

② 賃借物の修繕に関する要件の見直し

改正前までは、賃貸中の物件が雨漏りなど急ぎの修繕が発生したとしても、あくまで物件の持ち主は貸主になるため、借り手が勝手に修繕することはできませんでした。
しかし、改正民法では、以下のような場合には借り手が修繕できることが明確化されました。

イ) 借り手が貸主に修繕が必要である旨を通知、または貸主がその旨を知ったにもかかわらず、相当の期間内に修繕しない場合
ロ) 差し迫った事情がある場合

注意していただきたいのは、上記のイ)、ロ)にいくら当てはまっても修繕の発生理由が借り手の過失の場合、貸主には修繕義務がないことです。借り手が原因の「通常の使用に反する使用による損傷」による修繕の場合は、①で説明した通り借り手の費用負担になりますので、お間違えないようお願い致します。
ここでの、費用とは原状の保存もしくは回復のための費用です。改良のためや、借り手の便宜のための費用は含みません。
借り手が通知もせず勝手に修繕した費用も当たり前ですが貸主の負担にはなりません。
修繕に関する要件は、急迫の度合いや貸主の修繕時期などによって負担がどちらになるか分かれます。場合によっては後々のトラブルにもつながりかねないので、借り手も貸主も慎重な判断が必要になります。

イラスト:電話をするイメージ

修繕権の明確化だけでなく、賃借物の一部滅失等による賃料の減額・解除に関しても一部変更になりました。
改正前と比べて大きく変わったところは、「それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される」という文言が追加されたところです。
例えばガスの故障でお風呂が使えなくなった場合、修理完了までの使用できない部分の割合に応じて賃料は減額されます。
改正前の「賃料の減額を請求できる」ではなく「割合に応じて、減額される」というものなので、改正民法では借り手が請求しなくても、賃料は減額されます。
ただし、減額が当然だからと貸主に修繕の要請等の連絡もせず何か月かたった後で減額を請求することはできませんし、連絡をせず、賃貸物の損傷等を悪化させたとなれば、借り手側の責任になりかねません。
民法第615条に記されているとおり、借り手側は遅滞なく通知する義務があります。
そして貸主は、今回の改正により、対応が遅れれば遅れるほど、入居者に対して補填する金額が増えることになりますので、より早い対応が必要になります。
借り手側、貸主側双方が正しく民法のどの部分がどのように改正されたのかを知り、対応していかなくてはいけません。


■経過措置

原則として施行日(令和2年4月1日)より前に締結された契約は改正前の民法が適用され、施行日後に締結した契約は改正民法が適用されます。
施行後契約期間が満了し、契約を更新する場合、双方合意のもと契約する場合は改正民法が適用されますが、合意を得られないまま借地借家法上の法定更新となった場合は改正前の民法が適用されますので、借り手側も貸主側も注意しておきましょう。
また、定型約款※1については、施行日前に契約が締結していても、原則として施行日後は改正民法が適用されます。

※1 不特定多数の者を相手方とする取引で、内容の全部または一部が画一的であることが当事者双方にとって合理的なもの

■まとめ

今回の約120年ぶりの改正で、いままで曖昧だった箇所が明確になりました。
明確化された内容をしっかりと理解していないと後々トラブルになる可能性もあります。
他にも変わったところがありますので、一度調べてみてはいかがでしょう。

税務等でわからないことは、お気軽に戸田和民税理士事務所までご相談ください。
(民法トラブルの相談は受け付けておりません。)

第16回 新型コロナ関係の減免や猶予措置 2020.5.22更新

■減免や猶予措置

新型コロナウイルスの終息の目途が立たない状態で、生活が苦しいと感じる方も多いと思います。
今回は新型コロナウイルス関係の減免や猶予措置を紹介したいと思います。
浜松市(5月中旬現在)を例にみてみましょう。以下は浜松市のホームページに載せられている減免や猶予措置です。

自分の市区町村がどういった特例措置を出しているかは、住所地の市区町村のホームページ等からご確認ください。

・令和2年度に課税される市税等における納税の猶予
・水道料金等のお支払い猶予
・国民健康保険料の納付が困難な方に対する猶予
・介護保険料の納付が困難な方に対する猶予

イラスト:泣いているイメージ

■令和2年度に課税される市税等における納税の猶予

この猶予措置は、新型コロナウイルスの影響により事業等に係る収入に相当の減少があった方が、1年間、地方税の徴収猶予を受けることができる特例制度です。
担保の提供不要、延滞金なしの制度になります。猶予期間内における途中での納付や分割納付なども、事業の状況に応じて計画的に納付することも可能だそうです。
ただし、この制度は納税義務が消滅するものではありません。猶予期間経過後に納付する必要がありますので、そこは間違いないようお願いします。

▶ 対象者
下記の(ア)、(イ)のいずれも満たす納税者・特別徴収義務者です。

(ア)新型コロナウイルス感染症の影響により令和2年2月以降の任意の期間(1カ月以上)において、事業等に係る収入が前年同期に比べておおむね20%以上減少していること
(イ)一時に納付し、又は納入を行うことが困難であること※1

※1「一時に納付し、又は納入を行うことが困難」の判断については、少なくとも向こう6か月間の事業資金を考慮に入れるなど、申請される方の置かれた状況に配慮し適切に対応します。

▶ 対象となる地方税

令和2年2月1日から令和3年1月31日までに納期限が到来する市県民税、法人市民税、固定資産税などほぼすべての税目が対象になります。

▶ 申請期限

令和2年6月30日※2又は、納期限(納期限が延長された場合は延長後の期限)※3のいずれか遅い日までです。

※2 納期限が令和2年6月30日までに到来する市税について申請する場合
※3 納期限が令和2年7月1日から令和3年1月31日までに到来する市税について申請する場合

▶ 申請手続等

徴収猶予申請書を記入し期限内に提出(郵送で申請も可能だそうです)
もしくは、電話やeLTAXでの申請も可能だそうです。浜松市の相談窓口は収納対策課になります。
徴収猶予申請書の書式は浜松市なら浜松市ホームページからダウンロードできます。
申請書には申請者の情報の他、納付・納入の猶予を申請したい税金の情報、前年同月と比べて収入の減少率が大きい月の収支状況、当面の運転資金等の状況、現金・預貯金残高、納付可能金額、猶予を受けようとする金額を記入・入力が必要です。
書き方が分からない場合は、相談窓口に電話で問い合わせるのが、一番だと思いますが、現在の状況を考えると電話口も混みあっていると思います。ゆとりをもって申請することをおすすめします。

■水道料金等のお支払い猶予

浜松市の水道料金等のお支払い猶予は、新型コロナウイルス感染症の影響により、上下水道料金のお支払いが一時的に困難となっている方が対象になります。他に詳細はなく、上下水道部に問い合わせて相談するという形のようです。

■その他の猶予措置

浜松市が出している「国民健康保険料の納付が困難な方に対する猶予」と「介護保険料の納付が困難な方に対する猶予」は、新型コロナウイルス感染症に伴う事由で、以下の要件(ウ)、(エ)、(オ)のいずれかに該当する場合は、その納付期限の前までに、住所地の区役所長寿保険課に申請することにより、1年以内の期限に限り、納付の猶予が認められる場合があるとのことです。

(ウ) 病気にかかり、又は負傷したとき
(エ) 事業を廃止し、又は休止したとき
(オ) 事業に著しい損失を受けたとき

イラスト:電話をするイメージ

上記のいずれかに該当する方は、国民健康保険料は「国保年金課」、介護保険料は住所地の区役所「長寿保険課」に電話で相談くださいとのことです。(浜松市の場合)連絡先は浜松市のホームページで確認できます。
市役所、区役所の混雑を考えると電話で相談できる方が安全だと思います。

■国民年金

国民年金の新型コロナ関係の減免や猶予措置に関しては日本年金機構の内容を参考にしました。
新型コロナウイルスの感染症の影響により国民年金保険料の納付が困難となった場合の臨時による特例免除申請は、令和2年5月1日から受付手続きが開始されました。
特例対象者は以下の(カ)、(キ)いずれも満たした方が対象です。

(カ) 令和2年2月以降に、新型コロナウイルスの感染症の影響により収入が減少した
(キ) 令和2年2月以降の所得等の状況から見て、当年中の所得の見込みが、現行の国民年金保険料の免除等に該当する水準になることが見込まれる※4

※4 詳しくは日本年金機構ホームページもしくはお近くの年金事務所までお問い合わせください。

イラスト:ポストへ投函するイメージ

申請には国民年金保険料免除・納付猶予申請書と所得の申立書が必要です。(学生の場合は、書類が異なります。お気を付けください)それぞれの申請書等は日本年金機構のホームページからダウンロードできます。当たり前ですが、申請しなければこの制度は使えません。
書類は郵送での提出でいいそうなので、窓口にいくことなく、申請することができます。

払えないからと免除を受けずに未納のままにしておくと、その期間は受給資格期間にも年金額にも算入されないので、その分減額されます。免除を受けていれば国民年金の年金額は、免除の程度に応じて減額されますが、保険料を支払っている期間としてカウントされます。免除と未納では結果が全く違ってきます。

■まとめ

新型コロナウイルスによって生活が激変した方も多いと思います。ここに記載した措置はごく一部になります。自分の地域で独自に出されている措置や、詳しい内容は自ら調べ、知り、申請するかしないか判断をしてもらいたいと思います。

第15回 不動産を取得した時にかかる税金 2020.5.7更新

■不動産を取得した時にかかる税金


増税前に家を建てようという駆け込み需要が増えると言われています。
基礎知識になりますが、不動産を取得した際にかかる税金をご説明したいと思います。

不動産を取得した際には、こまごまとした税金が掛かります。
今回は、以下の3つの税金をご紹介します。

1. 印紙税
2. 登録免許税
3. 不動産取得税

【1.印紙税】

一定の文書を作成した時にかかる税金です。どんな文書でも税金がかかるわけではありませんが、不動産を取得した時の契約書※1には印紙税が発生します。
ただし、電子契約※2の場合は、印紙は不要※3となります。

※1. 平成26年4月1日から平成32年(2020年)3月31日までの間に作成される、「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」の契約書について一部印紙税の税率が軽減されます。細かく条件があります。すべての「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」の契約書に適応されるものではありません。
※2.電子契約とは、インターネットなどを使って、契約に関する合意成立の証拠として、電子署名やタイムスタンプを付与した電子ファイルをデータセンターやクラウドで管理する契約手段のことです。
※3.印紙税法の第2条には「文書(略)の作成者は、その作成した課税文書につき、印紙税を納める義務がある」と規定があります。
課税文書の「作成」とは、単なる課税文書の調製行為をいうのでなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これをその文書の目的に従って行使することです。つまり紙媒体に書面を書き、交付することが「作成」行為となります。
電子契約書は電子データであり、紙ではありません。この電子データを印刷し、交付すれば課税文書の作成となりますが、電子データのままの場合は課税文書の作成には該当せず、印紙税が課税されることはありません。


【2.登録免許税】


登録免許税とは、取得した不動産を登記※4するための税金です。
ちなみに不動産を取得するときには、おおよそ【表1】の登記が必要になります。
各税率は国税庁ホームページ、もしくは専門家へお問合せ下さい。

※4.ここでいう登記とは、土地や建物の所在や権利関係などを、国で管理する帳簿に記載してもらう一連の手続きのことです。

【表1】

【3. 不動産取得税】

不動産取得税とは、その名前の通り不動産を取得した際にかかる税金です。
不動産取得税が課税される不動産は、土地および家屋となります。土地とは、宅地だけでなく田、畑、山林等の土地全てとなります。家屋は、住宅、店舗、倉庫、工場等の建物をいいます。

不動産取得税 算定方法
不動産取得税額=固定資産税評価額×税率※5

※5.土地及び住宅 3%(2008年4月1日から2021年3月31日まで)
住宅以外の家屋 4%
不動産取得税には軽減措置もあります。詳しくは専門家へお問合せ下さい。


■まとめ


新しく土地を購入したり、家を建てる際は、不動産や住宅会社が全て計算してくれるので、あまり意識したことはないと思います。
しかし、相続で不動産を取得した時は、不動産取得税の話の中で出てきた固定資産税評価額など自分で調べなくてはいけなくなります。固定資産税評価額とは、実際の購入費用や建築工事費用ではありません。課税明細書を確認する、もしくは固定資産評価証明書を取得する、固定資産課税台帳の閲覧をすることで固定資産税評価額を確認することはできます。
それでも調べ方が分からない、時間がない、自信がないなど不安がある方は専門家に相談してみてはいかがでしょう。

※こちらの記事は『事務員Blog』に掲載されたものです。

第14回 書面添付制度とは 2020.4.2更新

■書面添付制度とは

書面添付制度とは、税理士法第33条の2に規定する税理士のみが利用できる制度です。
この制度を利用すれば、納税者に税務調査の事前通知をする前に、税務代理を行う税理士又は税理士法人に対して、添付された書面の記載事項について意見を述べる機会(意見聴取)が与えられます。
この意見聴取によって疑問点が解消し、税務調査の必要がないと判断された場合は調査省略になることもあります。
また、この時点で修正すべき事項につき、修正申告書を提出した場合は、延滞税はかかりますが、加算税は免除されます。

■記載する書類の項目

書面添付制度を利用するにあたり、以下の項目を記載した書類を税理士が作成し、申告書へ添付します。

1. 備え付けてある資料、帳簿類の内容
2. 作成した申告書が、どの帳簿類を基に計算・整理されたのか
3. 今期大きく増減した科目の原因や理由
4. 納税者から受けた相談、その回答の内容
5. 税理士として、納税者の申告内容にどのような所見をもっているか

※書面添付は税理士法の規定に基づき、税理士の判断によって、税理士の責任のもと行われます。

すべての申告に書面添付が出来るというものではありません。備え付けの資料が不十分な場合など、書類作成に至らない場合などは納税者が書類添付制度を利用したくても利用できない場合があります。
詳しくは担当税理士にご相談ください。

■書面添付制度のメリット

・納税者の負担軽減
書面添付制度を利用することで、国税当局と納税者の間にクッションのように税理士が入ることになります。場合によっては最初にも書きましたが、調査の省略、または調査時間の短縮につながり、納税者の負担を軽減することになります。
・金融機関からの信頼性の向上
申告書の数字だけでは確認できないことが、書類添付することで書面から把握することができるようになり、より納税者の会社の経営状況等を把握することができます。
そのため、金融機関からの信頼性も向上し、資金調達等の役立つ可能性があります。

何度も繰り返しますが、書面添付は税理士法の規定に基づき、税理士の判断によって、税理士の責任のもと行われます。規定に沿わない場合や、税理士の判断によっては書面添付ができない場合もあります。まずは日々の帳簿の管理、記帳をしっかりと行い、正しい決算、経営者の納税意識をもう一度しっかりと見直してみましょう。
書面添付は、経営者の判断で出来るものではありません。自分の会社でも書面添付が行えるか行えないかは顧問税理士へご相談ください。

申告等でわからないことは、お気軽に戸田和民税理士事務所までご相談ください。

※こちらの記事は『事務員Blog』に掲載されたものです。

第13回 個人と法人のメリット・デメリット

■個人事業と法人企業

現在個人事業だけど、どのタイミングで法人企業に変えるべきか悩んでいるという方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。
法人企業になれば払う税金も変わってきます。
今回はそれぞれの税金やメリット・デメリットをいくつかご紹介したいと思います。

■税金

まず、個人事業と法人企業では課せられる税金に違いがあります。
税金の種類によっては、税率も変わってきます。

確定申告を「しなくてはいけない人」

※1 令和元年10月1日以後に開始する事業年度について、地方法人特別税(国税)が廃止され、特別法人事業税(国税)が創設されました。

■メリット・デメリット

税金の種類だけみると、法人企業のほうが社長にも所得税がかかり、個人事業にはない法人税もかかるので大変そうな気がしますが、実際どんなメリット・デメリットがあるかご紹介したいと思います。

確定申告を「しなくてはいけない人」

個人事業のメリットでよくあげられるのが開業の手軽さです。法人企業と比べると費用の面で大きく変わります。しかし、手軽に開業できるからこそ信用性が低くなり、従業員や関与先の確保、資金調達には苦労することがあるという面もあります。
一方法人企業の場合、一定以上の所得があれば節税できるというところが一番よくあげられるメリットだと思います。しかし、一定以上の所得がなければ節税にはなりません。申告書類も変わってきますので経理事務の負担も増えます。
では一定以上の所得っていくら?とお思いになると思いますが、これは様々な条件があるので、何円以上の所得の会社は法人成りがお得だ、とはっきりという事はできません。一般的には売上が1,000万円を超えたら法人成りのタイミングと言われています。

■まとめ

具体的な数字があるわけではないので、もやっとされたかもしれません。しかし、実際に様々な条件の元で法人成りは有利・不利になります。
気になる方は試算してみることをオススメします。試算してみて、まだ法人成りするタイミングではなかったとしても、自分の会社の経理に興味を持つことは節税の第一歩になります。

開業や税金のことでわからないことは、お気軽に戸田和民税理士事務所までご相談ください。

第12回 医療費控除

■医療費控除

その年の1月1日から12月31日までの間に本人又は本人と生計を一にする配偶者、その他の親族の医療費を支払った場合、支払った医療費の額を基に計算された金額が医療費控除として所得金額から差し引くことができます。

■計算方法

確定申告を「しなくてはいけない人」

保険金などで補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きます。
例えばAさん一家の年中に支払った医療費が30万円とします。
内訳がAさんの入院費15万円、残りの15万円が家族の診察料や薬代とします。
Aさんの入院に対して保険会社から入院費給付金20万が支給された場合、Aさんの15万円から保険金の20万円を差し引き、-5万円が残ります。
しかし引ききれない金額が生じた場合であっても他の医療費からは差し引かないので、残りの15万円(家族の診察料や薬代)から10万円※1を差し引いた額が医療費控除額となります。

※1 その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額


■医療費控除の対象にならないもの

表は一般的な医療費控除の対象・対象外をまとめたものです。

確定申告を「しなくてはいけない人」

あくまで一般的な例示になります。詳しくは専門家までお問い合わせください。
医療費控除の対象となるものは自己の判断ではなく医師等専門家も認める「治療や療養が目的であること」が重要です。
国家資格を有しない施術は、治療と判断されません。受診の際にあらかじめ医療費控除対象なのかどうか確認しておくことをおすすめします。

■医療費控除に必要な書類

(ア) 医療費のお知らせ、医療費の通知書
(イ) 確定申告書
(ウ) 源泉徴収票(会社員の場合)
(エ) 医療費控除の明細書

上記4つの書類が医療費控除の申請の際に必要になります。
平成29年分確定申告から領収書の提出のかわりに、医療費控除の明細書の添付が必要となりました。その年1月から12月までの医療費の領収書から控除対象の医療費を明細書へ記入します。
(ア)の「医療費のお知らせ、医療費通知書」は添付するだけで「医療費のお知らせ、医療費通知書」に記載されているその年分※2の明細記入が不要になりますので、明細の記入の手間が大幅に軽減されます。ただし12月分まで記載されているわけではないので、記載されていない分は自分で明細書へ記載しなければいけません。

※2 「医療費のお知らせ、医療費通知書」にはだいたい前々年の10月から前年の9月分まで記載されています。前々年の10月から12月分の記載がある場合は、その分の医療費は差し引いて計算してください。
例)~令和元年分医療費控除の場合~
H30年10月~R1年9月までの記載のうち、H30年10月からH30年12月までの医療費は差し引く

■まとめ

所得控除を受けることができる医療費控除は、医療費が多いようなら受けるべきだと思います。
初めて控除申請する方、自信のない方は、申告相談会場や国税庁ホームページの「確定申告特集」、最寄りの税務署へ電話相談するなど自分にあったやり方を見つけてチャレンジしてみてはいかがでしょう。 

税務でわからないことは、お気軽に戸田和民税理士事務所までご相談ください。
1時間無料の相談も受け付けております。

第11回 老後の確定申告

■公的年金と確定申告
退職前は、会社で年末調整をしてくれていたという方も多いと思いますが、会社を定年退職した後の申告は退職した会社がやってくれるわけではないので、自分で申告しなくてはいけません。
年金も申告が必要なの?と思う方もいるかもしれませんが、年金は雑所得として所得税の対象となります。
公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる場合において、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下であるときは、所得税等の確定申告は必要ありません。
ただし所得税の還付を受けるという方は申告が必要になります。
自分が対象である方はしっかり確定申告をしましょう。


■確定申告の申告時期
テレビのCMでもよく見かけるのでほとんどの方が知っているとは思いますが、確定申告の申告時期は申告期限の3月15日が土日でない限り、申告書の受付期間は2月16日~3月15日の1か月間です。
今年は2月16日と3月15日が日曜日なので、2月17日から3月16日までとなります。
納期限も申告書の受付期間と同じ3月16日※1までです。必ず期限までに納付しましょう。
ただし、振替納税にすると納付期限が少しだけかわります。振替納税とは、税金を口座引き落としにするというものです。わざわざ自分で金融機関まで納めにいく手間も省けて便利な制度ですが、振替日の前に必ず口座の残高を確認し、不納にならないよう注意しましょう。わざとでなくても不納になると「罰金」が生じる可能性があります。
下記の表はあくまで目安です。実際の期限は国税庁のお知らせ等をご確認ください。


※1 3月15日が平日の場合は、3月15日が納期限となります。

確定申告を「しなくてはいけない人」

※2 3月15日が土曜日、日曜日、国民の祝日・休日の場合、期日は後ろにずれます。

■申告に必要な書類
公的年金を受け取っている方には、社会保険庁などから毎年「公的年金等の源泉徴収票」が送られてきます。これは申告の際添付する大切な書類です。だいたい1月頃に送られてきます。郵送されてきた書類はしっかり確認し、「公的年金等の源泉徴収票」なら確定申告の申告までしっかりと保管しておきましょう。



■まとめ
確定申告の時期は申告書の受付期限に近づけば近づく程窓口は混み合います。早めに動き、早めに申告することを心掛けましょう。特に人生初の確定申告で何から手を付けていいかわからないという方は早めに窓口へ相談するのも一つの手だと思います。パソコンが得意という方はインターネットからの申告も検討してみてはいかがでしょう。
窓口へ行くのもインターネットも自信がないという方は税務の専門家である税理士事務所に相談するのもいいと思います。

税務のお悩みはお気軽に戸田和民税理士事務所までご相談ください。