もうけの計算
Aさんは自動販売機をおいて商売を始めました。
缶ジュース1本50円で仕入、100円で販売します。
自動販売機はリースで毎月1,000円かかります
また、電気代も月200円かかります。
問題.何本売ればもうけが出るでしょうか?
ジュース1本売り上げると1本当たり100円-50円=50円のもうけ(粗利益)がでます。
ただし、毎月リース料と電気代で(1,000円+200円)1,200円の経費がかかります。
何本売ればこの1,200円を回収できるでしょうか?
1,200円÷50円=24本ですね。
→売上100円×24本=2,400円、仕入50円×24本=1,200円
2,400円-1,200円=1,200円(粗利益)
1,200円(粗利益)-1,000円(リース料)-200円(電気代)=0
24本ではまだ利益(もうけ)は出ません
では25本売上れば
→売上100円×25本=2,500円、仕入50円×25本=1,250円
2,500円-1,250円=1,250円(粗利益)
1,250円(粗利益)-1,000円(リース料)-200円(電気代)=50円
25本売り上げたところで初めて利益(儲け)がでるのです。
→つまり25本以上売り上げないと利益が出ないということです。
ここで知ってもらいたいのは、利益が0となる時の売上高→損益分岐点売上高と言います。
この問題では、2,400円です。
そして、仕入金額のように売上と一緒に発生する経費を変動費と言います。(売上が0なら発生しない)
また、リース料や電気代のように、毎月一定額発生する費用を固定費と言います。(売上が0でも必ず発生する費用)
この内容を表した表が(変動)損益計算書です。
変動損益計算書
(損益分岐点売上の場合) |
(25本売上た場合) | (26本売上た場合) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
売上高 | 2,400 | 売上高 | 2,500 | 売上高 | 2,600 | |||
仕入金額 | 売上原価 | 1,200 | 変動費 | 売上原価 | 1,250 | 変動費 | 売上原価 | 1,300 |
粗利益(限界利益) | (差引)売上総利益 | 1,200 | (差引)売上総利益 | 1,250 | (差引)売上総利益 | 1,300 | ||
リース料、電気代 | 販売費一般管理費 | 1,200 | 固定費 | 販売費一般管理費 | 1,200 | 固定費 | 販売費一般管理費 | 1,200 |
もうけ | (差引) 当期利益 | 0 | (差引) 当期利益 | 50 | (差引) 当期利益 | 100 |
この計算で重要なのは、経費を変動費と固定費に分けること。決算書として提供される損益計算書は、売上原価の中に固定費が含まれていたり(製造業の場合)販売費一般管理費の中に変動費が含まれていたりして、損益分岐点の売上等上記のような計算ができません。
また、この変動損益計算書では、例えば1,000円の利益(もうけ)を出すためには、どれだけの売上が必要なのか、固定費や仕入原価が変動したら売上、利益がどのように変化するのかが、シュミレーション(試算)できます。
ex)1,000円の利益(もうけ)を出すためにはいくら売上ればよいのか?
→考え方…上記の表で当期利益の所が1,000円になるには、逆算して1,000+1,200円(固定費)=2,200円の売上総利益が必要です。
ということは売上高ー売上原価=2,200円になればいいので、売上総利益/売上高=50%、つまり売上金額は50%の売上総利益と50%の変動費の分けられます。
2,200円÷50%=4,400円の売上が必要ということになります。
さらに、ここで知っていただきたいのは、損益分岐点売上を超えると1本売り上げるたびに50円(粗利益分)の利益が増えていくことです。