マンション管理組合の税務申告

マンション管理組合は、一般に営利事業を行っていませんので、税務申告をする必要はありませんが、例えば、マンションの建物に携帯電話基地局(アンテナ)を設置し電話会社から設置料収入を得ている場合や、マンションの駐車場を区分所有者以外に賃貸し賃貸収入を得ている場合などは、その収益事業について、マンション管理組合として、税務申告をしなければなりません。(管理組合法人も同様です)

近年、マンション管理組合が申告漏れを税務署に指摘されるケースが増えています。
収入があるのに申告をしないでいると、本税だけでなく延滞税(利息)や加算税(罰金)が課せられますので、少しでも早く手続きすることをお勧めします。

当事務所では、マンション管理組合の税務申告を多数請け負っております。
管理会社の担当者様、または管理組合の役員の方、ぜひお気軽にご相談ください。

Q&A

マンションの管理組合は税務申告をする必要があるのでしょうか?

そもそもマンション管理組合は申告していないことが多いようです。
マンション管理組合は、組合員からの管理費、修繕積立費を収入源として活動していて、儲けるために存在しているわけではないので、申告しなくてもよいということになっています。
しかし、管理組合が外部から収入を得ている場合は、収益事業として課税され税務申告をする必要が出てきます。

管理組合が外部から収入を得る場合はどのような場合ですか?

マンション敷地内に「携帯電話基地局アンテナ設置」や、「駐車場の外部貸」、「自動販売機の収入」などが該当します。

収益事業とはどのような取引が該当するのですか。

収益事業とは

  1. 販売業、製造業、その他政令で定める事業(34業種)
  2. 継続的に行われているもの
  3. 事業場を設けて営まれる事業
とされています

収益事業を行った場合は、どのような種類の税金が課税されるのでしょうか?

  • 法人税
  • 法人住民税
  • 地方法人税特別税
  • 事業税
収益事業の規模が大きい場合(基準期間(前々事業年度)の課税売上高が1千万円超)は、消費税及び地方消費税も課税されます。

初めて確定申告を行う場合、税務署へどのような届出が必要ですか?

▶必要な届出

  • 収益事業開始届出書
  • 申告期限の延長の特例申請書
  • 青色申告の承認申請書
  • 電子申告・納税等開始届出書
届出書によっては、添付資料が必要な場合などもありますので、ご相談ください。

申告書の作成はどのうように行いますか?

管理組合の会計は、管理費会計と修繕積立金会計に分けられています。税務申告する場合は、収益事業の利益を求める必要がありますので、管理費会計と修繕積立金会計を合算したのち収益事業と非収益事業に区分します。その上で収益事業の損益計算書を作成して当期の利益を算出し法人税申告書を作成します。

収益事業の経費はどのようなものが認められますか?

収益事業に直接要した費用は必要経費として認められます。

例えば、携帯基地局の設置収入がある場合には、携帯基地局のために使用している電気代、外部へ駐車場貸しなどの広告宣伝費、機械式駐車場の場合の保守料などは必要経費に該当します。
また、税理士報酬なども必要経費として認められます。

収益事業と非収益事業のどちらにも共通してかかる費用は、収入の比率などの合理的な基準で按分します。
ただし、合理的基準は費用の性質に応ずることが求められますので、必要経費の判断につきましては、ご相談ください。

税務署に無申告を指摘された場合、どうしたらいいのでしょうか?

指摘されたたら、原則として過去5年分の申告をすることになります。
まずは資料を集めましょう。

報酬

1期分申告料金55,000円(税込)~
※消費税の課税事業者、その他特殊事情の場合は別途加算となる場合があります。

マンション管理組合が行う事業には、マンションの維持・管理と収益事業の2つがあります。このうち、収益事業には法人税などの税金が課されます。ただし、駐車場の賃貸のように、状況によって税金が課されたり、課されなかったりする場合があるため、注意が必要です。収益事業に該当すると、課税所得の計算が必要です。特に共通経費の場合、適切な基準で按分する必要があります。

このように、マンション管理組合の収益事業では、注意すべきことが多くあります。税金のことで不明点などがありましたら、ぜひ一度、当事務所にご相談ください。

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