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【節税】まだ遅くない!新NISA制度による資産形成のススメ 2024.2.15更新

こんにちは。 

練馬区石神井公園駅北口の北島綜合会計事務所スタッフの浅見です。


株式株式市場においては年明けから急騰の様相で、日経平均株価においては大発会から一週間が経過した111日には35049円の終値を付けてバブル後の最高値を更新しました。


この背景には大手企業の業績向上もさることながら、今年の投資界隈の大きなトピックであるNISA制度の開始が多分に影響しているとされています。


NISA制度は一言で言えば株式や投資信託等の個人の投資を促進するための制度で、令和6年1月1日から大きな改正が実施されました。この改正により、資金が証券市場に流れ日経平均をはじめとする株式指標の上昇につながっています。


今回の改正がどれだけ、個人の資産形成にメリットをもたらすのか?

令和5年度の税制改正に盛り込まれて以降様々な媒体で取り上げられているため周知の事実もあるかと思いますが、超少額投資家である私のリアルな視点から新NISA制度を解説いたします。


※本記事は投資による利益を確約するものではありません。投資においては損失が生じることもありますので、投資はご自身の判断・責任の下で行ってください。

また、本記事は更新日時点の情報に基づいて執筆しております。制度が改正されることもありますのでご留意ください。

1.そもそもNISA制度とは

冒頭から新NISAと記述していますが、そもそものNISA制度とは?というところに少し触れていきます。


NISA制度は先に触れたとおり個人の資産形成をフォローすることを目的とした、少額投資に対する非課税制度です。英国で導入された個人貯蓄口座「ISAIndividual Savings Account)」をモデルとしたもので、頭に「Nippon」を付けてNISAという名称になりました。


通常、株式の譲渡や配当等の運用益には所得税・住民税合わせて20.315%(源泉分離・申告分離課税の場合)の税金が課されますが、NISA制度が適用される口座(以下NISA口座)における運用益は非課税となります。


仮に100万円で購入した株式を200万円まで値上がりした時点で売った際に、NISA口座以外での買い付けの場合は利益の100万円に対して203,150円の税金を支払う必要があり手元には80万円弱しか残りませんが、NISA口座であればその税金が免除され100万円がそっくりそのまま手元に残ります

 

年間の投資枠上限や非課税期間の制限はあったものの制限内の利益であればどれだけ貰っても非課税であるため、投資を行う上では「利用しない手はない!」と個人的には言い切れるほどお得な制度です。

NISA口座は一般・積立・ジュニアの総数が20239月末時点で2,000万を超える口座数()となっており、201411日の制度開始から4倍以上増えています。

(出典: NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について:金融庁 (fsa.go.jp)


制度の目的である個人による資産形成の機運が高まっているように見受けられる中、制度開始10年目を迎えた20241月1日に新NISA制度がスタートしました。

2.新NISA制度での変更点

従来のNISA制度においては「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3つの口座を開設することができました。


「一般NISA」と「つみたてNISA」は18歳以上を対象とした口座で「ジュニアNISA」は17歳以下を対象とした口座です。このうち「ジュニアNISA」は新NISA開始をもって廃止となり、現在、新規口座開設・当該口座での買付はともに終了しています。


「一般NISA」「つみたてNISA」は新NISAにおいて「成長投資枠」「つみたて投資枠」にそれぞれ名称が変わりました。


これらは名称が変わっただけではなく、年間の投資可能金額や保有期間の変更、また改正前はどちらかしか選択できなかった二つの口座を併用することが可能となる等の大きな改正が実施されました

大きな改良部分と感じているところは「成長投資枠」と「つみたて投資枠」で併用が可能になったところです。


私は個別株式においては売り買いを細かく行う投資スタイル(ときにはデイトレもします)であり、「一般NISA」で買っても利益確定を我慢できない性分のため、改正前は「つみたてNISA」を選択していました(「つみたてNISA」は不思議と利益確定を我慢できます…)。


今回の改正で併用が可能になったことで、「つみたて投資枠」で積立投資を維持しつつ、比較的動きが少なく配当利回り(投資金額に対して受け取れる配当の金額の割合)の良い個別株を「成長投資枠」で保有して非課税で配当を受け取るという選択肢を持つことができるようになりました。


また、シンプルに投資金額の上限が引き上げられたことと非課税期間が恒久化されたことも、資産形成において大いに追い風になる要素です。

投資においては投入する金額が多いほうが値上がり時のリターンも大きいですし、非課税の恩恵も大きくなります。


期間の恒久化も、分配金(ファンド全体の運用益のうち投資口数に応じて受け取れるお金)の再投資を行う投資信託においては複利運用期間が長く取れるということになりますので、これまた非課税の恩恵が大きく受けられる部分です。

3.NISA制度による資産形成のススメ

従来の「つみたてNISA」の要素からも伺えますが、新NISAにおける非課税期間の恒久化という変更から見て取れるように、新NISAにおいては長期的な資産形成という主旨が強くなっています。


投資というと、個別株においても投資信託においても値上がりをもって利益を獲得することが主目的であると認識されることが多々あるかと思いますが、配当所得も長期的な投資においては重要な要素です。


NISAにおいては通算で1200万円まで「成長投資枠」内で買い付けを行うことができます。仮に購入時の年間配当利回り4%の株式でポートフォリオ(株式の組み合わせ)を構成した場合、1200万円×4%で48万円の配当を非課税で受け取ることができます。月にならせば4万円で、月々の通信費や光熱費を賄えそうな金額ですね。


シンプルに配当所得を丸々貯蓄したとして、20年後には960万円の貯金になります。これをNISA以外の口座で行っていた場合は税金が200万円弱生じますのでNISA様様ですね。


もちろん、値上がっていた場合に売却した場合の譲渡益は非課税なので、配当のインカムゲインと譲渡のキャピタルゲインの双方を非課税で得られる可能性があります。


一方で、多くの証券会社では最低投資額が100円からの場合が多く、少額でも始めやすいのが「つみたて投資枠」の利点です。クレジットカードを利用しての買い付けも可能で、筆者である私が利用しているSBI証券では三井住友カードの決済で買い付けを行うことで積立金額(※)の0.55%のポイントを獲得できます。

 ※毎月の上限額は5万円(執筆時現在)


小額から始められること、買った後の運用はプロ(機関投資家)任せにできるため投資判断の場面が比較的少ないことや投資の知識があまり必要ないことから、まず、投資による資産形成を考えるときは「つみたて投資枠」での投資が個人的にはおススメです。

4.投資と資産形成

簡単にではありますが、新NISAの概要と個人的におススメな投資戦略をご紹介しました。投資は当然ながら先を見通せないものです。成長投資枠でキャピタルゲインを追求することが結果的には大きな利益に繋がることもあるかとは思いますので、ご自身が運用できる資金や投資リスクへの許容度等と勘案してのご参考の一つとなれば幸いです。


値上がりによるキャピタルゲインを狙うにしても、配当によるインカムゲインを狙うにしても、投資においては損失のリスクが存在します。そして儲かったとしても、NISAを利用しない場合は税金が引かれて利益が目減りしてしまいます。


リスクを取ってまで獲得した利益です。NISAを有効活用してその利益を最大限に享受して資産形成を効率よく行っていきたいところです。


しかしながら、投資によって資産形成を図る上ではNISA枠内の運用では不十分という状況もあるかと思います。

NISA枠外での投資は先述の通り所得税・住民税を生じさせるものではありますが、確定申告を通じて節税を図ることができます。


NISA口座以外で得た配当所得においては、配当金を受け取った時点で源泉分離課税によって計算された所得税・住民税が差し引かれた金額が入金されますが、確定申告において課税方法を「総合課税」に選択した場合は配当に係る所得税の税率が下がり還付を得られる可能性があります(詳細は※1参照)。


また、譲渡で損失がある場合に「申告分離課税」を選択して譲渡損失と配当所得を相殺することで、やはり還付を得られる可能性があります。


※1【税務】配当所得って申告した方がいいの?

   https://www.tkcnf.com/km/20220209-haitousyotoku


またNISA口座以外で行う譲渡においても、損失が出た場合に確定申告をすることで損失を翌年の利益と相殺して翌年分の所得税・住民税を抑えることができます(詳細は※2参照)


※2【税務】未来の爆益に備える!上場株式等の損失繰越

   https://www.tkcnf.com/km/202301-sonshitu


上記のようにNISA枠以外の取引においても、確定申告によって還付や納税額の減少につながるケースがあります。

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