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インボイス制度の少額な返還インボイスの交付義務の免除

令和5年9月7日

税理士 吉村 潤

 インボイスの交付義務については、値引き等を行った際にも売手と買手の税率と税額を一致を図るために、値引き等の金額や消費税額等を記載した返品伝票といった書類(返還インボイス)の交付義務が課されています。

この点に関して、例えば決済の際に、買手側の都合で差し引かれた振込手数料相当額やその他の経費を、売手が「売上値引き」として処理する場合に返還インボイスの発行など新たな事務負担の増加の懸念がありました。

そのため令和5年の税制改正で少額な値引き等(税込み1万円未満)については返還インボイスの交付を不要とする法律改正が施されました

 具体的にこの改正についてみてみますと、買手側が振込手数料を差し引いて売手側に支払った場合ですが、売手側は「雑費」や「支払手数料」として処理するか、あるいは「売上値引き」として売上のマイナス処理を行います。この場合、まず「売上値引き」として処理した場合、その振込手数料相当額が1万円未満であれば返還インボイスの交付は不要となります。次に「雑費」「支払手数料」で処理した場合、金融機関や取引先からインボイスの交付を受ける必要が生じますだだし、基準期間における課税売上高が1億円以下または特定期間における課税売上高が5千万円以下の課税事業者については、令和11930日まで税込1万円未満の課税仕入れについて、インボイスの交付受けないでも帳簿のみの保存で仕入税額控除を認める特例措置がありますので、この条件に該当する事業者であれば当面は「雑費」「支払手数料」の処理で問題ありません。

もう1つの処理方法としては、経理上は「雑費」「支払手数料」を使用しますが、消費税法上は売上に係る対価の返還等として「売上値引き」処理することも認められています。この場合、返還インボイスの発行が免除されます

〇詳しくは、柴田税務会計事務所 吉村迄お尋ねください。