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小規模企業共済金を受取るときの課税について

令和6年2月5日

税理士 吉村 潤

小規模企業共済の掛金は、所得税の所得控除として所得金額から控除して税額が計算されるので、その年の掛金合計額×所得税率・住民税率相当額の税金が少なくなることは、掛金をかけられている方はご存じかと思います。それに対して共済金を受け取るときの課税が、どのようになっているかはっきりとは意識していないのではないでしょうか。

1.個人事業者が廃業した場合や会社等の解散または会社等役員の退任により共済金を受取る場合

一時金受取りを選択したときは退職所得扱いとなり、分割受け取りを選択したときは公的年金等の雑所得扱いとなります。

2.その他、任意解約や中小機構による共済契約の解除により解約手当金を受取られた場合

一時所得扱いとなります。

3.所得の計算方法

  1. まず、退職所得の計算方法になりますが、退職所得は(その年中の退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2となります。共済金は退職手当等の収入金額となります。退職控除額は、20年以下は40万円×勤続年数(共済金は、納付年数)、20年超は800万円+70万円×(勤続年数-20年))となります。税金は他の所得と合算せずに税金を計算します。次に公的年金等の雑所得ですが、(その年中の公的年金等の収入金額-公的年金等控除額)となります。共済金はこの公的年金等の収入金額となります。公的年金等控除額は、受けとられる方の年齢と公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額と公的年金等の収入金額の合計額により控除額が定められています。例えば65歳以上の方でその合計所得金額が1,000万円以下、その収入金額が130万円未満であれば公的年金等控除額は110万円となります。雑所得は他の所得と合算したところで税金計算をおこないます。
  2. 一時所得は(総収入金額-支出した金額-50万円)×1/2となりますが、共済金の任意解約による場合は(解約手当金-0-50万円)×1/2となり支出した金額のところは掛金が反映しませんので注意が必要です。一時所得も先程の雑所得と同様他の所得と合算して税金を計算することとなります。

小規模企業共済の加入時は掛金の効果(節税)が捉えられやすいですが受取時については、受取りの事由により受取金額が変動することと合わせて、受取金額が所得となり受け取り方法により税金の計算方法が変わってくることを知っておくことも重要です。

〇詳しくは、柴田税務会計事務所 吉村迄お尋ねください。