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事業者がキャッシュレス決済をした時の記帳について

令和7年10月2日

税理士 小野 貴裕

以前からクレジットカードによる支払いはありましたが、最近では電子マネーやペイ口座など、キャッシュ(現金)を使わない決済が増えてきました。ここではキャッシュレスで支払いをした際の記帳の注意点を見ていきます。

支払時点による区別

従来のクレジットカードは利用した後でまとめて支払うため後払いです。一方で電子マネーやペイ口座は、先にお金を入金して利用により残高が減っていくため先払いです。

仕訳の起こし方

 後払い先払いに関係なく費用の計上は決済をした時に行います。簡単な例として消耗品100円の購入があった場合の仕訳を見ます。(「/」が入った行は仕訳で、左側が借方、右側が貸方です。)

  クレジットカード(後払い)

    消耗品を購入した時    消耗品 100円 / 未払金 100

    カードの引落があった時  未払金 100円 / 預金  100

  電子マネー(先払い)

    マネー口座に入金した時  前払金 100円 / 預金  100

  消耗品を購入した時    消耗品 100円 / 前払金 100

注意点

 1.ガソリンスタンドのプリペイドカードは先払いの形で仕訳をしますが、便宜上カードを購入した時に計上することがあります。利用した際にもレシートが出ますが両方計上すると二重計上になるので注意が必要です。

 2.ガソリンスタンドのカードや交通系電子マネーの支払いはガソリン、交通費と使用目的が決まっていますが、一方で消耗品を購入することもできます。個別の利用明細で内容を確認することが必要です。

 3.クレジットカードの明細は店名と金額が書かれていますが、それだけでは内容がわかりません。必ず利用明細を保管して内容がわかるようにしておきましょう。利用明細が食事代であったときには相手先を書くなど、仕事で使ったことがわかるようにしておくべきなのは通常の領収証と同じです。

 4.最近はクレジットカードの明細を会計ソフトと連携して自動で仕訳を計上する機能があります。その際店名からソフトが科目を学習して自動入力されますが、基本は個別の利用明細です。入力された科目で正しいのか判断する必要があります。

 5.証憑はあくまでも領収証、利用明細です。消費税の仕入税額控除の要件にも関わるため、保管しておく必要があります。

○詳しくは、柴田税務会計事務所 小野迄お尋ねください。