2025年4月8更新

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空き家特例について

令和7年3月3日

税理士 小野 貴裕

以前より空き家問題が指摘されています。相続で空き家を取得したが相続人が放置し、空き家が増えることで事故や犯罪の元になり、地域の不動産価値を下げています。一方で家屋の建つ土地は更地よりも固定資産税額が低くなるため、家屋の解体も進みません。

対策の一つとして平成28年税制改正により、相続により取得した空き家及びその敷地を売却した際に、譲渡所得から3000万円を控除する「空き家特例」ができました。ここではその概要を見ていきます。

概要

被相続人が亡くなるまで住んでおり、死後誰も住んでいない空き家を相続人が売却した際に、譲渡所得の金額から3000万円が控除されます。譲渡所得は売った値段から買った値段を差し引いて計算しますが、購入価額不明の場合は売った値段の5%で買ったとみなします。そのため所得は出やすくなります。

対象となる不動産

被相続人の住んでいた家を「被相続人居住用家屋」といいます。家屋とその敷地になっていた土地で、次の要件を満たすものが対象です。

 1.昭和56531日以前に建築されこと。2.区分所有登記されていないこと。

 3.相続開始直前に相続人以外に誰も住んでいないこと。一部例外があります。

特例を受けるための要件

 1.相続によって「被相続人居住用家屋」及び敷地を取得した相続人が譲渡すること

 2.「被相続人居住用家屋」及びその敷地を譲渡する場合と、家屋を取り壊してからその敷地のみを売却する場合があります。いずれの場合にも、相続から譲渡の時までに事業、貸付、居住の用に供していないことが必要です。

 3.相続開始時より3年を経過した日の年の1231日までに譲渡すること。

 4.売却代金が1億円以下であること。(以下略)

必要書類

不動産の譲渡であるため、購入時、売却時の売買契約書や登記簿、その他費用の書類が必要です。空き家特例の場合には加えて「被相続人居住用家屋等確認書」が必要となります。これは「相続人が亡くなるまで一人で住んでいて、死後誰も住んでいないこと」を確認するもので、市役所等に申請して発行してもらいます。確認書の取得には必要書類が多く手間と時間がかかるため、この特例を適用する場合には早めに準備しましょう。

〇詳しくは、柴田税務会計事務所 小野迄お尋ねください