令和7年4月8日
税理士 柴田 幸男
現金より土地や建物をもらった方が一般的に有利です。お金をもらってそれで土地や建物を買った場合には、相続税評価額が買い値を下回ることが多いからです。ただし、贈与により土地や建物の名儀を切り換えることになりますから、登録免許税や不動産の取得にかかる諸経費がもう一度余分にかかることにご留意ください。
贈与につき暦年課税を選択している場合、贈与後7年以内に贈与者が死亡した場合、相続や遺贈により財産を取得した者は、相続税法の「生前贈与加算」により、贈与を受けた財産が相続税の課税価格に加算されることになります。しかし、この配偶者控除を受けた部分は例外として、7年以内であっても相続税に加算されないのです。
しかし、配偶者は法定相続分又は1億6,000万円まで財産を相続しても相続税はかかりません。贈与の場合は不動産取得税や登録免許税等の登記にかかる費用がかさみますが、相続まで待てば不動産取得税はかからず登録免許税も5分の1しかかかりません。配偶者居住権も創設されていますので熟考の上で検討ください。
居住用不動産を売却した時の譲渡取得の3,000万円特別控除の適用を受けることができるのは建物の所有者ですから、いつか売るかもしれないと予測する時には土地だけでなく、必ず建物も贈与してください。
もし、この特例の適用を受けた後、何らかの事情でその住宅とその敷地を売却せざるを得ないようになった時に建物の所有者が夫婦2人であれば(割合は問われません。)3,000万円の特別控除がそれぞれ適用できることになります。(3,000万円特別控除の適用要件は別途必要です。)
〇相続税・贈与税についてのご相談は、柴田税務会計事務所 柴田までお尋ねください。