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法人間の無償譲渡はどのうように課税されるか

令和7年6月9日

税理士 小野 貴裕

法人は利益を追求する存在であるため、資産を譲渡する側はできるだけ高く売ろうとし、譲り受ける側はできるだけ安く買おうとします。一方で親子会社など特殊な関係にある法人間では利益を得る意味が薄いため、市場価格とかけ離れた価格や無償で譲渡される場合があります。ここでは法人間の無償譲渡への課税を見ていきたいと思います。

譲渡した法人

譲渡した資産を時価で売ったものとみなされ、譲渡収入が計上されます。資産の簿価よりも多い場合には譲渡益が発生し法人税が課されます。法人税法222項では「無償による資産の譲渡であっても益金の額に算入する」とされています。

譲渡収入は実際にはお金は入ってこないため、その金額を寄付したものとみなされます寄付金は損金算入に制限があります。

例外として完全支配関係の法人間の場合には譲渡損益を認識せず、繰り延べが可能です。

譲り受けた法人

資産を無料で取得したことになるため、資産を時価で計上した上で同額が収益となります。そのまま法人税の課税対象となります。こちらも完全支配関係の法人間の取引であれば、課税の繰り延べが可能です。

譲り受けたのが個人である場合

法人から個人へ無償譲渡があった場合には、受け取った個人には基本的に所得税が課せられます。ただ個人事業主が事業に関連して受け取った場合には事業所得が課せられ、法人の役員が受け取った場合には給与所得が課せられるなど、法人との関係によって税目が変わっていきます

消費税について

無償譲渡とはいえ法人税の計算では時価による取引が認識されるため、棚卸資産や固定資産の譲渡には時価を課税標準として消費税がかかります。譲渡した資産が土地や有価証券の場合には、通常の取引と同様に非課税となります

〇詳しくは、柴田税務会計事務所 小野迄お尋ねください。