令和6年11月12日
税理士 吉村 潤
新型コロナウィルス感染症による経済活動の影響は少なくなりましたが、物価の上昇をうけて事業計画が見込みとおりに実現できずコロナ影響時にうけたダメ-ジの回復が遅れています。ポストコロナに対する補助金もありますが、応募条件に見合う事業計画がなかったりして活用ができなかった場合もあります。
以上のような会社の状況において、融資が見込めそうな制度を紹介します。
1つめは、日本政策金融公庫が行っています「新型コロナウィルス感染症特別貸付」です。
融資条件としては、最近1ヶ月の売上高または過去6ヶ月(最近1ヶ月を含む)の平均売上高が前6年のいずれかの年の同期に比し5%以上減少していること、または、これと同様の状況にあること。または債務の負担が重くなっていること。かつ、中長期的にみて業況が回復し、かつ、発展することが見込まれていること。
資金の使いみちは、新型コロナウィルス感染症の影響に伴う社会的要因等により必要とする長期運転資金。返済期間は20年以内(うち据置期間5年以内)。利率は基準利率となります。事業計画の実現に時間がもう少し必要な場合に、既存の借入の返済計画の見直しが必要なときは、検討してみるのも1つの選択になります。
2つめは、セ-フティネット保証5号に認定をうけて融資をうけるものです。
融資条件としては、指定業種に属する事業を行う中小企業者であって、最近3ヶ月間の売上高等に比して5%以上減少していること。または、原油価格の上昇により製品等に係る売上原価のうち20%以上を占める原油等の仕入れ価格が20%以上上昇しているにもかかわらず、物の販売または役務の提供価格の引き上げが困難であるため、最近3ヶ月間の売上高に占める原油等の仕入れ価格の割合が前年同期の売上高に占める原油等の仕入れ価格の割合を上回っていること。
現状、資金繰りが逼迫しているための融資になりますが、一定の期間後には返済する必要があり、そのことを明らかにする資料と説明が大事になります。返済見込みがなければ、いくら資金が必要とわかってもらえたとしても融資を受けることはできません。
そのためには、信頼にたる決算書・月次試算表はもちろん、確実な資料に基づく事業計画書が必要となります。これらは、融資のためだけでなく継続する経営においては大事なものです。作成については、会計事務所にアドバイスを受けることもよろしいかと思います。
いずれの制度の融資も申し込みが増加しており、申し込みから融資をうけるまでに日数がかかりますので留意しておく必要があります。
〇詳しくは、柴田税務会計事務所 吉村までお尋ねください。