令和7年6月16日
税理士 吉村 潤
完全支配関係にある会社間で、完全親会社の有する完全子会社株式の一部を完全子会社に譲渡した場合の税務上の取り扱いですが、完全親会社は、会計上売却金額から簿価を差し引いた金額を子会社株式の譲渡損益として計上しますが、税務上は売却金額に対応する資本金等の額と子会社株式の簿価との差額(譲渡損益相当額)は、税務上親会社の資本金等の額で調整し、譲渡損益は認識しません。
それから、売却金額のうち完全子会社の利益積立金に対応する部分は、税務上みなし配当として取り扱われます。
完全親会社のみなし配当は、受取配当等の益金不算入の規定により全額課税所得になりません。
したがいまして、完全親会社においてこの取引による課税所得は生じないこととなります。
完全子会社は、会計上自己株式の取得として、資本の部に計上されますが、税務上、売却金額を資本金等の金額からなる部分と利益積立金からなる部分にわけて、それぞれを、完全子会社の資本金等の額と利益積立金から差し引く取り扱いとなります。
○詳しくは、柴田税務会計事務所 吉村迄お尋ねください。