令和6年5月9日
税理士 吉村 潤
令和6年の税制改正により、内容を一部変更して令和8年12月31日まで延長されました。
この制度は、父母や祖父母等など直系尊属から贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築・取得又は増改築等の対価に充てるための金銭を取得した場合において、定められた要件をみたすときは、省エネ等住宅で1,000万円、一般住宅で500万円までの金額について、贈与税が非課税となります。
今回の税制改正では省エネ等住宅について、令和6年7月1日以降に取得等したものにつき、各種等級が1段階引き上げられています。
この制度を活用する場合に気をつけることの一つに、父母等から金銭の贈与を受け、その金銭の全額を住宅取得等に充てることがあります。
ご相談を受ける中に住宅取得にかかわる支払いを取得者の自己資金(借入なども含めて)でおこなった後に、父母から資金の贈与を受けたが、この制度が使えないかというものが少なくありません。
この場合、残念ながら適用を受けることができません。あくまでも父母等から贈与を受けた資金で支払うことが適用条件となっています。
それから、資金の贈与を受けた年の翌年3月15日までに取得して居住することが原則となりますので、取得について計画的におこなう必要があります。
また、この制度の適用を受けることを記載した贈与税の申告書を、期限内に提出する必要がありますので、手続きもれがないようにしなければいけません。