2026年7月10更新

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相続時精算課税と暦年課税の活用法Q&A

令和8年7月8日

税理士 柴田 幸男

Q.改正された精算課税と暦年課税をどう選択すべきか悩んでいます。活用方法のポイントを教えてください。

A1.相続税のかからない家族間の贈与は精算課税が有利

平成27年1月1日以降の相続から相続税の基礎控除額が減少しており、国税当局の発表では、令和3年分の相続税の課税割合は亡くなった方の9.3%と大きく増加していますが、基礎控除額以下の財産であるため相続税がかからない家族の割合は90%超となっています。

相続税の基礎控除額は「3,000万円 + 600万円×法定相続人の人数」となっており、相続時精算課税の適用を受けた受贈財産を持ち戻した相続税の課税価格がこの基礎控除額以下であるならば相続税はかかりません。

また、令和6年以降の贈与については毎年の基礎控除110万円も創設されています。遺産が基礎控除以下の大多数の家族は贈与しても精算課税制度を選択すれば、毎年の基礎控除後、複数年にわたって利用できる2,500万円までの特別控除枠までは贈与税がかかりません。相続時に持ち戻しても相続税がかからないのですから、精算課税の選択が有利といえます。

A2.基礎控除(110万円)以下の贈与のみを繰り返すなら精算課税が有利

令和6年以降の贈与については、初年度に精算課税を選択していれば、それ以降の特例贈与者からの贈与はすべて精算課税贈与になるため、基礎控除110万円までの贈与については贈与税がかからず、かつ精算課税に係る贈与税の申告も不要とされ、非常に手続が簡便になりました。

また、暦年課税にも基礎控除がありますが、基礎控除110万円についても相続開始前贈与加算の対象となり、さらに令和6年以降の贈与から相続開始前の加算期間が3年から7年に延長されました。しかし、精算課税の場合には相続税の課税価格に加算等される贈与による累積財産の価額については、令和6年以降は毎年の基礎控除110万円を控除した残額とされます。よって、相続開始前3年から7年以内の贈与については、暦年課税より精算課税のほうが確実に有利といえるでしょう。

〇相続税・贈与税についてのご相談は、柴田税務会計事務所 柴田までお尋ねください。